亜急性連合性脊髄変性の鍼灸【原因・定義・症状】

公開日:2023年  3月11日

更新日:2023年  9月 6日

本日は亜急性連合性脊髄変性について解説させていただきます。

☆本記事の内容

  • 亜急性連合性脊髄変性とは
  • 亜急性連合性脊髄変性の原因
  • 亜急性連合性脊髄変性の症状
  • 亜急性連合性脊髄変性の改善方法
  • 亜急性連合性脊髄変性のまとめ
足のしびれ、痛み

銀座そうぜん鍼灸院の宗前です。

このページを書いている私は、鍼灸師として13年、担当した利用者様数80,000人を誇り、病気の休職者300人を社会復帰できるまで回復させてきた実績があります。

 

亜急性連合性脊髄変性症は、ビタミンB12欠乏で脊髄が変性する

亜急性連合性脊髄変性症は、ビタミンB12が欠乏することによって脊髄が変性する進行性の病気です。亜急性連合性脊髄変性症では、動きや感覚をコントロールしている神経線維が損傷を受けることで症状が現れます。

 

現れる症状は、全身の筋力低下や手や足のしびれ、足のこわばりなどです。他にも、イライラしたり強い眠気があったり錯乱がみられたりすることもあります。

 

亜急性連合性脊髄変性症が多く見られるのは、40歳以上の人です。

亜急性連合性脊髄変性症の原因は、ビタミンB12の欠乏

亜急性連合性脊髄変性症の原因は、ビタミンB12の欠乏です。ビタミンB12は、神経細胞を取り囲んで信号を伝える速度を高めている脂肪の髄鞘の形成と維持に必要な物質です。

 

亜急性連合性脊髄変性症でビタミンB12が欠乏するのは、食事に問題があるわけではありません。体がビタミンB12を吸収できないことが原因です。

1. ビタミンB12の役割

 

ビタミンB12は、水溶性ビタミンの一つであり、細胞の成長と分裂、ミエリン鞘(神経線維を包む脂質層)の形成、DNA合成などに重要な役割を果たしています。特に脊髄や脳の神経組織の健康に欠かせないビタミンです。ビタミンB12は、主に食物から摂取され、胃液の働きによって吸収されます。この吸収過程でビタミンB12が不足すると、亜急性連合性脊髄変性症などの病気が発症する可能性があります。

 

2. ビタミンB12の吸収障害

 

亜急性連合性脊髄変性症の主要な原因は、ビタミンB12の吸収障害です。ビタミンB12は、胃液中に存在する「インスリン-ビタミンB12複合体」と結合して小腸に運ばれ、そこで特定の受容体によって吸収されます。吸収されたビタミンB12は、輸送蛋白(トランスコバラミン)と結合して全身に運ばれ、各組織で利用されます。しかし、ビタミンB12の吸収に関わる様々な障害が原因で、ビタミンB12が体内に不足することがあります。

 

3. ペルニシャス貧血(慢性萎縮性胃炎)

 

亜急性連合性脊髄変性症の最も一般的な原因は、ペルニシャス貧血(慢性萎縮性胃炎)です。ペルニシャス貧血は、胃の壁に特定の物質を分泌する細胞が損傷され、胃液中に「インスリン-ビタミンB12複合体」が不十分になる病気です。これにより、ビタミンB12の吸収が障害されます。ペルニシャス貧血は、通常、免疫系による自己免疫反応が原因とされます。自己免疫反応によって胃の壁の細胞が攻撃され、胃液の分泌が減少し、ビタミンB12の吸収が阻害されることがあります。

 

4. 胃手術や消化器系の障害

 

胃の手術や慢性的な消化器系の障害も、ビタミンB12の吸収障害を引き起こす原因となることがあります。胃の一部が切除される手術(胃切除術)や、胃腸の吸収機能に影響を及ぼす慢性的な病気(クローン病など)は、ビタミンB12の吸収を妨げることがあります。これらの状態では、ビタミンB12の輸送蛋白であるトランスコバラミンが不足し、ビタミンB12の組織への供給が減少します。

 

5. ビタミンB12の摂取不足

 

食事によるビタミンB12の摂取量が不足することも亜急性連合性脊髄変性症の原因となり得ます。ビタミンB12は、動物性食品に多く含まれています(肉、魚、卵、乳製品など)。従って、特に植物性食を中心にする人々や、ビーガン(完全菜食主義者)の場合にビタミンB12の摂取が不足する可能性が高まります。特に、肉や乳製品を摂取しない食生活を送る人々は、ビタミンB12の欠乏に注意を払う必要があります。また、高齢者や消化器系の機能が低下している人々もビタミンB12の吸収に問題を抱えることがあります。

 

6. 遺伝的要因

 

稀に、亜急性連合性脊髄変性症は遺伝的な要因によっても引き起こされることがあります。ビタミンB12の代謝に関わる遺伝子の異常が見られることがあり、これによってビタミンB12の利用や吸収に障害が生じることが考えられます。遺伝的な原因による亜急性連合性脊髄変性症は非常に稀ですが、改善や管理の観点から重要な要素です。

