非結核性抗酸菌症の鍼灸【原因・定義・症状】

公開日:2021年  7月23日

更新日:2023年 10月 8日

本日は非結核性抗酸菌症について解説させていただきます。

☆本記事の内容

  • 非結核性抗酸菌症とは
  • 非結核性抗酸菌症の原因
  • 非結核性抗酸菌症の症状
  • 非結核性抗酸菌症の改善方法
  • 非結核性抗酸菌症のまとめ
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銀座そうぜん鍼灸院の宗前です。

このページを書いている私は、鍼灸師として13年、担当した利用者様数80,000人を誇り、病気の休職者300人を社会復帰できるまで回復させてきた実績があります。

 

非結核性抗酸菌症は、抗酸菌に感染して起こる感染症

非結核性抗酸菌症は、結核菌とライ菌以外の抗酸菌に感染して起こる感染症のことです。

 

菌の種類は100種類以上あると言われています。中でも非結核性肺抗酸菌症の約8割はマック菌です。マック菌の次にカンサシ菌が多いと言われています。

 

非結核性抗酸菌は土や水、動物の体の中などの環境の中に広く生息しています。感染する経緯としては、菌を含んだ埃や水滴を吸うことで感染するといわれています。

 

結核菌と違い、人から人に感染することはありません。

非結核性抗酸菌症の原因は、非結核性抗酸菌を吸い込むこと

非結核性抗酸菌症の原因は、非結核性抗酸菌を吸い込むことです。非結核性抗酸菌は、塵埃や土壌、水や動物の体の中などの生活に非常に身近な環境の中に生息しています。

 

日常生活の中で粉塵や、水しぶきなどと一緒に非結核性抗酸菌を吸い込むことによって非結核性抗酸菌症に感染すると言われています。

 

非結核性抗酸菌は、100種類以上あります。しかし、病気の原因となる菌は15種類程度だと言われています。中でも8割はマック菌が原因で、その次に原因となることは多い菌はカンサシー菌です。

非結核性抗酸菌症は、結核やハンセン病を引き起こす菌ではない抗酸菌によって引き起こされる感染症です。この病気の原因は多岐にわたり、環境や個人の健康状態、免疫システムの状態などが関連しています。

 

1. 環境要因

非結核性抗酸菌は土壌や水、空気中に広く存在しています。これらの環境から人が抗酸菌を吸入することによって感染が発生する可能性があります。特に以下のような場所や環境がリスクとされています。

水: 水道水や池、湖、温泉などの水中に生息する抗酸菌が感染の原因となることがあります。シャワーを浴びる際に感染する可能性もあります。

土壌: 園芸作業や土いじりをする際に、土壌中の抗酸菌が原因で感染することがあります。

空気: 建設現場や採石場などの粉塵が舞い上がる場所、また空調設備の不備などが原因で空気中の抗酸菌を吸入するリスクがあります。

 

2. 個人の健康状態

非結核性抗酸菌症は健康な人では発症しにくいとされています。しかし、以下のような健康状態の人は感染のリスクが高くなります。

肺の病気: COPD、気管支拡張症、肺気腫、ぜんそくなどの肺の病気は感染のリスクが高いとされています。

免疫システムの低下: HIV感染やがんの改善、免疫抑制剤の使用などによって免疫システムが低下している人は感染しやすいです。

年齢: 高齢者は免疫力の低下や慢性の病気の存在などから感染のリスクが高くなります。

 

3. 遺伝的要因

近年の研究では、遺伝的な要因も非結核性抗酸菌症の発症に関連している可能性が示唆されています。特定の遺伝子変異が感染のリスクを高める可能性があります。

 

4. ライフスタイルや行動

人々のライフスタイルや行動も非結核性抗酸菌症のリスクに関連しているとされています。特に以下のような行動がリスクとなります。

喫煙: 喫煙は肺の健康を損ね、感染のリスクを高めます。

運動不足: 運動不足は免疫システムの低下を招く可能性があります。

 

