公開日:2021年 11月11日
更新日:2023年 9月14日
本日は膠様滴状角膜ジストロフィーについて解説させていただきます。
☆本記事の内容
銀座そうぜん鍼灸院の宗前です。
このページを書いている私は、鍼灸師として13年、担当した利用者様数80,000人を誇り、病気の休職者300人を社会復帰できるまで回復させてきた実績があります。
膠様滴状角膜ジストロフィーは遺伝子の異常です。角膜上皮のバリア機能を保つことに関係しているTACSTD2遺伝子に異常があることが原因で起こります。
遺伝形式は常染色体劣性遺伝で、父親と母親から受け継いだ2つの遺伝子のうち両方に異常があった場合に発症します。
膠様滴状角膜ジストロフィー(GDLD)は、遺伝的な原因に基づく希少な眼の病気であり、主に角膜に影響を及ぼす病気です。角膜には、乳白色から黄色の膠様の滴状の沈着物が現れることが特徴的です。この病気の進行により、視力低下や光感受性が引き起こされることがあります。
遺伝的原因:GDLDの主な原因は、遺伝的変異によるものです。具体的には、TACSTD2(M1S1)という遺伝子の変異がこの疾患の発症と密接に関連していると考えられています。TACSTD2遺伝子は、上皮細胞に特異的に発現するタンパク質をコードしています。
TACSTD2遺伝子の変異: この遺伝子の変異は、正常なタンパク質の生産を妨げ、角膜の正常な細胞機能に障害を引き起こす可能性があります。これが、角膜の異常な変性や沈着物の形成の原因となると考えられています。
遺伝の仕組み: GDLDは、常染色体劣性の遺伝パターンを持つ病気です。つまり、両親から変異した遺伝子を1つずつ受け取った場合に疾患が発症します。一方で、変異遺伝子を1つだけ受け取った場合は、病気は発症しないがキャリアとなり、次世代にこの遺伝子を伝える可能性があります。
病気の進行と関連性:TACSTD2遺伝子の変異によるタンパク質の異常は、角膜の細胞間の結合の障害や、細胞の増殖・再生能力の低下を引き起こすことが示唆されています。これにより、角膜の構造や透明性が維持されず、膠様滴状の沈着物が形成される原因となると考えられます。
環境的要因:一部の研究では、環境的要因や外傷もGDLDの発症や進行に影響を及ぼす可能性が指摘されています。しかし、これらの要因は遺伝的変異に比べて二次的な役割を果たすと考えられています。
まとめると、膠様滴状角膜ジストロフィーの主な原因は、TACSTD2遺伝子の変異によるものです。この変異により、角膜の細胞の正常な機能が妨げられ、膠様滴状の沈着物が形成されることが特徴的です。
膠様滴状角膜ジストロフィーの症状は、羞明や流涙、異物感、視力の低下です。
初めに異物感や羞明感、流涙などを強く自覚し始めます。角膜の真ん中に透明なアミロイドの小さな隆起が現れることもあります。
ほとんどの場合は症状は両眼に現れます。多くの場合は、自覚症状が現れた後、角膜中央部を中心に乳白色から少し黄色のような色をした隆起物が現れます。そして視力障害が起こります。
膠様滴状角膜ジストロフィーは進行性の病気です。そのため、アミロイドの沈着の数は少しずつ増えて大きさも大きくなっていきます。
角膜の周辺に広がっていき最終的には角膜全体が濁って視力がどんどん下がっていきます。この時には眼の痛みや見た目の問題も起こります。
症状は、場合によっては左右差があることもあります。
膠様滴状角膜ジストロフィー(GDLD)は、角膜に特異的な遺伝的な病気であり、特有の症状を持つことで知られています。症状の進行は個人差があり、初期症状から重症化するまでのスパンは広い。
1. 角膜の変性:角膜は眼の透明な前面部分であり、GDLDではこの部分に異常が見られます。最も目立つ特徴として、乳白色から黄色の膠様の滴状の沈着物が角膜に現れます。これは、この病気の名前の由来ともなっています。
2. 視力の低下:角膜の透明性が失われることで、光の屈折が妨げられ、視力が低下することがあります。初期の段階では、視力の低下はわずかかもしれませんが、疾患が進行すると、重度の視力低下や失明を引き起こす可能性も考えられます。
3. 光感受性:角膜の異常により、光を感じやすくなることが報告されています。これは、日常生活や外出時に不快感を伴うことが多い。
4. 疼痛や炎症:角膜の変性や沈着物の形成に伴い、炎症や疼痛を感じることがあります。特に、疾患が進行すると、疼痛はより強くなり、日常生活に支障を来たすことがある。
5. 涙の過剰分泌:角膜の刺激や炎症の結果として、涙の過剰分泌が見られることがあります。これは、目の不快感や疼痛に対する体の反応として起こる可能性があります。
