膝崩れについて【原因、筋力低下、対処法を解説】

公開日:2019年 12月23日

更新日:2024年  4月20日

本日は膝崩れについて解説させていただきます。

銀座そうぜん鍼灸院の宗前です。

このページを書いている私は、鍼灸師として13年、担当した利用者様数80,000人を誇り、病気の休職者300人を社会復帰できるまで回復させてきた実績があります。

 

膝崩れとは(原因、筋力低下について)

膝崩れを理解するにあたり、次の3点が大切です。

膝崩れは歩いていて急にガクッと力が抜けてしまう症状のことです。

リカバリーはほぼ不可能で、時間との勝負です。

膝崩れを感じてから時間が経つほど、回復が難しくなります。

 

膝崩れで悩まれている方の大半は、専門家のリハビリを受けております。

マッサージではなかなか回復しないのが実情です。

膝崩れの原因

膝崩れの原因を理解する

膝崩れとは膝がカラダを支えることができず、ガクッと力が抜ける症状です。

膝崩れの正式名称は、大腿神経麻痺です。他にも、ギビングウェイ、Knee collapseともいわれます。

膝崩れとは症状の名前であり、原因によってひざ崩れの症状の強さも変わってきます。

ひざ崩れの原因は5つに分けられます。

  1. 腰椎からおきる膝崩れ
  2. おしりから起きる膝崩れ
  3. 半月板、靭帯損傷からおきる膝崩れ
  4. 膝関節から起きる膝崩れ
  5. 腸腰筋から起きる膝崩れ
①腰椎から起きる膝崩れ
腰椎から起きる膝崩れ

腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症から起きる膝崩れです。

 

腰椎2、3、4番が狭窄を起こし、神経が圧迫され、膝に力が入らなくなります。

②お尻から起きる膝崩れ

お尻に力が入らなくなり、膝崩れ現象が起きるケースです。

梨状筋症候群に多く、筋力低下と同時に足にしびれも感じます.

このケースは梨状筋のアプローチで早期の回復が期待できます。

→梨状筋症候群について

③半月板、靭帯損傷から起きる膝崩れ

半月板損傷、十字靭帯の断裂でよく見られる膝崩れ現象です。

 

 

膝の構造的な問題のため、膝のサポーターで対応できます。

膝関節から起きる膝崩れ

突然起きることが多い、膝関節の噛み合わせから起きる膝崩れ現象です。

 

  • 朝、寝起きで起きることが多い
  • 痛みを伴うことが多い
  • 時間が経つごとに膝に水がたまることがある(関節水腫)

 

このケースは、当院の関節の軸ズレの矯正を行うことで解消できます。

腸腰筋から起きる膝崩れ

1番多くみられる腸腰筋からおきる膝崩れ現象です。

 

 

以下の特徴があります。

  • レントゲン、MRIで原因がわからない。
  • 前ももの筋肉が痩せてくる。
  • 時間が経つごとに悪化している。

 

 

腸腰筋が大腿神経を圧迫して前ももの機能が低下します。

 

神経の長期間の圧迫により、筋麻痺、筋力低下がみられます。深層筋の鍼灸で早期の回復が期待できます。

膝崩れによって起きる筋力低下について

膝崩れによって起きる筋力低下について理解する

膝崩れで起きる筋力低下は、腸腰筋による大腿神経の麻痺によるものです。

大腿神経とは、前ももの筋肉(大腿四頭筋)に指令を送る神経のことです。腸腰筋の間を通る大腿神経は、構造上、非常に圧迫されやすいです。

 

大腰筋が硬くなることで大腿神経が圧迫されて脳からの伝達が遅れます。歩くときに脳は太ももに対して100%の力で体を支えろという指令を出しますが、腰の筋肉によってその神経が圧迫されてしまうと情報が太ももに伝達されません。

 

体重を50%くらいしか支えることができずガクッとなります。また、50%しか力を出せないため、筋肉がどんどん痩せていきます。これを筋肉の萎縮や麻痺と言います。この状態でリカバリーは不可能です。

腸腰筋の間をとおる大腿神経

前章でご説明した⑤の腸腰筋からおきる膝崩れは、深層筋の鍼灸で早期の回復が図れます。

 

表面上のアプローチではなく、直接、腸腰筋に鍼灸を施すことにより、腸腰筋をほぐし、神経の再生をいち早く起こします。

膝崩れは、膝の関節構造に問題があることもあると言われています。

 

実際激しい運動をしている人や運動が好きな人は縦字靭帯という膝の中にある靭帯が少し伸びてしまい、膝がずれやすくなることがあります。

膝崩れでは、歩いたり方向転換するときに膝の力が抜ける

膝崩れでは、歩いたり方向転換するときに膝がガクッと力が抜けてしまいます。この症状は、大腿四頭筋という大腿の前側の筋肉が体を支えられることができなくなり力が抜けてしまうことで起こります。

 

この症状を体験すると転ぶことが怖くなるため、なかなか外に行けずだんだん運動不足になってしまい、筋力が低下してガクッとなりやすくなります。この悪循環を繰り返している人が多くいます。

 

 

膝崩れでは筋肉がどんどん痩せて、そもそも体を支えられなくなります。そのため、歩くことができなくなります。膝崩れで長く悩まれている人の太ももを見ると悪い方の太ももがどんどん痩せていきます。

