東洋医学について

公開日:2021年 10月21日

更新日:2024年 10月 3日

本日は東洋医学ついて解説させていただきます。

施術を行う上で必要となるのは、解剖学や生理学といった人体構造の知識に加え、その構造に何らかの支障が出た場合の知識です。医師をはじめとした施術者は人体の構造を学びますが、鍼灸師の場合、それらの知識に加え、改善を行う上で「東洋医学」の知識が基盤となります。

 

多くの場合「医学」と聞くと思い浮かべるのは、薬物や手術などで改善を行う「西洋医学」の方ですが、東洋医学では、生薬や漢方、鍼や灸などを用います。

 

本記事では、東洋医学の成り立ちや、考え方、改善の方針、東洋医学と西洋医学の違い、そして両者との上手な向き合い方などを紹介していきます。

☆本記事の内容

  • 東洋医学の歴史
  • 東洋医学の基本知識
  • 東洋医学と西洋医学の違い
  • 東洋医学と鍼灸

銀座そうぜん鍼灸院の宗前です。

このページを書いている私は、鍼灸師として18年、担当した利用者様数100,000人を誇り、病気の休職者300人を社会復帰できるまで回復させてきた実績があります。

東洋医学は古代中国で生まれた

東洋医学は古代中国で生まれた考え方で、誕生は約2000年前、日本でいう弥生時代です。

 

当時の中国の人々は、気候や風土、その土地の生活習慣や考え方に基づき改善法を徐々に確立していきました。東洋医学は7世紀頃、遣隋使や遣唐使によって日本に伝わり、鎖国などを経て日本独自の東洋医学の考え方が確立されていきました。

東洋医学の基礎

東洋医学を知ろうとするには、古代中国から伝わる書籍「黄帝内経」や「傷寒論」などに書かれている基礎理論。

 

『陰陽五行説』『臓腑』『経絡経穴』などを理解する必要があります。ここでは、それらに記載されている東洋医学の基本的な理論を、日常の物事と関連しやすいようにまとめていきます。

気の概念

陰陽五行説

陰陽五行説とは、紀元前3000年頃誕生した、古代中国の陰陽思想と、紀元前2000年頃の五行説が合わさり生まれたもので東洋医学の基本の思想です。宇宙のすべてを二つの陰陽と五つの元素(木・金・土・火・木)に分けられていると考えました。

 

陰陽は全ての物事に存在するに相対する2つのエネルギーです。陰陽のバランスが良いと健康が維持されます。五行に関しては木火土金水と言われています。これは、自然界人間の体を構成する5つの要素を指しており、このようなバランスは非常に重要です。

 

エネルギー経路を通じて体内循環に関して健康をつかさどる考え方です。

陰陽説

陰陽説とは、我々の日常生活や自然現象、ありとあらゆる営みは全て陰陽に分けられ、また、その変化に順応することによってうまくゆくとする考えです。

 

身近なものを陰陽で分けると、女性は「陰」、男性は「陽」。月は「陰」、太陽は「陽」。夜は「陰」、昼は「陽」。秋と冬は「陰」、春と夏は「陽」。軽いは「陰」、重いは「陽」。など、あらゆるものを陰陽に分けることができます。

 

両者は、相互に依頼する関係にあります。夜があるから朝がある。女性がいて、男性がいる。もし世界に女性のみしかいなくなってしまえば、人類は存続することは出来ませんね。このように両者は、お互い依存し、抑制し合い、さらには相手を消耗させる関係にあります。

―陰陽の性質―

日かげは冷たく暗いですね。水は冷たく、低い方へ下る性質があります。

 

ここに出てきた「日陰」、「冷たい」、「暗」、「水」、「低い」、「下る」は全て「陰」に所属します。反対に、日なたは温かく明るいですね。火は温かく、高い方で上る性質があります。

 