 

これらが亜急性連合性脊髄変性症の主な原因として挙げられますが、ビタミンB12の欠乏だけが引き起こす病気ではありません。複数の因子が組み合わさることで病気が発症する場合もあります。例えば、胃手術を受けた後に食事からビタミンB12の摂取が不足したり、胃腸の障害により吸収が低下した状態でペルニシャス貧血が発症し、さらにビタミンB12の欠乏が進行して亜急性連合性脊髄変性症が現れることがあります。

 

重要な点として、亜急性連合性脊髄変性症の原因であるビタミンB12の欠乏を早期に発見し、改善を開始することが重要です。病気が進行すると、脊髄の神経組織が不可逆的に損傷されることがあるため、適切な改善の遅れは重篤な後遺症をもたらす可能性があります。

亜急性連合性脊髄変性症の症状は、全身のだるさと手と足の痺れ

亜急性連合性脊髄変性症の症状は、全身のだるさと手と足に起きるチクチク感としびれです。症状は、常に続くことも多く少しずつ悪くなっていきます。

 

振動を感じとることができなくなり、腕や足の位置覚がなくなり、腕や足にこわばりやぎこちなさが現れます。そしてだんだんと歩くことが難しくなっていきます。

 

場合によっては、視力が下がったりイライラしたり無関心になったり眠気や錯乱が見られたりすることもあります。珍しいケースでは、認知症が見られます。

亜急性連合性脊髄変性症は、脊髄の後索と外側索の変性によって特徴づけられる神経変性の病気です。この病気は、ビタミンB12(コバラミン)の欠乏によって引き起こされることが一般的であり、神経組織の損傷や機能の低下が生じます。症状は徐々に進行し、初期段階では他の神経の病気と似た症状が見られることがあります。

 

 

1. 神経系の症状

 

亜急性連合性脊髄変性症は、脊髄に影響を及ぼす病気であるため、主に神経系に関連した症状が現れます。初期段階では、以下のような症状が現れることがあります。

 

歩行困難:歩行時に足がもつれやすく、不安定な歩き方が見られることがあります。

筋力低下:脚や腕の筋力が低下し、日常生活での動作が困難になることがあります。

筋肉のけいれん:脚の筋肉が痛みやけいれんを起こすことがあります。

感覚異常:足先や手先の感覚が鈍くなり、しびれを感じることがあります。

皮膚の感覚変化:触れられると痛みを感じなくなったり、刺激に対して異常な感覚を覚えることがあります。

2. 脊髄の障害による症状

 

脊髄の後索(posterior column)と外側索(lateral column)の変性によって、さまざまな脊髄関連の症状が現れることがあります。これらの症状は、脊髄に障害が及んでいることを示す重要な特徴です。

 

反射の低下:膝蓋反射やアキレス腱反射などの反射が鈍くなることがあります。

振戦:手や足の振戦(tremor)が見られることがあります。

足底反射の異常:足底を刺激しても、正常に反射が現れないことがあります。

足の骨の異常:足の骨(例:足根骨)に変形や痛みが現れることがあります。

3. 神経系以外の症状

 

亜急性連合性脊髄変性症は、ビタミンB12の欠乏によって全身的な影響が生じることがあります。これにより、神経系以外の症状も現れる可能性があります。

 

貧血:ビタミンB12の欠乏によって貧血(貧血性貧血)が発生することがあります。このため、疲労感や息切れを経験することがあります。

疲労感:体の倦怠感や疲労感が強まることがあります。

頭痛:頭痛が生じることがあります。

4. 症状の進行

 

亜急性連合性脊髄変性症は、症状が徐々に進行する特徴があります。初期段階では、脚の筋力低下や歩行困難などが見られることが一般的です。その後、感覚異常や筋肉のけいれん、振戦などの症状が加わることがあります。さらに病気が進行すると、反射の低下や足底反射の異常などの脊髄の症状が顕著になります。

亜急性連合性脊髄変性症の改善方法は、ビタミンB12の注射

亜急性連合性脊髄変性症の改善方法は、ビタミンB12の注射をすることです。ビタミンB12の注射は、ほとんどの場合すぐに行われます。また、再発を防ぐために期限はなく投与を続けることになります。

 

亜急性連合性脊髄変性症は早い段階で改善を行うことで回復の可能性が高くなります。発症から数週間以内に改善に取り組んだほとんどの人は完全に回復すると言われています。

1. ビタミンB12の補充

 

亜急性連合性脊髄変性症の改善方法の中心には、ビタミンB12の補給があります。ビタミンB12は、体内の細胞分裂や神経機能に不可欠な栄養素であり、特に脊髄や脳の神経組織の健康に重要な役割を果たします。ビタミンB12の補充には、以下の方法が一般的に用いられます。

 

口からのビタミンB12サプリメント:口からビタミンB12の錠剤やサプリメントを摂取することで、ビタミンB12を補給します。軽度の欠乏症や早期の亜急性連合性脊髄変性症の場合、口からの補給が効果的な場合があります。

