類天疱瘡の鍼灸【原因・定義・症状】

公開日:2021年 12月10日

更新日:2021年 12月18日

本日は類天疱瘡について解説させていただきます。

☆本記事の内容

  • 類天疱瘡とは
  • 類天疱瘡の原因
  • 類天疱瘡の症状
  • 類天疱瘡の改善方法
  • 類天疱瘡のまとめ
足のしびれ、痛み

銀座そうぜん鍼灸院の宗前です。

このページを書いている私は、鍼灸師として13年、担当した利用者様数80,000人を誇り、病気の休職者300人を社会復帰できるまで回復させてきた実績があります。

 

類天疱瘡は、皮膚に水疱やびらん、紅斑が現れる自己免疫性水疱症

類天疱瘡は、自己抗体が原因となって皮膚や粘膜に水疱やびらん、紅斑が現れる病気です。類天疱瘡は大きく3つに分けることができます。水疱性類天疱瘡、粘膜類天疱瘡、後天性表皮水疱症です。

 

日本で類天疱瘡を発症している人は、大体7000~8000人ほどいると言われていますが、症状が軽い人も含めるとより多くの発症者がいると考えられています。発症している人の中でも「ほとんどの類天疱瘡は、水疱性類天疱瘡です。

 

類天疱瘡は、60歳以上の人に発症することが多いです。中でも70歳くらいから90歳代くらいの人に多いと言われています。後天性表皮水疱症の場合、発症が多く起こる年齢は、30歳くらいから60歳代くらいであると言われています。

類天疱瘡の原因は、自己抗体ができること

類天疱瘡の原因は、自己抗体ができることです。水疱性類天疱瘡、粘膜類天疱瘡、後天性表皮水疱症でそれぞれ何に対して自己抗体ができることが原因となっているのかということが違います。

 

ただ、今のところなぜ自己抗体が作られるのかということは詳しくはわかっていません。遺伝することはないと言われています。

 

水疱性類天疱瘡の場合は、表皮と真皮の境にある基底膜にあるヘミデスモソームの構成タンパクであるBP230やBP180に対しての自己抗体ができることによって起こります。

 

粘膜類天疱瘡は、BP180やラミニン332に対しての自己抗体ができることによって起こります。後天性表皮水疱症は基底膜タンパクの7型コラーゲンに対しての自己抗体ができることによって起こります。

類天疱瘡は一種の皮膚の病気で、特に皮膚の中層に位置する真皮層と表皮の境界で水疱が形成されることが特徴的です。その原因について詳しく説明していきましょう。

 

まず初めに、類天疱瘡の原因には、複数の因子が絡み合っています。これらには、遺伝的要素、免疫系の異常、環境要素などが含まれます。

 

遺伝的要素については、類天疱瘡は特定の遺伝子変異と関連していることが知られています。その多くは皮膚細胞間を結びつける構造、つまり「デスモソーム」と関連しています。これらの遺伝子変異は、デスモソームが正常に機能せず、皮膚細胞間の接続が弱まる結果をもたらします。その結果、物理的なストレスや摩擦により、皮膚細胞が剥がれ落ちやすくなり、水疱が形成されるのです。

 

次に、免疫系の異常についてです。免疫系が正常に機能すると、体は外から侵入してくる病原体に対抗して防御を行います。しかし、免疫系が過剰に反応すると、自己の体組織を攻撃する「自己免疫反応」が起こります。類天疱瘡では、特定の免疫細胞がデスモソームの一部を異物と誤認し、攻撃を開始します。これが皮膚の炎症と水疱形成を引き起こします。

 

最後に、環境要素について説明します。これには、摩擦や皮膚への物理的な損傷、ストレス、気候、飲食習慣などが含まれます。これらの要素は、皮膚の摩擦を引き起こし、それによって水疱が形成される可能性を高めます。また、ストレスは免疫系のバランスを崩すため、自己免疫反応の引き金となる可能性もあります。

 

以上が、類天疱瘡の原因についての一部です。これらの原因の組み合わせは、人によりそれぞれ異なる形で現れます。したがって、類天疱瘡の原因を理解することは、改善方法や管理法を適切に選択する上で非常に重要です。

 

いくつかの研究では、類天疱瘡の発症に関与するさまざまな遺伝子の異常が明らかにされています。しかし、これらの遺伝子変異がすべての人に見られるわけではなく、遺伝的要素と環境要素が複雑に絡み合って病状を引き起こすと考えられています。

 

特に、類天疱瘡は、皮膚の構造を維持するためのデスモソームと呼ばれる細胞間接着構造の機能不全によって発症します。このため、デスモソームの機能を正常に保つことが改善の一環となります。

 

さらに、環境的な要素も類天疱瘡の発症に影響を及ぼします。具体的には、物理的なストレスや皮膚への摩擦、精神的なストレスなどが関与します。これらの要素は、すでに皮膚組織が脆弱になっている場合は、症状を悪化させる可能性があります。

