公開日:2023年 2月10日
更新日:2024年 2月11日
本日は肥満細胞症について解説させていただきます。
☆本記事の内容
銀座そうぜん鍼灸院の宗前です。
このページを書いている私は、鍼灸師として13年、担当した利用者様数80,000人を誇り、病気の休職者300人を社会復帰できるまで回復させてきた実績があります。
肥満細胞症の原因は、遺伝子の突然変異です。しかし、遺伝子の突然変異がなくても肥満細胞症を発症することがあり、原因がわからないことも多くあります。
肥満細胞症は、数年にわたって肥満細胞の数が増えていき、組織にたまることで発症します。肥満細胞は免疫系を構成している細胞の仲間で、体の多くの組織に存在します。特に皮膚や肺や腸の粘膜には肥満細胞が多く存在しています。
肥満細胞は、ヒスタミンの産生をしています。ヒスタミンは、アレルギー反応や胃酸の分泌に関係する物質です。
肥満細胞症は、肥満細胞が体内の一部または全体に異常に増殖する病気です。肥満細胞は、免疫系の一部を形成し、アレルギー反応に関与する細胞で、ヒスタミンやヘパリンなどの化学物質を含んでいます。この病気は、皮膚に限局して現れる「皮膚型肥満細胞症」と、骨髄やその他の臓器を含む体の広範囲に影響を及ぼす「全身性肥満細胞症」の2つの主要な形態があります。
肥満細胞症の正確な原因は未だ完全には明らかになっていませんが、遺伝的変異が関与していることが示唆されています。特に、全身性肥満細胞症の多くのケースで見られるのは、KIT遺伝子の変異です。
KIT遺伝子は肥満細胞の成長、発達、生存に関与するタンパク質をコードしており、この遺伝子の変異は肥満細胞の異常な増殖を引き起こすと考えられています。
リスク要因は、遺伝的要因と家族歴があります。特定の遺伝子変異(特にKIT遺伝子の変異)は、肥満細胞症の発症リスクを高める可能性があります。肥満細胞症の家族歴がある人は、病気のリスクが高まることがあります。
肥満細胞症の症状は、かゆみのある斑点や丘疹、紅潮、消化不良、骨の痛みやアナフィラキシー反応、アナフィラキシー様反応などです。特に斑点や丘疹はこすったり掻いたりするとかゆみが強くなります。
消化性潰瘍が起こることもあります。消化性潰瘍は過度にヒスタミンが産生され、胃酸の分泌を促進することによって起こります。消化性潰瘍は胃痛につながったり、吐き気や嘔吐、慢性の下痢につながったりすることもあります。
他にも、不機嫌、抑うつ状態、気分の変動などがみられることも多いです。
肥満細胞症は、肥満細胞の異常増殖によって引き起こされる病気で、症状は肥満細胞から放出される化学物質によって生じます。肥満細胞症の形態には、主に皮膚に影響を与える皮膚型肥満細胞症と、体の内臓を含む広範囲にわたる全身性肥満細胞症があり、それぞれ異なる症状を示すことがあります。
・皮膚型肥満細胞症
皮膚の斑点: 褐色または赤みを帯びた斑点が皮膚に現れ、これらの斑点は摩擦や刺激によって腫れたり赤くなったりします。
かゆみ: 斑点がかゆくなることがあります。
水疱: 斑点の部位に水疱が生じることもあります。
・全身性肥満細胞症の症状
腹痛: 消化管の肥満細胞の増加により、腹痛や腹部不快感が起こることがあります。
下痢: 腸の機能障害により下痢が生じることがあります。
吐き気と嘔吐: 消化器系の影響による吐き気や嘔吐。
蕁麻疹とアンギオエデマ: 皮膚のかゆみ、蕁麻疹、腫れ。
アナフィラキシー: 重度のアレルギー反応で、低血圧、呼吸困難、意識喪失を引き起こすことがあります。
骨の痛みと骨折: 骨内の肥満細胞の増加により、骨痛や骨折のリスクが高まります。
疲労: 慢性的な疲労感。
体重減少: 消化器系の症状による体重減少。
肝臓、脾臓、リンパ節の腫大: 内臓への影響により、これらの臓器が腫れることがあります。
肥満細胞症の症状は、放出される化学物質の種類と量、および影響を受ける体の部位によって異なります。
肥満細胞症の改善方法は、薬です。かゆみを和らげるために抗ヒスタミン薬を使ったり、消化不良を軽くするためにH2受容体拮抗薬を使ったりします。
症状が進む速さが早い全身性肥満細胞症の場合は、インターフェロンなどを使ったり手術を行ったりすることもあります。
消化器系の問題や骨の痛みには、クロモグリク酸を使うことがあります。
肥満細胞症の改善は、症状の管理と生活の質の向上を目的としています。肥満細胞から放出される化学物質によって引き起こされる症状に焦点を当て、それらを軽減するための治療が行われます。以下に、肥満細胞症の改善法をいくつか紹介します。
・抗ヒスタミン薬
第二世代抗ヒスタミン薬: かゆみ、蕁麻疹、アナフィラキシー反応などのアレルギー症状を軽減するために使用されます。セチリジン、フェキソフェナジン、ロラタジンなどがあります。
H2ブロッカー: ラニチジンやファモチジンなど、胃におけるヒスタミンの作用を阻害し、胃酸過多を管理します。
・ステロイド
局所ステロイド: 皮膚の症状を軽減するために使用されます。
経口ステロイド: 重度の症状や内臓の関与がある場合に短期間使用されることがあります。
