慢性硬膜下血腫の鍼灸【原因・定義・症状】

公開日:2023年 2月 3日

更新日:2023年 2月10

本日は慢性硬膜下血腫について解説させていただきます。

☆本記事の内容

  • 慢性硬膜下血腫とは
  • 慢性硬膜下血腫の原因
  • 慢性硬膜下血腫の症状
  • 慢性硬膜下血腫の改善方法
  • 慢性硬膜下血腫のまとめ
足のしびれ、痛み

銀座そうぜん鍼灸院の宗前です。

このページを書いている私は、鍼灸師として13年、担当した利用者様数80,000人を誇り、病気の休職者300人を社会復帰できるまで回復させてきた実績があります。

 

慢性硬膜下血腫は、硬膜と脳の間隙に少しずつ血液がたまる病気

慢性硬膜下血腫は、硬膜と脳との間隙に少しずつ血液がたまっていく病気のことです。

 

多くの場合は、比較的軽い頭部外傷を受けてから約2週間から3ヶ月の時期に起こりますが、頭部に外傷を受けた経験のない人に発症することもあります。

 

女性より男性に多く発症が見られる病気で、特に高齢の男性に多く見られると言われています。ただし若い女性にも発症は見られます。

慢性硬膜下血腫の原因は外傷

慢性硬膜下血腫の原因は外傷です。

 

しかし、慢性硬膜下血腫を発症している人の中で約2割の人は頭をぶつけなくても発症しているということがわかっています。そのため、外傷以外にも慢性硬膜下血腫を発症する原因があるということも考えられています。 

主な原因

・頭部外傷

① 軽度の頭部外傷

② 高齢者のリスク

 

 アルコール摂取

① 長期的なアルコール使用

 

抗凝固薬・抗血小板薬の使用

① ワルファリンやアスピリンなどの薬剤

② 高齢者での使用リスク

 

脳の萎縮

① 加齢による脳萎縮

② アルコール依存症による萎縮

 

血液凝固異常

① 自然な凝固異常

② 薬剤誘発性の凝固異常

 

慢性的な頭蓋内圧の変化

① シャント後の変化

慢性硬膜下血腫の症状は、頭蓋内圧亢進症状

慢性硬膜下血腫の症状は、頭蓋内圧亢進症状である頭痛や嘔気、嘔吐などです。他にも、片側の麻痺やしびれ、歩行障害、失語、認知機能低下、意欲や活動性の低下などが見られます。

 

多くの場合は、外傷を受けてから数週間は特に症状が見られません。しかし、少しずつ血腫が大きくなると、色々な症状が現れるのです。

主な症状

・ 頭痛

鈍い痛みや圧迫感を伴う頭痛が多く血腫の進行に伴い、頭痛が徐々に悪化します。頭が重く感じることもあります。

 

・精神・認知機能の変化

記憶力の低下、判断力の鈍化、集中力の欠如が見られたり、感情の不安定さ、無気力、または興奮しやすい状態がみられたりします。

 

・運動機能の障害

血腫が大きくなると片側の筋力低下や麻痺が生じます。足の動きがぎこちなくなり、歩行が不安定になりよく転倒するようになります。

 

神経学的症状

ぼんやりしている、反応が鈍いなどの軽度の意識障害から、昏睡状態に至ることもあります。けいれんやひきつけが見られる場合もあります。

 

視覚・感覚異常

視界がぼやける、二重に見えるなどの視覚異常、手足の感覚が鈍くなる、しびれを感じるなどがあります。

 

・全身症状

全身の倦怠感や食欲不振などがみられます。

慢性髄膜下血腫の改善方法は穿頭ドレナージ術

慢性髄膜下血腫の改善方法は、穿頭ドレナージ術です。さらに、ドレナージに加えて血腫腔内の洗浄を行うこともあります。

 

穿頭ドレナージ術とは、小さい穴を頭蓋骨に開け、その小さい穴からシリコン製のドレナージチューブを入れて、血腫を出す方法です。

 

穿頭ドレナージ術は、血腫が大きく神経症状が現れている場合に行われます。比較的血腫の大きさが小さい場合は、自然に改善する場合や内服薬で経過を見ることもあります。

主な改善方法

・軽症の場合

① 経過観察

血腫が小さく、症状が軽度で進行していない場合に行います。

② 薬物

血腫が小さく、出血が進行していない場合に行います。血腫の吸収を促進する薬(ステロイドなど)を使用します。

 

中等度から重症の場合

① 穿頭ドレナージ手術

頭蓋骨に小さな穴を開け、血腫をドレーン(管)で排出する方法です。

② 開頭手術

頭蓋骨を一部開けて血腫を完全に取り除く手術です。

改善を行わずそのまま放っておくと、命に関わる

慢性硬膜下血腫では、出血しやすいため何度も出血を繰り返して、薄い血腫が、少しずつ大きくなっていくという特徴があります。

 

そのため、改善を行うことが遅れると、意識障害や頭痛、嘔気、片麻痺、失語、物忘れなどの色々な症状につながるのです。さらに、改善を行わずそのまま放っておくと、命に関わることもあります。

おすすめ記事