公開日:2021年 9月10日
更新日:2021年 10月23日
本日は先天性魚鱗癬について解説させていただきます。
☆本記事の内容
銀座そうぜん鍼灸院の宗前です。
このページを書いている私は、鍼灸師として13年、担当した利用者様数80,000人を誇り、病気の休職者300人を社会復帰できるまで回復させてきた実績があります。
先天性魚鱗癬の原因は、表皮細胞の分化異常と脂質の産生、代謝、輸送の異常です。
表皮は、皮膚の1番表面の部分です。1番表面の部分に異常が起きることによっ皮膚のバリア機能に障害が起き、皮膚の表面の角層が異常に厚くなるのです。
原因となる異常いろいろあり、原因となる遺伝子も複数あります。先天性魚鱗癬は遺伝する疾患で、遺伝形式はタイプによって様々です。
遺伝因子
先天性魚鱗癬の主な原因は遺伝にあります。遺伝子異常が皮膚細胞の成長と分化を妨げるために発症します。特定のタイプの先天性魚鱗癬は、X染色体に関連する突然変異によって引き起こされることがあります。
細胞構造の異常
皮膚の表層である角質層の細胞構造の異常も、先天性魚鱗癬の原因となることが知られています。この層は、皮膚を保護し、水分を保持する役割を果たします。先天性魚鱗癬の患者では、この層の細胞が正常に働かず、皮膚が乾燥して硬くなることが一般的です。
蛋白質の異常
皮膚細胞の成長と分化に関与する複数の蛋白質が、先天性魚鱗癬の発症に影響を及ぼす可能性があります。特定の遺伝子変異は、これらの蛋白質の機能障害を引き起こし、皮膚の正常な成長を妨げることがあります。
環境要因
遺伝子の影響は否応なく大きいですが、環境要因も先天性魚鱗癬の発症に一定の影響を及ぼすことがあります。乾燥した環境、摩擦などの物理的刺激、特定の化学物質への曝露などが、皮膚の障害を悪化させる可能性があります。
先天性魚鱗癬は、主に遺伝的な要因に起因する皮膚の病気です。特定の遺伝子の突然変異が、皮膚の角質形成の異常を引き起こし、皮膚が乾燥し硬くなる症状を生じます。細胞構造の異常、蛋白質の機能障害、さらには環境要因なども、この病気の発症と進行に寄与することがあると考えられています。
先天性魚鱗癬の症状は、皮膚の表面が異常に厚いことです。この皮膚の表面の厚さは生まれた時から新生児期に、広い範囲で起こります。全身の皮膚の表面が異常に厚い角質物質に覆われることも多いです。
程度は人それぞれで、程度が重い場合は眼瞼や口唇がめくれたり、耳介が変形したりすることもあります。他にも、皮膚に水疱ができたり、皮膚以外の臓器にも異常が起こったりすることもあります。
1. 皮膚の乾燥と硬化
この病気の最も目立つ症状は、皮膚の乾燥と硬化です。皮膚は鱼鳞状になり、粗くて乾燥している感じがします。特に腕や脚などの四肢にこの症状が現れることが一般的です。
2. 皮膚のひび割れ
乾燥した皮膚は非常にデリケートであり、ひび割れや割れ目が生じることがよくあります。これにより皮膚が痛むことがあり、感染のリスクも高まります。
3. 瘙痒
皮膚の乾燥と硬化は、しばしば強いかゆみを引き起こします。この痒みは、患者の日常生活において非常に困難となることがあり、睡眠障害などの他の健康問題にもつながることがあるため、重要な問題となります。
4. 掌蹠膿胞症
一部のでは、手のひらや足の裏に小さな水疱が発生することがあります。これは掌蹠膿胞症と呼ばれる症状で、しばしば疼痛を伴うことがあります。
5. 関節の制限
皮膚の硬化と共に、関節の周りの皮膚も硬くなり、関節の可動範囲が制限されることがあるため、柔軟性が低下します。これにより日常的な動作が困難になることもあります。
6. 目の異常
先天性魚鱗癬の一部のタイプでは、目の異常も報告されています。涙腺の機能障害などにより、目の乾燥や他の目の問題が発生することもあります。