・ レオカスト(モンテルカスト)
ロイコトリエン受容体拮抗薬で、喘息やアレルギー性鼻炎の症状の管理に有効です。
・脱感作法
一部では、特定のトリガーに対する脱感作法が有効な場合があります。しかし、この方法は全ての人に適しているわけではありません。
・キトサンチン系薬剤
シクロスポリンなどの免疫抑制薬が、重症の症例で試みられることがあります。
・造血幹細胞移植
進行した全身性肥満細胞症の場合、特に改善が困難な人に対して検討されることがありますが、リスクが伴います。
・タイロシンキナーゼ阻害薬
KIT遺伝子の変異を持つ全身性肥満細胞症に対して、イマチニブなどのタイロシンキナーゼ阻害薬が有効な場合があります。
肥満細胞症の改善は、症状の種類と重症度、および全体的な健康状態に基づいて個別に決定されます。
肥満細胞症の改善に用いられる薬剤は、主に症状を緩和し、肥満細胞から放出される化学物質の影響を抑えることを目的としています。以下に、肥満細胞症の改善で一般的に使用される薬剤とその特徴、副作用について詳しく説明します。
・抗ヒスタミン薬
効果: ヒスタミン受容体をブロックし、かゆみ、蕁麻疹、鼻炎などのアレルギー症状を軽減します。
副作用: 第一世代抗ヒスタミン薬では眠気や口の乾きがあります。第二世代では副作用が少ないですが、稀に頭痛や胃腸の不快感が起こることがあります。
・ステロイド薬
効果: 強力な抗炎症作用を持ち、重度のアレルギー反応や炎症を抑えます。
副作用: 長期使用による副作用には、体重増加、骨粗鬆症、高血圧、糖尿病、免疫抑制などがあります。
・モンテルカスト(ロイコトリエン受容体拮抗薬)
効果: ロイコトリエンの作用をブロックし、喘息やアレルギー性鼻炎の症状を軽減します。
副作用: 腹痛、頭痛、吐き気など。稀に気分の変化、睡眠障害などの心理的な副作用が報告されています。
・クロマリンナトリウム(マスト細胞安定剤)
効果: マスト細胞の膜を安定させ、ヒスタミンなどの炎症性メディエーターの放出を抑制します。
副作用: 喉の刺激、咳、胸の不快感などが起こることがあります。
・イマチニブ(タイロシンキナーゼ阻害薬)
効果: 特定のKIT遺伝子変異を持つ全身性肥満細胞症に対して効果があります。
副作用: 吐き気、嘔吐、下痢、筋肉痛、皮膚発疹など。
・インターフェロンアルファ
効果: 免疫系を調節し、マスト細胞の増殖を抑えることがあります。
副作用: 発熱、倦怠感、筋肉痛、白血球数の減少など。
・脱感作法
効果: 特定のアレルゲンに対する体の反応を徐々に減少させることを目指します。
副作用: 注射部位の反応、アレルギー反応の悪化などが起こる可能性があります。特に改善の開始時には、体がアレルゲンに適応する過程で、蕁麻疹や喘息の症状が一時的に悪化することがあります。
全身性肥満細胞症の場合、広い範囲に起きる反応が重くなる傾向があります。アナフィラキシー反応やアナフィラキシー様反応も現れることがあり、失神や血圧の急激な低下を起こす可能性があるのです。
そのため、全身性肥満細胞症を発症している場合は、常にアドレナリンの自己注射用キットを持っておき、すぐにアナフィラキシー反応やアナフィラキシー様反応に処置ができる状態にしておくことが大事です。
・肩髃
・大椎
・中脘
肩髃は、湿疹や皮膚のかゆみに効果を発揮するツボです。そのため、肥満細胞症によって起こる皮膚の症状に効果が期待できます。
他にも、上肢神経痛やかゆみ肩こりなどにも効果を発揮します。
大椎は、皮膚の発疹に効果があるツボのため、肥満細胞症によって起こる皮膚の症状に役に立つことが期待できます。
また、ツボを温めことによって体全体が効率的に温まるという効果があるため、風邪による発熱や気管支喘息やアレルギー性鼻炎にも効果を発揮します。
中脘は、胃腸の病気に対して効果を発揮する代表的なツボです。そのため、肥満細胞症によって起こる胃腸の症状に効果が期待できます。
消化を助ける効果があり、疲れから回復するためにも効果があります。胃の不調によって起こる肩こりや腰痛などにも効果的です。
肩髃は、腕を真横に上げたとき、肩関節に現れるくぼみにあります。
押すときは腕を真下に垂らした状態で、反対側の手の中指や人差し指を使って押します。5秒ほど押して離しましょう。
大椎は、首筋の正中で指筋を上から下になで下ろすと首から背中にうつるあたりにある飛び出た骨の骨の直下にあります。
マフラーをするときに大椎が隠れるように使うと保温効果が高まるため、お勧めです。カイロや温めたタオルなどでツボを温めることもお勧めです。
中脘は、おへそとみぞおちをまっすぐに結んだ線上の真ん中にあります。
押すときは、親指や中指を使ってやさしく押しましょう。胃が冷えてしまった時は温めるとより効果を発揮します。自分の手のひらをカイロなどで温めて自分の手のひらをツボに当てる方法もお勧めです。
11時から21時
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