ヘリコバクター・ピロリ菌感染の鍼灸【原因・定義・症状】

公開日:2022年 10月 2日

更新日:2022年 10月20日

本日はヘリコバクター・ピロリ菌感染について解説させていただきます。

☆本記事の内容

  • ヘリコバクター・ピロリ菌感染とは
  • ヘリコバクター・ピロリ菌感染の原因
  • ヘリコバクター・ピロリ菌感染の症状
  • ヘリコバクター・ピロリ菌感染の改善方法
  • ヘリコバクター・ピロリ菌感染のまとめ
足のしびれ、痛み

銀座そうぜん鍼灸院の宗前です。

このページを書いている私は、鍼灸師として13年、担当した利用者様数80,000人を誇り、病気の休職者300人を社会復帰できるまで回復させてきた実績があります。

 

ピロリ菌に感染している日本人の数は約3500万人

ヘリコバクター・ピロリ菌感染は、ヘリコバクター・ピロリ菌によって胃炎や潰瘍などを引き起こす細菌感染のことです。ピロリ菌に感染している日本人の数は約3500万人と言われています。

 

ピロリ菌は胃の粘膜に生息しているらせん形をした細菌で、胃酸を中和するウレアーゼという酵素を持っています。そのため、胃の内部が胃酸によって強い酸性の状態であっても胃の粘膜に住み着くことができるのです。

 

ピロリ菌に感染すると胃に炎症が起こります。ピロリ菌に感染し、長い期間炎症が続くと萎縮性胃炎を発症し胃の粘膜が萎縮していきます。萎縮性胃炎を発症してもさらに炎症が続くと、胃がんにつながることもあります。

口を介した感染や幼少期に生水を摂取したことが関係している

ピロリ菌に感染する原因ははっきりとはわかっていません。今のところ、口を介した感染や幼少期に生水を摂取したことが関係していることが多いと考えられています。

 

そのため、上下水道が十分に普及していなかった世代の人にピロリ菌感染している割合が多いということがわかっており団塊世代以前の感染率は約8割とも言われています。比べて、若い世代のピロリ菌感染率は低いです。

ヘリコバクター・ピロリ)菌は、胃の粘膜に感染する細菌で、胃炎、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、さらには胃がんや胃粘膜関連リンパ組織リンパ腫の原因となることが知られています。H. pyloriの感染経路は完全には解明されていませんが、主に以下の原因や経路によって感染すると考えられています。

 

・口から口への伝播

H. pyloriは唾液を介して人から人へと伝播する可能性があります。共有の食器やキスなどの密接な接触が感染の原因となることがあります。

 

糞口経路

感染者の便に含まれるH. pyloriが口に入ることで感染する可能性があります。不衛生な環境や手洗いの習慣が不十分な場合にリスクが高まります。

 

 汚染された水や食品

H. pyloriは水や食品を介しても伝播する可能性があります。特に汚染された水源や衛生状態が悪い食品を通じて感染することがあります。

 

家族内の密接な接触

家族内でH. pylori感染者がいる場合、他の家族メンバーへの感染リスクが高くなります。これは、家族間での密接な接触や共有される生活環境によるものです。

 

生活環境と社会経済的要因

発展途上国や低所得地域では、衛生状態が悪く、過密な居住条件によりH. pyloriの感染率が高くなる傾向にあります。清潔な水や衛生的な生活環境の不足が感染リスクを高めます。

 

H. pylori感染は非常に一般的で、世界人口の約半数が感染していると推定されています。多くの人が症状を示さずに感染していますが、一部の人では胃の問題を引き起こす可能性があります。

現れることが多い症状は、胃炎や胸やけ、胃もたれ、食欲不振など

ヘリコバクター・ピロリ菌感染をしても、多くの人は自覚症状がありません。現れることが多い症状は、胃炎や胸やけ、吐き気、嘔吐、胃もたれ、食欲不振、消化不良や胃の不快感などです。

 

ピロリ菌に感染すると、除菌しない限りピロリ菌が胃の中に住み続けます。そのため、慢性的な炎症が続くことになります。

ヘリコバクター・ピロリ菌による感染は、多くの場合、特に症状を引き起こさないことが一般的です。しかし、感染が胃や十二指腸の炎症、潰瘍などの問題を引き起こす場合、以下のような症状が現れることがあります。

