公開日:2022年 4月10日
更新日:2022年 4月30日
本日はジベル薔薇色粃糠疹について解説させていただきます。
☆本記事の内容
銀座そうぜん鍼灸院の宗前です。
このページを書いている私は、鍼灸師として13年、担当した利用者様数80,000人を誇り、病気の休職者300人を社会復帰できるまで回復させてきた実績があります。
今のところ、ジベル薔薇色粃糠疹の原因はわかっていません。原因についてはいろいろなケースが考えられています。
1番多いケースは、細菌に感染したりウイルスに感染したりしたときに、感染症の症状として皮疹が現れるケースです。このケースでは、皮疹が現れる数日前に扁桃腺が痛いなどの症状が見られます。
他にも、薬や病巣感染アレルギー、自己免疫、自家感作皮膚炎などによって反応が起き、発症するとも言われています。しかし、詳しくはわかっていません。
ジベル薔薇色粃糠疹は、一般的に自己制限的で、特定の病原体によるものとは明確には分かっていない皮膚の病気です。
ジベル薔薇色粃糠疹の正確な原因は未だに完全には解明されていません。しかし、一部の研究では、ヒトヘルペスウイルス7(HHV-7)などの特定のウイルス感染がこの状態に関与している可能性が示唆されています("Human herpesvirus 7 in pityriasis rosea" by Broccolo et al., 2005)。
その他の研究では、ウイルス感染後の免疫反応がこの疾患の発症に関与しているという説が提唱されています("Immunopathogenesis of Pityriasis Rosea" by Watanabe et al., 2015)。
しかし、これらの研究結果は一貫しておらず、ジベル薔薇色粃糠疹の原因についての結論はまだ出ていません。
病気の発生は季節的な変動を示し、春と秋にピークを迎えることが報告されています。これは特定の環境因子が疾患の発症に影響を及ぼす可能性を示唆しています。しかし、これらの環境因子が具体的に何であるかについては明らかにされていません。
さらに、一部では、精神的なストレスや身体的な疲労が発症または増悪に関与すると報告されています。
遺伝的要素がジベル薔薇色粃糠疹の発症に関与している可能性も提唱されています。一部の報告では、発症しや人の家族内に同じ症状を持つ人がいることが示されています。しかし、これらの事例は比較的稀であり、遺伝的要素が疾患の主要な原因であるとは一般的には考えられていません。
ジベル薔薇色粃糠疹は通常、初めて発症した後は再発しないとされています。これは、体が一度病気を経験すると免疫反応が形成され、再び同じ病気を発症するのを防ぐ可能性があるからです。ただし、稀に再発する事例も報告されています。
また、一部では、ジベル薔薇色粃糠疹の発症が、ウイルス感染症や、特定の薬剤の使用後に発症することが報告されています。これらの事例は、免疫反応が病気の発症に何らかの形で関与している可能性を示しています。
以上のように、ジベル薔薇色粃糠疹の原因は明確には判明していないものの、ウイルス感染、環境因子、遺伝的要素、免疫反応などが関与している可能性が示唆されています。
ジベル薔薇色粃糠疹の症状は、楕円形の赤い発疹がたくさんできることです。
皮疹は、大腿部や腹部などの皮膚の柔らかいところにできます。かゆみなどの自覚症状の程度はあまりなく、現れたとしても軽いことがほとんどです。
皮疹が現れる前に漠然とした体調不良や食欲不振、発熱、頭痛、関節痛などの風邪のような症状が現れ、1〜2週間後に皮疹が現れることも多いです。
ジベル薔薇色粃糠疹は特有の皮疹と一連の症状で特徴付けられる一般的には自己制限的な皮膚の病気です。
1. 主疹
ジベル薔薇色粃糠疹の最初の兆候は、通常、主疹と呼ばれる1つまたはそれ以上の皮疹です。この皮疹は大きな円形または楕円形で、直径は2-10cm程度です。その色はピンクから薄茶色まで変わり、中心部はしばしばスケール状になります。
主疹は体のどの部分にでも現れる可能性がありますが、最も一般的には胴体に現れます。病状が進行すると、この皮疹はしだいに大きくなり、より明確に見えるようになります。
2. 二次疹
主疹が現れてから1-2週間後、体の特定の部位に二次疹が出現します。これらの皮疹は主疹よりも小さく、多数出現します。二次疹はしばしばクリスマスツリー状のパターンを描くことから、この病気はしばしばその特徴的なパターンで診断されます。