 

また、免疫系の異常は、類天疱瘡の発症に大きく関わります。正常な状態では、免疫系は体を守るために働きますが、何らかの理由で免疫系が自己の組織を攻撃するようになると、自己免疫の病気が発症します。類天疱瘡もこの一種で、免疫細胞がデスモソームを攻撃し、その結果、皮膚組織に損傷が生じると考えられています。

水疱性類天疱瘡の症状は、浮腫性紅斑や水疱、びらんが現れること

類天疱瘡の主な症状は、皮膚や粘膜に水疱やびらん、紅斑が現れることです。水疱性類天疱瘡と粘膜類天疱瘡、後天性表皮水疱症の種類によって症状が現れる場所は違います。

 

水疱性類天疱瘡の場合の症状は、浮腫性の紅斑や緊満性水疱やびらんが現れることです。症状が現れる場所は、体幹四肢などです。腔粘膜に起こることもあります。紅斑や水疱、びらんなどの症状に合わせて痒みも起こります。

 

粘膜類天疱瘡の場合、水疱やびらんが現れる場所は、眼や口腔の粘膜です。しかし、場合によっては喉や鼻、陰部、肛囲の粘膜に症状が現れることもあります。

 

後天性表皮水疱症の場合、水疱やびらんが現れる場所は四肢です。中でも、外からの力がかかる部位が中心になります。

 

ほとんどの類天疱瘡は、水疱性類天疱瘡です。

類天疱瘡は、皮膚の中層に位置する真皮層と表皮の境界で水疱が形成されることが特徴的な皮膚の病気です。この症状は皮膚の特定の部分に限られず、体のどこにでも現れる可能性があります。類天疱瘡の症状は多岐にわたり、その程度は軽度から重度までさまざまです。今回はその詳細について説明します。

 

水疱:類天疱瘡の最も典型的な症状は皮膚上に形成される水疱です。これらの水疱は通常、赤い皮膚の周囲に現れ、中には透明または乳白色の液体が含まれています。水疱は単独で現れることもありますが、しばしば群生して現れることもあります。これらの水疱は非常に脆く、容易に破裂し、その結果、潰瘍やひどい場合には傷跡を残すことがあります。

 

皮膚の痛みと痒み:水疱はしばしば痛みとともに現れ、特に水疱が破裂したときには強い痛みを感じることがあります。また、皮膚の痒みもまた、類天疱瘡の一般的な症状です。これらの症状は日常生活に影響を及ぼし、夜間の睡眠を阻害する原因にもなります。

 

口内炎:一部では、口腔内にも水疱が形成され、これが破裂すると痛みを伴う口内炎を引き起こすことがあります。これは飲食に影響を及ぼし、十分な栄養摂取が難しくなることもあります。

 

皮膚の感染:水疱が破裂し、生じた潰瘍が感染すると、皮膚感染症を引き起こす可能性があります。これは痛みや腫れを伴い、さらに熱や全身的な不快感を引き起こす可能性があります。

 

ネイルチェンジ:一部では、爪の変化が見られることもあります。これには爪の色の変化、形状の変化、爪が剥がれるなどが含まれます。これらの症状は美容的な問題だけでなく、日常生活の一部を難しくする可能性もあります。

 

皮膚の変色:水疱が改善した後、皮膚の変色が見られることがあります。特に水疱が破裂した部位では、暗色または明色の変色が残ることがあります。この変色は数ヶ月または数年にわたり続くことがあります。

 

疲労感:体内の免疫反応の結果として、一般的な疲労感や不快感を感じることがあります。この疲労感は慢性的であることが多く、日常生活の質に影響を及ぼす可能性があります。

 

精神的ストレス:類天疱瘡の症状は、見た目に影響することが多く、これが精神的ストレスを引き起こす可能性があります。特に、自己意識の高まり、社会的孤立感、うつ症状などが見られることがあります。

 

慢性的な皮膚の症状:一部では、皮膚の症状が慢性化し、絶えず新たな水疱が形成され、古いものが改善するパターンを繰り返すことがあります。これは皮膚の健康を長期的に影響し、改善方法の選択肢を限定する可能性があります。

 

類天疱瘡の症状は、個人によりそれぞれ異なります。一部では症状が比較的軽度であり、他では重度の症状が見られることがあります。また、症状の強度は時間とともに変化し、一部では「フレア」と呼ばれる症状の悪化期と、症状が改善する「リミッション」期を繰り返すことがあります。

類天疱瘡の改善方法は、免疫を抑制する方法

類天疱瘡の改善方法は、免疫を抑制する方法です。免疫の抑制は、自己抗体が作られないようにすることと自己抗体の働きを抑えるために行います。

 

症状が中等症以上の場合は、副腎皮質ホルモンを使って改善を行います。病気の勢いが強く、なかなか抑えられない場合は、血漿を交換する方法や、ステロイドパルスなども行うことがあります。