ここに出てくるのは全て「陽」に所属しています。このように考えると、簡単に身近なあらゆるものを陰陽に分けることができます。

五行説

五行説とは、この世のすべての万物は「木・火・土・金・水」の5つの要素に分けることができ、5つの要素がお互いに影響しあい相手を攻撃したり生み出したりして、動き変化し、循環しているという考えです。この5つは、相克(そうこく)と相生(そうせい)の関係から成ります。

  • 相克(そうこく)

対立・矛盾する二つのものが互いに相手に勝とうと争うことを言います。

木は金に弱い。(木はのこぎりで切られる・紙は木から出来ていますが、はさみで切られてしまいます)火は水に弱い。土は木に弱い。(土の養分は木に吸われてしまうため)金は火に弱い。(金も鉄も火によって形が変わってしまうため)水は土に弱い。(水は土でせき止められるため)このようにどちらかが負けるため、成り立っている関係です。

 

  • 相生(そうせい)

相手を生み出していく関係を表します。木が燃えて火を生み出し→火で燃えた木が土を生み出し→土の中から長い歳月で鉱脈(金)が出来→金属の表面には水滴が付いて水を生み出し→水分や水に溶けた栄養を吸って木は生み出されます。

五行説の基本になるのは、五臓六腑といわれる内臓のようなものが体の中にあり、それらが相互して身体の機能・構造が維持されているという考えです。

 

西洋医学のように心臓は心臓、肝臓は肝臓というように別々に考えることはしません。互いに助け合い、ときには抑えてバランスをとっていると考えます。

五行の色体表(一部抜粋)

五行

五臓

五腑

小腸

大腸

膀胱

五色

五感(感覚)

五液

(よだれ)

(鼻水)

五香(体臭)※1

(そう)

(しょう)

(こう)

(せい)

()

五志(感情)

五主

(体の部分)

血脈

肌肉

皮毛

五味(味覚)

鹹※2

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

※1 臊(そう)→油くさい、焦(しょう)→焦げくさい、香(こう)→香ばしい、腥(せい)→魚のような生臭いにおい 、腐()→腐ったようなにおい

※2 (から)い:塩辛い味

 

このように、人体の生理的現象や感情・感覚などすべて五行に分けることができます。そしてそこから、からだのどこが悪いのかを突き詰めていくのが東洋医学の考え方です。

例えば、視力の低下は肝の疲れ。味覚異常や舌の炎症は心の疲れ。唇にツヤがなくなるのは脾の疲れ。嗅覚低下・鼻の炎症は肺の疲れ。耳が遠く、耳鳴りがすれば腎の疲れ。と考えられます。

 

世界中を混乱させた、新型コロナウイルスは呼吸器系に影響を及ぼしますが、東洋医学の考え方で “肺”の不調は嗅覚低下や炎症を引き起こすと考えられてきていました。このように結び付けていくと、人体に起こる様々な不調を、東洋医学と結び付けていきやすのではないでしょうか。

ツボとは

ツボは経絡の中継地点です。経路は気が流れる通り道で、人体を網目のように回っています。ツボはこの経路上にある気の出入り口のことです。

 

気功ではこのツボにアプローチすることによって所属している気の流れを改善させることができます。内気功はそのツボを意識することによって経絡を回して体を良くしていきます。気を調整するという考え方です。

気功の起源

気功の歴史は、紀元前3世紀頃、古代中国の道教、儒教、仏教にまで遡ります。

 

古代中国の気功は、黄帝内経という医学書に健康を維持して長寿を得るための養生法だったとすでに記述されていました。

 

当時の気功は、日常的な健康法として広く行われていたため、特に気をコントロールすることで病気の予防や体内の調整を図る技法して紹介されていました。そして漢時代紀元前206〜220年ごろになると気功は中国の伝統医学と深く結びついて改善方法としての地位を確立していました。

 

この時期では経絡理論が体系化して気の流れやツボを利用して体のバランスを整える技法が確立されています。道教や仏教の修行法として融合されており、精神修行の一環としても重視されるようになりました。気功は単なる体の健康を保つ手段ではなく、心身の調和を図る総合的な健康法として発展したのです。

