血栓性血小板減少性紫斑病の鍼灸【原因・定義・症状】

公開日:2021年 11月23日

更新日:2021年 12月 1日

本日は血栓性血小板減少性紫斑病について解説させていただきます。

☆本記事の内容

  • 血栓性血小板減少性紫斑病とは
  • 血栓性血小板減少性紫斑病の原因
  • 血栓性血小板減少性紫斑病の症状
  • 血栓性血小板減少性紫斑病の改善方法
  • 血栓性血小板減少性紫斑病の合併症
足のしびれ、痛み

銀座そうぜん鍼灸院の宗前です。

このページを書いている私は、鍼灸師として13年、担当した利用者様数80,000人を誇り、病気の休職者300人を社会復帰できるまで回復させてきた実績があります。

 

血栓性血小板減少性紫斑病は、細血管が血小板血栓によって塞がれる

血栓性血小板減少性紫斑病は、末梢の細血管が血小板血栓によって塞がれてしまい、血小板減少症、溶血性貧血、腎機能障害、発熱、動揺性精神神経症状が現れる病気です。

 

最近では、血小板減少症、溶血性貧血、腎機能障害、発熱、動揺性精神神経症状の全ての症状がなくても、血小板減少症と溶血性貧血の症状があれば血栓性血小板減少性紫斑病と判断されることが増えています。

 

血栓性血小板減少性紫斑病には、先天性のものと後天性のものがあります。

血栓性血小板減少性紫斑病の原因は、全身の細い動脈がつまること

血栓性血小板減少性紫斑病の原因は、全身の細い動脈が血小板血栓でつまることです。全身の細い動脈が血小板血栓でつまる原因は、ADAMTS13活性著しく減のうをであるとされています。

 

ADAMTS13はフォンビルブランド因子切断酵素と呼ばれることもあり、主に肝臓で作られている酵素のことです。

 

血小板をくっつける分子糊であるVWFを切断するADAMTS13の活性が減ったりなかったりする場合、血液の中に非常に大きいVWF重合体があることになり、血管の中で血小板血栓がたくさん作られてしまうのです。

 

先天性の血栓性血小板減少性紫斑病の場合、遺伝形式は常染色体劣性です。後天性の血栓性血小板減少性紫斑病の場合は、今のところ遺伝性はないと言われています。

ADAMTS13酵素の欠乏: TTPの最も一般的な原因は、ADAMTS13という特定の酵素の欠如や機能不全です。この酵素は、ヴォン・ウィレブランド因子(vWF)という血液成分を分解する役割があります。ADAMTS13の欠乏により、vWFが異常に大きくなり、血小板がこれに結合して小さな血栓を形成する可能性が高まります。

 

自己免疫反応: 原発性TTPの一般的な原因は、体が誤ってADAMTS13を攻撃する抗体を生成する自己免疫の反応です。これにより、酵素の活動が低下または失われ、上述のvWFの問題が引き起こされます。

 

外的要因による二次的TTP: 一部の人々では、薬物、感染、妊娠、手術、骨髄移植、がんなど、外的な要因がTTPの発症を引き起こすことが知られています。

 

遺伝的要因: TTPは遺伝的要因によっても引き起こされることがあります。これは、家族性TTPとして知られ、ADAMTS13の遺伝子に関連する変異によって発症します。

 

その他の病気: SLE(全身性エリテマトーデス)、HIV感染、パンクリアタイエス症候群などの他の医療状態が、TTPの原因または引き金となることが報告されています。

 

TTPは、様々な原因によって発症する希少な血液の病気です。ADAMTS13酵素の異常が中心的な役割を果たす一方で、外的要因や遺伝的要因も影響することが知られています。

後天性血栓性血小板減少性紫斑病ではだるさや発熱などが起こる

後天性の血栓性血小板減少性紫斑病の症状は、初めの段階では体のだるさや吐き気、筋肉痛などが起こり、その後発熱や貧血、出血や、精神神経症状、腎障害が起こることです。

 

発熱は38℃前後で、場合によって40℃を超えることもあります。貧血には皮膚が黄色くなる症状が合わせて起こることもあります。

 

精神神経症状では、頭痛や意識障害、錯乱、麻痺、失語、知覚障害、視力障害、痙攣などが現れます。血尿や蛋白尿も現れ、場合によっては腎不全が起こることもあります。

 

先天性血栓性血小板減少性紫斑病にはいろいろなタイプがあり、発症する時期は様々です。学童期に発症することもあれば成人期より後に発症することもあります。

血栓性血小板減少性紫斑病は、血液中の血小板が異常に活性化し、小血管内での血栓形成を引き起こす病気です。これにより、さまざまな臓器への血流が妨げられ、多彩な症状が発生します。

 

皮膚の紫斑: 紫斑とは、皮膚の下の出血を指します。多くは、手や足、そして他の身体の部位に紫色の小さな斑点を発症します。

 

疲労感: 赤血球の破壊が増加するため、鉄欠乏性貧血が発症し、強い疲労感や息切れを感じることが一般的です。

 

黄疸: 赤血球の破壊が増加すると、ビリルビンが体内に蓄積し、黄疸(皮膚や目の白の黄色変色)が起こることがあります。

 

神経系の症状: 一部は、頭痛、視覚障害、言語障害、けいれんや意識障害などの神経系の症状を経験します。

 

発熱: 不明原因の発熱が報告されることがあります。

 

