公開日:2019年 12月23日
更新日:2021年 5月15日
本日は神経性やせ症について解説させていただきます。
☆本記事の内容
銀座そうぜん鍼灸院の宗前です。
このページを書いている私は、鍼灸師として13年、担当した利用者様数80,000人を誇り、病気の休職者300人を社会復帰できるまで回復させてきた実績があります。
神経性やせ症は一つの原因で起こる病気ではありません。文化社会的な要因や心理的要因、遺伝や脳機能の変化などの要因がいくつも複雑に関係して起こります。
やせることに対する願望が強い人や性格、自尊心の低さ、適切ではない学習、認知の歪み、家族での問題、など様々な問題が原因として考えられます。
神経性やせ症を起こす特定の遺伝子は見つかっていません。しかし、摂食障害の人の家族の中には、摂食障害を持っている人の割合が有意に高く、遺伝性を計算すると50~83%は遺伝するという報告があります。
〈神経性やせ症になりやすい性格〉
・完璧主義の人
・内向的な人
・強迫的な人
・良心的な人
・自己中心的で未熟な人
・努力家の人
・優等生タイプな人
・自己主張が苦手な人
・不安や不満をため込みやすい人
神経性やせ症では心にも体にも症状が現れます。多くの場合、痩せていても活発に活動します。しかし、段々と筋力が低下したり疲れやすくなったりしていきます。
他にも体に見られる症状として、低血圧や心拍数の低下、低体温、無月経や便秘、むくみ、皮膚の乾燥などがあります。
過食や嘔吐がある場合、唾液腺の腫れや手に吐きだこができるなどの症状も現れます。脱水や貧血、白血球の減少、肝機能の異常、低タンパク血症や高コレステロール血症などがみられることもあります。
嘔吐や下剤を大量に使うことによって電解質にも異常が出ることもあります。長い期間低体重が続いてしまった場合、脳の萎縮も見られます。
精神面での変化としては、痩せている影響からうつ気分や不安が出てきます。強いこだわりを持つようになるという変化もあります。痩せているという満足感を得ることはできますが、その根底には自尊心の低下があります。
神経性やせ症では、自分が痩せているという自覚はありません。そのため、心配する周りの人たちとの関係が悪くなってしまうこともあります。体力が低下してしまうために、学業や仕事もうまく進まなくなります。
神経性やせ症は、日常生活にも大きく影響するのです。
神経性やせ症は、食行動を正常に戻すこと、体重を増やすこと、月経を回復させること、心や偏った考え方を正常に戻すこと、学校や職場を過ごしやすい状態にすることなどを目標に改善を行います。
改善方法としては、行動を認知したり家族などに協力してもらったりすることが効果を発揮すると言われています。薬を使うこともありますが、薬だけで改善することはほとんどありません。
神経性やせ症の人は病気だと自覚していない人が多いため、病院に行きたくないという人が多いです。しかし、家族の助けも借りて病院に行くことが大事です。
改善の第一歩は、低栄養や低体重が心や体に対して与える影響を正しく知ることです。一日三食規則正しく食べ、健康的な食事をするということに心と体を慣らしていく必要があります。食事の量に関しては医者のアドバイスを受けることがお勧めです。
一般的に最初は外来で改善を行います。
しかし、体重が極端に低い場合や動くことが大変だったりするくらいまで体が弱っている場合、急に体重が減った場合、電解質の異常など体の異常や精神症状が強い場合などは入院が必要になることがあります。
また、外来で改善が見られない場合や入院での改善の方が効果的だと思われる場合も、入院して改善することがあります。
改善する上で、食べたくても食べて体重が増えることが怖い、体重を増やさないといけないけれども体重を増やすのが怖い、などの強い戸惑いがあることがあります。その場合は、医者に相談することをお勧めします。
毎回きちんと病院に行き、三食食べても体重が急激に増えることはないということを理解することが、食事や体重について偏った考えを変えていくために重要なことです。栄養が改善するだけでも考えが柔らかくなることも多いです。
病気の進行が家庭や学校、職場と大きく関わっていることもあります。家族と一緒に病院に行くことがお勧めです。
神経性やせ症の改善は、自分の抱えている心理的な問題にきちんと向き合って解決し、乗り越えていくことが必要です。しかし、抱えている問題は人によってそれぞれ違います。
病気の背景にはいろいろな症状や環境があるため、一人一人に合わせた改善を行うことが重要です。神経性やせ症の改善で1番大切なことは、自分自身で改善するはずだという意志を持ち、前向きに改善に取り組むことであるとも言われています。
・四神総
・合谷
・中脘
四神総の効果は、乱れている自律神経を正しい状態に整えることです。神経性やせ症は、自律神経の乱れも大きく関わっています。そのため、自律神経の乱れを整えることで神経性やせ症の改善にも効果が期待できるのです。
さらに、四神総を刺激することは、血流の流れをよくして脳の活性化をする効果もあります。脳がきちんと働くことは神経性やせ症の改善にも非常に大事なことです。
合谷の効果は、気持ちを落ち着かせることです。気持ちが落ち着くと、乱れている気持ちが少しずつ平常心に戻ることができます。
神経性やせ症の原因にはストレスも関係しています。ストレスによって自律神経が乱れている時に刺激をすることで、気持ちが落ち着く効果があるため、イライラした時などに刺激をすることをお勧めします。
中脘は、胃腸の調整をする効果があります。ストレスを感じると、食べ過ぎたり食欲がなくなったりします。そのような時に刺激をすることで、胃腸の働きを助けてくれるのです。
神経性やせ症には、ストレスが大きく関わっています。そのため刺激をすることで改善に役立つことが期待できます。
四神総は、百会から親指1本分の幅の場所にあるツボです。前後左右にあるため、合計4箇所にツボがあります。
押すときは、3回ほど繰り返し押します。1回に押す時間は10秒程度を目安にしましょう。
合谷は、親指と人差し指の骨が合わさる場所の前の谷間にある、という意味を持つツボです。軽く手を開いて、親指と人差し指の骨が交わる場所の骨のすぐ前のへこみを探しましょう。
押すときは、爪を立てないように注意して押しましょう。親指使って、少し痛みを感じるくらいの力加減で押します。どこでも簡単に押すことができるツボのため、ストレスを感じたときなどに押してみると良いでしょう。
中脘は、みぞおちとへそを結ぶ線の真ん中あたりにあります。
指で押す方法も良いですが、温める方法もお勧めです。特に、胃が冷えてしまった時は温めることでより効果を発揮します。自分の手のひらを温めてツボに手を当てるだけでも効果を感じることができるでしょう。
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