毛巣洞の鍼灸【原因・定義・症状】

公開日:2022年 7月 1日

更新日:2022年 7月 9日

本日は毛巣洞について解説させていただきます。

☆本記事の内容

  • 毛巣洞とは
  • 毛巣洞の原因
  • 毛巣洞の症状
  • 毛巣洞の改善方法
  • 毛巣洞のまとめ
足のしびれ、痛み

銀座そうぜん鍼灸院の宗前です。

このページを書いている私は、鍼灸師として13年、担当した利用者様数80,000人を誇り、病気の休職者300人を社会復帰できるまで回復させてきた実績があります。

 

毛巣洞は、臀部に生えている毛が皮膚の下に膿瘍を作る病気

毛巣洞は、臀部に生えている毛が皮膚の下に膿瘍を作る病気です。毛髪洞やジープ病と呼ばれることもあります。

 

多くの場合、臀部正中上部の割れ目に小さい穴ができ、その下に膿のしこりを触ることができるようになります。毛巣洞では、炎症を起こして腫れ、排膿を繰り返します。慢性の経過をたどる病気なのです。

 

毛巣洞を発症する人の多くは、体毛の濃い男性です。特にタクシーの運転手やトラックの運転手など、長い時間座っている仕事をしている人に多いです。

毛巣洞の原因は、体毛が後天的に皮膚に入り込むこと

毛巣洞の原因は、体毛が後天的に皮膚に入り込むことであると考えられています。皮膚の下に入り込んだ毛に細菌が繁殖し、膿が溜まることで発症するのです。

 

ほとんどのの場合は、尾てい骨から仙骨の近くの正中部に発症します。体毛が濃い男性に発症することが多く、特に長い時間座っている仕事の人に多く見られます。 

毛巣洞は皮膚の下部に存在する膿を含む洞穴で、特に尾骨や肛門の近くに形成されることが多い病状です。主な原因は人体の自然な機能や特定の生活習慣、さらには遺伝的な要素によるものとされています。

 

まず第一に、体毛が皮膚の内部に成長することが毛巣洞の主な原因です。これは特に体毛が多い人、または厚い体毛を持つ人々に多く見られます。毛髪が正常に皮膚から生える代わりに、皮膚の下に向かって成長すると、毛巣洞の発生を引き起こすことがあります。この状況は、「毛髪の内部成長」とも称されます。

 

次に、深部組織の皮膚の摩擦や圧力が毛巣洞の発生を引き起こすこともあります。これは特に長時間座っている人々、例えばデスクワークやドライビングが主な職業の人々に一般的です。摩擦や圧力は皮膚を刺激し、毛髪が皮膚内部に成長する可能性を高めます。

 

第三に、不適切な体毛の剃毛や抜毛が毛巣洞を引き起こすこともあります。毛を剃ると、切断面が皮膚の下に残ることがあります。これが皮膚の内部に成長すると、毛巣洞の原因となることがあります。

 

更に、遺伝的要素も毛巣洞の発生に影響を及ぼすことがあります。一部の人々は、遺伝的に皮膚の下に毛髪が成長する傾向があるかもしれません。これは、親や祖父母から遺伝した特定の遺伝子が、体毛の成長パターンを影響する可能性があるからです。

 

毛巣洞は痛みや不快感を引き起こし、重度の感染症や膿が溜まることでさらに複雑な状態になることがあります。

 

まとめると、毛巣洞は体毛の内部成長、皮膚の摩擦や圧力、不適切な体毛の剃毛や抜毛、遺伝的要素などが主な原因となります。

感染が起こると痛みが現れたり腫れたり、膿が出てきたりする

毛巣洞では、小さい穴ができ、その下に膿のしこりを触ることができるようになります。感染することがなければ、それ以外の症状はありません。

 

しかし、感染が起こると痛みが現れたり腫れたり、膿が出てきたりします。そのため、痔瘻や化膿した皮膚腫瘍と間違えられることもあり、注意が必要です。

毛巣洞の主な症状について詳しく説明します。

 

