肘内障の鍼灸【原因・定義・症状】

公開日:2021年  8月 3日

更新日:2022年  1月18日

本日は肘内障について解説させていただきます。

☆本記事の内容

  • 肘内障とは
  • 肘内障の原因
  • 肘内障の症状
  • 肘内障の改善方法
  • 肘内障のまとめ

銀座そうぜん鍼灸院の宗前です。

このページを書いている私は、鍼灸師として13年、担当した利用者様数80,000人を誇り、病気の休職者300人を社会復帰できるまで回復させてきた実績があります。

 

肘内障は、肘の輪状靭帯と橈骨頭がはずれかけている状態

肘内障は、肘の輪状靭帯と橈骨頭がはずれかけている状態のことです。起こることが多いのは、歩き始めてから小学校に入学する前くらいの時期の子供です。

 

親と手をつないで歩いているときに転びそうになり親がとっさに手を引っ張った時などに起こるケースが多いです。

 

男の子でも女の子でも起きることがありますが、男の子よりも女の子に多い傾向があります。肘内障が起こったら、改善を行なった後もしばらくは再び起こりやすい状態になります。

肘内障の原因は、骨格が発達している途中であること

肘内障の原因は、骨格が発達している途中であることです。骨格が発達している途中の子供は、肘の輪状靭帯と橈骨頭がしっかり固定されていません。そのため、少しのことで外れかけてしまうことがあるのです。

 

転んだり、強い力で腕を引っ張られたり、腕を掴んで何度も持ち上げられたりすることが亜脱臼のきっかけとなることがあります。

 

子供は大人にとっては軽い力であると思っても、ふとしたきっかけで亜脱臼を起こすことがあるため注意が必要です。

1. 腕を引っ張る動作

突然の引っ張り: 最も一般的な原因は、大人が子どもの手や腕を強く引っ張ったときです。例えば、転びそうになった子どもを咄嗟に引き上げたり、手をつないでいるときに突然引っ張ったりした場合に起こります。

遊び中の動作: 子どもの腕を持って回転するような遊びや、ぶらんこ遊びのように腕を強く引っ張る遊びをした際にも、肘内障が発生することがあります。

 

2. 転倒や腕をひねる動作

転倒: 子どもが転んで、手を突いたときに肘が不自然な方向に力を受けることで、肘内障が起こることがあります。

腕をひねる: 子どもが自分で無理に腕をひねったり、重いものを持ち上げようとしたりすることでも肘内障になることがあります。

 

3. 子どもの骨や靭帯の構造的特徴

成長段階: 子どもの骨や靭帯は大人よりも柔らかく、関節がまだしっかりと固定されていないため、少しの力で関節がずれやすくなっています。

骨の未発達: 子どもは骨がまだ発達途中で、肘の関節が完全に形成されていないことが多いため、靭帯がずれやすく、肘内障が起こりやすい状態です。

肘内障では、痛みが起きることがほとんど

肘内障の症状は、肘の輪状靭帯と橈骨頭が外れかけて亜脱臼の状態になることです。この時、痛みが起きることがほとんどです。

 

肘内障が起きると、腕を動かすことができなくなり片腕が垂れた状態になることがほとんどです。

 

肘内障で起きる痛みは肘のみです。そのため、肘以外の関節は問題なく動かすことができます。時間が経つと痛みは軽くなります。

 

しかし、時間が経って痛みが軽くなっても関節や周辺組織には異常が起きたままであるため、腕を動かすことを嫌がることが多いです。

1. 腕を動かさなくなる(動かそうとしない)

症状の特徴:肘内障になると、子どもは急に腕を動かさなくなります。特に、痛みがあるために腕を動かすのを嫌がり、肘を曲げたり伸ばしたりすることをしなくなります。腕が体の横にだらんと垂れ下がるような姿勢をとることが多く、手首のあたりを軽く内側にひねった状態で固定することが多いです。

 

2. 痛みを訴える

症状の特徴:腕を動かそうとしたときに、痛みを訴えたり、泣いたりします。ただし、年齢が低く、痛みをうまく言葉で表現できない子どもも多いため、動かそうとすると強く拒否する、泣き出すといった反応を見せることが多いです。触ったり動かそうとすると、さらに強く泣き叫ぶこともあります。

 

3. 腕の違和感や不自然な姿勢

症状の特徴:腕が不自然な姿勢で固定されることが多く、肘を伸ばしたまま動かさない、手のひらを上に向けることができないといった症状が見られます。肘の外見には明らかな変形はなく、腫れや内出血もほとんど見られないのが一般的です。

 

4. 肘や前腕の特定の部位を触られるのを嫌がる

症状の特徴:肘内障が起こると、肘の周辺や前腕の特定の部位を触られるのを強く嫌がります。軽く触れるだけでも泣き出すことがあります。痛みが原因で、自分でもその部分を触らないようにしていることが多いです。

 

