虚弱体質

公開日:2019年 12月23日

更新日:2024年 10月25日

本日は虚弱体質について解説させていただきます。

☆本記事の内容

  • 虚弱体質とは
  • 虚弱体質の子供
  • 虚弱体質の原因
  • 虚弱体質の改善方法
  • 虚弱体質の特徴
  • 虚弱体質と漢方

銀座そうぜん鍼灸院の宗前です。

このページを書いている私は、鍼灸師として13年、担当した利用者様数80,000人を誇り、病気の休職者300人を社会復帰できるまで回復させてきた実績があります。

 

虚弱体質とは疲れやすい

疲れやすい、元気がないと感じることが多い場合は、虚弱体質の可能性があります。

 

虚弱体質の人の特徴は、すぐに風邪をひく、軽い運動でも疲れてしまう、冷え症で夏でも冷房が苦手、夏バテしやすい、などです。

 

虚弱体質の人には、胃がもたれやすい、少し食べてもすぐに満腹になりそれ以上食べられない、食べられなくなった後少し時間が経つとすぐにお腹がすく、空腹になると脱力感を感じてしまう、満腹になると眠くて我慢ができないなどの症状も現れます。

虚弱体質になる子供

季節の変わり目に風邪を引いたり、体力がなくすぐに熱を出したり、お腹を壊しやすかったりする症状がよくあり、なかなか改善しない子供は、虚弱体質の可能性があります。

 

そのような子供は、風邪や熱、下痢などが原因で、やせていて顔色が悪く、疲れやすい子供が多いです。ただし、症状があっても必ず虚弱体質であるとは限りません。何かの病気が疑われることもあるため十分に注意してください。

 

虚弱体質の子供にはいくつかの特徴があります。1つ目は、食が細いことです。食への興味が薄い、胃腸の働きが悪いなどの理由で食事の量が減るのです。食が細い場合、毎日の生活や成長に必要な量の栄養素を摂れないため活発に動けません。

 

2つ目は、体温が低いです。子供は大人より平熱が高いです。平均で36〜7℃と言われています。子供の平熱が35℃台の場合、低体温が考えられます。代謝が血行が悪くなって免疫力が低下することもあります。

 

3つ目は、神経過敏です。小さなことに気をかけてしまいストレスを溜めやすいのです。子供の中には、ストレスから腹痛や下痢を起こす子供も多くいます

虚弱体質の原因は遺伝と生活習慣

虚弱体質は病気ではありません。原因を明確にすることは難しいのです。しかし、中でも原因と考えられているものが2つあります。

 

1つ目は、遺伝的要素です。両親や父か母のどちらかが虚弱体質の場合、子供が受け継ぐことがあります。これを医学的に改善することはかなり難しいことです。

 

2つ目は、生活習慣です。具体的には、行き過ぎた偏食などによる食生活の乱れや寝不足などの不規則な生活リズム、運動不足などがあります。

 

必要な栄養素や睡眠時間、運動量などの不足が続くと、体には色々と異常が起こるのです。その起こる異常のうちの1つが虚弱体質です。

虚弱体質の症状が起こる原因は、生まれ持った体質だけではありません。食生活の乱れや運動不足、睡眠不足、精神的なストレスなどが原因で起こることもよくあります。

 

子供の頃はいつも元気で病気をしたことがないような人でも、生活環境によって体質が変化し、虚弱体質になることもあるのです。

 

また、不規則な生活を送ることは動脈硬化症や高血圧症、糖尿病などの生活習慣病を引き起こす原因にもなります。自分が虚弱体質であることを自覚した場合、早めに生活習慣を見直して、生活習慣を改善してください。

虚弱体質の改善方法は規則正しい生活と栄養と運動

虚弱体質を改善するためには必要な栄養素を摂るために十分な食事と規則正しい生活習慣、程よい運動が必要です。しかし、虚弱体質を改善するためには、食事や運動などに気をつけるだけだと不十分です。

 

それは、生命エネルギーを作り出しているものは内臓だからです。虚弱体質の人の内臓は、作りが小さかったり、働きが弱かったりすることがあります。

 

そのため、食事に気をつけていたとしても、栄養をきちんと十分に摂りこむことができません。結果として、体に生命エネルギーが行き渡らず、太れなかったり、すぐ体調を崩してしまったりするのです。

虚弱体質の人は内臓を元気にすることが大切です。内臓を元気にすることで、食事から十分な栄養を摂りこめるようになります。食事から十分な栄養を摂ることができれば、生命エネルギーを生み出すことができます。

 

胃腸や肝臓、心臓などの内臓が元気であれば、体のすみまで体全部に生命力が行き渡ります。体の作りの大きさに関係なく、生き生きと元気に働く体になれるということです。

 

また、内臓が元気になることで、血流も良くなります。血流が元気になれば、骨や筋肉も強くなり、体を自分の思うように動かせるようになります。免疫力も上がり、病気にもかかりにくくなります。

 