 

消化不良

食後の不快感や膨満感、胃がもたれる感じなどが現れることがあります。

 

腹痛

胃の上部や腹部の中心に痛みが生じることがあります。この痛みは食事の後に悪化したり、空腹時によく感じられたりすることがあります。

 

胸やけ

胃酸の逆流によって胸部に不快感や痛みを感じることがあります。

 

吐き気や嘔吐

胃の不調によって吐き気を感じたり、場合によっては嘔吐することがあります。

 

体重減少

食欲不振や食事による痛みのために、体重が減少することがあります。

 

黒い便や血便

消化管出血がある場合、便が黒く変色したり、血便が見られることがあります。

 

貧血

潰瘍からの出血が継続すると、貧血を引き起こすことがあります。

ピロリ菌に感染した場合の改善方法は、ピロリ菌を除菌すること

ピロリ菌に感染した場合の改善方法は、ピロリ菌を除菌することです。除菌することで、胃潰瘍・十二指腸潰瘍の再発を防いだり、胃がんの発生率を下げたりする効果があることがわかっています。

 

ピロリ菌を除菌する方法は、1種類の胃酸の分泌を抑える薬と2種類の抗菌薬を1日2回、7日間内服することです。そして、改善を始めてから4週間以上経ってからピロリ菌が除菌できたかどうかをチェックします。

 

薬で除菌を行なった場合の成功率は約7~9割といわれています。1回目の除菌が成功しなかった場合は、抗菌薬を変えてもう1度除菌を行ないます。ほとんどの場合は、二次除菌までで除菌が完了します。

ヘリコバクター・ピロリ菌による感染の改善方法は、主に抗生物質による除菌と、胃酸の分泌を抑える薬剤を用いた改善方法が中心です。この改善方法は、胃や十二指腸の潰瘍を回復させるだけでなく、将来的な胃がんのリスクを減少させることを目的としています。以下に、H. pylori感染の標準的な改善法を紹介します。

 

トリプルセラピー

プロトンポンプ阻害剤(PPI): 胃酸の分泌を抑制し、胃の環境をH. pyloriが生存しにくい状態にします。例えば、オメプラゾールやランソプラゾールなどが用いられます。

二種類の抗生物質: 一般的にはアモキシシリンとクラリスロマイシンの組み合わせが用いられます。これらはH. pyloriに直接作用し、菌を除去します。

この方法は通常、7〜14日間続けられます。

 

クアッドセラピー

プロトンポンプ阻害剤(PPI)

ビスマス製剤: 胃の粘膜を保護し、H. pyloriに対して直接作用することで除菌を助けます。

二種類の抗生物質: トリプルセラピーと同様に、アモキシシリンとメトロニダゾール、またはクラリスロマイシンとメトロニダゾールの組み合わせが用いられることがあります。

この方法も通常、7〜14日間行われます。

 

その他の方法

H. pylori感染が再発する場合や、抵抗性のある菌株に対しては、異なる抗生物質の組み合わせや長期間の改善方法が必要になることがあります。感染の確認と改善の効果を評価するために、改善後に呼気テスト、便の調べ、または胃内視鏡の調べを行うことが推奨されます。

 

H. pylori感染の改善方法は、感染を完全に除去し、関連する病気のリスクを減少させることを目的としています。

ヘリコバクター・ピロリ菌感染の改善に使用される薬剤は、主に抗生物質とプロトンポンプ阻害剤です。これらの薬剤は、H. pylori菌を除去し、関連する症状や病気のリスクを減少させる効果がありますが、副作用も報告されています。以下に、これらの薬剤の効果と副作用を詳しく説明します。

 

 プロトンポンプ阻害剤(PPI)

効果:胃酸の分泌を抑制し、胃のpH値を上昇させることで、胃の環境をH. pyloriが生存しにくい状態にします。胃酸による刺激を減少させ、胃や十二指腸の潰瘍の回復を促進します。

