公開日:2022年 5月10日
更新日:2022年 5月11日
本日はグルタミン酸ナトリウム症候群について解説させていただきます。
☆本記事の内容
銀座そうぜん鍼灸院の宗前です。
このページを書いている私は、鍼灸師として13年、担当した利用者様数80,000人を誇り、病気の休職者300人を社会復帰できるまで回復させてきた実績があります。
グルタミン酸ナトリウム症候群は、中華料理店症候群の別名で、中華料理を食べた後15~30分後に一時的に頭痛や顔面紅潮、発汗などの色々な症状が始まる症候群です。
当時、症状が現れる原因として、調味料として使われていたグルタミン酸ナトリウムの大量摂取が考えられておりグルタミン酸に対して過敏に反応する体質を持っている人がアレルギー反応を起こしているとされていました。
グルタミン酸ナトリウムは、食品添加物の一種で、アメリカの中華料理店で非常に多くの量が使われていたために原因と考えられ、グルタミン酸ナトリウム症候群とも呼ばれるようになったのです。
しかしその後、臨床試験の結果から、グルタミン酸ナトリウムを大量に摂取することと症状が現れることの明確な関係性が認められないということがわかっています。
現在では、グルタミン酸ナトリウム症候群の原因がグルタミン酸ナトリウムを摂取することであると断定することはできません。
ある研究で、グルタミン酸ナトリウム症候群になったことがある人に対して、グルタミン酸ナトリウムが大量に含まれる食事を与えた研究があります。
その研究では、症状が再現されなかったため、グルタミン酸ナトリウムとグルタミン酸ナトリウム症候群の関係は証明できていません。
その後の研究でも、通常の料理に使うグルタミン酸ナトリウムの量では、人間に対しての毒性があるという確認はできていません。
現在では、胸焼けやふらつき、顔や肩のこわばり、胸痛などの症状は、グルタミン酸ナトリウムの摂取だけが原因で起きたのではないということが証明されています。
また、口から摂取したグルタミン酸ナトリウムは小腸で吸収された後、たんぱく質になるために腎臓や肝臓にとどまるため、全身にまわる血管や脳に入ることはな胃ことからも症状とグルタミン酸ナトリウムの関係はわかっていません。
グルタミン酸ナトリウムは、その風味強化効果のため、世界中の多くの食品、特に加工食品やレストランの料理に広く使用されています。しかし、一部の人々は、MSGを摂取した後に不快な症状を報告しており、これを「グルタミン酸ナトリウム症候群」または「中国レストラン症候群」と呼んでいます。しかし、科学的な観点から見ると、この症候群の起源や実際の存在については論争があります。
グルタミン酸ナトリウム症候群の原因は何か?
この症状がMSG摂取後に発生する理由については明確な科学的な合意がありません。いくつかの理論が提案されていますが、まだ確定的な結論は出ていません。
グルタミン酸の過剰摂取: MSGはグルタミン酸の塩であり、グルタミン酸は神経伝達物質として働きます。MSGの過剰摂取が神経系に過剰な刺激を与え、症状を引き起こす可能性があります。
ヒスタミン反応: MSGは体内のヒスタミン放出を増加させる可能性があり、これが症状の一部を引き起こす可能性があります。
感受性: 個々の体質や遺伝的な感受性がMSG症候群の発生に関与している可能性があります。一部の人々は、MSGに対して特に敏感である可能性があり、その結果、他の人々よりも症状が出やすくなります。
プラシーボ効果: 一部の科学者は、MSG症候群の症状は、人々がMSGに対する悪影響を期待することによるプラシーボ効果(ノーセボ効果)である可能性があると示唆しています。つまり、人々はMSGを摂取すると症状が現れると予期し、その結果、体がそのように反応する。
これらの理論はいずれも検証が必要であり、MSG症候群の原因を確定的に説明するための明確な科学的な根拠はまだ見つかっていません。