3. 症状
ジベル薔薇色粃糠疹は通常、症状が軽微な方ですが、一部では次のような症状を経験することがあります:
軽度の発熱
疲労感
頭痛
関節痛
食欲不振
また、皮疹はかゆみを伴うことがあり、これが症状の中でも最も不快なものとなることがよくあります。
4. 特殊な形態
ジベル薔薇色粃糠疹は通常、上述の特徴を示しますが、一部では特異な形態が見られることがあります。これには、皮疹が特定の体の部位に集中する現象、皮疹が体全体に広がる現象、皮疹が逆さまのクリスマスツリー状のパターンを示す現象などが含まれます。これらの変種は比較的まれであり、一般的な形態と比べて判断が難しい場合があります。
さらに、一部では皮疹が非常に大きくなる現象、または皮疹が深く赤くなる現象が見られることがあります。これらの変種は比較的珍しいですが、特に不快な症状を引き起こす可能性があります。
5. 持続期間と自然経過
ジベル薔薇色粃糠疹の持続期間は人により異なりますが、通常は6-8週間程度で自然に消退します。しかし、一部では数ヶ月間症状が続くこともあります。特に、皮疹が広範囲にわたる場合や症状が重度の場合には、症状が長期間持続することがあります。
6. 後遺症
皮疹が治癒した後でも、色素沈着や皮膚の変色が数ヶ月間続くことがあります。特に、深い肌色の人々はこの後遺症を経験する可能性が高いです。しかし、これらの変化は通常、時間とともに自然に改善します。
以上のように、ジベル薔薇色粃糠疹は特徴的な皮疹と一連の症状を伴いますが、その症状は人により異なり、特異な形態をとることもあります。
ジベル薔薇色粃糠疹は、数週間で改善することがほとんどです。1~2ヵ月ほどで自然に改善するため、特別に改善に取り組む必要はありません。
かゆみがある場合や発疹がひどい場合は、薬を使って改善を行います。痒みを和らげるためには、抗ヒスタミン薬を使います。発疹を和らげるためには、ステロイド外用薬を使って改善を行います。
ジベル薔薇色粃糠疹は自然に改善する傾向がある皮膚の病気ですが、その間に症状を軽減するための改善が必要となることもあります。
1. 対症する
ジベル薔薇色粃糠疹の症状を緩和するためには、一般的には、症状に対して対症を行います。これは、症状を直接的に取り扱う方法であり、主に痒みや不快感を軽減することを目指しています。
痒みのためには、一般的にはトピカルステロイド(クリームやローションとして皮膚に塗るステロイド)や抗ヒスタミン薬(アレルギー反応を抑える薬)が処方されます。これらは皮膚の炎症を抑制し、痒みを軽減するのに役立ちます。
また、日常生活においては、痒みを悪化させる可能性のある要素を避けることも重要です。これには、皮膚を乾燥させる熱いシャワーやバス、刺激物質を含む洗剤や化粧品、直射日光などが含まれます。
2. 光線
光線を使った改善方法は、ジベル薔薇色粃糠疹の改善に効果的な場合があります。これは特定の波長の光を皮膚に照射することで、皮膚の炎症を抑え、皮疹を改善することを目指す方法です。
しかし、光線を使うことは一部の人には適していない可能性があり、また副作用(皮膚の赤みや痛み、長期的には皮膚がんのリスクの増加など)を引き起こす可能性があるため、医師の指示に従うことが重要です。
3. 抗ウイルス薬
一部の研究では、抗ウイルス薬がジベル薔薇色粃糠疹の改善に効果的である可能性が示唆されています。これは、ジベル薔薇色粃糠疹の一部がウイルス感染によるものである可能性があるという仮説に基づいています。抗ウイルス薬は、ウイルスの増殖を阻止することで、病気の進行を遅らせ、症状を軽減する可能性があります。
しかし、この方法はまだ完全に確立されていないため、他の改善法が効果的でない場合や症状が重度の場合に限られることが多いです。また、抗ウイルス薬には副作用があり、医師の指示に従って正確に使用することが重要です。
4. 皮膚科専門医のケア
ジベル薔薇色粃糠疹の改善には、一般的に皮膚科専門医のケアが必要です。皮膚科専門医は、皮膚の健康状態を評価し、適切な改善法を推奨します。また、皮膚科専門医は、症状の進行を追跡し、必要に応じて改善の計画を調整します。
"Pityriasis Rosea." The American Academy of Dermatology (AAD).