 

少林寺と関係が深く、気功の発展にも大きな影響を与えています。少林寺では武術とともに気功が練習されていて心身強化、精神鍛錬を行なっていました。武術気功ともいって戦闘において戦いかたを最大限に引き出すために気の流れをコントロールする方法です。

 

20世紀になると気功は中国政府に研究対象とされ、科学的な観点から研究されるようになりました。1970年代からは気功の医学効果に関する研究が活発化して特に慢性疾患やストレス緩和、精神安定に寄与することが明らかになっています。

 

気功が健康法や改善方法として広く普及して中国国内のみならず世界中に広まっていったのです。

東洋医学と西洋医学の違い

東洋医学と西洋医学では、まず判断の方法から大きく異なります。

西洋医学では、身体をみたり調べたりしてデータから身体の状態を科学的、局所的、理論的に分析し、症状の原因となっている病巣や病因を排除することで改善します。

 

対して東洋医学では、不調の原因が何であるのかを考え、その原因を突き止めます。身体の不調に対する根本的な原因を探るため、全身をみてから改善法を判断します。症状がある部分以外の状態が、病気やケガの原因になることがあるからです。

身体の不調が何をもって「改善した」と言えるのか、両者はその考え方の違いにあります。人間の身体を機械に例えて考えてみましょう。

 

『 機械が故障して止まってしまいました。

    原因はネジが外れてしまっていたからでした。

  そのため、ネジをはめたら動き出しました。

 

西洋医学の場合は、そのネジをはめて動き出せば改善したということになります。

東洋医学の場合は、なぜネジが外れたかの原因を探ります

 

機械のネジは全体の振動が大きく、その影響で外れた可能性があります。そうなると、ネジをはめてもまた外れてしまうことが考えられます。よって、振動を抑えることをしていきます。 

 

東洋医学では、機械を安定させて振動を抑えることにより、ネジが外れにくくなることで改善したと考えます。局所的に対処するのか、原因を突き止めるのか、目的や考え方の違いにあります。

気功師になるには

①気の知識、自分自身の鍛錬を積むこと

気の知識を理解して体得することが大事です。気功師になるためには気という見えない力の操作に長けてなければいけません。気はスマホの電波のようなものです。見えないけど確かに存在していて影響を与えています。

 

気功師に1番必要なものは気の総量です。気功師が体内に持っているエネルギーのことで多ければ多いほど強力な施術ができます。といっても、急に気を増やすことはできないため、定期的な自己修練が必要です。

 

瞑想や呼吸法を通じて外周天や小周天の練習を積み重ねることによって自分の体内のエネルギーを高めましょう。気を貯めたり太極拳のような動きをすることで気のエネルギーの総量を増やすことができます。

②気のコントロールと感覚を磨くこと

自分の気をコントロールして自由自在に操る能力である気の質量を身につけていきます。これができるようになると手のひらから気を送り出して人を元気にさせたりリラックスさせることができます。手から出る癒しのビームのようなものです。見える訳ではないが効果は実感できます。

 

気の感受性が重要です。気を感じ取る力のことで、空気の香りを嗅ぎ分けるように気の流れを感じることができるようになる能力が高まると体調や精神状態が手に取るようにわかるようになります。より的確な施術が可能になるのです。

 

気功師になるには、瞑想、呼吸法、滝行は必ず行わなければいけません。鍼灸師もただ鍼をすれば良いという訳ではありません。何に悩んでいてどういう成り立ちでこの症状が起きているのかを考えてどこを変化したら改善するのか回復の過程はどうなのかを理解しなければいけません。

 

気の概念は虚と実でできています。

虚・・・エネルギーが不足しているところ

実・・・気が充満しすぎているところ

不足しているところと溜まりすぎているところがアプローチ方法が全く違います。それを感じることで、どこが悪いのかを理解して変化させることが必要です。

③知識と経験を積んで実践する

気のエネルギーを実際に届ける段階です。改善に必要なのは気だけではありません。正しく判断し適切な施術を行うことが重要です。気のマスターでありながら医者のような洞察力も必要なのです。

