老年期精神病の鍼灸【原因・定義・症状】

公開日:2022年  8月 3日

更新日:2022年  8月18

本日は老年期精神病について解説させていただきます。

☆本記事の内容

  • 老年期精神病とは
  • 老年期精神病の原因
  • 老年期精神病の症状
  • 老年期精神病の改善方法
  • 老年期精神病のまとめ
足のしびれ、痛み

銀座そうぜん鍼灸院の宗前です。

このページを書いている私は、鍼灸師として13年、担当した利用者様数80,000人を誇り、病気の休職者300人を社会復帰できるまで回復させてきた実績があります。

 

高齢者に現れる精神病の症状が見られる病気をまとめた呼び方

老年期精神病は、高齢者に現れる幻覚や妄想などの精神病の症状がみられる病気です。

 

高齢者に現れる精神病の症状が見られる病気をまとめた呼び方のため、正式に判断される病名ではなく、正確な定義はありません。

 

老年期に幻覚や妄想が現れる状態には、体や脳の病気を主な原因とするもの、薬物を主な原因とするもの、初めて老年期に現れた病気や薬が原因でないもの、若い年齢で統合失調症の発症を経験した高齢者に現れるものがあります。

老年期に幻覚や妄想が現れる原因は、主に4つ

老年期に幻覚や妄想が現れる原因は、主に4つあります。

 

1つ目の原因は、せん妄や認知症など主に体や脳の病気です。2つ目の原因は、アルコールや身体的な病気や精神的な病気を改善するために使っている薬です。

 

3つ目は、初めて老年期に幻覚や妄想が現れた場合で、原因が病気でも薬でもない場合に、ストレスや遅発性の統合失調症などが原因になっているものです。

 

4つ目の原因は、若い年齢で統合失調症を発症したことがあることです。高齢者の精神的な病気は、体の病気や薬やストレスなどと幻覚や妄想が関係しているのかどうかをきちんと分けることができないことも多いです。

老年期精神病は、高齢者において見られる精神障害の総称で、多くの異なる原因によって引き起こされることがあります。これらの精神障害は、認知症、うつ病、精神病など、さまざまな形で現れることがあります。老年期精神病の原因には、生物学的要因、心理的要因、社会的要因などが含まれます。以下に、これらの要因を詳しく説明します。

 

生物学的要因

脳の構造的変化: 高齢になると、脳の体積が減少し、特に前頭葉や側頭葉の萎縮がみられることがあります。これらの変化は、認知機能の低下や精神病症状の発生に寄与する可能性があります。

神経伝達物質の不均衡: セロトニン、ドーパミン、アセチルコリンなどの神経伝達物質の不均衡が、うつ病や精神病症状の原因となることがあります。

遺伝的要因: 特定の精神障害、特に認知症やうつ病は、遺伝的要因によるリスクが高いことが示されています。

 

心理的・社会的要因

孤立と社会的支援の欠如: 社会的なつながりの欠如や孤立は、特に高齢者におけるうつ病や不安障害のリスクを高めます。

生活の変化とストレス: 配偶者の死、退職、健康状態の悪化など、高齢期に伴う生活の大きな変化は、ストレスを増加させ、精神健康に悪影響を及ぼすことがあります。

 

身体的健康との関連

慢性的な病気: 心臓病、糖尿病、パーキンソン病などの慢性的な身体の病気は、精神病症状の発症に関連することがあります。

薬物の副作用: 高齢者は多くの場合、複数の薬を服用しており、これらの薬剤相互作用や副作用が精神病症状を引き起こすことがあります。

 

睡眠障害

睡眠障害: 高齢者は睡眠パターンの変化や睡眠障害を経験しやすく、これが精神健康問題につながることがあります。

老年期精神病の症状は幻覚や妄想などの精神的な症状

老年期精神病の症状は幻覚や妄想などの精神的な症状です。

 

原因が認知症の場合は、認知症の初期段階や認知機能障害がまだあまり現れていない段階で幻覚や妄想が現れます。認知症がある場合に現れる妄想は、物を盗られたという内容の妄想が1番多く見られます。

 

