無虹彩症の鍼灸【原因・定義・症状】

公開日:2021年 10月 1日

更新日:2023年  9月 4日

本日は無虹彩症について解説させていただきます。

☆本記事の内容

  • 無虹彩症とは
  • 無虹彩症の原因
  • 無虹彩症の症状
  • 無虹彩症の改善方法
  • 無虹彩症のまとめ
足のしびれ、痛み

銀座そうぜん鍼灸院の宗前です。

このページを書いている私は、鍼灸師として13年、担当した利用者様数80,000人を誇り、病気の休職者300人を社会復帰できるまで回復させてきた実績があります。

 

無虹彩症は生まれつき目の虹彩が上手に作ることができなかった状態

無虹彩症は、生まれつき目の虹彩が上手に作ることができなかった状態のことです。母親のお腹の中で目や脳が作られるときに働く重要な遺伝子が2つありこのうち1番上になることで発症します。

 

多くの場合は、黄斑低形成が起こっていたり視力が0.2前後であったりします。さらに、角膜輪部疲弊症になることや緑内障になることもあります。

 

場合によっては、小児期の腎臓の癌や泌尿生殖の発育の不全や発達の遅れがあるウイルムス腫瘍が起こることもあります。

無虹彩症の原因は、2つのPAX6遺伝子のうち1つが異常になること

無虹彩症の原因は、目や脳が作られる時に働く遺伝子である2つのPAX6遺伝子のうち1つが異常になることです。

 

遺伝子に異常が起きることで、正しく働く遺伝子の量が半分になります。すると、虹彩と網膜中心部、水晶体の細胞と角膜上皮細胞を作るために必要な量に足りなくなるために起こると言われています。

 

無虹彩症は遺伝性のある病気で、遺伝形式は常染色体優性遺伝です。男性と女性でで発症する割合に差はなく男性でも女性でも発症する可能性があります。

無虹彩症は、虹彩の完全または部分的な欠如を伴う先天的な眼の障害です。この病気は比較的まれで、出生時または乳幼児期に判断されることが多いです。以下に無虹彩症の原因に関して説明します。

 

1. 遺伝的原因

大部分の無虹彩症の症例は、変異を持つ遺伝子に起因することが知られています。

 

PAX6遺伝子変異: 無虹彩症の多くの症例は、PAX6という遺伝子の変異によって引き起こされます。この遺伝子は、眼の発育中に多くの構造の形成を制御する役割を果たしています。PAX6の変異は、虹彩の欠如や他の眼の問題を引き起こす可能性があります。

 

遺伝的伝達: 無虹彩症は自己優性の遺伝に関する病気であり、親が病気を持っている場合、子供に病気を伝える確率は50%です。

 

2. WAGR症候群

WAGR症候群は、無虹彩症を含む一連の症状を持つ病気です。この症候群は、以下の主要な特徴を持っています:

 

W: Wilms腫瘍(腎臓のがん)

A: Aniridia(無虹彩症)

G: Genitourinary abnormalities(泌尿生殖器の異常)

R: Mental Retardation(知的障害)

この症候群は、11番染色体の短い腕(11p13)の欠失に関連しています。この欠失は、PAX6遺伝子だけでなく、他の関連する遺伝子も含んでいます。

 

3. 環境的原因とリスク因子

一部の無虹彩症の症例は、遺伝的変異に関連していない可能性があります。これらのケースでは、妊娠中の母親が感染症や薬物、アルコール、他の有害な物質に曝露された場合など、環境的な要因が関与する可能性が考えられます。

 

4. スポラディックな症例

すべての無虹彩症の症例が家族的な背景を持っているわけではありません。いくつかのケースは偶発的であると考えられ、これらの原因は完全には理解されていません。

 

 

無虹彩症は、主にPAX6遺伝子の変異に起因することが知られていますが、WAGR症候群や環境的要因、未知の原因によるスポラディックな症例も存在します。

無虹彩症の症状は、眩しさを感じること

無虹彩症の症状は、眩しさを感じることです。この症状は、虹彩がないために起こる症状です。

 

黄班低形成や白内障が起こることが多いため、ほとんどの場合視力は0.2前後になります。眼振や斜視が現れることも非常に多いです。

 

合併症として緑内障を発症することも多く、視野や視力に障害さが起こることもあります。

無虹彩症は、虹彩が完全にまたは部分的に欠如しているという眼の状態を指します。この症状は、多くの場合、出生時または乳幼児期に発見されます。しかし、虹彩の欠如だけでなく、多くの関連する眼の問題や症状も伴います。

 

1. 虹彩の欠如または部分的欠如

虹彩は眼の前部に位置する筋肉組織で、瞳孔の大きさを調整して光の量を制御します。無虹彩症では、完全にまたは部分的に虹彩を持たないため、瞳孔の大きさの調整が難しく、光過敏や他の視覚問題が生じることがあります。

 

2. 光過敏

虹彩が光の量を調整する役割を果たしているため、その欠如は光に対する過敏な反応を引き起こす可能性があります。これは日常生活での不便や痛みを伴うことがあります。

 

3. 弱視

無虹彩症では多くの場合、視力の低下や弱視を経験します。これは虹彩の欠如だけでなく、他の眼の問題にも関連している可能性があります。

 

4. 虹彩肉芽腫

虹彩肉芽腫は、無虹彩症にしばしば見られる状態で、虹彩の残存部分が太くなり、前眼部の正常な液体の流れを妨げることがあります。

 

