ハンター管症候群の鍼灸【原因・定義・症状】

☆本記事の内容

• ハンター管症候群とは
• ハンター管症候群の原因
• ハンター管症候群の症状
• ハンター管症候群の改善方法
• ハンター管症候群のまとめ

目次

• ハンター管障害は伏在神経が圧迫されることで起こる絞扼障害
• ハンター管症候群の原因は、運動などによる筋肉の使い過ぎ
• ふくらはぎの内側と内くるぶし周りに起こるしびれや痛み
• ハンター管症候群の改善方法は、消炎鎮痛剤や筋弛緩薬
• ハンター管症候群のセルフケア
• 自分でストレッチを行うことは避ける
• ハンター管症候群に効果的なツボ

ハンター管症候群は、太ももの内側に位置するハンター管の中で伏在神経が圧迫されることによって起こる神経障害疼痛です。膝の内側の痛み、脛の内側の痛み、痺れ、筋力低下などが起こり、日常生活に大きな影響を及ぼします。

伏在神経は、ハンター管の中を通る神経で、感覚神経です。ハンター管症候群は膝痛と間違える人が多い症状です。見捨てられる症状の１つですが非常に多い症状です。

年配で膝の内側が痛いと言っている人はハンター管症候群の可能性があります。ハンター管症候群について説明してもわからない人も多いので説明しないことも多いです。

ハンター管の正式名称は内転筋管です。そのためハンター管症候群は、内転筋管症候群と呼ばれることもあります。

ハンター管は太ももの内側にあるトンネル状の空間で重要な血管や神経が通っています。ハンター管の構成は内側広筋、大内転筋、縫工筋、内転筋筋膜の４つの筋肉でできています。

・内側広筋

ハンター管の外壁を構成している。

・大内転筋

ハンター管の後壁を構成。

・縫工筋

ハンター管の前壁を構成。

・内転筋筋膜

ハンター管の１部分を構成している。

ハンター管内の血管と神経は、大腿動脈、大腿静脈、伏在神経です。３つ目の伏在神経が曲者でこの神経がハンター管内で圧迫されたりすると足の脛の内側周辺が痛くなったり痺れたりします。

ハンター管症候群の主な原因はハンター管内の構造物や組織の異常による神経圧迫です。

１.筋肉のつけすぎ

筋トレしすぎて筋肉が大きくなります。筋肉のつけすぎによって圧迫されて膝下内側が痛むパターンで、当院で1番多いです。

２.腫瘍や嚢胞

腫瘍や嚢胞のパターンは当院では経験がありません。

３.外傷

４.過剰な運動の繰り返しの動作

1の筋肉のつけすぎと4の過剰な運動の繰り返しの動作は似ているところがあります。

筋肉の過度の使用:特定のスポーツや活動によって内側脛骨筋が過度に使われることが、筋肉や神経の圧迫につながることがあります。

筋肉の緊張や損傷:内側脛骨筋の緊張や損傷が、神経を圧迫し症状を引き起こすことがあります。

解剖学的変異:ハンター管の解剖学的な変異により、神経が圧迫されることがあります。

外傷や手術:膝や脚の外傷や手術が、ハンター管周辺の筋肉や神経に影響を及ぼすことがあります。

姿勢の問題:不適切な姿勢や、特定の姿勢を長時間続けることが、内側脛骨筋に過度のストレスを与え、神経を圧迫することがあります。

腫瘍や嚢胞:ハンター管周辺に腫瘍や嚢胞が発生することで、神経が圧迫されることがあります。

脚の内側の痛み:脚の内側、特に膝から下の部分に痛みを感じることがあります。

しびれや感覚の低下:内側脛骨神経の圧迫により、脚の内側にしびれや感覚の低下が生じることがあります。

歩行時の不快感:歩行時に脚の内側に痛みや不快感を感じることがあります。

筋力の低下:関連する筋肉群の筋力が低下することがあります。

腫れや圧痛:ハンター管の領域が腫れたり、圧痛を伴ったりすることがあります。

運動制限:症状の重さによっては、脚の運動範囲が制限されることがあります。

ハンター管症候群の西洋医学の改善方法は、休息、注射、手術です。注射は、ステロイド注射や局所麻酔が行います。手術は、圧迫を解除するために内転筋筋膜の切除を行います。

