公開日:2023年 1月 3日
更新日:2023年 1月10日
本日はファイファー症候群について解説させていただきます。
☆本記事の内容
銀座そうぜん鍼灸院の宗前です。
このページを書いている私は、鍼灸師として13年、担当した利用者様数80,000人を誇り、病気の休職者300人を社会復帰できるまで回復させてきた実績があります。
ファイファー症候群の原因は、遺伝子の異常です。骨の増殖や分化のコントロールに関わっている遺伝子に異常が起きることによってファイファー症候群を発症するのです。遺伝形式は、常染色体優性遺伝です。
頭蓋縫合早期癒合症に分類されるアペール症候群やクルーゾン症候群などでもファイファー症候群と同じような遺伝子の異常が認められます。
ファイファー症候群の症状は、頭蓋骨の形成に異常が起き、顔面の形成に異常が見られることです。症状が重い場合は精神運動の発達に遅れが見られたり呼吸障害が見られたりすることもあります。
ファイファー症候群は、症状によって1型、2型、3型の3つの型に分けることができます。
1型の場合は頭蓋骨が正しく形成されないため、頭蓋骨のゆがみが現れ、顔面の形成異常が見られます。しかし、形成異常の程度は、2、3型に比べると軽いです。
顔面の形成異常では、額が目立つ、顔面中部の低形成、眼間の開離、上顎の後退、下顎の突き出し、噛み合わせの不良などがみられます。
2型の場合は、頭蓋骨の形成に異常や顔面の形成異常に合わせて、手足の指の一部が癒合したり、肘関節の拘縮が見られたりします。
2型の特徴的な症状は、クローバーリーフ頭蓋と呼ばれる形態異常が見られ、水頭症を発症するケースがあることです。また、2型の場合は精神運動の発達の遅れがみられることもあります。
2型で現れる顔面形成異常は、1型の症状に合わせれ、明らかな眼球の飛び出しやくちばし状の鼻、耳介低位なども見られます。
3型の場合は、2型と症状はほとんど同じですが、3型では2型の症状の特徴であるクローバーリーフ頭蓋は認められません。3型の場合も2型の場合も呼吸障害が見られることがあります。
ファイファー症候群の改善方法は、症状に合わせた手術です。1度の手術で完治することは難しいため、何度も段階的に手術を行うことになります。
頭蓋の変形をそのままにしておくと、脳の発達にも影響する可能性があるため、頭蓋の変形は修正して頭蓋容積を大きくすることが必要です。そのために行われる手術は、頭蓋形成術です。
顔面骨の形成異常が高度な場合や眼球の突出や咬合不全など機能に障害がある場合は、改善するために顔面形成術も必要になります。手足の指が癒合している場合は、分離手術が必要です。
頭蓋の変形をそのまま放っておくと、脳の発達に影響することもあります。そのため、頭蓋形成術を行うことが必要です。
近年は、広げたい骨の部分に延長するための装置をつけて、手術を行った後に少しずつ骨を伸ばしていく骨延長法が行われることが多いです。