まず、毛巣洞とは何かを理解するために、皮膚の下にできる小さな穴またはトンネルと考えてみてください。この穴は通常、尾骨または肛門の近くに形成され、その内部には毛髪と皮膚細胞、そしてしばしば膿が含まれます。これが毛巣洞です。

 

では、毛巣洞の症状は何でしょうか?最も明らかな症状は痛みです。尾骨や肛門の近くに感じる不快な痛みや不快感があります。特に座るとき、または長時間座っているときに痛みが増します。この痛みは通常、病状が進行するにつれて悪化します。

 

次の症状は肌の変化です。毛巣洞が存在する領域は通常、赤く、腫れ、熱を持ち、敏感になります。また、皮膚の表面に小さな穴または黒い点が見える場合があります。これは毛巣洞の開口部であり、ここから膿が排出されることがあります。

 

さらに、毛巣洞が感染している場合、一般的な感染症の症状が現れることがあります。これには発熱や疲労感、体全体の不快感などが含まれます。また、毛巣洞自体が大きくなったり、膿で満たされたりすると、肌の表面に痛みを伴う塊が形成されることがあります。

 

毛巣洞は慢性的な病状であり、時には何年にもわたって存在することがあります。その症状は一時的に改善されるかもしれませんが、根本的な問題が解決しない限り、症状は再発する可能性があります。

 

最後に、毛巣洞の症状が出る場所は主に尾骨や肛門周辺ですが、まれに他の部位にも出現することがあります。この場合でも症状は同様で、皮膚の下に痛みを伴う塊や膿を含んだ穴が形成されることが特徴です。

 

毛巣洞を改善せずにいると、感染が広がり、肛門や膀胱などの近くの組織に影響を及ぼす可能性があります。また、繰り返し感染すると慢性的な炎症を引き起こし、さらには皮膚の深部に新たな毛巣洞が形成される可能性もあります。

毛巣洞の改善方法は、切開排膿

毛巣洞の改善方法は、切開排膿です。切開排膿は、局所麻酔を行い、皮膚を切り開いて中の膿を洗い流す方法です。

 

根本的に改善をするためには毛巣洞を切除する手術を行います。手術を行なった後、残った傷は、塗り薬などを使い時間をかけて改善していく方法と、周りの皮膚や皮下組織を移動して閉じる方法があります。

 

感染が軽い場合は、抗生物質などの内服薬で改善に取り組むこともあります。

毛巣洞は、その不快な症状と厄介な再発性から、管理と改善を行うことが特に重要となる病状です。それは皮膚の下にトンネルが形成され、毛髪、皮膚細胞、そしてしばしば膿が集まる状態です。

 

毛巣洞の改善方法は、症状の重さ、位置、大きさ、全般的な健康状態に基づきます。

 

1. 自己ケア:

 

軽度の毛巣洞、特に症状が初めて現れた場合は、自己ケアが効果的であることがあります。症状のある部分を清潔に保ち、毎日暖湿布を当てることで、毛巣洞から膿を自然に排出させることができます。抗生物質のクリームを塗布することも推奨されることがあります。

 

2. 抗生物質:

 

感染がある場合や、毛巣洞周辺の皮膚が赤く腫れている場合は、医師は抗生物質を処方することがあります。これは通常、口から服用するタイプのものですが、一部の場合、クリームとして直接症状のある部分に塗布する形をとることもあります。

 

3. 手術:

 

毛巣洞が繰り返し発生する場合、または症状が重い場合は、手術が必要となることがあります。手術にはさまざまな種類がありますが、目的はすべて同じで、毛巣洞を完全に除去することです。

 

4. 閉塞手術 

 

この手術は最も簡単で、通常局所麻酔下で行われます。医師は皮膚を切開し、毛巣洞から膿を排出します。手術の後、手術部位は通常開放され、自然に改善するようにします。しかし、この方法の再発率は比較的高いことが知られています。