副作用:頭痛、下痢または便秘、腹痛、吐き気や嘔吐。長期使用による副作用には、骨折リスクの増加、ビタミンB12吸収不良、腎機能障害、クロストリジウム・ディフィシル感染のリスク増加などがあります。

 

・抗生物質

アモキシシリン

効果:広範囲に作用する抗生物質で、H. pylori菌の細胞壁の合成を阻害し、除菌します。

副作用:下痢、吐き気、皮膚の発疹、カンジダ感染のリスク増加

 

クラリスロマイシン

効果:H. pyloriに対して高い効果を持つ抗生物質で、菌のタンパク質合成を阻害します。

副作用:味覚異常、吐き気や嘔吐、下痢、腹痛。長期使用による副作用には、耐性菌の発生リスクがあります。

 

メトロニダゾール

効果:DNA合成を阻害することでH. pyloriを除去します。

副作用:吐き気や嘔吐、金属味、下痢、暗い尿。アルコールとの併用は避けるべきです。

 

リファキシミン

効果:非吸収性の広範囲に作用する抗生物質で、腸内細菌のRNA合成を阻害します。

副作用:腹痛、吐き気、下痢、頭痛。

 

H. pylori感染の改善においては、これらの薬剤の組み合わせが使用され、感染の除去と関連症状の改善を目指します。しかし、副作用や耐性菌の発生リスクもあるため、改善は医師の判断によって行います。

ピロリ菌の除菌の副作用

ピロリ菌の除菌を行うと、副作用として軟便や下痢、味覚異常、肝機能の値の異常、アレルギー反応などが見られる場合があることがわかっています。

 

珍しいケースではありますが、除菌が成功した後に逆流性食道炎がみられることもあります。しかしこれは除菌をすることによって、胃の本来の機能である胃酸分泌が元の状態に戻ったことによって起こる変化のため問題はありません。

 

除菌を行なった後でも、一度ピロリ菌に感染したことのある場合は感染したことのない場合と比べて胃がんになりやすいといわれています。そのため、除菌が成功しても定期的に調べることが大事です。

ヘリコバクター・ピロリ菌感染に効果的なツボ

・足三里

中脘

膈兪

足三里

足三里の主な効果は、胃腸の調節です。足三里は、胃腸を調整する効果のあるツボの中でも特に有名なツボです。胃腸への効果があると言われているツボです。

 

消化や吸収、排泄と胃腸のトラブル全ての調節ができると言われているくらい万能で、腹痛や便秘、下痢など色々なお腹の不調に使われています。

中脘

中脘の効果は、消化機能をよくすることや胃腸の調整をすることです。そのため、腹部全体が張っている時や、胃のつかえを感じる時にもよく使われます。

 

中脘の中は中間や正中を意味し、中脘の脘は胃袋を意味をしています。中脘は、胃の中央部にあたるツボなのです。

 

ピロリ菌感染によって胃の調子が悪いとき、刺激をすることで調子を整えてくれることが期待できます。

膈兪

膈兪は、胃腸の調子を整えて、ストレスを減らす効果があります。そのためピロリ菌に感染した時も改善の効果が期待できます。

 

体がだるい時や不眠の時などにも効果を発揮します。さらに、自律神経を整える働きや女性ホルモンの分泌を促進する働きもあります。

ツボの位置と押し方

足三里

足三里の場所は、膝の少し下で向う脛の少し外側です。膝下の外側で、お皿の下から指四本分下に下がった近くにあるへこみにあります。押した時に響く場所を探しましょう。

 

胃腸だけではなく、足の疲れなどにも効果的であるため、クリームなどを使って、足三里のあるラインの筋肉をマッサージすることもおすすめです。

中脘

中脘の場所は、おへそとみぞおちを結ぶ縦線の中間のあたりです。おへそから指を4本そろえて当てたところにあります。 

 

押すときは、強く押さないように気をつけましょう。腹部は柔らかい部分であるため、やさしく押しましょう。

膈兪

膈兪は、両方の肩甲骨の一番下を結んだ線上にあるツボです。背骨から約3cm外側にあります。ちょうど筋肉が盛り上がっているあたりを探しましょう。

 

押すときは、仰向けになり、ソフトボールなどを使ってゆっくりと体重を乗せていきます。

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