公開日:2022年 7月 3日
更新日:2025年 6月 6日
本日はクロイツフェルト・ヤコブ病について解説させていただきます。
☆本記事の内容
銀座そうぜん鍼灸院の宗前です。
このページを書いている私は、鍼灸師として13年、担当した利用者様数80,000人を誇り、病気の休職者300人を社会復帰できるまで回復させてきた実績があります。
クロイツフェルト・ヤコブ病の原因は、プリオンと呼ばれる感染因子です。プリオンと呼ばれる感染因子の本体は異常なプリオン蛋白だと考えられていますが、どのようにして感染し、なぜ発症するのかについては分かっていません。
発症において、地域によってあまり差はありません。男性よりも女性の方が少し発症が多く見られています。発症する年齢の平均は68歳です。
原因物質は「プリオン蛋白」です。異常なプリオン蛋白は、正常なプリオン蛋白に触れることで自分と同じ異常構造に変えていく伝播性を持っています。これが脳内に蓄積し、神経細胞の脱落・海綿状変化・炎症反応を起こすのです。
原因不明の場合、遺伝性の場合、病院の器具や移植などからの感染である医原性、変異型の場合があります。
クロイツフェルト・ヤコブ病の症状は、認知症や視覚異常、歩行障害などです。行動異常が見られたり性格の変化が見られたりすることもあります。
他にも、ミオクローヌスと呼ばれる不随意運動も見られるようになります。
クロイツフェルト・ヤコブ病では、数ヶ月以内に認知症が非常に早いスピードで進みます。病気を発症してから半年以内に自発運動はほとんどなくなります。その後、寝たきりの状態になります。
【初期症状】(発症から数週間〜1ヶ月)
・軽度の記憶障害・・・短期記憶の低下、物忘れ、注意力の低下など
・性格や感情の変化・・・無気力・抑うつ・攻撃的になる・イライラなど
・バランスの悪化、ふらつき・・・小脳の障害による歩行の不安定さ
・めまいや頭痛、倦怠感・・・非特異的な初期症状。風邪と間違われることも
【進行期】(発症から1〜3ヶ月)
・急速進行性認知症・・・数週間〜数か月で日常生活が困難に。幻覚・妄想・失語も伴う
・運動失調・・・小脳障害により手足のふるえ、歩行障害、字が書けないなど
・ミオクローヌス・・・急にビクッとする不随意運動。音や刺激で誘発されやすい
・視覚異常・・・かすみ目、視野欠損、複視など
️・構音障害や嚥下困難・・・話しにくい、飲み込みにくいなど。脳幹の関与が疑われる
・せん妄や意識の混濁・・・昼夜逆転や錯覚、時間や場所の見当識障害も進行
【末期症状】(発症から4〜12ヶ月)
・完全寝たきり・・・自発的な動きはほとんど失われる
・無動や無言、無反応状態・・・周囲の刺激にも反応が乏しくなる
・呼吸障害や嚥下不能・・・嚥下反射や呼吸筋が麻痺し、肺炎や窒息のリスク
今のところ、クロイツフェルト・ヤコブ病の改善方法はありません。
多くの場合、非常に早いペースで病気が進み、病気を発症してから数ヶ月以内で寝たきりの状態になります。
根本的な改善方法はありません。進行を止めることは難しいですが、生活の質を守ることが目的です。抗てんかん薬や抗精神病薬、鎮静薬や抗不安薬、鎮痛薬やモルヒネ系などの薬が使われます。
日常生活を送る上で特別に注意が必要になることはありません。しかし、他の人にクロイツフェルト・ヤコブ病が感染するリスクを避けるために献血はできません。
これは、特殊なケースで、クロイツフェルト・ヤコブ病でなくなった方の角膜や脳硬膜を移植された人にクロイツフェルト・ヤコブ病を発症した例があるためです。
病院に行くときも、必ずクロイツフェルト・ヤコブ病を発症していることを医師に伝えることが大事です。