公開日:2022年 6月20日
更新日:2022年 7月19日
本日はHTLV-1関連脊髄症について解説させていただきます。
本記事の内容
銀座そうぜん鍼灸院の宗前です。
このページを書いている私は、鍼灸師として13年、担当した利用者様数80,000人を誇り、病気の休職者300人を社会復帰できるまで回復させてきた実績があります。
HTLV-1関連脊髄症は、HTLV-1に感染した人の中で一部の人に見られる病気です。HTLV-1に感染してい流全ての人に発症するわけではなく一部の人に、両下肢麻痺や排尿排便障害が見られる病気です。
HTLV-1は、感染成人T細胞白血病の原因となるウイルスで、HTLV-1に感染している人は全国に約100万人いるといわれていますが、ほとんどの人はHTLV-1による病気を発症することはありません。
男性と女性では、女性の発症の方が多く見られます。発症が多く見られる年代は、多くは中年以降ですが、10代や10代よりも若い年代でも発症の報告があります。
HTLV-1関連脊髄症の原因は、HTLV-1に感染することです。ウイルスが体の中で増えるとHTLV-1関連脊髄症を発症しやすい状態になります。
HTLV-1に感染した人の一部になぜ病気が発症するのかということについてはわかっていません。
HTLV-1は、母乳や性交渉によって感染します。そのため、家族の中で複数の人に発症することがありますが、遺伝することはありません。
HTLV-1関連脊髄症の症状は、歩行障害です。歩行障害は少しずつ進んでいきます。最初に両下肢のつっぱり感を感じて足がもつれ、歩きにくくなり、転びやすくなり、階段の下りにくさを感じるようになります。
両下肢の筋力の低下が現れると、特に大腿や腰回りに力が入りにくくなります。段々とつっぱり感が現れ、すばやい動きやスムーズな動きができなくなります。
病気が進むと、大腿部が持ち上がらなくなり、階段を上ることも難しくなります。下肢のつっぱりが強い場合は、筋肉の硬直やけいれんが見られ、自分で膝や足関節や股関節を曲げることができなくなります。
小さな刺激で関節が屈曲し、転ぶことも増えていきます。歩行障害が進むと杖や車椅子が必要になることもあります。
下半身のしびれ感や痛みなどが続くことも多いです。場合によっては、触覚や温痛覚の低下がみられますが、触覚や温痛覚の低下は軽いことが多いため、自覚がないことも多いです。
他にも、排尿障害や便秘なども現れます。排尿障害では、頻尿や残尿感、排尿困難、尿失禁などがみられます。
歩行障害の症状が軽くても、排尿障害が見られることで病気が発見されることもあります。
HTLV-1関連脊髄症の改善方法は、HTLV-1ウイルスが増えないように抑え、脊髄の炎症を抑えることです。
今のところ、HTLV-1ウイルスが体の中で増えることを抑える薬は使える状況にではありません。しかし、脊髄の炎症を抑え、症状を軽くしたり病気の進行を遅くしたりするための薬はあります。
脊髄の炎症を抑え症状を軽くしたり病気の進行を遅くしたりするための薬で代表的な薬はステロイド剤です。ステロイド剤の内服は、約7割の人に効果が見られていると言われています。
他にも、インターフェロンαを使った後にHTLV-1ウイルスの量が少し減っているということもわかっていますが、長期に見てどのくらい有効であるのかについてはわかっていません。
HTLV-1関連脊髄症の症状によって現れる下肢の痙性に対しては、リハビリテーションを続けることが大事です。
リハビリテーションによって腰回りの筋力を強くしたりアキレス腱を伸ばしたりすることで、歩行の改善に効果がみられるのです。
排尿障害や便秘などの症状に対しても、症状を改善するための改善を行うことが大事です。特に残尿が多い場合は、腎臓を守るためにもできるだけ早く自己導尿を考えることが勧められています。
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