ハンター管症候群で薬を使う場合は、消炎鎮痛剤や筋弛緩薬、ビタミン剤や血流を良くする効果のある薬を使います。電気を使ったりテーピングを行ったりすることもあります。

物理的な方法:専門家による指導のもと、筋肉のストレッチや筋力トレーニングが行われます。これにより、筋肉の緊張を和らげ、神経への圧迫を軽減することができます。

痛み管理:痛みや炎症を軽減するために、非ステロイド性抗炎症薬や鎮痛剤が使用されることがあります。

局所的な方法:症状が局所的に集中している場合、局所的な冷却や熱が効果的な場合があります。

活動の調整:症状の原因となる活動やスポーツを一時的に制限することで、症状の悪化を防ぎます。

装具の使用:圧迫を軽減するために、サポート用の装具やブレースを使用することがあります。

外科手術:薬や物理的な方法などで改善が見られない場合、外科手術を行うことがあります。手術では、圧迫している組織を除去し、神経の圧迫を緩和します。

・非ステロイド性抗炎症薬（NSAIDs）

効果: 痛みと炎症を和らげます。

例: イブプロフェン、ナプロキセンなど。

注意点: 長期使用は胃腸障害や腎臓への影響などの副作用を引き起こす可能性があるため、用法用量を守ることが重要です。

・鎮痛剤

効果: 軽度の痛みを和らげます。

例: アセトアミノフェン（パラセタモール）など。

注意点: アセトアミノフェンは肝臓に影響を与える可能性があるため、過剰摂取に注意が必要です。

・筋弛緩剤

効果: 筋肉の緊張を和らげることがあります。

注意点: 筋弛緩剤は眠気やめまいなどの副作用を引き起こす可能性があるため、使用時は慎重におこないましょう。

ハンター管症候群は、程度が軽ければ非常に改善しやすいです。縫工筋、内側広筋、大内転筋、内転筋筋膜をほぐしてしまえば圧迫が取れて楽になります。

太ももの前側から内側にかけて皮膚を伸ばしましょう。この時にグリグリ押したくなりますが、神経が圧迫されて起こる症状のため圧迫することで症状は悪化してしまいます。

セルフケアでも筋肉の上に湿布を貼っても効かないため、内側広筋、大内転筋、縫工筋、内転筋筋膜をほぐすように太ももの内股をつまんで皮膚をぐいぐい伸ばしてください。

セルフケアは、1日3回朝昼晩５分ずつ行いましょう。軽い方はすぐ改善します。

当院では変形性膝関節症とシンスプリントとハンター管は全て同時に鍼をするため結果改善すれば良いという気持ちで施術を行っています。

・血海

・三陰交

・足三里

血海は、刺激をすることで老廃物の滞りを解消する作用があります。そのため、冷え症状や婦人科系の症状に有効なツボであるとされています。

他にも、腰痛や膝痛、足の疲れにも効果があるツボとして有名であるため、ハンター管症候群の症状にも効果が期待できます。

三陰交は、刺激をすることで血行が良くなる効果があり、冷えやむくみの改善などに有効なツボです。他にも、生理痛の緩和や陣痛促進の効果もあります。

女性に対する効果が多く知られていますが、男性にも有効で、全身の疲労や倦怠感にも効果があります。

足三里には色々な効果があります。長引く五十肩や腰痛、腹痛、下痢、嘔吐など胃腸の不調など色々無症状に使われます。

足にあるツボのため、足に起こる症状にも有効です。膝痛や足のしびれなど足のトラブルなどにも使用されます。

血海は、足の膝のお皿の上にあるツボで、内側の角から指3本分上がったところにあります。

親指を使って押します。刺激が足りないときは、両手の親指を重ねて押しましょう。

三陰交は内くるぶしから４本すねの内側にあるツボで、骨の際にあります。

息を吐きながらゆっくり力を入れ、緩める時には息を吸いながら行うというように呼吸を止めずに行うことがツボを押すときのコツです。

足三里は、膝蓋骨のすぐ下に内側と外側にある２つのくぼみのうち、外側のくぼみから約5cm下にあります。

押して刺激をすることもお勧めですが、足三里にはお灸もお勧めです。特に腸の働きを良くしたい場合は、お灸を据えると、腸の働きが活発になります。