奇異性脳塞栓の鍼灸【原因・定義・症状】

公開日:2022年  12月 1日

更新日:2022年  12月 3日

本日は奇異性脳塞栓について解説させていただきます。

☆本記事の内容

  • 奇異性脳塞栓とは
  • 奇異性脳塞栓の原因
  • 奇異性脳塞栓の症状
  • 奇異性脳塞栓の改善方法
  • 奇異性脳塞栓のまとめ

目次

足のしびれ、痛み

銀座そうぜん鍼灸院の宗前です。

このページを書いている私は、鍼灸師として13年、担当した利用者様数80,000人を誇り、病気の休職者300人を社会復帰できるまで回復させてきた実績があります。

 

奇異性塞栓症は、血栓が脳血管系を閉塞することで起きる脳梗塞

奇異性塞栓症は、静脈側または右房にある血栓が心臓の右左シャントにより動脈側へ流れて脳血管系を閉塞することによって起きる脳梗塞です。奇異性塞栓症は1877年にCohnheimによって報告されました。

 

奇異性塞栓症の原因となる病気には、卵円孔開存症や心房中隔欠損症や肺動静脈瘻などがあります。

 

奇異性塞栓症は、深部静脈血栓症など静脈の中で発生した血栓が、静脈を移動して最終的に脳動脈に到達して発症します。深部静脈血栓症とは、エコノミークラス症候群が有名で、長い時間同じ姿勢でいる時に起こります。

特に1番多いと言われている原因は、卵円孔開存症

奇異性脳塞栓は、先天的に心臓に穴が開いていたり肺の動静脈奇形を持っていたりする場合に起こります。

 

奇異性塞栓症の原因となる病気には、卵円孔開存症や心房中隔欠損症や肺動静脈瘻などがあります。特に1番多いと言われている原因は、卵円孔開存症です。

奇異性脳塞栓は、脳血管の血流が一時的または持続的に阻害される状態であり、その原因が特定できない場合に使用されます。奇異性脳塞栓の原因は多様であり、明確に特定することが困難な場合があります。以下では、奇異性脳塞栓の可能性のある原因を紹介します。

 

心房細動:心房細動は、心臓の異常なリズムであり、不規則な動悸や息切れを引き起こすことがあります。心房細動では、心房内で血液がうまくポンプされず、血液が滞りやすくなります。この血液の滞留が血栓形成を促し、脳への塞栓を引き起こす可能性があります。

 

心臓弁膜症:心臓の弁膜症は、心臓弁が異常な形状や機能を持つ状態です。心臓弁膜症が進行すると、血液の循環が妨げられ、血栓の形成リスクが高まります。これにより、血栓が形成されて脳への塞栓を引き起こす可能性があります。

 

心内血栓:心臓内に血栓が形成されることがあります。心臓の拡張や収縮の異常、心臓病や心筋梗塞などの状態によって、心内血栓のリスクが増加します。これらの血栓が解離して脳への塞栓を引き起こす可能性があります。

 

動脈硬化:動脈硬化は、動脈内壁にコレステロールやその他の脂質が蓄積し、血管が狭くなる状態です。動脈硬化により、血管内の血液の流れが制限され、血栓の形成が促進されます。これによって脳への塞栓が生じる可能性があります。

 

血液凝固異常:血液凝固の異常は、遺伝的な要因や病気によって引き起こされることがあります。例えば、抗凝固因子の欠乏や異常、抗リン脂質抗体症候群、ヘモクロマトーシスなどが血液凝固異常の一部です。これらの異常が血栓形成を促進し、奇異性脳塞栓の原因となる可能性があります。

 

血管の狭窄:血管内の狭窄や狭心症などの血管障害は、血液の流れを制限するために血栓の形成を引き起こす可能性があります。これによって脳への塞栓が生じることがあります。

 

その他の要因:上記の要因以外にも、ESUSの原因として考えられる他の要因が存在します。しかし、これらの要因は症状や調べた結果から明確に特定することが難しい場合があります。

 