ほかにも、体や命が危険であるという内容の妄想や虐待されているなどの被害感を示す内容の妄想、自分の中や周りに人がいるという内容の妄想、嫉妬など家族に関係のある妄想などが見られます。

 

場合によっては、難聴や視覚や知覚の障害が妄想として現れたり幻聴として現れたりすることもあります。

 

統合失調症が原因の場合は、被害妄想や幻覚などの症状が現れても、感情や社会機能は保たれるという特徴があります。

老年期精神病は、様々な精神障害が高齢者に現れる際の総称であり、認知症、うつ病、精神病、不安障害などの病気を含みます。これらの病気は高齢者特有の症状を示すことがあり、以下に代表的な症状を詳しく説明します。

 

認知症

記憶障害: 特に短期記憶の喪失が典型的ですが、進行すると長期記憶にも影響します。

認知機能の低下: 判断力や計画能力、抽象的思考の能力の低下が見られます。

言語障害: 言葉を見つけるのが難しくなったり、会話の理解が困難になります。

日常生活動作の低下: 食事、着替え、入浴などの日常生活動作が自立して行えなくなります。

行動・性格の変化: 刺激に対する過剰反応、攻撃性、不穏な行動などが見られることがあります。

 

うつ病

悲しみや絶望感: 持続的な悲しみや空虚感、絶望感が特徴です。

興味や喜びの喪失: 以前は楽しんでいた活動に対する関心が失われます。

睡眠障害: 不眠症や過眠症など、睡眠パターンに変化が現れます。

食欲や体重の変化: 食欲不振や過食が見られ、体重が減少または増加します。

疲労感やエネルギーの低下: 日常的な活動に対するエネルギーがなく、常に疲れている感じがします。

 

精神病

幻覚: 聴覚幻覚が最も一般的ですが、視覚幻覚や嗅覚幻覚を経験することもあります。

妄想: 被害妄想や誇大妄想など、現実と異なる強い信念を持ちます。

思考の障害: 散漫で組織的でない思考、話題の飛躍が見られます。

 

不安障害

過剰な心配や不安: 特定の原因なく、または比較的小さな問題に対しても過剰に心配します。

身体的症状: 心拍数の増加、発汗、震え、息切れなどがあります。

睡眠障害: 不安によって睡眠が妨げられることがあります。

薬を使って改善することが多い

老年期精神病の改善方法は、原因によって違います。薬を使って改善することが多いですが、高齢者に薬による改善を行う場合は、発症している病気やその病気を改善するために使っている薬との関係を考慮することが大事です。

 

認知症が原因の場合は、認知症の程度や介護の必要な度合いを確認した上で家族などと話し合い介入を行うことが大事になります。

 

老年期精神病では、薬や病気、ストレスなど原因となる可能性のあることがどのくらい症状に関係しているのかをみて、改善に取り組むことが大事です。

老年期精神病の改善は、その原因、症状の種類と重さ、および全体的な健康状態に基づいて決定されます。一般的には、薬、心理的方法、社会的支援などの組み合わせが用いられます。以下に、老年期精神病の改善法について詳しく説明します。

 

抗うつ薬: うつ病にはSSRIやSNRIなどが用いられます。高齢者では副作用に注意し、低用量から開始することが一般的です。

抗精神病薬: 統合失調症や妄想障害などの精神病症状には、抗精神病薬が処方されることがありますが、高齢者における副作用リスクに注意が必要です。

認知症の薬: アルツハイマー型認知症などには、アセチルコリンエステラーゼ阻害剤やNMDA受容体拮抗薬が用いられることがあります。

不安薬: 不安症状がある場合、特定の抗不安薬が短期間使用されることがありますが、依存性や転倒リスクに注意が必要です。

 

心理的方法

認知行動法: 負の思考パターンを特定し、それらを変えることを目的としています。うつ病や不安障害の高齢者に有効です。

対人関係法: 対人関係の問題に焦点を当て、社会的支援ネットワークを強化することで、うつ症状の改善を目指します。

 

社会的支援

デイケアプログラム: 日中の活動や社会参加を促すことで、孤立感の軽減や社会的スキルの維持に役立ちます。

家族法: 家族をプロセスに含めることで、支援体制を強化し、家族間のコミュニケーションと理解を深めます。

 