 

血流や自律神経、ストレスのような安易なものではなく、耳鳴りや不安感が脳のどの領域で起きているのかどのホルモン神経伝達物質で起きているのかをある程度予想して対処すすることが大事です。

 

30代の女性の人が耳鳴りがうるさくて不安感にとらわれているとした場合、体がボロボロになって脳が興奮して耳鳴りが起こっているのか、ライブが好きで爆音を聴きすぎて耳鳴りを起こしているのか、生理前でPMSを起こして耳鳴りが起こっているのか、カフェインが大好きで飲みすぎて脳過敏を起こして耳鳴りが起こっているのか、どのようなケースで耳鳴りを起こしているのかということをある程度判断することが必要です。

 

カフェインから起きた場合は、耳鳴りや脳過敏症はカフェインをやめないと改善しません。気だけではないのです。

 

また、コニュニケーション能力も欠かせません。話を聞いて信頼関係を築いて安心感を与える気功師にならなければ本当のプロにはなれません。気功の学びは一生続きます。新しい観点や技法を学び続け、自分を高める探究心が必要なのです。

内気功

自分自身の気のエネルギーを高めて健康を増させるための自己修練法です。外気功は、他者にエネルギーを送り出すことで、内気功は自分の体内の気を巡らせて心身を鍛えることです。

 

内気功によってエネルギーの流れをスムーズにすると体内のバランスを整えて調整することができ、免疫や自己治癒能力を高めることが期待できます。自分で刺激を与えて回復させる能力が高まるのです。

内気功の効果

内気功の効果は、気の循環の調整、精神安定や集中力向上、免疫力や自己治癒力の向上です。

 

呼吸方法、瞑想、太極拳などを通じて体内の気を巡らせ、気の流れを整えることによって体のバランスが整って健康を増進させるのです。特に経絡に沿って気を流すことによって滞りを解消し、全身の調和をはかります。

 

内気功の修練は心を落ち着かせることができ、深い集中力状態を保つことができます。瞑想や意識の集中を通じて精神的な安定を図り、ストレスや不安を軽減させることが期待できます。気の流れが良くなることによって体内のバランスが調整され、免疫システムが強化され、病気に対する抵抗力が高まり自然治癒力が高くなるのです。

 

日常生活に内気功を取り入れることによって病気予防や慢性疾患の改善に期待できます。マインドフルネスや乾布摩擦、座禅など一見全く体に良い影響を及ぼすものではなく単純に精神統一であると考えられるものもあるが、それによって体が刺激され、免疫システムが強化され、がんが改善したり血液の数値が下がったりということもあり得るのです。

内気功の実践方法には、呼吸法、動作法、瞑想法があ四頭筋。

 

呼吸法→腹式呼吸

ゆっくり深く呼吸して体内に新鮮な気を取り込むながら体に溜まっている邪気を吐き出すことを意識します。呼吸を通じて体内の気の流れを整えて心身をリラックスさせるのです。鼻から吸ってお腹にためて体に溜まった空気をどんどん出すイメージです。

 

 

・動作法→ゆっくりとした動作

経絡に沿って気を流して全身のバランスを整えます。八段錦、五禽戯の動作法が一般的です。

 

・瞑想法→静かに座って意識を内側に傾ける

意識を丹田に集中させて体内に気を溜め込む小周天や大周天といった瞑想法があります。

東洋医学と鍼灸

鍼灸師は、東洋療法を用いる数少ない国家資格であり前述したような知識を基に、判断や改善方法を組み立てていきます。

 

そして、人体各所に張り巡らされた経穴(ツボ)に対して、鍼や灸を用いて刺激を与え、循環機能を改善し、身体のバランスを整えていきます。

 

