慢性腎炎の鍼灸【原因・定義・症状】

公開日:2019年 12月23日

更新日:2023年 12月15日

本日は慢性腎炎について解説させていただきます。

足のしびれ、痛み

銀座そうぜん鍼灸院の宗前です。

このページを書いている私は、鍼灸師として13年、担当した利用者様数80,000人を誇り、病気の休職者300人を社会復帰できるまで回復させてきた実績があります。

 

慢性腎炎とは腎臓内で起こる炎症

慢性腎炎(慢性糸球体腎炎)は、腎臓内の「糸球体」という血液中の老廃物や塩分をろ過し、尿として体外に排出する機能を持つ器官に慢性的な炎症が起こるため、タンパク尿や血尿が長期間(少なくとも1年以上)持続するものをいいます。

腎臓病の中でも最も多いものとして知られています。

腎炎(糸球体腎炎)は慢性腎炎の他にも、急性腎炎、 ネフローゼ症候群などいくつか種類があり、下記で見分け方を解説していきます。

「腎炎」には様々なタイプがあり、それぞれの症状には大きな違いがあります。

WHO(世界保健機関)の分類に基づいて、代表的な3つのパターンを説明します。

慢性腎炎(慢性糸球体腎炎)

今回このページでメインで紹介している慢性腎炎は、特に症状がないことが多いのが特徴です。

腎臓の「糸球体」というろ過フィルターに慢性的な炎症を起こし、腎臓が傷んできて、血液中のたんぱく質や赤血球が尿に混ざります。IgA腎症ともいい、小学校高学年以後に多く発症し、真っ赤な尿で気づかれることがあります。

 

  • 急性腎炎(急性糸球体腎炎)

急性腎炎は他の感染症状が出現した後に現れます。最も多いのはA群溶血性連鎖球菌(溶連菌)による急性扁桃腺炎や咽頭炎などを患った後、発病することが多いです。

また、皮膚の感染の後に症状が出現することもあります。

これらの感染1~3週間後にむくみや血尿に気付きます。

高血圧、倦怠感、息切れなどの症状がみられることもありますが、急性腎炎の場合、これらの症状が自然に軽快することが多いとされています。

 

ネフローゼ症候群

尿にタンパクが多量に混じり、血中のタンパクが減り低たんぱく血症が起こります。結果、身体のむくみが起こる症状が特徴です。

低タンパク血症で血管内の水分が減少し血管外に水分と塩分が増えるためにむくみが起こるという仕組みです。

重症化すると、肺や腹部、さらに心臓や陰嚢にも水がたまってしまい血液中のコレステロール値も上がります。

腎不全、血栓症、感染症などを伴う危険性もあります。

慢性腎炎の原因は不明なことが多い

慢性腎炎の原因は急性の腎炎が慢性化することや自己免疫の病気の影響などさまざまですが未だ不明なことも多い病気です。

そのため根本的な改善法は確立されていません。

現段階では、主に腎臓そのものよりも腎臓外に原因があることが想定されています。

リンパ球の機能異常、細菌やウイルス感染症、また、遺伝が関係していると考えられています。

慢性腎炎は、腎臓の慢性的な損傷や機能低下を特徴とする病気で、多くの場合、時間をかけて進行します。慢性腎炎の原因は多岐にわたり、以下に主なものを挙げます。

 

糖尿病:糖尿病は、慢性腎炎の最も一般的な原因の一つです。高血糖により、腎臓の血管が損傷し、腎機能が徐々に低下します。

 

高血圧:長期間の高血圧は、腎臓の血管に負担をかけ、腎機能の低下を引き起こすことがあります。

 

自己免疫の病気:全身性エリテマトーデス(SLE)や好酸球性肉芽腫症などの自己免疫の病気が腎臓に影響を及ぼすことがあります。

 

遺伝性の病気:ポリキスチン腎症やアルポート症候群など、遺伝的に腎臓の異常を引き起こす病気が原因の場合もあります。

 

尿路の障害:長期間の尿路感染症や尿路結石、前立腺肥大など、尿の流れを妨げる状態が腎損傷を引き起こすことがあります。

 

腎炎:急性腎炎が慢性化することもあります。糸球体腎炎や間質性腎炎などが、慢性腎炎に進行することがあります。

 

薬剤や毒素への曝露:一部の薬剤(例:非ステロイド性抗炎症薬)や重金属、他の毒素が腎臓に損傷を与える可能性があります。

 

感染症:HIVやB型肝炎、C型肝炎など、特定の感染症が腎臓に影響を及ぼすことがあります。

慢性腎炎の改善は薬と食事

原因が不明であるため、根本的な改善法は確立されていませんが、食事や薬での改善を行います。

近年日本では、扁桃腺の摘出とステロイドの併用がよい成績をあげています。

 

薬では他にも抗血小板薬や抗凝固薬、高血圧を下げる作用のある降圧薬や

※副腎皮質ステロイド薬を使用します。

 