Eisman S, Sinclair R. "Pityriasis rosea." BMJ. 2015.
Chuh A, et al. "A Position Statement on the Management of Patients with Pityriasis Rosea." JEADV. 2016.
"Pityriasis Rosea." Mayo Clinic.
ジベル薔薇色粃糠疹は、ほとんどの場合自然に改善していきます。発熱や倦怠感、痒みなどの自覚症状もほとんどないため、過剰に心配する必要もありません。
ただし、他の皮膚に発疹が現れる病気と判別することが難しい病気です。薬疹やウイルス性発疹などの病気や体部白癬などの病気とも似ているため、疑わしい症状が現れたときは、病院に行き、医師に判断をしてもらうことが大事です。
ジベル薔薇色粃糠疹の場合は特別な改善を行わなくても自然と改善に向かいますが、他の病気である場合はそのまま放っておくと重い症状が現れることもあります。
1. A: 一般的な方法
20歳の女性
初めて病院に行った時にジベル薔薇色粃糠疹の典型的な症状を呈していました。主訴は、胸と背中に広がる複数の赤みを帯びた発疹で、特に夜間に痒みが増すとのことでした。私たちは彼女にトピカルステロイドクリームと経口抗ヒスタミン薬を処方し、痒みと皮膚の炎症を抑えることを目指しました。彼女は2週間後に再び病院に行くと、症状が大幅に改善していたことを報告しました。
2. B: 光線を使った方法
30歳の男性で、初めて病院に行った時にジベル薔薇色粃糠疹の症状を呈していましたが、対症する方法では症状があまり改善しないという状況でした。そのため、私たちは彼にUVBを推奨しました。数回の改善を行なった後、彼の皮膚の状態は大幅に改善し、痒みも軽減しました。
3.C: 抗ウイルス薬を使った方法
50歳の女性で、長期にわたるジベル薔薇色粃糠疹の症状を訴えて来院しました。一般的な方法では改善しなかったため、抗ウイルス薬の処方を考えました。この改善方法はまだ研究段階であると説明し、彼女はそれを理解した上で改善を受けることに同意しました。数週間後の再び病院に行った時には、皮疹が顕著に減少し、彼女の痒みも大幅に軽減していました。
この3つのケースは、ジベル薔薇色粃糠疹の改善における個々のアプローチの違いを示しています。改善方法の選択は、具体的な症状、一般的な健康状態、生活習慣、そして既存の改善法への反応に基づいています。
参考文献
"Pityriasis Rosea." The American Academy of Dermatology (AAD).
Eisman S, Sinclair R. "Pityriasis rosea." BMJ. 2015.
Chuh A, et al. "A Position Statement on the Management of Patients with Pityriasis Rosea." JEADV. 2016.
"Pityriasis Rosea." Mayo Clinic.
Drago F, et al. "Evidence of reactivation of human herpesvirus 6 in generalized pityriasis rosea-like eruptions." J Am Acad Dermatol. 2008.
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