鍼灸師以外に、漢方を扱う薬剤師や、あん摩マッサージ指圧師も、東洋療法は学んでいますが、判断、改善方法のメインとして考えることは少ないでしょう。

当院では、鍼灸では西洋医学的な観点で改善しています。病院の先生の医学的な知識を参考に行っているが明らかに西洋医学では説明できないものがたくさんあります。

 

わかりやすいのは邪気です。調子が悪い人が来ると調子の悪さを施術者側が受け取り同じ症状を出すことがあります。精神的なものではなく身体症状で起こります。院長や咳やアトピーという症状で現れたことがあります。

 

そのような場合は塩を塗るとすぐに改善します。見えない力がありコントロールすることで改善の効果として最大限に利用できると信じています。

 

P P P Dが改善したKさんは、手首が痛いという訴えで来院しまし、気功をしたらその場で痛みが取れました。

 

気功には効くタイプと効かないタイプが存在しますが、ある程度能力が上がったり特徴を掴めると鍼が良いか気功が良いかマッサージが良いか、その人の状況に応じて対応できるようになります。

九字護身法

九字印の歴史は古代中国にまで遡ります。中国には、太一簇偶という呪術があり、9つの方角を司る簇偶を使って悪霊や災を避ける儀式が行われていました。同志たちは手で韻を結んで呪文を唱えて悪いものを追い払っていたのです。

 

奈良時代から平安時代の8〜10世紀に遣唐使や留学僧によって日本に伝わってきました。日本に伝わってきた後、九字印として密教や陰陽道の中で進化していきました。特に平安時代には陰陽師が宮廷や貴族に仕えて厄災を祓ったり敵対者から守るために九字印を使っていました。

 

日本密教の祖である空海も関わっています。空海は唐から帰国した後、三密加持という手法を加えました。三密加持は真言宗の修行法で身密、口密、意密を整えることで、即身仏になれる(生きたまま仏になれる)ということです。

 

この密は後方大師が唐から伝えた密教のことで仏と一体化になる修行のことを指します。手で韻を結んで口で呪文を唱えて心で仏を念ずるという技法で九字印の基礎になった可能性もあります。

 

平安時代の陰陽師で忘れてはいけないのは安倍晴明です。九字印を使っている伝承があります。陰陽師は占いの他に政治的なトラブルから貴族を守るために九字印を使っていました。

 

戦国時代になると、戦場でのストレスや試合に打ち勝つために武士や忍者たちが九字印を使っていました。真剣な戦場では精神的に集中するための大事なルーティンであったと言われています。

 

現代での九字印は伝統的な儀式、修行の一環として伝えられています。修験道、密教の僧侶が精神の浄化、守護祈願のために行っています。邪気払いといっても心の邪念やストレスを追い払う儀式の側面が強く、最近ではマインドフルネスや瞑想といったストレスフルの現代で邪気払いをしてスッキリしたいというニーズもあります。

 

しかし、軽弾みにやってはいけません。九字印は修行を積んだ僧侶や業者が行うことで初めて効果を発揮するスピリチュアル的な儀式です。他人の邪気を払うことで自分を取り巻いている邪気を払うことができるため、練習をして行ってみて欲しいです。

九字印の作り方

「望める兵 戦う者 皆陣をはり 列をつくって 前にあり」と解釈されます。

臨・・・小指、薬指を間にはめて手をたたむ。

兵・・・中指を人差し指にかける。

闘・・・人差し指と中指をからめて中指と小指の先端、親指をくっつける。

者・・・人差し指になや指をはめて人差し指と親指、小指をくっつける。

皆・・・掴んで祈るような形を作る。

陣・・・指の関節でとめて組む。

列・・・右手を開いて親指を中に入れ、左手で中指を包み左の人差し指を先端につける。

在・・・人差し指と親指の先端をくっつけて円を作る。

前・・・左で拳を作り右手を開いて乗せる。人によっては親指をくっつけることもある。

気功による腰痛の施術

人間の体は異常がある場所に必ず制限が現れ、異常な緊張が生じます。これは、単なるコリとは異なり筋性防御と呼ばれる現象です。

 