グルタミン酸ナトリウム症候群の症状は、頭痛や発汗、皮膚の潮紅、しびれや口の中や喉のひりひり感、吐き気、疲労などです。
症状は、中華料理を食べた後15分~30分くらいで現れ、2~3時間続きます。
グルタミン酸ナトリウムに対してアレルギー反応として、胸の痛みや異常な心拍
、呼吸困難や顔や喉の腫れなどの非常に重い症状が現れることもあります。その場合は、命にも関わるため、できるだけ早く改善を行うことが必要です。
MSG症候群は、MSGを摂取した後に起こる可能性がある一連の症状を指します。以下にその主な症状を挙げます。
頭痛: グルタミン酸ナトリウム症候群の最も一般的な症状の一つは頭痛で、これは偏頭痛のような形で現れることがあります。
発汗と顔面紅潮: フラッシングや発汗は、身体が過剰に温まると感じる症状です。これは身体が温度を調節しようとする反応で、心拍数の増加と一緒に起こることがあります。
顔面のほてりと麻痺感: これは一部の人々が経験する症状で、通常は数時間以内に消えます。
胸の締めつけ感: これは心臓の問題ではなく、通常は一時的な不快感です。
腹痛と吐き気: MSG摂取後に胃や腸に影響を及ぼす可能性があります。これは吐き気や胃痛を引き起こす可能性があります。
全身の無力感や倦怠感: 一部の人々は、全身的な無力感や疲れを感じることがあります。これは数時間後に解消することが一般的です。
これらの症状は通常、MSGを摂取した後数時間以内に現れ、ほとんどの場合は24時間以内に消えます。しかし、人によっては症状が長く続くこともあります。
これらの症状が起こると、それは一般的には短期的で、改善を必要としないことが多いです。しかしながら、これらの症状が起こると、それは非常に不快であり、時には日常生活に影響を及ぼすこともあります。したがって、MSG症候群の症状が現れた場合、MSGの摂取を控える、あるいは減らすことを検討する価値があります。
それにもかかわらず、これらの症状が必ずしもMSG摂取によって引き起こされると断定することは難しいです。なぜなら、これらの症状は他の食品成分や食品添加物、あるいは個々の健康状態やストレスなど、他の多くの要因によっても引き起こされ得るからです。
グルタミン酸ナトリウム症候群の症状についての科学的な研究は、明確な結論を出していません。いくつかの研究ではMSG摂取後の症状を報告していますが、これらの研究は通常、大量のMSGを摂取した場合や、空腹時にMSGを摂取した場合に限定されています。実際の食事状況下でのMSGの影響を調査した研究では、MSGと症状との間に明確な関連性を見つけることは困難でした。
したがって、MSG症候群の症状がMSG摂取に直接関連しているかどうか、あるいは他の要因が関与している可能性があるかどうか、についてはまだ疑問が残っています。一部の専門家は、これらの症状が人々がMSGに対するネガティブな期待によって引き起こされている可能性を指摘しています。
グルタミン酸ナトリウム症候群の症状とその原因についての理解は、まだ発展途上であり、更なる研究が必要です。しかし、MSGを摂取した後に不快な症状を経験する場合、その可能性を無視せずに医師に相談することが重要です。
グルタミン酸ナトリウム症候群で症状が現れる原因として可能性のあることは、体質的にビタミンB6が不足していることです。その場合、グルタミン酸ナトリウム症候群の発症を抑えるためには、ビタミンB6を補足することが大事です。
グルタミン酸ナトリウム症候群が、中華料理店で食事をした後に見られた場合は、中華料理や料理に使われている食材にヒスタミンの含有量が高いものが多いことからヒスタミン中毒が考えられます。
さらに、中華料理のナトリウム含有量が一般的には高いことから血中のナトリウム濃度が上がることも原因として考えられます。
グルタミン酸ナトリウム症候群の症状は通常、数時間から一日以内に自然に消える傾向があります。そのため、症状が現れた場合の対策は大抵は自己管理と休息が中心となります。それには以下のような方法があります。
