側弯症の鍼灸【原因・定義・症状】

☆本記事の内容

• 側弯症とは
• 側弯症の原因
• 側弯症の症状
• 側弯症の改善方法
• 側弯症のまとめ

目次

• 多くの側弯症は脊柱がねじれて横に弯曲している側弯症
• 原因がある側弯症と原因不明の側弯症
• 側弯症が健康に及ぼす影響
• 側弯症の改善には装具を使うことが多い
• 側弯症の手術と生活

側弯症では、脊柱の弯曲が正常でない以上な形に弯曲したり、脊柱が左右に弯曲したりします。脊柱の弯曲だけでなく、背骨そのものがねじれていることもあります。

側弯症が日本で起こる割合は約1～2%だと言われており、その多くは女性です。

多くの人は脊柱がねじれて横に弯曲している側弯症です。中でも原因不明の特発性側弯症の人が多いです。生まれつき背骨の形が異常な先天性側弯症の人も多くいます。

特発性側弯症は２種類あります。10歳以下で起こる早期発症側弯症と、10歳以上で起こる思春期側弯症です。

思春期に起こる場合が多く、男子よりも女子の方が非常に多いです。女子の割合が男子の５〜８倍ほど多いとも言われています。

普通は成長して身長が伸びるとねじれのある側弯変形が進み、ある程度大人になり身長の伸びが止まると側弯変形も止まります。

変形が軽い場合は変形が残っても腰痛など痛みの原因にはなりません。そのため軽い変形であれば妊娠や出産などの生活での出来事に影響することもあまりありません。

しかし、ある程度よりも大きく変形するとその後も少しずつ変形が進みます。変形が進むと内臓を圧迫し始め、健康に影響が出ることも多いです。

側弯症は、脊椎が横方向に湾曲する状態を指します。側弯症の原因は複数あり、以下に主なものを挙げます。

特発性側弯症:最も一般的なタイプで、原因不明です。特に青少年期に多く見られます。

先天性側弯症:出生時から存在する側弯症で、胎児期の脊椎の発達異常によって引き起こされます。

神経筋性側弯症:神経や筋肉の病気（例えば脳性麻痺、筋ジストロフィー）が原因で起こります。

症候性（二次性）側弯症:他の感染症、腫瘍、代謝性の病気などの医学的状態が原因で起こります。

成人側弯症:成人期に発生する側弯症で、通常は脊椎の変性や骨粗鬆症、前の外傷や手術の結果として起こります。

側弯症では、左右の肩の高さに違いが出たり、肩甲骨が突き出したり、腰の高さが非対称になったり、胸郭が変形したり、などの症状が起こります。

側弯症が進むと、出っ張っている側の肋骨の前後がつぶれるように変形していきます。そのため、肺などの臓器が圧迫されてしまいます。

心肺機能が下がることや腰や背部に痛みが起こることがあります。

側弯症は脊椎の横方向への湾曲を特徴とする状態で、以下のような症状が現れることがあります。

不均衡な肩の高さ:一方の肩が他方よりも高くなることがあります。

片方の肩甲骨の突出:一方の肩甲骨が他方よりも突出して見えることがあります。

腰の不均衡:腰の高さが左右で異なり、片方が他方よりも高い状態です。

背中の側面に沿った突出:曲がっている背骨のために、背中の側面に沿って肋骨や筋肉が突出することがあります。

立ったときの体の傾き:立っているときに、体が一方向に傾くことがあります。

服のフィットの問題:脊椎の湾曲によって、服が体に均等にフィットしないことがあります。

背中や腰の痛み:一部では背中や腰に痛みを感じることがあります。

側弯症の症状は個人差が大きく、一部では症状が非常に軽微または全くないこともあります。特に青少年期に発症する場合、急速な成長期に症状が顕著になることがあります。重度の側弯症は、肺や心臓などの内臓機能に影響を与える可能性があります。

側弯症の改善方法で多く使われる方法は装具での改善です。現在最も多く使われている装具は、アンダーアーム型です。これは、プラスチック製で脇の下から胴体の部分に着けるものです。

