公開日:2020年 12月23日
更新日:2021年 5月 15日
本日はネフローゼ症候群について解説させていただきます。
☆本記事の内容
銀座そうぜん鍼灸院の宗前です。
このページを書いている私は、鍼灸師として13年、担当した利用者様数80,000人を誇り、病気の休職者300人を社会復帰できるまで回復させてきた実績があります。
ネフローゼ症候群は、体の全身に浮腫の症状が起きる病気です。この全身の浮腫は、尿の中にアルブミンというタンパク質が出てしまい、血液の中のタンパク質が少なくなってしまうことによって起きるものです。
アルブミンは普通、ほとんど漏れることはありません。しかし、そのアルブミンが漏れてしまい症状が起こるものがネフローゼ症候群なのです。血液中のアルブミンが少なくなってしまうと、組織に余分な水分が残ることになります。これにより、浮腫が起きるのです。
ネフローゼ症候群は様々な症状が起こります。浮腫によって起こる腹痛や腎機能の低下、血圧の低下、高脂血症などの症状があります。
ネフローゼ症候群と判断されるのは、尿タンパク量と低アルブミン血症の両方が基準を満たしたときです。尿タンパクの量が1日3.5g以上で血液のアルブミン濃度が3.0g/dL以下になった場合、ネフローゼ症候群と判断されます。
ネフローゼ症候群の原因に明らかな疾患がないものを、小児の場合特発性ネフローゼ症候群と呼びます。成人の場合は一次性、または原発性ネフローゼ症候群と呼びます。
特発性ネフローゼ症候群はネフローゼ症候群全体の約90%で、そのうち80~90%は腎臓の組織の変化が少ない微小変化型ネフローゼ症候群だと言われています。
全身性の疾患が原因で起こるネフローゼ症候群は二次性ネフローゼ症候群と呼ばれます。
ネフローゼ症候群の原因は、腎臓からタンパクが漏れ出すことです。
一次性ネフローゼ症候群の場合は、原因となる疾患が特にありません。腎臓の糸球体に異常が起きてネフローゼ症候群が起きるものです。
一次性ネフローゼ症候群には、糸球体に変化がほとんど見られない微小変化型、糸球体基底膜に肥大し、厚くなる膜性腎症、糸球体に部分的な硬化像が現れる巣状分節性糸球体硬化症など、いくつかの種類があります。
二次性ネフローゼ症候群の主な原因は、膠原病やB型肝炎などです。二次性ネフローゼ症候群は一次生ネフローゼ症候群と比べて少ないです。
二次性ネフローゼは小児の場合、膠原病やIgA血管炎が原因となっていることが多いです。
ネフローゼ症候群では全身に浮腫の症状が出ます。浮腫がひどくなると、胸部や腹部に水がたまってしまうこともあります。
血液が血管の中で固まる血栓症や腹膜炎などの感染症など、色々な病気を合わせて起こしてしまうこともあります。腎機能が低下して血液の量が増えると高血圧が起こったり、心不全や肺水腫などの病気に繋がることもあります。
小児の場合は、腸がむくんだり血液の量が減ったりすることによって腹痛や下痢、嘔吐などの消化器に症状が出ることが多いです。
血液の量が減ってしまうと、血圧の低下やショックを起こす場合もあります。
ネフローゼ症候群の改善方法は、主に原因を改善する方法と、浮腫の症状を改善するために行う方法の2種類あります。
ネフローゼ症候群の原因を改善する方法frは、多くの場合は副腎皮質ステロイド薬を使います。
ステロイド薬であまり効果が見られない時や何度も再発を繰り返してしまう時は免疫抑制薬シクロスポリン、ミゾリビン、シクロホスファミドなどの免疫抑制薬や生物学的製剤のリツキシマブを合わせて使うこともあります。
二次性ネフローゼ症候群の場合は、ネフローゼ症候群の原因である病気の改善を行うことでネフローゼ症候群の改善にもつながります。
浮腫の症状を改善するために行うことで重要なことは、塩分制限と安静です。
ネフローゼ症候群は、血管の中で血が固まりやすい状態になっています。そのため安静にしておくことも大切ですが、適度に足のマッサージやウォーキングをすることも大切です。
塩分制限をして安静にしていても浮腫が改善されない場合は、利尿薬を使うこともあります。
ネフローゼ症候群は、再発する可能性もあります。改善した後も定期的に病院にいき、医師にみてもらうことをお勧めします。
家庭でも定期的に尿タンパクを調べましょう。再発が起こったとしても、早く発見して早く改善に取り組むことができれば、ネフローゼ症候群の合併症を抑えることができます。早期発見が合併症を予防するために非常に重要なのです。
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