公開日:2021年 9月23日
更新日:2025年 4月18日
本日はクルーゾン症候群について解説させていただきます。
☆本記事の内容
銀座そうぜん鍼灸院の宗前です。
このページを書いている私は、鍼灸師として13年、担当した利用者様数80,000人を誇り、病気の休職者300人を社会復帰できるまで回復させてきた実績があります。
クルーゾン症候群の原因は遺伝子の異常です。異常がある遺伝子はFGFR2です。
しかし、突然変異が起こり、発症することもあります。現状では、クルーゾン症候群がどのように発症するのかについてほとんど明らかになっていないのです。
クルーゾン症候群の原因は、ほぼすべてが遺伝子変異によるとされています。現代医学では、非遺伝的な外的要因でクルーゾン症候群が発症したという確実なエビデンスはありません。ただし、以下の点が補足的に関連していると議論されることはあります。
● 高齢出産(父親側)
まれに、父親の高齢が精子の突然変異率の上昇と関連すると言われています。クルーゾン症候群に限らず、FGFR変異を伴う病気との関連も議論されています。
● 環境因子
妊娠初期の放射線被ばく、薬物、感染症が頭蓋骨の発達に影響する可能性は否定できません。しかし、現状では仮説に過ぎずクルーゾン症候群と確定的に関連した報告は存在しません。
● 胎児期の成長異常
子宮内での何らかの発育異常が引き金になる可能性も考えられていますが、これも根本的には遺伝子の異常が先行していると考えられています。
クルーゾン症候群の症状は、頭痛や嘔吐、吐き気などです。クルーゾン症候群では、生まれつき頭蓋骨に形成異常が起こるため、頭蓋骨が小さいです。そのために頭蓋内圧が亢進状態になりいろいろな症状が現れるのです。
クルーゾン症候群では生まれつき顔面骨にも形成異常が起こります。そのため、眼球の突出や呼吸障害、噛み合わせ不良などの症状も起こります。
場合によっては、水頭症や小脳扁桃下垂を生じることもあります。
① 頭蓋骨・脳の発育異常
・頭の形がいびつ(とがった頭=斜頭や短頭)
・頭蓋内圧亢進(頭痛・嘔吐)
・水頭症(脳室の拡大)
② 顔面の変形
・眼球が飛び出す(眼球突出)
・目の間が広い(眼間解離)
・上顎の発達不良(噛み合わせが悪い)
・低い鼻根(ぺちゃ鼻)
③ 視力・聴力の問題
・視神経圧迫による視力障害
・眼振、斜視(目のずれ)
・中耳の形態異常による難聴 頭蓋の骨や神経の圧迫によって二次的に起こる
● 生まれたときから頭の形がいびつ
● 目が飛び出ているように見える
● 目が大きく開いているが、常に驚いたような表情
● 頭が成長しない(頭囲が増えない)
● 哺乳がうまくできない/呼吸がしづらそう
→ このような症状がある場合は、小児神経科や形成外科で調べることをお勧めします。
クルーゾン症候群の改善方法は、手術です。手術によって頭蓋や顔面骨を広げることで改善を行います。
広げたい骨に装置を取り付け、骨を伸ばしていくという骨延長法を使って改善を行うことも多いです。
・視覚、聴覚障害への対応
視神経圧迫がある場合は早期の頭蓋手術が必要ですが、斜視や眼球運動異常には眼科的手術やプリズム眼鏡を使用します。中耳形成不全による伝音性難聴に対し、補聴器の導入を行います。
・呼吸や睡眠、嚥下、発語の改善
睡眠時無呼吸にはCPAP導入を行い、嚥下障害には言語聴覚士による訓練や栄養サポートを行います。発語の遅れには言語リハビリを行います。
・心理社会的サポート
成長に伴い、見た目や言葉の遅れからいじめや孤立感を感じることも多いです。そのため、心理カウンセリングや学校との連携も重要です。
クルーゾン症候群は、適切な時期に手術を受けることで比較的予後は良好な状態で過ごすことができます。手術を受ける時期や回数は症状の程度によって個人差がありますが、成人するまでに何度か手術が必要になることがほとんどです。
日常生活を送る上で注意することは、気道感染した時の呼吸の状態や、眠っている時の無呼吸です。