アンダーアーム型の装具は、ゆったりとした服を着たら見た目では着けていることがわかりません。しかし、アンダーアーム型は胸椎の上部の弯曲には効果を発揮しません。

装具の着け方は医師の中でも意見が分かれており、２４時間着ける方法と夜間だけ着ける方法があります。理想は２４時間着ける方法であると言われていますが、硬い装具を１日中着け続けることは苦痛を伴うとの意見も多いです。

側弯症の改善方法は、原因や程度、年齢などによって様々です。

特発性側弯症で側弯の程度が軽い場合は、運動などを行い、経過を観察します。しかし、側弯が進んでいる場合は装具を使って改善を行います。

側弯症の多くは脊柱の成長期の思春期に悪くなっていきます。そのため、側弯が進む場合は手術をして矯正することが必要になることもあります。

先天性や症候性の側弯症で側弯が進み悪くなると思われるときにも手術をして改善を試みることも多いです。

側弯症の改善法は、症状の程度、弯曲の重さ、年齢、成長の段階などに基づいて決定されます。以下に、一般的な側弯症の改善法を紹介します。

観察:軽度の側弯症の場合、定期的な観察が行われます。X線を用いて、脊椎の湾曲が進行していないかを確認します。

物理的な方法:特定のエクササイズやストレッチが、脊椎の強化と柔軟性の向上に役立つ場合があります。

装具:中等度から重度の側弯症の場合、特に成長期にある子どもには、脊椎の湾曲の進行を抑制するために装具が使用されることがあります。装具は弯曲の進行を防ぐために用いられ、通常は1日中着用します。

手術:重度の側弯症の場合、脊椎をまっすぐにするための手術が行われることがあります。手術には、脊椎融合術が一般的で、脊椎の動きを制限し、安定させるために、金属の棒やネジが使用されます。

痛み管理:成人の側弯症の場合、特に痛みを伴う場合には、鎮痛剤や抗炎症薬、筋弛緩剤などが処方されることがあります。

補完的方法:ヨガ、カイロプラクティック、鍼灸などが、痛みの緩和や体の調整に役立つことがあります。

側弯症の改善方法は、個々の状況に応じてカスタマイズされます。軽度から中等度の側弯症では、通常は手術を必要とせず、装具や定期的なフォローアップで管理されます。重度の側弯症の場合は、手術が検討されることがあります。

側弯症の改善において薬は主要な方法ではありませんが、症状の緩和や関連する疼痛の管理のために使用されることがあります。以下に、側弯症の改善で使用される可能性のある薬について説明します。

・非ステロイド性抗炎症薬（NSAIDs）

効果: 痛みと炎症を和らげます。

例: イブプロフェン、ナプロキセンなど。

注意点: 長期使用は胃腸障害や腎機能障害などの副作用を引き起こす可能性があるため、適切な用量と期間を守る必要があります。

・鎮痛剤

効果: 軽度の痛みを和らげます。

例: アセトアミノフェン（パラセタモール）など。

注意点: アセトアミノフェンは肝臓に影響を与える可能性があるため、過剰摂取に注意が必要です。

・筋弛緩剤

効果: 筋肉の緊張を和らげることがあります。

注意点: この種の薬は眠気やめまいなどの副作用を引き起こす可能性があるため、使用時は慎重に。

側弯症における薬での改善は、通常は症状に対する対処としての役割を果たし、側弯症そのものを改善するものではありません。

側弯症の改善のために手術をした場合、手術の後にはまず、骨がくっついて一塊になることを考えて行動する必要があります。

日常生活を送る上で気をつけることは、運動です。半年間スポーツは禁止してください。その後、軽いスポーツから挑戦します。ある程度の運動量のあるスポーツは手術をしてから１０ヶ月後が良いとされています。

手術は背骨を金属で固定するため、背中の柔軟性がなくなります。そのため、直接体がぶつかる柔道や格闘技、ラグビーなどのスポーツはしてはいけません。

飛んだり走ったりすることは問題ないため、日常生活は普通に送ることができます。

手術をした後に出産をする人も多いです。ほとんどの人は手術をして金属が背中に入っていても問題なく日常生活を送っています。

金属があたって痛いということもありません。不都合で金属を取らなければいけなくなることもほとんどありません。気にせず日常生活を送ると良いです。