 

ビタミンB12注射:重度のビタミンB12の欠乏症や腸管の吸収障害がある場合、ビタミンB12を筋肉注射または静脈内注射として投与することがあります。注射による補充は、吸収の問題を回避し、直接ビタミンB12を体内に届ける効果が期待できます。

 

2. 補充のタイミングとスケジュール

 

ビタミンB12の補給において、補充のタイミングとスケジュールは非常に重要です。改善は、早期にビタミンB12の欠乏を補充し、脊髄の変性を進行させないようにすることが目的です。ビタミンB12補給のタイミングは、症状や状態によって異なりますが、できるだけ早期の段階で改善を開始することが重要です。

 

補充のスケジュールは、初期の改善段階では通常週に1回のビタミンB12注射が行われることがあります。その後、症状の改善やビタミンB12の血中濃度が安定するまで、改善の頻度が調整されます。安定した状態に達した後は、補充の間隔が広げられ、月に1回から数ヶ月に1回のペースで改善が継続されることがあります。

 

3. 症状のサポートと管理

 

亜急性連合性脊髄変性症の改善は、ビタミンB12の補充だけでなく、症状のサポートや管理も重要な要素として取り組まれます。以下は、症状のサポートと管理に関連する重要な点です。

 

疼痛管理:脚のけいれんや神経痛などの疼痛が生じる場合、適切な疼痛管理が行われます。鎮痛剤や抗痙攣薬などが使用され、症状の軽減を図ります。

 

筋力トレーニング:筋力低下が進行する場合、専門家による適切なリハビリテーションが行われます。筋力トレーニングやバランス訓練を行うことで、日常生活の動作をサポートします。

 

栄養法:ビタミンB12の欠乏による貧血などの全身症状に対して、栄養法が行われることがあります。ビタミンB12補給だけでなく、栄養バランスの良い食事や必要な栄養素の補充が行われます。

 

サポートグループの参加:サポートグループに参加することで、情報交換や心のケアを行いながら、病気と向き合うことができます。同じ病気を抱える仲間との交流や経験共有は、心の健康をサポートします。

 

 

 

亜急性連合性脊髄変性症は、ビタミンB12の欠乏によって引き起こされる病気であり、早期に改善に取り組むことの重要性が強調されます。症状が進行すると、脊髄の神経組織が不可逆的に損傷されることがあるため、適切な改善の遅れは重篤な後遺症をもたらす可能性があります。

 

早期に症状を認識し、ビタミンB12の欠乏を補充することで、症状の進行を抑制し、健康と生活の質を改善することができます。特に初期段階での改善は、より良い予後をもたらす可能性が高いとされています。

 

5. 定期的なフォローアップ

 

亜急性連合性脊髄変性症の改善では、定期的なフォローアップが重要です。ビタミンB12の補充効果や症状の改善状況を確認し、必要に応じて改善計画を調整することが行われます。健康状態のモニタリングは、早期の合併症や再発の予防に役立ちます。

亜急性連合性脊髄変性症は早い段階で改善に取り組む

亜急性連合性脊髄変性症は早い段階で改善に取り組むことで、回復の可能性が高くなります。改善を行う時期が発症から数週間以内の場合、ほとんどの人が完全に回復すると言われています。

 

改善に取り組むことが遅れると、症状が進むスピードが遅くなったり止まったりする可能性は十分にありますが、失われた機能が完全に回復する可能性は低くなります。できるだけ早く改善を行うことをお勧めします。

亜急性連合性脊髄変性症の改善例

亜急性連合性脊髄変性症の改善プロセスは、まず症状を正確に認識し、適切な判断を行うことから始まります。症状の初期段階では、足の筋力低下や歩行困難などが見られることが一般的です。これらの症状が他の神経の病気と類似しているため、適切な判断には注意が必要です。

 

例として、40歳の女性が足の痛みやしびれ、歩行困難を訴えて病院に行きました。数か月前からこれらの症状が現れており、最近になって悪化しているとのことでした。また、症状が日中に軽減し、夜になると悪化する傾向があると報告していました。

 

調べると、ビタミンB12の濃度が低下していることが確認されました。また、脊髄液でもビタミンB12の欠乏による変化が見られたため、亜急性連合性脊髄変性症の判断が確定しました。

 

改善が開始され、ビタミンB12の補給が行われました。ビタミンB12の欠乏が亜急性連合性脊髄変性症の原因であるため、早期の改善が重要です。

 

初期には、ビタミンB12の注射が選択されました。ビタミンB12の注射は、腸管の吸収障害がある場合でも有効にビタミンB12を補充する方法として用いられます。週に1回のビタミンB12注射が開始されました。始後、足の筋力に改善が見られ、歩行困難が軽減されていくことが確認されました。

 

改善の中心はビタミンB12の補充ですが、症状のサポートや管理も行われます。疼痛管理や筋力トレーニング、栄養法などが生活の質を向上させるために重要です。

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