7. 髪と爪の異常
髪や爪にも異常が見られることがあるため、髪が脆くなったり、爪が割れやすくなったりすることがあります。
先天性魚鱗癬の症状は多岐にわたり、皮膚の乾燥と硬化だけでなく、かゆみ、ひび割れ、水疱形成、関節の制限、目の問題、髪と爪の異常などが含まれます。これらの症状は年齢、先天性魚鱗癬のタイプ、個人の遺伝的背景などによって異なります。
先天性魚鱗癬の根本的な改善方法は今のところわかっていません。そのため、皮膚の症状を軽くするために改善を行なっていきます。
皮膚の症状に対しては保湿剤やワセリンなどを使ってしっかりと保湿を行います。新生児期には、輸液を行うことや呼吸の管理をすること、正しい体温を保つこと、皮膚の感染のコントロールをすることなどが大切です。
1. 保湿
先天性魚鱗癬の基本的な改善は、皮膚の保湿です。乾燥を防ぐために特製の保湿剤や乳液を日常的に使用することが励行されます。
保湿クリームとローション: これらは、皮膚を柔らかく保ち、かゆみやひび割れを減らすのに役立ちます。
浸漬バス: オートミールや塩を添加したバスは、皮膚を柔らかくし、保湿効果を高めるのに有用です。
2. 薬
症状が重篤な場合、薬が必要となることがあります。
トピカルステロイド: 炎症やかゆみを抑制するための局所的なステロイドクリームや軟膏。
レチノイド: 皮膚の細胞成長を調整する薬で、特に重度の鱼鳞状皮膚に用いられることがあります。
3. 光線
光線は、特定の波長の光を皮膚に照射する方法で、皮膚の成長と炎症をコントロールするのに役立つことがあります。
4. 物理的な改善方法
皮膚の削除: 厚くなった皮膚の削除は、外観と機能の改善に役立つことがあります。
オキシジェノセラピーバス: 皮膚の柔軟性を高め、乾燥と硬化を減らすために、酸素を含む特殊なバスが使用されることがあります。
5. 心理的サポート
先天性魚鱗癬は外見に影響を及ぼすことが多いため、心理的なサポートが重要となることがあります。カウンセリングや支援グループが助けとなることがあります。
6. 専門的ケア
先天性魚鱗癬の様々なタイプと症状に対応するため、皮膚科医、眼科医、栄養士など、さまざまな専門家の協力が必要とされることがあります。
トピカルステロイドの使用目的について説明します。
1. 炎症の抑制
トピカルステロイドの主な目的は、皮膚の炎症を抑制することです。皮膚の赤み、腫れ、かゆみなどの症状を軽減するのに効果的です。
2. 皮膚の病気の改善
トピカルステロイドは、様々な皮膚の病気の改善に使用されます。これには、次のような病気が含まれます:
アトピー性皮膚炎、乾癬、接触性皮膚炎、先天性魚鱗癬。具体的なアレルギー反応など
3. 使用方法
トピカルステロイドは、クリーム、ローション、軟膏などの形で提供され、医師の指示に従って皮膚に直接塗布されます。使用する量と頻度は、患者の状態、疾患のタイプ、トピカルステロイドの強さなどによって異なります。
4. 注意点
トピカルステロイドは効果的な改善法である一方、適切に使用しないと副作用を引き起こすことがあるため、以下の注意が必要です:
医師の指示に厳密に従う必要があります。
適切な期間と用量で使用する必要があります。
顔や陰部など、皮膚が薄い部分に使用する際には特別な注意が必要です。
長期間使用すると、皮膚が薄くなる、色素沈着、毛細血管拡張などの副作用が生じる可能性があります。
先天性魚鱗癬の症状には、発汗障害もあります。そのため、高体温になりやすいです。特に夏季は異常な体温の上昇には注意が必要です。室温の調整や衣類での体温調整を行いましょう。
先天性魚鱗癬は、皮膚バリア不全の状態です。皮膚バリア不全では、保湿をすることが1番大切です。皮膚を生活にすることも大事です。毎日お風呂に入り、皮膚の表面を清潔に保ちましょう。