 

痩せると筋肉の大きさはなかなか元に戻りません。一度痩せてしまうと元に戻りにくく回復に時間がかかってしまうため、早期の対応が必要です。

膝崩れの対処法と注意点を理解する。

膝崩れの対処法と注意点を理解する。

膝崩れは、対処法を間違えると悪化していきます。

 

それぞれの膝崩れに、適切なアプローチをしていきましょう。

前提として、以下の対処法と注意点があります。

  • メチコバール(ビタミンB12)を服用する。
  • 腰の筋トレ、ストレッチは絶対しない。
  • 下半身の筋トレは、続けられるかぎり続ける。
  • 膝崩れには深層筋の鍼灸が非常に効果的です。
メチコバール(ビタミン12)を服用する

膝崩れで病院に行くと変形性腰椎症であると言われ、メチコバールやマルチビタミンを飲んで過ごしている人が多くいます。

腰や大腰筋へのストレッチとマッサージは絶対にしない

大腿神経を圧迫している腰や大腰筋へのストレッチとマッサージは膝崩れの悪化を招きます。

 

ストレッチは筋肉を伸長させますので圧迫が増します。特にヨガに多いため注意してください。

 

行なってよくなれば軽い方なので良いですが、行なって悪化する場合は取り返しがつかないことになります。絶対に控えてください。大腰筋の緩みを出すように自分でほぐして神経を解放してあげて改善を行いましょう。

膝崩れのセルフアプローチ

膝崩れを改善するためには大腰筋という筋肉を緩めることが必要です。

 

当院では鍼灸で大腰筋まで鍼を入れてアプローチをします。自分でアプローチを行う場合は、仰向けになり、膝を曲げた状態で両手で骨盤の内側を押します。

下半身の筋トレは続けられるかぎり続ける。

膝崩れの筋トレは自重で行うスクワットが基本です。

 

筋トレすることで悪化する場合はすぐやめましょう。

膝崩れに対しての鍼灸

膝崩れには深層筋の鍼灸が非常に効果的です

腸腰筋の鍼灸を行うことで、大腿神経を解放させることで、大腿神経の再生を促がします。

○深層筋の鍼灸は人間のもつ自己回復能力を利用した施術法です。

 

  1. 神経を圧迫するほど固まった腸腰筋に鍼灸をおこなう。
  2. 鍼灸で傷つけられた腸腰筋を、脳が察知する。
  3. 傷つけられた腸腰筋を回復させるため、細胞の再生を促がす。
  4. 結果、腸腰筋は柔らかくなり、神経の再生も進み、膝崩れ現象が無くなる。

 

膝崩れの施術風景

膝崩れでご来院した方276名のうち、深層筋鍼灸の施術によって、良くなった方は250名です。回復率は90パーセントの好成績です。

膝崩れで大事なことは2点です。

  • むやみに腰のストレッチ、マッサージを受けない。
  • 筋肉からくる膝崩れ現象は鍼灸がおすすめ。

膝崩れは、加齢やストレス、運動のしすぎ、座りすぎなどと色々な理由をつけて放置している人が多いです。

 

一時的なものであるケースが多いため、そのまま良くなっている人が多いです。しかし、悪循環にはまってしまって抜けられない人もいるため大腰筋に対するアプローチを行うことをお勧めします。

 

病院よりも、整体や鍼灸がお勧めです。

 

 

膝崩れに効果的なツボ

内膝眼

梁丘

陰陵泉

内膝眼

内膝眼は、膝の痛みに効果的なツボで、膝関節症に対しても使われます。膝が痛くて脚が伸びない時や階段の上り下りが辛い時などに刺激してみましょう。

 

膝の痛みに効果的なことから、膝崩れにもオススメのツボです。

梁丘

梁丘の梁は山の間にある架け橋を意味しており、丘は小高くなったところという意味があります。ツボの名前の由来は、膝の上の盛り上がっている外側に位置し、架け橋があるように見えることです。

 

梁丘は、膝の痛みに効果的なツボです。さらに、胃腸の働きを整えるツボとしても有名で、下痢気味の時や、お腹をこわした時、胸焼けがする時にも効果的です。

陰陵泉

陰陵泉は膝関節症など膝の痛みに効果を発揮するツボです。

 

他にも、血行をよくする効果があり、水分をスムーズに体の外へ排出する効果があります。そのため、むくみや 冷え症、腰痛などにも効果的です。

ツボの場所と押し方
内膝眼

内膝眼は、内側の膝のお皿のすぐ下にあるくぼんでいる場所にあります。外膝眼も合わせて押すことをお勧めします。外膝眼は、外側の膝のお皿のすぐ下にあるくぼんでいる場所にあります。

 

押すときは、親指の腹を使って押しましょう。

梁丘

梁丘の場所は、膝のお皿の外側で、膝のお皿の上から指幅3本分上がった場所にあります。 押すと重たいような感覚がある場所です。

 

押すときは、親指を使って押します。椅子に座って太ももをつかむようにして押しましょう。

陰陵泉

陰陵泉の場所は、ひざの内側の下にある太い骨の下にあるくぼんでいる場所にあります。

 

押すときは、親指を使っておします。ひざを軽く曲げてひざからすねをつかむようにして押しましょう。

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