公開日:2022年 8月23日
更新日:2024年 3月 4日
本日はスタージウェーバー症候群について解説させていただきます。
☆本記事の内容
銀座そうぜん鍼灸院の宗前です。
このページを書いている私は、鍼灸師として13年、担当した利用者様数80,000人を誇り、病気の休職者300人を社会復帰できるまで回復させてきた実績があります。
スタージウェーバー症候群の原因は今のところわかっていません。遺伝子の異常によって発症しているという報告もありますが、まだ確定はしていません。
母体の妊娠中の感染や薬の使用などによって発症しているという報告はないため、妊娠中の乾癬や薬の使用は発症とは関係がないと考えられています。
遺伝子の異常によって発症しているという報告はありますが、遺伝するとは考えられていません。
スタージウェーバー症候群は、先天性の希少な神経皮膚症候群で、顔の特定の部位にある毛細血管の異常増殖、脳の異常、および眼の異常を特徴とします。この症候群は、顔の血管腫、脳の静脈性奇形、および緑内障などの眼の合併症によって特徴づけられます。
・原因
スタージウェーバー症候群の原因は、GNAQ遺伝子の変異に関連しています。この変異は体細胞変異であり、すなわち生殖細胞ではなく、個体の発達中に生じる細胞の一部でのみ起こる変異です。この変異は受精卵や早期胚発生の初期段階で発生し、影響を受ける細胞のクローンが個体の特定の部位で増殖することによって、症候群の特徴的な徴候が現れます。
・発症メカニズム
顔面血管腫: 顔の特定領域にある皮膚の毛細血管が異常に拡張し、通常「いちご状血管腫」と呼ばれる赤い斑点や斑紋として現れます。これは通常、V1/V2三叉神経の分布に沿って現れます。
脳の異常: 脳における異常は、静脈性奇形や静脈の欠如に関連しています。これにより、脳内での血流が阻害され、発作、脳損傷、学習障害、または精神運動の遅れなどの神経学的症状が引き起こされる可能性があります。
眼の異常: スタージウェーバー症候群における眼の異常には、緑内障が最も一般的です。これは眼圧の上昇によって特徴づけられ、未改善の場合、視力の喪失につながることがあります。
・リスク要因
スタージウェーバー症候群は遺伝的な病気ではありませんので、遺伝的なリスク要因は関与しません。この症候群はランダムな遺伝子変異によって発症するため、家族歴に依存するものではありません。
スタージウェーバー症候群の特徴は、脳の表面を細かな血管が覆う軟膜毛細血管奇形と顔面の痣、眼圧の上昇です。そのため、神経、目、皮膚に症状が現れます。
神経の症状としては、運動麻痺や片頭痛、てんかん発作が現れます。神経の症状は、脳の血液の循環が悪くなることで起きるとされています。脳の血液の循環不全とてんかんにより、発達の遅れが現れることが大きな問題であるとされています。
脳の血液の循環不全によって、片頭痛が起きることもあります。小児の場合、機嫌の悪さや嘔吐などが現れることもあります。
目の症状としては、視力や視野に障害が現れます。小児でもこの緑内障が起こることもあります。
スタージウェーバー症候群は、皮膚、脳、および眼の血管の異常によって特徴づけられる希少な先天性の病気です。この症候群の症状は、大きく異なり症状の重さもさまざまです。以下に、スタージウェーバー症候群の主な症状を説明します。
・皮膚の症状
顔面血管腫: 顔の片側、特に目の周り、額、頬に、赤紫色の斑が生まれつき存在します。これは、皮膚の血管の異常によるもので、通常はV1/V2三叉神経分布に沿って現れます。
・脳の症状
発作: スタージウェーバー症候群は、生後早期から発作を経験することがあります。これは脳の異常な血管による影響が原因です。
脳機能の障害: 脳の一部における血流の障害が、学習障害、発達遅延、または精神運動の問題を引き起こすことがあります。
脳卒中様の症状: 稀に、脳内の血管異常が重篤な神経学的症状を引き起こすことがあります。
・眼の症状
緑内障: 眼の圧力が異常に高くなり、視神経に損傷を与えることがあります。これにより、視力の低下や失明につながるリスクがあります。
眼球の血管異常: 眼球にも血管異常が現れることがあり、視力に影響を与えることがあります。
・その他の可能性のある症状
皮膚の厚みの増加: 血管腫が存在する皮膚領域は、時間とともに厚くなることがあります。
ホルモンの影響: 思春期になると、ホルモンの変化により皮膚の症状が悪化することがあります。
