公開日:2022年 11月23日
更新日:2022年 12月 4日
本日はライ症候群について解説させていただきます。
☆本記事の内容
銀座そうぜん鍼灸院の宗前です。
このページを書いている私は、鍼灸師として13年、担当した利用者様数80,000人を誇り、病気の休職者300人を社会復帰できるまで回復させてきた実績があります。
ライ症候群の発症は、ウイルス性の病気に続いて起こります。先行するウイルス性の病気の代表的なものは、インフルエンザや水疱瘡です。
しかし、なぜウイルス性の病気に感染した後にライ症候群を発症するのかということについては明らかになっていません。
ライ症候群の発症には、いくつかのリスク因子との関係が考えられており、代表的なものにインフルエンザや水疱瘡などを発症した時に内服する解熱鎮痛剤の一部が言われています。
ただし、全ての人が解熱鎮痛剤を内服することでライ症候群を発症するわけではありません。そのため、個人が発症のリスク因子を持っているとも言われています。
リスク因子のひとつは、脂肪酸の代謝に関わる先天的な代謝の異常です。普段は特に症状がなくてもインフルエンザなどのウイルス性の病気にかかった時、症状が現れることがあります。
脂肪酸の代謝に関わる代謝異常があり、ウイルス性の病気にかかっているときに一部の解熱鎮痛剤を内服するという幾つかの要因が重なることでライ症候群の発症につながることがあると考えられています。
ライ症候群の初期症状は、乳児の場合下痢や多呼吸、年長児の場合吐き気や頻回の嘔吐です。
症状が進むと、中枢神経障害に関係して、完全に眠ってなくてもうとうとした状態になったり少しのことですぐに不機嫌になったり、異常興奮が見られたり、手足の麻痺やけいれんが現れたりします。
さらに病状が進むと、意識消失から呼吸停止に至ります。
ライ症候群の改善の中心は急性脳症と肝機能障害に対して行います。
急性脳症に対しては、脳の腫れを改善させるために、挿管管理の上呼吸回数を増やしたり水分制限を行ったり、浸透圧利尿剤を投与したりして改善に取り組みます。
肝機能障害に対しては、ビタミンKの投与や新鮮凍結血漿輸血などを行うことで出血傾向の改善に取り組みます。
ライ症候群は予防が非常に重要です。子供の発症を回避するためにはライ症候群と強く関係していると考えられている一部の解熱鎮痛剤を避けることが大事になります。
インフルエンザや水疱瘡などで病院の小児科などに行った場合はライ症候群を引き起こすリスクがないとされている薬が処方されています。
自己判断で家にある解熱鎮痛剤を使うのではなく医師の指示のもとで使うことがライ症候群の予防につながります。