公開日:2021年 11月11日
更新日:2023年 8月24日
本日は硬膜動静脈瘻について解説させていただきます。
☆本記事の内容
銀座そうぜん鍼灸院の宗前です。
このページを書いている私は、鍼灸師として13年、担当した利用者様数80,000人を誇り、病気の休職者300人を社会復帰できるまで回復させてきた実績があります。
硬膜動静脈瘻の原因は詳しくはわかっていません。
今のところ、生まれつきの脳血管の異常や頭部の外傷、脳内の炎症、感染症、硬膜の血管の閉塞、手術などが原因で発症すると考えられています。
硬膜動静脈瘻(DAVF)は、動脈と静脈が直接または間接的に異常に接続している状態です。これにより、血液の流れが正常でなくなり、さまざまな症状が現れます。通常、動脈から静脈への血流は毛細血管を経由しますが、DAVFの場合はこの過程がスキップされるため、様々な問題が生じます。
・先天性要因
DAVFが先天的に存在するケースも報告されています。これは遺伝的な要因や妊娠中の母体の影響などによる可能性が考えられます。
・外傷
頭部に受けた外傷や手術がDAVFの発生原因となることがあります。特に、硬膜が損傷した場合には、新たな血管の形成が乱れ、DAVFが生じる可能性があります。
・病気との関連性
一部の血管障害や炎症性の病気がDAVFと関連している場合があります。例としては、多発性硬化症や炎症性の病気、血管の炎症(動脈炎など)があります。
・加齢
加齢によって血管の柔軟性が失われると、血流に異常が生じやすくなるため、DAVFのリスクが高まることが考えられます。
・ホルモンの影響
一部の研究では、ホルモンレベルの変動がDAVFの発症に影響を与える可能性が示唆されています。具体的には、妊娠や閉経、ホルモン補充療法などが関与する場合があるとされています。
・高血圧、動脈硬化
高血圧や動脈硬化が長期間続くと、血管壁に負荷がかかり、DAVFが発生しやすくなるとも考えられます。
・希少症候群との関連性
一部の希少症候群(例:ヘレンダール・オスラー・ウェーバー症候群)は、DAVFを伴うことが知られています。
・不明な原因
多くのDAVFの原因は明確ではありません。これらは"idiopathic"(不明な原因)とされ、今後の研究が待たれます。
・ライフスタイル
タバコの使用、過度なアルコール摂取、運動不足なども、一般的な血管障害のリスクを高める要因であり、間接的にDAVFの発症リスクに影響を与える可能性が考えられます。
以上が硬膜動静脈瘻の主な原因になります。この内容は一般的なガイドラインであり、個々の症例に当てはまらない場合もあります。
硬膜動静脈瘻の症状は、硬膜動静脈瘻のできる場所によって様々です。
脳の場合、頭痛や痙攣、麻痺や耳鳴り、言語障害、認知症などの症状が起こります。大きく逆流が起こっている場合は、脳出血やくも膜下出血などが起き、意識障害が起き、命に関わる危険もあります。
目の場合、目の充血や目が飛び出し、二重に見える、視力の低下などの症状が現れます。
硬膜動静脈瘻は、脳または脊髄の硬膜と呼ばれる膜に発生する異常な血管の接続です。通常、動脈から静脈への血流は毛細血管を経由しますが、この病態ではその過程が省略されるため、多くの問題が生じます。しかし、その症状は非常に多様です。
・頭痛
頭痛は、DAVFの最も一般的な症状の一つであり、しばしば慢性的または断続的に発生します。頭痛のタイプも様々で、偏頭痛様のものから、緊張型頭痛に似たものまで存在します。
・視覚障害
一部では、一時的または持続的な視覚障害を経験することがあります。これは網膜に血液が十分に供給されない、または逆に過度に供給されることで引き起こされる可能性があります。
・耳鳴り
異常な血流によって耳鳴りが発生する場合もあります。特に、耳の近くでDAVFが発生している場合、血流の音が聞こえることがあります。
・運動障害
しびれや弱さ、コーディネーションの喪失など、運動に関連する症状が現れることがあります。これは、DAVFが脳の特定の領域に影響を与えている場合に特に顕著です。
・記憶と認知の問題
DAVFが脳内の血流を乱すと、記憶や認知機能に影響を与える可能性があります。短期記憶の喪失、集中力の低下、判断力の喪失などが報告されています。
・てんかん発作