これらの症状に対処するためには、病状の管理と適切な改善を行うことが重要です。皮膚科専門医や専門家との定期的なチェックアップやコミュニケーションを通じて、症状の進行を監視し、適切な方法を選択します。

 

 

 

皮膚の痛みや痒みを管理するためには、トピカル(局所的)なステロイド薬や抗ヒスタミン薬が使用されることがあります。これらの薬は炎症を抑え、痒みを和らげます。

 

 

 

口内炎に対しては、鎮痛剤や特殊なうがい薬が処方されることがあります。また、適切な口腔ケアも重要で、柔らかい食事の摂取や、痛みを引き起こす可能性のある辛い食事やアルコールの摂取は避けるべきです。

 

 

 

皮膚の感染を防ぐためには、適切な皮膚ケアと清潔さの維持が重要です。特に、水疱が破裂した部位は感染のリスクが高いため、清潔に保つことが重要です。感染が発生した場合には、抗生物質が必要となる場合があります。

 

 

 

爪の問題に対しては、爪を短く刈り込むことで症状の悪化を防ぐことが推奨されます。重度の場合には、専門家による改善が必要となる場合があります。

 

 

 

精神的なストレスや疲労感に対しては、リラクゼーションテクニックや適切な休息、バランスの良い食事、定期的な運動が有効です。また、心理的な介入やカウンセリングが必要な場合もあります。

 

類天疱瘡の症状は慢性的で、日常生活に大きな影響を及ぼす可能性があります。しかし、適切な改善を行うこととケアにより、これらの症状は管理可能です。そのため、発症した場合は自分自身が自身の症状を理解し、それに対処するための適切な手段を学ぶことが重要です。

ステロイドは自己判断でやめたり減らしたりしない

水疱やびらんが現れている時には、刺激を避けるために柔らかい素材の脱いだり着たりしやすい衣服を着ることをお勧めします。

 

ステロイドは自分の判断でやめたり量を減らしたりすると、急に水疱が再発することもあります。きちんと医師の指導のもとで改善を行うことが大事です。

 

ステロイドの副作用として、感染症に感染しやすくなったり糖尿病や肥満、骨粗鬆症、胃潰瘍、高血圧などにつながったりすることもあります。

 

体調に不安を感じた時にはすぐに病院に行きましょう。

類天疱瘡の改善例

類天疱瘡の改善方法は個人によって異なります。そのため、以下に示すのは一例であり、適応される具体的な計画には個々の症状や体調、生活環境などが考慮されます。

 

50歳の男性Aさんのケース

Aさんは、過去数カ月にわたり、手と足に定期的に水疱が発生するという症状に悩まされています。特に手に出る水疱が破れると痛みを伴い、日常生活に影響が出ています。皮膚科専門医に類天疱瘡と判断されました。

 

薬: まず、Aさんには全身的な症状を抑えるための薬が適用されました。抗体が体内の細胞を攻撃するのを防ぐ免疫抑制薬の一種であるプレドニゾロンが処方されました。しかし、長期的に高用量を使用すると副作用のリスクが高まるため、その状態を定期的に医師がモニタリングし、必要に応じて用量を調整しました。

 

トピカルクリーム: また、痛みと炎症を和らげるために、ステロイドを含むトピカルクリームも処方されました。これは水疱が特に痛みを伴う手の部分に直接塗布し、症状の緩和を試みました。

 

スキンケア: 水疱が破れた際の感染予防として、特別なスキンケアのアドバイスが提供されました。これには、優しい洗浄剤の使用、乾燥を防ぐためのモイスチャライザーの定期的な使用、創傷部位の清潔な保持などが含まれました。

 

生活習慣の改善: ストレスが類天疱瘡の症状を悪化させる可能性があるとされています。そのため、Aさんはストレスマネジメントの方法を学び、リラクゼーションテクニックを習得しました。また、適度な運動、十分な睡眠、バランスのとれた食事を心がけるよう助言されました。

 

痛み管理: Aさんの手の水疱は痛みを引き起こしていたため、鎮痛薬の処方も行われました。また、痛みを抑えるために物理的な介入なども行いました。

 

心理的サポート: 類天疱瘡は外見に影響を及ぼし、心理的な影響を及ぼす可能性があります。そのため、Aさんは心理的サポートを受け、必要に応じて心理的な介入を受けるよう提案されました。

 

結果、Aさんの類天疱瘡の症状は徐々に改善され、日常生活の質が向上しました。しかし、類天疱瘡は慢性的な病気であり、治療は継続的なモニタリングと調整を必要とします。定期的なチェックアップと症状の報告を続けることで、Aさんの改善の計画は適応的に更新され、病状の改善につながりました。

 

Aさんのケースは、類天疱瘡の典型的な改善の例ですが、全ての場合に適用されるわけではありません。計画は患者の年齢、全般的な健康状態、症状の重度、改善への反応など、様々な要素を考慮して個々に調整されます。

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