※副腎皮質ステロイド薬:ステロイドとは、腎臓の上にある副腎から作られる副腎皮質ホルモンの1つです。 ステロイドホルモンを薬として使用すると、体の中の炎症を抑えたり、体の免疫力を抑制したりする作用がある

 

また、尿タンパク1g以上を放置すると10年でおよそ30%が慢性腎不全に移行します。慢性腎不全は腎臓の機能が数カ月から数年をかけて徐々に低下していく病気です。定期的に尿を調べることが非常に大切です。

<食事>

薬と併用して食事も改善します。

 

  • 十分なエネルギー補給(カロリー34~40kcal/標準体重kgあたり)
  • タンパク制限食(0.6~1.2g/標準体重kgあたり)
  • 食塩制限(食塩6g)

 

糸球体腎炎では高血圧になりやすく、腎不全の進行速度と高血圧との関係が深いため、血圧の低下および正常化を目的とした食塩制限は重要になります。

慢性腎炎の改善と改善には、病状の進行を遅らせ、残存する腎機能を保持することが重要です。以下に、慢性腎炎の改善に役立つ一般的な方法を挙げます。

 

血圧管理:高血圧は腎機能低下の進行を加速させるため、血圧を適切な範囲に保つことが重要です。ACE阻害剤やARBなどの血圧降下薬が処方されることがあります。

 

糖尿病のコントロール:糖尿病の場合は、血糖値を適切に管理することで腎症の進行を遅らせることができます。

 

食事:塩分の摂取制限、たんぱく質の制限、カリウムやリンの摂取量の調整など、腎臓に負担をかけない食事を心がけます。

 

適切な水分摂取:脱水状態を避けるために適切な水分摂取が必要ですが、水分の過剰摂取もまた避けるべきです。

 

禁煙:喫煙は腎臓の健康に悪影響を及ぼし、病状の悪化を早める可能性があります。

 

運動:定期的な運動は血圧を下げ、全体的な健康状態を改善するのに役立ちます。

 

体重管理:適切な体重を維持することで、糖尿病や高血圧などのリスクを減らすことができます。

 

薬剤の使用に注意:非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)など、腎臓に負担をかける薬剤の使用を避けるべきです。

 

定期的なフォローアップ:腎機能のモニタリングと必要に応じた改善の調整が重要です。

 

これらの改善方法は、個々の健康状態や病状に応じて調整されるべきです。

慢性腎炎の改善に使用される薬は、病状の進行を遅らせ、残存する腎機能をできる限り保つことを目的としています。以下に、慢性腎炎の改善に一般的に使用される薬を挙げます。

 

血圧降下薬:高血圧は腎臓の病気の進行を加速させるため、血圧を管理するための薬が重要です。

 

ACE阻害剤(例:エナラプリル、リシノプリル)やARB(例:ロサルタン、バルサルタン)は、腎機能を保護する効果があるとされています。

 

利尿剤:余分な水分やナトリウムを体外に排出し、浮腫や高血圧をコントロールします。チアジド系利尿剤やループ利尿剤(例:フロセミド)が使用されます。

 

リン結合薬:腎機能低下に伴い血中リンが増加することを防ぎます(例:セベラマー、カルシウムアセテート)。

 

エリスロポエチン:腎臓が十分なエリスロポエチン(赤血球生成を刺激するホルモン)を生成できない場合、合成エリスロポエチンの投与が行われます。

 

鉄補充:貧血の治療に鉄製剤が用いられることがあります。

 

ビタミンD補充:腎機能低下によりビタミンDの活性化が減少するため、ビタミンDの補充が必要になることがあります。

 

脂質降下薬:高脂血症をコントロールするためにスタチンなどの脂質降下薬が使用されることがあります。

 

慢性腎炎の改善においては、これらの薬に加えて、食事や適切な水分摂取、禁煙、運動などのライフスタイルの変更も重要です。

慢性腎炎にならないためには毎日のチェック

慢性腎炎は、放置しておくと人工透析や腎移植が必要な慢性腎不全になってしまうこともある病気です。

重症化しないため、そして早期に異変に気付けるようにまずはご自身で毎日以下の内容をチェックすることをお勧めします。

異変があった際はすぐに医療機関に行ってください。

 

尿のチェック

色に濁りと泡立ちが強く、匂いがきつい尿が続いていたら要注意です。

尿の色は摂取した水分量の影響で変わったりします。朝早くの尿は色が濃く、寒いときや水分を大量摂取した後の尿は無色に近いなど、感じたことがあると思います。

食事や時間などに注意し毎日チェックしていきましょう。
健康なときの尿はほとんどニオイがありません。普段との違いが続く場合、病院にいくことをおすすめします。

 

足や顔がむくんでいないかのチェック

足や顔のむくみが続く、、、もしかしたら腎臓のせいかもしれません。
腎臓は水分を尿として排出する機能を持ちます。そこが正常に機能しなくなると、体内に水分が溜まってしまうので、身体のさまざまな箇所がむくみます。

異常なむくみを感じたら腎臓の異常を疑い、医療機関にいきましょう。

また、心不全や栄養失調なども腎臓以外でむくみの原因になります。

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