生活習慣の改善

定期的な運動: 身体活動は、うつ症状の軽減や認知機能の維持に有効です。

栄養バランスの取れた食事: 健康的な食事は、全体的な健康状態の改善に寄与します。

老年期精神病の改善にはさまざまな薬剤が使用されますが、高齢者の場合、薬物感受性が高いため、副作用に特に注意が必要です。以下に、老年期精神病の改善に使う主な薬剤、その副作用、および適応される人について詳しく説明します。

 

抗うつ薬

セロトニン再取り込み阻害剤: セルトラリン、フルオキセチン。比較的副作用が少なく、高齢者にも使用されます。しかし、消化不良、睡眠障害、性機能障害が起こることがあります。

適応: うつ病、不安障害

 

抗精神病薬

非定型抗精神病薬: リスペリドン、クエチアピン。統合失調症や双極性障害、妄想障害に対して使用されますが、高齢者では脳卒中のリスク増加、運動障害、錯乱、体重増加などの副作用があります。

適応: 精神病症状、双極性障害

 

認知症の薬

アセチルコリンエステラーゼ阻害剤: ドネペジル、ガランタミン。アルツハイマー型認知症の症状緩和に用いられますが、吐き気、下痢、筋肉痛などの副作用があります。

適応: アルツハイマー型認知症

 

抗不安薬

ベンゾジアゼピン系: ロラゼパム、アルプラゾラム。短期間の使用に限られ、依存性、転倒や認知機能低下のリスクがあるため、注意が必要です。

適応: 不安障害、睡眠障害

 

高齢者では薬物代謝が低下しているため、通常の用量よりも低い用量から改善を開始し、慎重に用量調節を行うことが重要です。また、既存の病気や他の薬剤との相互作用による副作用のリスクが高まるため、薬での改善を開始する前に詳細な医歴の確認が必要です。

老年期に現れる妄想

老年期に現れる妄想では、訂正できない誤った思い込みが主に現れます。

 

妄想の内容では、いやがらせをされるという内容や家や敷地の中に侵入されるという内容、物を盗られるという内容など、被害を受けるという妄想が1番多く見られます。

老人期精神病に効果的なツボ

神庭

脳戸

内関

・百会

神庭

神庭は、精神や感情を落ち着かせる効果のあるツボです。そのため、老人期精神病に効果が期待できます。

 

ストレスでイライラした時や眠れない時、頭痛やめまいがある時にもおすすめです。

 

さらに、神庭は、アンチエイジングの効果もあります。シワを改善する効果もあり美容にも効果が期待できるツボです。

脳戸

脳戸は、頭痛や肩こりなどに使われるツボです。

 

脳戸は、たくさんあるツボの中でも重要なツボだと捉えられることも多いツボで、刺激をすることで体全体の循環を改善し、自然に改善する力を高める作用があるとされています。

内関

内関は、癒しの効果があるつぼです。そのため、精神的症状として現れる幻覚や妄想に役立つ可能性があります。

 

内関は他にも、乗り物酔いや二日酔い、つわり、胃の不快感、頭痛や不眠、のぼせや動悸、不安感などにも効果を発揮するツボです。

ツボの位置と押し方

神庭

神庭は、眉間の中心の延長線上にあるツボです。髪の生え際のすぐ上にあります。

 

押すときは、指の腹を使って垂直に押します。 ゆっくりと息を吐きながらツボを押していき、ゆっくりと息を吸いながら離しましょう。

脳戸

脳戸は、うなじ中央のくぼみから2〜2.5cm上に上がった場所にあります。

 

押すときは、強く指で押し込むのではなく、自然と頭の重みをかけてゆっくりと圧を与えていくイメージで押します。

内関

内関は、手の関節の内側にあるツボです。手を握ってグーにした時、浮かび上がってくる2本の腱の間にあります。

 

押すときは、ゆっくりと押します。押しやすく、セルフケアで使いやすいツボであるとされているため、ストレスを感じた時などに軽く刺激をすることをお勧めします。

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