奇異性脳塞栓の原因は個人によって異なります。

奇異性脳梗塞の症状は、人によって違う

奇異性脳梗塞の症状は、人によって違います。症状が軽い場合、頭痛やめまい、視野の異常などが起こります。症状が軽いと自然に改善することもあります。しかし、症状が重い場合は手足の麻痺や言語障害などが起きることもあります。

 

奇異性脳梗塞の原因の多くは卵円孔開存症です。卵円孔開存症が原因で発症する奇異性脳梗塞は、比較的若い世代で発症するとされており60歳未満に発症することも多いと言われています。

以下は、奇異性脳塞栓(Embolic Stroke of Undetermined Source, ESUS)の症状に関する説明です。

 

 

 

急激な神経学的症状の発現:奇異性脳塞栓の典型的な特徴は、突然の神経学的症状の発現です。これは一過性の症状であることもありますが、一部では持続的な症状となることもあります。症状の具体的な種類と重症度は、脳塞栓の位置とサイズによって異なります。

 

顔面または四肢の片側の筋力低下または麻痺:奇異性脳塞栓が脳の運動領域を影響する場合、片側の顔面や四肢の筋力低下または麻痺が発生することがあります。この症状は、片麻痺(半身不随)として知られています。

 

片側の感覚障害:奇異性脳塞栓が脳の感覚領域を影響する場合、片側の体の感覚障害が生じることがあります。これにより、片側のしびれや感覚の減退が起こることがあります。

 

言語障害:奇異性脳塞栓が脳の言語領域を影響する場合、言語障害が発生することがあります。これにより、言葉の理解や話す能力に障害が生じることがあります。

 

視覚障害:奇異性脳塞栓が脳の視覚領域を影響する場合、片側の視野の喪失や視覚のぼやけ、視力の低下が発生することがあります。

 

錯乱または認知障害:奇異性脳塞栓が脳の認知機能を影響する場合、錯乱や認知障害が生じることがあります。これにより、注意力の欠如、記憶障害、判断力の低下などが見られることがあります。

 

頭痛やめまい:一部では、奇異性脳塞栓により頭痛やめまいが発生することがあります。これは、血液の供給が阻害されることによる一過性の症状として現れる場合もあります。

 

奇異性脳塞栓の症状は個人によって異なる場合があります。また、症状の重症度や持続時間も個別の症例によって異なります。

奇異性脳梗塞の改善は、脳梗塞と同じような薬を使って改善を行う

奇異性脳梗塞の改善方法は、脳梗塞と同じような薬を使って改善を行うことです。アスピリンのような抗血小板薬やワルファリンカリウムなどの抗凝固薬を使います。

 

卵円孔開存症が原因の場合は、カテーテルを使って卵円孔を閉じる器具を留置する方法で改善を行うこともあります。カテーテルを使った改善方法が進んでいるため、手術で改善を行うことは少なくなっています。

 

しかし、カテーテルを使った改善が難しい場合や心臓の手術が必要な病気を引き起こしている場合は、手術を行うこともあります。

奇異性脳塞栓の改善方法は、症状、リスクファクター、および原因の特定に基づいて個別に決定されます。以下に、一般的な奇異性脳塞栓の改善方法を紹介します。

 

血栓予防薬の処方:奇異性脳塞栓の改善には、血栓予防薬が一般的に使用されます。これには、抗血小板薬や抗凝固薬が含まれます。抗血小板薬としては、アスピリンが最も一般的な選択肢です。抗凝固薬としては、ワルファリンや直接経口抗凝固薬(DOACs)が使用されることがあります。効果と出血リスクのバランスを考慮し、医師が最適な薬剤と投与量を決定します。

 

血圧管理:高血圧は、脳塞栓のリスクを増加させる要因の一つです。奇異性脳塞栓では、血圧の管理が重要とされています。血圧を正常範囲に制御するために、薬や生活習慣の改善(適切な食事、適度な運動、ストレス管理)が行われます。

 