5. 角膜の異常

角膜は眼の前面を保護する透明な組織です。無虹彩症では、角膜の異常、例えば角膜浮腫などの問題を抱えることが多いです。

 

6. 緑内障

無虹彩症では、緑内障のリスクが高まることが知られています。緑内障は眼圧の上昇によって引き起こされ、視神経を傷つける可能性があります。

 

7. 水晶体の透明度の低下や白内障

水晶体は、眼の中で光を屈折して網膜に焦点を合わせる役割を果たします。無虹彩症では、水晶体の透明度の低下や白内障のリスクが高まることがあります。

 

8. 網膜疾患

無虹彩症の一部では、網膜剥離や網膜の変性などの網膜関連の問題を抱えることがあります。

 

9. 視神経の異常

視神経は、眼から脳への情報の伝達を担当しています。無虹彩症では、視神経の発育異常や変形を経験することがあります。

 

 

無虹彩症は、単に虹彩の欠如という症状だけでなく、多くの眼の問題や症状を伴う複雑な病気です。

無虹彩症では、症状に対して改善を行う

無虹彩症は根本的に改善することはできません。そのため現れている症状に対して改の善を行います。眩しさを感じる症状には、遮光眼鏡や虹彩付きのコンタクトレンズを使い眩しさを軽減させます。

 

白内障を改善するためには手術を行い、緑内障を改善するためには点眼や手術を行います。角膜輪部疲弊症には、輪部移植術という角膜移植を行います。黄班低形成や眼振には今のところ効果的な改善方法はありません

無虹彩症は、虹彩の部分的または完全な欠如という複雑な眼の病気を指します。この状態は生まれつきのものであることが多く、関連する多くの眼の問題や症状を伴う可能性があります。無虹彩症の改善方法は、その原因や関連する症状、年齢や一般的な健康状態によって異なります。

 

1. 眼鏡やコンタクトレンズの使用

光過敏や視力の問題がある場合には、特別な眼鏡やコンタクトレンズが推奨されることがあります。これらは、強い日光や明るい光から目を保護するためのものであり、また視力の向上を助けることができます。

 

2. 眼の外科手術

無虹彩症に関連する症状や合併症を緩和するために、外科手術が必要な場合があります。これには、角膜移植、白内障手術、緑内障手術、または虹彩のプロテーゼの挿入などが含まれます。

 

3. 薬

緑内障や他の関連する病気の改善のために、点眼薬や内服薬が処方されることがあります。これらの薬は、眼圧を下げることで緑内障の進行を遅らせる効果があります。

 

4. 虹彩プロテーゼ

虹彩の部分的または完全な欠如に対処するために、虹彩のプロテーゼが考慮されることがあります。これは、機能的でないが、外観を改善する目的で使用されます。

 

5. 低視力リハビリテーション

無虹彩症では、視力が低下することがあります。このような場合、低視力リハビリテーションが有効です。これは、残存する視力を最大限に活用するための特別な技術や道具の訓練を提供するものです。

 

6. 保護メガネやサングラス

光過敏の問題を緩和するために、UV保護を持つサングラスや特別な保護メガネが推奨されることがあります。

 

7. 定期的に眼科に行く

無虹彩症では、関連する病気や症状の早期発見と適切な改善のために、定期的に眼科に行く必要があります。

 

無虹彩症の改善方法は、具体的な症状や状態に応じて異なります。最も重要なのは、早期に判断することと適切な改善を受けることで、視力の低下や他の関連する病気のリスクを減少させることです。

 無虹彩症自体を改善する薬は存在しませんが、無虹彩症を発症した場合に経験する合併症や関連症状を管理するために使用される薬物がいくつかあります。

抗緑内障薬: 無虹彩症では緑内障のリスクが高まることが知られています。以下の薬は、眼圧を下げるのに役立ちます。

 

プロスタグランジンアナログ: ラタノプロスト、トラボプロストなど。これらは眼圧を下げるために使用されます。

 

ベータ遮断薬: ティモロール、ベタキソロールなど。これも眼圧を下げる目的で使用される。

 

カーボニックアンヒドラーゼ阻害剤: アセタゾラミド、ブリンゾラミドなど。これらの薬も眼圧を下げるために使用される。

 

アドレナリンα-2受容体作動薬: ブリモニジンなど。眼圧を下げる効果があります。

 

炎症や赤みを抑える薬: いくつかの炎症反応や眼の赤みを管理するためにステロイドや非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)が処方されることがあります。

 

ステロイド: プレドニゾロンやロトメチソンなど。

NSAID: ケトロラク、フラプロフェンなど。

光過敏を管理する薬: 一部では、明るい光に対して敏感になることがあります。このような症状を緩和するために、点眼薬としてアトロピンやシクロペントレートなどの散瞳薬が用いられることがあります。

 

以上の薬物は、症状や合併症の程度、年齢や他の健康状態に応じて選択されます。無虹彩症では、薬に関する指示や注意事項を理解し、眼科医と緊密に連携して改善を進めることが重要です。

定期的に病院に行ききちんと改善を行い、血糖値に注意する

無虹彩症によって緑内障を発症してしまうと、視神経を障害し症状が進むと元の状態には戻ることができなくなります。そのため定期的に病院に行くことときちんと改善を行うことが重要です。

 

日常生活を送る上で特に注意が必要なことはありません。ただし、成人期以降に糖尿病になりやすいという報告があります。そのため、血糖値には気をつけることをお勧めします。

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