筋性防御は、体が自らを守るために硬直する生理反応です。脳は悪いところを意識できないほどの緊張で訴えているのです。

 

腰に問題がある場合、筋性防御では腰の周辺の筋肉が硬直します。脳はその部分を守ろうとする体の自然な防御反応が見られるのです。

①腰の骨と背骨の状態を確認します。

解剖学的に言えば腰椎は脊柱の下部に位置し、多くの動きを支える重要な部分です。この方は、腰の3番目と5番目が緊張していました。

 

股関節の状態を見ます。

股関節は人体の最大の関節であり歩行や座る動作に重要な役割を果たしています。年齢を重ねると寛骨臼形成不全と言われる股関節の異常が如実に現れるため注意が必要です。東洋医学では股関節の気の流れが滞るとエネルギーバランスが乱れると言われているほど、しっかり整えなければいけないポイントです。

 

股関節の状態を確認するときにはむくみも一緒にみます。むくみは血液やリンパの流れがと滞って起こります。むくみがある場合、その部分の気の流れが滞っていることがあるのです。

 

気功では体内のエネルギーである気を整えることが重要視されます。気の流れをスムーズにすることで体全体の調和を図るのです。特に股関節や腰の周りの気の流れが整うと、下半身全体の動きが改善され、痛い軽減が期待できます。

 

腹部の経路の流れを確認します。

このとき大事なことは脱力と深い呼吸をしてもらうことです。

 

瘀血は、血液が流れにくくなり体の中に滞る状態のことです。瘀血を気功でとっていきます。瘀血の状態の場合は、へその斜め45度にしこりができるため、そこにアプローチを行い、変化させていきます。

 

④脳の前頭葉と頭頂葉にアプローチをしていきます。

東洋医学では脳のことを髄海と呼びます。髄海は、全身の生気が集まる場所で健康の要になる場所です。痛みを感じる部分は頭頂葉の体性感覚のため、体の感覚情報を処理する重要な部分になります。ここの興奮は急な痛みを作り出します。

 

この急な痛みは脳過敏症候群につながります。東洋医学では気の滞りと捉え、体内の気の流れを整えることで症状を改善していきます。気功を行って髄海の流れを疎通させていきます。

 

⑤目、鼻、口、喉にもアプローチします。

これらの神経は視覚、嗅覚、味覚といった感覚情報を脳に伝える重要な役割を持っています。五感の使いすぎは脳の疲弊に繋がるためここにもアプローチを行います。

 

東洋医学では喉にあたかも梅の種があるように感じることから梅核気と呼ばれています。梅核気は、ストレスや自律神経失調症、情緒不安定によって発症します。東洋医学の書では2000年以上も前から記載があるため、昔から自律神経失調症があることがわかります。

 

⑥再度お腹をみます。

脳は人と関係があるため悪いところの取り残しがないか確認します。

 

⑦腰を反って痛みを確認します。

東洋医学では脳の健康は腎の状態と密接に関係していると考えられています。脳または髄海の栄養供給を担うのが腎の役割です。腎が健康であれば髄海も健やかで全身の気の流れがスムーズになります。

 

腰の3番目と5番目の椎骨が正常に機能することで腎の働きも良好になります。髄海である脳も正常になり脳過敏の改善にもつながります。

 

⑧脳の後頭葉にも気功を行います。

後頭葉は脳波のアルファ波が観測される場所です。現代人は目の使いすぎのため、脳過敏を徹底的に改善することが大事です。

 

⑨動きを確認します。

当院では、腰を反っても痛くない状態になれば変化していると考えています。

まとめ

本ページをまとめます。

  • 東洋医学は古代中国で生まれた伝統的な方法
  • 東洋医学の基礎は『陰陽五行説』
  • 西洋医学と東洋医学は局所的に対処するのか原因を突き止めるのかの違いにある
  • 鍼灸師は、東洋療法を用いる数少ない国家資格

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