非結核性抗酸菌症の原因は多岐にわたります。環境要因や個人の健康状態、遺伝的要因、ライフスタイルや行動などが感染のリスクに関連しています。

非結核性抗酸菌症の症状は、咳や痰、血痰、微熱など

非結核性抗酸菌症の症状は、咳や痰、血痰、微熱などです。他にも、倦怠感や寝汗、体重の減少、息切れ、胸痛などが現れることもあります。

 

非結核性抗酸菌症だけに現れる特徴的な症状はなく、初めのうちは自覚症状がないことが多いです。一般的には、症状の進むスピードはゆっくりで少しずつ進み症状が現れてきます。

 

特に改善を行わなくても症状が進まない場合もありますが、重症化すると呼吸不全になる場合もあります。

非結核性抗酸菌症は、主に肺を侵しますが、皮膚やリンパ節、他の臓器にも影響を及ぼすことがあります。

 

1. 呼吸器症状

非結核性抗酸菌症の最も一般的な症状は、肺や気道に関連するものです。

咳: 感染の初期段階では、咳は軽いものであることが多いですが、感染が進行すると慢性的な咳になり、痰を伴うことがあります。

痰: 咳と一緒に緑や黄色の痰が出ることがあります。また、痰の中に血が混じることもあります。

呼吸困難: 感染が進行すると、肺の機能が低下するため、呼吸が困難になることがあります。

胸痛: 感染により肺や胸膜が炎症を起こすと、胸痛が生じることがあります。

 

2. 一般症状

発熱: 非結核性抗酸菌症の感染により、体温が上がることがあります。

倦怠感: 病気による免疫反応や肺の機能低下により、全身の倦怠感が生じることがあります。

体重減少: 食欲不振や慢性的な咳、呼吸困難が原因で、体重が減少することがあります。

発汗: 特に夜間に汗をかくことがあります。

 

3. 皮膚やリンパ節の症状

皮膚の病変: 一部の非結核性抗酸菌は皮膚に感染を起こすことがあり、赤みや腫れ、潰瘍などの症状が生じることがあります。

リンパ節の腫れ: リンパ節に感染が起こると、リンパ節が腫れることがあります。

 

4. その他の症状

関節の痛み: 非結核性抗酸菌が関節に感染を起こすと、関節の痛みが生じることがあります。

目の症状: 眼に感染が起こると、目の充血や痛み、視力の低下などの症状が生じることがあります。

 

これらの症状は非結核性抗酸菌症の典型的なものであり、感染した菌の種類や感染の部位、患者の健康状態によって異なる場合があります。

非結核性抗酸菌症を改善するためには抗結核薬を使う

非結核性抗酸菌症を改善するためには抗結核薬を使います。しかし、確実に改善できる方法はいまのところ確立されていません。

 

抗結核薬はいくつかの種類を併用して改善を行いますが、効果が現れるのは約半数で改善にかかる期間も約1~2年であると言われています。

 

改善の効果の現れには個人差があるため、人によっては長い期間薬を飲み続けることが必要な場合もあります。

 

早い段階で発見できた場合は、手術によって改善することもありますが、いくつも病巣があったり病巣が広かったりする場合には手術は勧められません。さらに手術によっての改善が勧められるのは若い年齢の人だけです。

非結核性抗酸菌症(NTM)の改善方法は、感染した菌の種類や感染の部位、健康状態によって異なるため、個々の症例に応じて計画を立てる必要があります。

 