腎臓の障害: 血栓が腎臓の小血管を塞ぐと、腎臓の障害や腎不全のリスクが増加します。これにより、尿量の減少、腎臓の痛み、血尿や蛋白尿が現れることがあります。

 

心臓の症状: 胸痛や心臓の動悸、呼吸困難など、心臓に関連する症状が現れることがあります。

 

消化器系の症状: 腹痛、下痢、嘔吐、食欲不振などの消化器系の症状も一般的です。

 

筋肉や関節の痛み: 一部では筋肉や関節の痛みを経験します。

 

TTPは多岐にわたる症状を引き起こす可能性があり、これらの症状は健康や生命を脅かすことがあります。

血栓性血小板減少性紫斑病の改善には、全身管理が非常に大切

先天性の場合の改善方法は、2週間ごとに新鮮凍結血漿を輸注して、ADAMTS13酵素を補充することです。この方法で血栓性血小板減少性紫斑病の発症を予防することができます。

 

しかし、定期的な補充が必要ではないケースも多いです。その場合は、発作が起こった時に新鮮凍結血漿を輸注することが多いです。

 

後天性の場合は、血漿を交換する方法やステロイドを使う方法、抗血小板薬を使う方法などの改善方法があります。

 

場合によっては、免疫抑制剤やガンマ・グロブリン製剤、抗CD20キメラモノクロナール抗体製剤などを使って改善が行われることもあります。

 

血栓性血小板減少性紫斑病を改善するためには、全身管理をすることが非常に大切です。原因となる疾患がある場合は、原因となる疾患の改善を行うことが大切になります。さらに腎機能障害が急激に進むと人工透析が必要になることもあります。

TTPは改善に取り組んでいないの場合、致命的となることがありますが、現代の技術により、多くの場合は生存率が大幅に向上しています。

 

1. 血漿交換法

TTPの主な改善法として、血漿交換法(またはプラズマフェレーシス)があります。この方法は、血漿を除去し、新しいまたは供与者からの血漿で置き換えるものです。異常な血栓を形成する原因となる物質や抗体が除去されることで、病状が改善することが多いです。この方法は毎日、または隔日で行われ、症状が改善するまで続けられます。多く場合は、血漿交換法の開始後、数日以内に症状の改善が見られることが一般的です。

 

2. ステロイド

ステロイド薬は、免疫系の活動を抑制し、TTPの原因となる異常な免疫反応を減少させるために使用されることがあります。通常、血漿交換法と併用される形で投与されます。

 

3. 免疫抑制薬

ステロイド以外の免疫抑制薬も、TTPの改善に有効であるとされています。これらは、病状がステロイドや血漿交換法だけでは改善しない場合や、再発を予防するために使用されることがあります。

 

4. リツキシマブ

リツキシマブは、B細胞を標的とする抗体で、一部の場合において有効であると報告されています。再発リスクを低減させるためや、伝統的な改善方法に反応しない場合に使用されることがあります。

 

5. 血漿補充

血漿交換がすぐに行えない場合や、それが不十分であると判断される場合、新しい血漿を投与することで病状の悪化を予防することが目的で行われることがあります。

 

6. 手術

稀なケースとして、脾臓摘出手術がTTPの改善方法の一部として検討されることがあります。脾臓は異常な血小板の消失を促進する可能性があり、それがTTPの原因の一部であると考えられる場合、脾臓の摘出が効果的であるとされています。

 

TTPは、適切な改善が行われることで、多くの場合にとって管理可能な病気となります。​TTPに関する研究は今も進行中であり、新しい改善法や薬物が開発・試験されています。

血栓性血小板減少性紫斑病は、血小板が過度に活性化されて小血管に血栓を形成することによって起こる希少な病気です。TTPの改善の主な目的は、この異常な血栓形成を抑制し、正常な血小板の数と機能を回復することです。

 

脾臓摘出手術(スプレネクトミー)は、TTPの改善の一部として考慮されることがあります。脾臓は、体内での異常な血小板の除去に関与することが知られており、その摘出は、TTPの病態に影響を与える可能性が考えられます。

 

脾臓摘出が選択される主な場合:

 

伝統的な改善方法への反応不良: 血漿交換法やステロイドや免疫抑制薬などの薬に十分に反応しない場合に対して、脾臓摘出が検討されることがあります。

 

再発の予防: 一度TTPを発症すると、再発のリスクがあるため、再発の予防として脾臓摘出が検討されることもあります。

 

過去の研究や臨床事例において、TTPの再発予防や改善の抵抗性のTTPに対して脾臓摘出が効果的であるとの報告がいくつか存在します。

 

例)M病院の内科では、TTPの再発を2回経験した40代の女性に対して、伝統的な改善に加えて脾臓摘出手術を行いました。手術後、血小板数は正常範囲に回復し、1年以上の経過観察中にTTPの再発は認められませんでした。この事例では、脾臓摘出がTTPの再発予防に寄与したと考えられます。

 

このように、脾臓摘出手術は特定の場合において有効であるとされていますが、すべての人に適用する方法ではありません。病態や一般的な健康状態、再発のリスクなどを総合的に評価した上で、適切な改善法が選択されるべきです。

ウイルスに感染しないように注意が必要

先天性の血栓性血小板減少性紫斑病では、ウイルスに感染することがきっかけで発作が起きることもあります。そのため、手洗いうがいをするなどインフルエンザなどのウイルスに感染しないように注意が必要です。

 

後天性の場合は、発作がおさまっていても1年以内に3分の1の人が再発するという報告があります。自分の体調の変化には十分注意をして生活しましょう。

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