6. 視野の変動:病気の進行に伴い、視野の変動や歪みを経験する場合もあります。これは、角膜の変性や沈着物が視野に影を投げかけることが原因となります。
7. 硬結:長期的な病気の進行により、角膜の硬結が起こることが報告されています。これは、角膜組織の変性や沈着物の影響で、角膜が硬くなる現象を指します。
膠様滴状角膜ジストロフィー(GDLD)は、角膜の変性を主とする病気であり、乳白色から黄色の膠様の滴状の沈着物の形成、視力の低下、光感受性、疼痛や炎症、涙の過剰分泌などの症状が特徴的です。
膠様滴状角膜ジストロフィーの改善方法は手術です。
初めの段階の場合、手術で角膜にある隆起物を取り除き改善を行います。病気が進み角膜の濁りが原因で羞明や視力の低下が起こっている場合は角膜移植を行います。
膠様滴状角膜ジストロフィーの原因は遺伝子の異常です。そのため、手術で改善を行っても再び発症することがほとんどで、手術を何度も行うことが必要になります。
改善のためにソフトコンタクトレンズを使うことで病気の進むスピードを遅くしたり再発を遅くしたりする効果が期待できることもあります。
膠様滴状角膜ジストロフィーは、角膜の遺伝的な病気であり、現在のところ根本的な改善方法は存在しません。
1. 保存的な改善方法:
初期段階や軽度の症状に対しては、保存的な改善が試みられることが多い。
人工涙液: 乾燥や刺激を和らげるために、人工涙液の点眼が行われることがあります。
抗炎症薬: 疼痛や炎症の症状がある場合、抗炎症薬やステロイド点眼液が処方されることがあります。
コンタクトレンズ: 症状の緩和や角膜の保護を目的として、特別なコンタクトレンズが使用されることがある。
2. 外科的な改善方法:
病気の進行や症状の重度が進行した場合、外科的な改善が適応となることがあります。
角膜移植: GDLDの進行による視力低下の主な原因は、角膜の変性や沈着物によるものです。このため、最も効果的な改善法として角膜移植が考えられます。角膜移植には、ペネトレーティングケラトプラスティ(全層角膜移植)やランベル角膜移植などの方法があります。
レーザー: 初期段階や中等度の症状に対して、レーザーを使用して角膜の表面を再成形する手術が行われることがあります。これにより、視力の向上や症状の緩和を期待することができる。
3. 未来の改善法:
遺伝子の改善: GDLDの原因となるTACSTD2遺伝子の変異を対象とした遺伝子の改善が研究段階にあります。成功すれば、病気の進行を抑制するか、逆転させる可能性がある。
薬: 角膜の変性や沈着物の形成を抑制する新しい薬が研究されています。これらの薬により、病気の進行を遅らせることが期待されている。
膠様滴状角膜ジストロフィーの改善法は、症状の重度や進行に応じて変わります。
膠様滴状角膜ジストロフィー(GDLD)は、角膜の前部に特有の変性や沈着物が見られる先天性の角膜の病気です。改善は症状の重症度や生活の質に関わる要因に基づいて決定されます。
・人工涙液
適応: GDLDによって引き起こされる目の不快感や乾燥を軽減するため。
種類: ヒアルロン酸、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコールなどの成分を含む液体。
効果: 人工涙液は目の表面を潤滑させ、不快感や乾燥からの保護を提供します。
・抗炎症薬
適応: GDLDの進行に伴う角膜の炎症や痛みを軽減するため。
種類: 一般的には非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)やステロイド点眼液が用いられる。
効果: 炎症の抑制、痛みの緩和。
・角膜表面の保護薬
適応: GDLDでの角膜の変性部位を保護し、さらなるダメージを防ぐため。
種類: ヒアルロン酸、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどの成分を含む液体。
効果: 角膜表面の保護や修復を促進し、不快感を軽減します。
現在のところ、GDLDの進行を止めるか逆転させる薬は確立されていません。上記の薬は症状の管理や一時的な緩和を目的として使用されます。
膠様滴状角膜ジストロフィーの症状には羞明があります。
生活の中で困る場合には、遮光眼鏡を使うことで羞明の症状が抑えることができ、日常生活が過ごしやすくなることもあります。
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