1. 抗生物質による改善

非結核性抗酸菌症の主な改善法は、抗生物質による長期間の改善です。感染した菌の種類によって選択される抗生物質が異なります。

・マイコバクテリウム・アビウムコンプレックス(MAC)感染の場合

クラリスロマイシンまたはアジスロマイシン:これらの薬は、MAC感染の主要な治療薬であり、他の抗生物質と組み合わせて使用されます。

リファブチンまたはリファピン:これらの薬は、クラリスロマイシンまたはアジスロマイシンと組み合わせて使用されます。

エタンブトール:これは、クラリスロマイシンまたはアジスロマイシンと組み合わせて使用される薬の一つです。

・マイコバクテリウム・カンセンセイ感染の場合

クラリスロマイシンまたはアジスロマイシン:これらの薬は、カンセンセイ感染の主要な改善薬であり、他の抗生物質と組み合わせて使用されます。

モキシフロキサシンまたはレボフロキサシン:これらの薬は、クラリスロマイシンまたはアジスロマイシンと組み合わせて使用されることがあります。

 

2. 症状の管理

非結核性抗酸菌症の改善では、症状の管理も重要な要素となります。

・呼吸器症状の管理

気管支拡張薬:気管支拡張薬は、気道を広げて呼吸を楽にする効果があります。

吸入ステロイド:吸入ステロイドは、気道の炎症を抑える効果があります。

酸素の補充:酸素の補給は、呼吸が困難な場合に重要な改善方法となります。

・栄養状態の改善

栄養サポート:適切な栄養摂取は、体力の回復や免疫機能の向上に寄与します。

 

3. 手術

非結核性抗酸菌症の感染が限局している場合や、薬での改善に反応しない場合には、手術が検討されることがあります。手術には、感染部位の切除や排膿などがあります。

 

4. 予防

非結核性抗酸菌症の予防には、以下のポイントがあります。

感染源からの避難:非結核性抗酸菌は土壌や水に存在するため、これらの感染源からの避難が重要です。

免疫力の向上:適切な栄養摂取や運動、十分な睡眠などにより、免疫力を向上させることが重要です。

 

非結核性抗酸菌症の改善は、通常、長期間にわたることが多いため、協力が不可欠です。

非結核性抗酸菌症の改善において手術が選択される場合、その主な目的は感染した組織の除去や病巣の切除、炎症のコントロールを行うことです。手術は通常、薬が効果を示さない場合や感染が局所的である場合に検討されます。

 

1. 感染部位の切除

感染が特定の部位に限局している場合、その部位を切除することで感染の拡散を防ぎ、症状の改善を図ることができます。例えば、肺の感染がある場合、感染した肺の一部を切除する肺葉切除手術が行われることがあります。

 

2. 病巣の排膿

感染部位に膿が溜まっている場合、膿を排出することで症状の緩和や感染のコントロールを行います。

 

3. 胸膜癒着術

肺の感染が胸膜に広がっている場合、肺と胸膜の間の空間を閉じることで、感染の拡散を防ぎます。

 

4. その他の手術

感染がある部位によっては、その部位に応じた手術が行われる場合もあります。例えば、感染が骨や関節にある場合、感染した部位の除去や病巣の切除を行う手術が検討されることがあります。

 

5. 関連手術

非結核性抗酸菌症によって生じた合併症の改善のために手術が行われることもあります。例えば、肺炎や気胸などの合併症がある場合、それらの改善のために手術が行われることがあります。

 

手術は感染の拡散を防ぎ、症状の改善を図る重要な方法でありますが、手術にはリスクも伴います。そのため、手術の適用や方法は、状態や感染の程度を詳細に評価した上で、医師と十分なコミュニケーションをとりながら決定することが重要です。

抵抗力や免疫力をつけておくことが非常に重要

非結核性抗酸菌症は、健康な人では感染症を起こさないような弱い病原体が原因で発症する感染症であると考えられています。抵抗力や免疫力が下がることで病気が進むため、抵抗力や免疫力をつけておくことが非常に重要です。

 

規則正しい生活をすることとストレスを発散することを心がけましょう。早寝、早起きをして十分な睡眠時間とることや、疲れた時はきちんと休むこと、栄養バランスのとれた食事を心がけること、適度な運動をすることなどが大切です。

 

非結核性抗酸菌は人から人に感染する病気ではありません。そのため、特別な配慮をする必要はありませんが、菌の住み着きやすい水回りなどは清潔にしておくことをお勧めします。

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