水分補給: 水分補給は、体の脱水状態を防ぎ、体が正常に機能するのを助けます。発汗や頭痛などの症状が出た場合、十分な水分を摂ることが重要です。
休息: 症状が現れた場合、十分な休息をとることで体が回復するのを助けます。
頭痛薬: 頭痛がひどい場合、一般的な頭痛薬(例えばアセトアミノフェンやイブプロフェンなど)が症状を和らげるのに役立つ場合があります。ただし、これらの薬は医師の指導なしに長期間服用することは推奨されません。
これらの対策が効果的でない場合や症状が長期間続く場合は、専門家に相談することが重要です。特に、呼吸困難、胸痛、蕁麻疹、顔や口の腫れなど、アレルギー反応を示す重篤な症状が現れた場合、直ちに病院に助けを求める必要があります。
グルタミン酸は体の中に存在する非常に重要なものです。特に母乳には、昆布のだし汁の中のグルタミン酸とほとんど同じ濃度のグルタミン酸があると言われており、赤ちゃんは毎日高い濃度のグルタミン酸を摂っていることになります。
しかし、母乳を飲んだ赤ちゃんがグルタミン酸ナトリウム症候群で現れるような症状を発症しているわけではありません。ただし、体質によってはグルタミン酸ナトリウムに対して敏感に反応する人もいます。
グルタミン酸ナトリウムによる過敏反応であるかどうかを判断するためには、医師に症状や食事での摂取量、食事の内容を評価してもらうことが必要です。気になる症状が現れた場合は、病院に相談に行くことをお勧めします。
グルタミン酸ナトリウムは料理をおいしくするために便利な調味料で、旨味調味料として販売されています。食生活を楽しむためにも、グルタミン酸ナトリウムのことを正しく理解し、適切な使い方で使うことが大事です。
症例1:50代男性、頭痛と顔面ほてり
アジア料理を食べた後に頭痛と顔面ほてりを経験したと報告しました。これらの症状は数時間続き、自己管理による改善が見られなかったため、診察を求めてきました。彼に一般的な頭痛薬を処方し、十分な水分補給と休息を推奨しました。また、MSGが原因である可能性があると説明し、MSGを含む食品を避けることを提案しました。アドバイスを受け入れ、その後には症状の改善が報告されました。
症例2:40代女性、胸の締めつけ感
レストランで食事をした後に胸の締めつけ感を経験し、それが心臓の問題かもしれないと心配して病院に行きました。彼女に心電図を行い、心臓の問題を除外しました。そして、彼女の症状がMSG症候群である可能性があると説明しました。その後、彼女はMSGを含む食品を避けたところ、症状が再発しなかったと報告しました。
症例3:30代男性、頻繁な頭痛と無力感
頻繁に頭痛と無力感を感じており、それが彼の日常生活に影響を与えていました。彼は仕事中に頻繁にインスタントラーメンを食べていることを明かしました。それらの食品は通常、MSGが含まれています。そのため、彼に食生活を見直すことを提案し、特にMSGを含む食品の摂取を避けるよう勧めました。
さらに、彼の頻繁な頭痛のために、適切な頭痛薬を処方し、適度な運動と十分な睡眠を取ることを推奨しました。彼はこれらのアドバイスを受け入れ、その後症状の大幅な改善を報告しました。
症例4:60代女性、頻繁な腹部の不快感と頭痛
頻繁な腹部の不快感と頭痛を訴えていました。彼女の食生活を詳しく聞いたところ、彼女は頻繁に食事として加工食品を摂取していることが明らかになりました。彼女にMSG症候群の可能性を説明し、食生活の改善とMSGを含む食品の避けることを勧めました。
これらの例は、MSG症候群の潜在的な症状を管理するための様々なアプローチを示しています。それぞれの症例は、個々の症状、食生活、生活習慣に基づいています。
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