5. 遊びや活動への拒否感

症状の特徴:肘内障になると、子どもは腕を動かすことが嫌になり、普段なら喜んでやる遊びや活動をしなくなります。普段と違う行動を取ることで、異常に気づくことがあります。片手でしか物を持とうとしなかったり、片腕を使うことを嫌がる姿が見られます。

 

6. 見た目には異常が見られない場合が多い

症状の特徴:肘内障では、外見上の異常がほとんど見られません。腕を見ただけではケガをしていることが分かりにくいのが特徴です。このため、子どもが急に腕を動かさなくなったり、痛みを訴えた場合は、肘内障を疑うことが重要です。

 

7. 泣き止まない

症状の特徴:子どもが痛みを感じている場合、通常よりも泣き止むまでに時間がかかったり、泣きやすくなります。肘内障が原因であれば、手を引っ張った後に泣き止まず、腕を動かさないという状況が続くことがあります。

 

8. 腕を自然な動きに戻すと症状が軽減する

症状の特徴:まれに、子ども自身が腕を動かすことで肘内障が自然に整復されることがあります。この場合、突然痛みが消え、通常通りに腕を動かすようになることがあります。

肘内障の改善方法は、徒手整復術

肘内障の改善方法は、徒手整復術です。整復術は医師によって行われるもので、ほとんどの場合は数秒程度で終わります。

 

整復術を行なっても肘内障の改善が見られない場合は、骨折などの可能性が考えられることもあります。

 

肘内障は改善しても、しばらくの間は再び起こることが多いです。そのため、肘内障が起こった後はしばらくは公園など外で遊んだりたくさん遊ぶことができる場所へ行ったりなどの力がかかる可能性があることは控えることがお勧めです

 

控えることができなくても、遊んでいる様子をきちんと見るようにしましょう。腕をかばったり痛みを訴えたりすることがなければ活発に遊んでいても問題はありません。

もし子どもが急に腕を動かさなくなったり、痛みを訴えたりした場合、無理に動かさず、すぐに病院に行きましょう。多くの場合は医師による簡単な整復術でその場で症状が改善します。

 

肘内障は、適切な処置を行えば後遺症なく改善することがほとんどのため、落ち着いて対応することが大切です。

肘内障を予防するためには、手を引っ張ったり引っ張られたりする状況を避けましょう。

 

子どもが転びそうになったときでも手を強く引っ張るのではなく体全体を支えるようにすること、子どもと遊ぶ時には腕を引っ張ったりぶら下げたりする遊びは避け適切な姿勢で遊ぶように気をつけること、子どもを持ち上げるときは、腕や手ではなく、脇の下や体全体を支えるように持ち上げるように心がけることなどが大事です。

10歳を過ぎても繰り返す場合、骨や腱に問題がある可能性もある

肘内障は歩き始めてから小学校に入学する前くらいの子供に起こることが多いです。

 

骨格の成長途中であることによって起きるもののため、個人差はありますが、10歳を過ぎても繰り返す場合、骨や腱に問題がある可能性もあります。

 

その場合は、整形外科に相談に行き、原因を調べて適切な改善を受けることが大事です。

肘内障に効果的なツボ

・手三里

・小海

肘髎

手三里

手三里は、肘の痛みやだるさなどに効果を発揮するツボです。肩こりや首の痛みなどにも効果的です。

 

他にも、手三里には不安を和らげたり、免疫力を高めたりする効果があるとされています。

小海

小海は、手の小陰心経のツボです。小海の小は小腸という意味、小海の海は水がたまりやすい場所という意味です。

 

小海は、小腸の気が入るツボと言われています。効果は、尺骨神経麻痺や尺骨神経痛、下腹部の痛みや頭痛、耳鳴り、前腕内側の痛みやこり、ヒステリーや心臓の病気などです。

肘髎

肘髎は、腕や肘のリウマチ、神経痛、しびれなどを和らげる効果があります。腕の疲れや胃下垂、胃もたれなどに対しても効果を発揮します。

 

肘の痛みに効果を発揮するため、肘内障の改善にも役立ちます。

ツボの位置と押し方

手三里

手三里は、肘を曲げたときにできるしわの外側から、手のひらに向かって指3本分進んだ場所にあります。

 

押すときは親指を使って軽く押します。腕を包み込むようにすると押しやすいでしょう。

小海

小海は、肘を曲げた時の内側横紋端にあり、上腕骨内側上顆前方のくぼみのあたりにあります。探すときは、少し肘を曲げて上腕内側上顆と肘頭の間で押した時に響く場所を探しましょう。

 

押すときは、約3~5秒押していきます。押しながらゆっくりと肘を曲げたり伸ばしたりすることでより効果が期待できます。

肘髎

肘髎は、肘を曲げたしわの外側から肩へ向かって親指1本分進んだ場所にあります。

 

押すときは、押す側と逆の手の親指を使って押します。筋肉と骨の間を少し強いくらいの力で押しましょう。

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