生命力が体に満ち、活動的に動くようになれば、体が元気になるだけでなく、精神的にも前向きになれるのです。

虚弱体質の人の特徴

虚弱体質の人には、体力がなく疲れやすい、神経質で胃腸が弱い、冷え性、代謝が悪い、食が細い、風邪を引いたら治りにくい、血の気が無い、顔色が悪い、よく乗り物酔いをする、たくさん食べていても太らない、下痢や便秘をしやすい、血圧が低い、月経異常がある、アレルギー体質などの特徴が見られることが多いです。

虚弱体質になりやすい人には性格にも特徴があります。虚弱体質になりやすい性格は、
・ついクヨクヨとネガティブに考えてしまう
・小さいことが気になる
・周囲の目や周りからの評価が気になる
・気持ちの切り替えが苦手
・人に依存しがちで頼りがちである
・権威に弱い

などです。

 

自分でも気が付かないうちにストレスをためてしまい、虚弱体質になってしまうこともあります。

 

もちろん、体質や性格は急に変えることはできません。しかし、虚弱体質を改善したいと思うのであれば、考え方や生活習慣などを自覚し、気をつけることが大切です。

虚弱体質と漢方

虚弱体質の改善には漢方も効果的です。漢方では、体質に合わせて薬を選びます。

 

例えば虚弱体質の方が風邪をひいた場合、市販の感冒薬が効かなかったり、鎮痛剤や解熱剤、抗生物質などは胃が悪くなって飲めなかったりということが多くあります。

 

しかし、体質に合わせた漢方薬ならば、胃腸を悪くすることもなく早い効果が期待できます。

また、胃腸虚弱体質の方は胃下垂のことも多いです。胃下垂は、体を動かしたり、みぞおちを軽く振動させたりすると、水の音が聞こえることが特徴です。このような胃腸症状には六君子湯のような朝鮮人参を含む薬が効果を発揮します。

 

また、倦怠感や疲労感が強い時には補剤という漢方薬が効果的です。補剤とは、胃腸の働きを盛んにして消化吸収を改善し、体力を増加し、免疫力を上げる薬です。

 

代表的な補剤は、補中益気湯と十全大補湯です。この2つの漢方の効果は医師にも認められている程です。大きな病気の際や手術の後にもよく使われます。

 

虚弱体質を疑った場合、漢方を検討してみることも良いでしょう。

自律神経と免疫システム

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自律神経はリラックスしたり興奮するときによく働く神経のことです。意識して動くものではなく無意識で働いています。

 

自律神経は、体の各部位をコントロールする神経で生活に大きく影響しています。体の内部を調整し、心拍数や呼吸を制御するだけではなく、免疫シストムと深い関わりも持っているのです。

 

免疫システムは体を病原体から守るシステムのことで、うまく機能することで健康を保つことができます。

長崎大学の井上先生の研究によると、自律神経は免疫システムを通じて炎症を抑制し、臓器を保護する役割があるとされています。

 

迷走神経と呼ばれる自律神経の一部が炎症に対する体の反応に重要な役割を果たしています。迷走神経を刺激することで、腎臓の保護効果があることが実証されているのです。

 

これには、体にある大切な受容体のA7ニコチン性アセチルコリン受容体が関与しています。この受容体は免疫システムの一部であるマクロファージと呼ばれる細胞に存在し、炎症を抑制する作用を持っています。

 

井上先生の研究では延髄という脳の部分ではB1ニューロンと呼ばれる神経細胞が交感神経を介して腎臓保護と抗炎症効果を発揮するということがわかっています。

 

この神経細胞は侵入したウイルスを食べてくれるマクロファージがB2アドレナリン受容体という受容体を介して抗炎症作用と腎臓保護効果を発揮することに関与しています。

 

ニューロンと自律神経と内臓が密接的に関与しているということです。自律神経と免疫システムがどのように連携して体内の炎症を制御し、内臓を保護しているのかという仕組みを理解することは、健康を維持し、様々な疾患の予防において重要なのです。

 

脳と体は、チームワークで体を健康に保つように働いています。迷走神経や交感神経といった自律神経が免疫システムと結びついて体を病気から守り、内臓を保護するために活動しています。

 

仕事をしたり嫌なことがあったりしてイライラすると、内臓に影響を及ぼすのもこのためです。

自分の体を大切にすることは非常に大事

自分の体を大切にすることは非常に大事です。そのためには、適切な休養と運動、バランスの良い食事、ストレス管理など日常的なことが重要です。

 

これらは全て自律神経と免疫システムのバランスを保つのに役立ちます。

よく寝ることは、自律神経のバランスを整え免疫力を強化する助けになります。

適度な運動は、心肺機能を向上させ、自律神経の旗r多岐を活性化させます。

栄養バランスの取れた食事は、体を全ての細胞にエネルギーを供給し、免疫システムを強化してくれます。

ストレスを適切に管理することは、自律神経の過剰な刺激を防ぎ、心身の健康を維持することができます。

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