一部ではてんかん発作を経験する可能性があります。これは、異常な血流が脳内の神経活動に悪影響を与える結果として発生します。
・意識障害
極端なケースでは、DAVFが急性の脳障害を引き起こし、意識障害に至る可能性もあります。
・心不全
これは非常に稀ですが、DAVFが心臓に過度な負荷をかけると、心不全が引き起こされる可能性があります。
・皮膚の変化
皮膚の色やテクスチャーの変化がDAVFの症状として現れることがあります。特に脊髄にDAVFが存在する場合、足や腕に皮膚の変化が見られることがあります。
・神経症状
しびれ、ピンと来る感覚、痛み、弱さなど、神経に関わる様々な症状が起こることがあります。
・精神的な影響
症状が長引くと、うつ症状や不安症状が出る場合もあります。これは症状自体が心理的なストレスを引き起こすためです。
硬膜動静脈瘻によって引き起こされる主な症状は個々で異なるため、具体的な判断は専門の機関で行う必要があります。
硬膜動静脈瘻の改善方法は、血管の中に細いカテーテルを入れ、病変の部分に詰め物をして硬膜動静脈瘻の血流を断つ方法です。
動脈側からカテーテルを入れてる方法と静脈側からカテーテルを入れる方法の2つの方法があり、病変の場所や形によってどちらの方法で改善を行うかを選びます。
他にも手術や放射線などを使って改善を行うこともあります。
DAVFの改善方法は多岐にわたり、状態や病気の進行度に応じて異なる改善方法が選択されます。
症状管理: まず、症状の軽減が第一です。痛みを和らげたり、頭痛をコントロールするための薬が処方される場合があります。
抗凝固薬: 血栓が発生するリスクが高い場合、抗凝固薬が使われることがあります。
エンドバスキュラー:カテーテルを使用して硬膜動静脈瘻を塞ぐ方法です。一般的には局所麻酔下で行われます。
外科手術:経頭蓋的なアプローチや開頭手術が必要なケースもあります。これは通常、エンドバスキュラーが不可能または非効果的な場合に行われます。
ステントプレースメント:血管内にステントを挿入し、異常な血流を正常化する方法もあります。
放射線:高精度な放射線を用いて病変部位を破壊する改善法も研究されていますが、これは一般的な方法ではありません。
最新の改善方法としては、遺伝子レベルで改善を行う方法や体内の免疫応答を利用して改善を行う方法などもあります。
・抗凝固薬(Anticoagulants)
例: ワーファリン(Warfarin)、ヘパリン(Heparin)、ダビガトラン(Dabigatran)など
目的: DAVFでは、血管内での血液の凝固とそれによる血栓形成のリスクが高まる場合があります。抗凝固薬は、このような血栓形成を防ぐことが目的です。
・抗血小板薬(Antiplatelet Agents)
例: アスピリン(Aspirin)、クロピドグレル(Clopidogrel)など
目的: これも血栓形成を防ぐための薬物ですが、抗凝固薬とは異なる作用機序を有しています。
・鎮痛薬(Analgesics)
例: パラセタモール(Acetaminophen)、イブプロフェン(Ibuprofen)など
目的: 頭痛やその他の痛みを和らげるために使われます。
・抗てんかん薬(Antiepileptics)
例: フェニトイン(Phenytoin)、カルバマゼピン(Carbamazepine)など
目的: DAVFが引き起こす可能性がある発作を制御するために用います。
・利尿薬(Diuretics)
例: フロセミド(Furosemide)など
目的: 脳圧を低下させるために、体内の余分な水分とナトリウムを排出します。
・ステロイド(Steroids)
例: デキサメタゾン(Dexamethasone)など
目的: 炎症を抑えるためや、脳の圧迫症状を和らげるために使われる場合があります。
以上の薬物は、症状や合併症に応じて処方される場合がありますが、これらは一般的には症状管理や合併症の予防、改善方法が主な目的です。硬膜動静脈瘻そのものを改善するためには、通常、外科手術やエンドバスキュラーなどの手段によって行われます。
硬膜動静脈瘻は、原因がはっきりとわかっていないため、今のところ予防する方法もわかっていません。気になる症状があれば早めに医師に相談に行くことが大事です。
脳出血やくも膜下出血などが起こり、命に関わることもあります。症状に合った改善方法を行うことが必要です。