 

5. 毛巣洞切除術 

 

この手術は、毛巣洞とその全体が皮膚と一緒に切除されるより徹底的な手術です。この手術は通常、全身麻酔または脊椎麻酔下で行われ、その後、切除部位は縫合されます。一部のケースでは、傷が完全に改善するまで開放されることもあります。毛巣洞切除術は再発率が低いと言われていますが、改善するまでの時間が長いという欠点があります。

 

6. 翼状切開術

 

翼状切開術または皮弁法は、再発率をさらに減らすための手術方法です。この手術では、毛巣洞と周囲の皮膚が切除された後、健康な皮膚が傷部分を覆うように移動します。これにより、新しい毛巣洞が形成されるのを防ぎ、傷の改善を促進します。

 

7. 内視鏡手術:

 

近年、最小侵襲手術として内視鏡手術が開発されています。この手術は通常、局所麻酔下で行われ、小さな内視鏡を用いて毛巣洞を除去します。この手術の利点は、傷が小さく、回復期間が短いことです。

 

以上の改善方法のいずれも、具体的な状況と医師の判断に基づいて選ばれます。また、手術後のケアも非常に重要です。適切な傷の管理と、皮膚の清潔さを保つことが、再発を防ぐ上で重要です。

感染をおこさないように注意する

改善をきちんと行うと、感染を起こすことが少なくなるため、痛みや腫れなどの症状が現れることも少なくなります。

 

予防することは難しいですが、感染をおこさないように注意することで症状が現れることを防ぐことができます。痛みや腫れが少しでも現れたときはできるだけ早く病院に行きましょう。

 

座っている時間が長いと再発する可能性もあります。手術を行なった後、日常生活を送る上で座っている時間が長くならないように工夫することが大事です。

毛巣洞の改善例

事例1:

Aは、20代後半の男性で、スポーツを頻繁に行っていました。彼は毛巣洞が初めて発生したときには自己ケアを行い、短期間で症状は改善しました。しかし、数か月後に再発し、それからは頻繁に繰り返すようになりました。彼は抗生物質を服用したものの、再発が止まることはありませんでした。このため、私たちは毛巣洞切除術を行うことを決定しました。手術は成功し、その後の彼の回復も順調でした。彼は術後のケアを丁寧に行い、現在は再発していません。

 

事例2:

Bは、40代の女性で、座って仕事をすることが多かったです。彼女は過去に何度か毛巣洞の手術を受けていましたが、その都度再発していました。彼女は再発を防ぐために多くの手段を試みましたが、症状は改善しませんでした。このため、私たちは翼状切開術を提案しました。彼女はこの提案に同意し、手術は成功しました。彼女は術後のケアに熱心で、さらに仕事の状況を改善するために、座位時間を減らすなどの生活習慣の改善も行いました。その結果、彼女の再発は大幅に減少しました。

 

事例3:

Cは、60代の男性で、長年にわたり毛巣洞に悩まされていました。彼は健康状態が良好でなく、大規模な手術はリスクが高いと判断されました。このため、私たちは内視鏡手術を選択しました。手術は成功し、彼は術後のケアを丁寧に行った結果、再発は大幅に減少しました。

 

これらの事例は、毛巣洞の改善が一概には決められないことを示しています。年齢、健康状態、生活習慣、毛巣洞の症状や位置など、多くの要素が改善法の選択に影響を及ぼします。また、改善法だけでなく、行動や生活習慣の改善も症状の改善や再発防止に大きく寄与します。

 

最後に、毛巣洞の改善は、専門的な知識と技術を必要とします。医師は、病状を正確に評価し、最適な改善法を提供することが求められます。しかし、本人が病状を理解し、適切なケアを行うことも非常に重要です。これは、毛巣洞の改善の成功と再発防止において、決定的な要素となります。

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