スタージウェーバー症候群の改善は、症状に合わせて行います。
てんかんに対しては、抗てんかん薬を使います。薬でも発作が抑えられない場合は、発作を抑えることと発達を促進することを目的に脳外科手術を行うこともあります。
緑内障に対しては、眼圧を下げる点眼薬を使います。点眼薬でも効果があまり見られない場合は、手術を行うこともあります。
顔面の母斑については、皮膚科や形成外科でレーザーを使った改善を行うことが多いです。
スタージウェーバー症候群の改善方法は、経験する症状や合併症に応じて個別に計画されます。改善の目標は、症状を管理し、生活の質を向上させることです。以下に、スタージウェーバー症候群に対する改善法をいくつか紹介します。
・発作の管理
抗てんかん薬: 発作を管理するために、さまざまな抗てんかん薬が処方されることがあります。発作の種類や頻度に応じて最適な薬剤が選択されます。
・皮膚の血管腫の改善
パルスダイレーザー: 顔面の血管腫の外観を改善するために、パルスダイレーザーが使用されます。複数の改善セッションが必要な場合が多く、改善後に軽度の腫れや赤みが生じることがあります。
・緑内障の改善
点眼薬: 眼圧を下げるために、さまざまな点眼薬が利用されます。
手術: 眼圧の管理に薬が効果的でない場合、緑内障手術が必要になることがあります。
・脳の異常の管理
薬: 脳の異常による神経学的影響を管理するために、特定の薬物が使用されることがあります。
外科的介入: 症状が重度の場合、脳内の異常な血管を取り除くための外科手術が検討されることがあります。ただし、このような手術はリスクが伴うため、慎重に検討されます。
・眼科的評価と改善
スタージウェーバー症候群を持つ場合は、定期的な眼科評価を受けることが重要です。緑内障の早期発見と改善が視力を保護する鍵となります。
・支援とリハビリテーション
学習障害、発達遅延、または身体的制約を持つ場合は、教育的支援やリハビリテーションプログラムが推奨されます。
スタージウェーバー症候群の改善において使用される薬物は、主に症状の管理と合併症の予防を目的としています。以下に、この症候群の改善に使われる可能性のある主な薬物の効果と副作用を説明します。
・抗てんかん薬
発作の管理には抗てんかん薬が広く使用されます。
効果: 発作の頻度と強度を減少させることを目的とします。特定の抗てんかん薬は、特定の種類の発作に対してより効果的である可能性があります。
副作用: 抗てんかん薬の副作用は多岐にわたりますが、一般的な副作用には疲労感、吐き気、体重変化、気分変動、認知機能の問題などがあります。
・緑内障改善薬
緑内障には点眼薬が用いられることがあります。
効果: 眼圧を下げ、視神経への損傷を防ぎます。これにより視力の悪化を遅らせることができます。
副作用: 点眼薬の副作用には、眼の刺激、赤み、不快感、視力の一時的な変化、まれにまぶたの色素沈着や睫毛の成長があります。
・アスピリン
一部の研究では、低用量のアスピリンが脳内の血流改善に役立つ可能性が示されていますが、医師の指導のもとで使用する必要があります。
効果: 脳内の血栓形成リスクを減少させることができる可能性があります。
副作用: アスピリンは出血傾向を高めることがあります。特に手術前後や他の出血リスクがある場合には注意が必要です。
・皮膚のレーザー改善後のケア
レーザーでの改善後には特定の薬物が皮膚の改善を助けるために用いられることがありますが、これは主にトピカル薬剤であり、抗生物質軟膏やステロイドクリームが含まれることがあります。
効果: 感染の予防、炎症の軽減、改善プロセスの促進。
副作用: 長期間の使用による皮膚の薄くなるリスク、皮膚の刺激や発疹。
スタージウェーバー症候群の改善の目標は、発達障害を最小限にすることです。そのためには、てんかん発作を注意深く観察することと、発作を抑えることが大事です。
てんかん発作は、手足がピクピクするけいれんのような目立つ症状だけではなく、動作が停止してぼーっとする症状が見られることもあるため、見逃さないためにもきちんと観察をすることが大事です。
発作が起こるとなかなか止まらなくなる重積を起こすこともあります。なかなか発作が止まらない場合は病院に相談しましょう。
緑内障がある場合は、症状がゆっくりと進むこともあるため、目が見にくくなくても病院に行きましょう。