心房細動:心房細動は、奇異性脳塞栓の一般的な原因の一つです。心房細動では、心房細動の管理が重要です。抗凝固薬の投与に加えて、心房細動のコントロールを目指すために抗不整脈薬やリズムコントロールの薬剤が使用されることがあります。また、心房細動には、カテーテルアブレーション手術や心臓ペースメーカーの留置などの侵襲的な処置が必要な場合もあります。

 

動脈硬化の管理:動脈硬化は、奇異性脳塞栓のリスクを高める要因です。動脈硬化の進行を遅らせるために、血液中のコレステロールや脂質の管理が行われます。これには、スタチン薬の薬、食事など定期的な運動、健康的な生活習慣の促進が含まれます。

 

生活習慣の改善:奇異性脳塞栓の改善では、生活習慣の改善が重要な役割を果たします。禁煙や減量、バランスの取れた食事、適度な運動、ストレス管理などが奨励されます。これらの変更は、再発のリスクを低減し、全体的な健康状態を改善するのに役立ちます。

 

必要に応じた手術や侵襲的な処置:一部では、特定の病因に基づいて手術や侵襲的な処置が必要となる場合があります。例えば、心臓弁膜症による血栓形成のリスクが高い場合には、心臓弁の修復や置換手術が検討されることがあります。

 

改善方法の選択肢は個別によって異なります。

脳梗塞について

脳梗塞は、脳の血管が細くなったり詰まったりすることで、脳の神経細胞に障害が起きる病気です。

 

脳の血管が詰まると数時間以内に神経細胞が壊死してしまいます。神経細胞は再生することも難しいため、麻痺などの重大な後遺症が残ることも多いです。

 

脳梗塞の原因として有名なものは、動脈硬化や不整脈です。しかし、奇異性脳塞栓も比較的若い年代に起こる脳梗塞です。

奇異性脳塞栓の改善例

Aは、50歳の男性で、以前に高血圧の判断を受けていました。最近、突然の左半身の麻痺と話す能力の低下があり、緊急病院に行きました。病院では、脳画像が行われ、右大脳半球の一部に脳塞栓が見つかりました。

 

Aは神経学的症状を示しており、一過性の脳塞栓の可能性が考えられました。ESUSの判断を確定させるため、心電図、心エコー、頸動脈エコーなどが行われました。これらの結果により、心房細動や動脈狭窄などの異常は見つかりませんでした。そのため、Aは奇異性脳塞栓と判断されました。

 

改善の開始にあたり、Aは以下のようなアプローチを受けました。

 

血栓予防薬の処方:Aには、アスピリンという抗血小板薬が処方されました。アスピリンは血栓形成を抑制する効果があり、再発のリスクを低減するために使用されます。

 

血圧管理:Aは以前に高血圧の判断を受けていましたので、血圧管理が重要とされました。彼には特定の降圧薬が処方され、定期的に血圧のモニタリングが行われました。

 

心房細動のスクリーニング:心房細動は奇異性脳塞栓の一般的な原因の一つです。Aには心電図ホルター装置が装着され、心房細動のスクリーニングが行われました。しかし、心房細動は検出されませんでした。

 

生活習慣の改善:Aは、禁煙、バランスの取れた食事、適度な運動、ストレス管理などの生活習慣の改善を促されました。これにより、全体的な健康状態の向上と再発のリスクの低減が期待されました。

 

フォローアップとモニタリング:Aは定期的なフォローアップを受け、血圧、血液、脳画像などのモニタリングが行われました。これにより、効果や症状の進行を確認し、必要に応じて計画を調整することが可能となりました。

 

Aは改善と生活習慣の改善に協力し、定期的なフォローアップに出席しました。彼の症状は時間とともに改善し、再発のリスクは低減しました。彼は血圧の管理を継続し、アスピリンの服用を続けました。さらに、健康的な生活習慣を維持し、定期的な医師の判断を受けることが奇異性脳塞栓の予防と管理において重要であることを学びました。

 

この例は、奇異性脳塞栓の一つのケースを示したものです。しかし、計画は個人によって異なる場合があります。

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