尿閉の鍼灸【原因・定義・症状】

公開日:2019年 12月23日

更新日:2023年 12月14日

本日は尿閉について解説させていただきます。

☆本記事の内容

  • 尿閉とは
  • 尿閉の原因
  • 尿閉の症状
  • 尿閉の改善方法
  • 尿閉のまとめ

目次

足のしびれ、痛み

銀座そうぜん鍼灸院の宗前です。

このページを書いている私は、鍼灸師として13年、担当した利用者様数80,000人を誇り、病気の休職者300人を社会復帰できるまで回復させてきた実績があります。

 

尿閉とは膀胱に尿が溜まって出ない状態

尿閉は、膀胱に尿が溜まっていて出ない状態です。膀胱から尿道に向けての先に障害があり尿道から尿が出ない状態が尿閉です。

 

急に前立腺肥大症が起こった場合は急性無尿と呼びます。少しずつ尿が出にくくなって詰まった場合は慢性尿閉と呼びます。尿閉の多くの場合はアルコール飲料の飲み過ぎや一部の風邪薬で起こります。

尿閉にも色々な種類があります。膀胱に尿がなく、尿が出ない場合が無尿と呼ばれる尿閉、腎臓で全く尿が作られない場合が腎前性無尿と呼ばれます。

 

何か原因があり、体で尿が作られない場合があるのです。尿が作られない原因には、大量出血やショックなどによる血圧の低下などが考えられます。

 

薬物や腎毒性物質などで腎臓自体に障害が起きてしまい、腎臓が尿を作る力を失くしてしまった場合は腎性無尿と呼ばれます。

 

腎臓に尿を作る力があっても尿が膀胱まで運ばれない場合もあります。このような尿閉は仮性無尿と呼びます。

 

仮性無尿の主な原因は、両側尿管結石や他の臓器に何かの病気があることによって尿管が圧迫されることです。この場合は腎後性無尿と呼びます。

 

尿閉の種類が急性でも慢性でも早めに泌尿器科に相談することが必要です。尿閉に合わせて起こる合併症があってもなくてもきちんと医師に相談するようにしてください。

尿閉の原因は複数が組み合わさって起こることも多い

尿閉には、急性と慢性の場合があります。尿閉の原因は、膀胱の収縮性の障害、下部尿路閉塞や膀胱の収縮と括約の筋弛緩の調整が失われることなどです。原因は1つではなく、複数の原因が組み合わさって起こることも多いです。

 

主な原因は前立腺肥大症です。前立腺は尿をためる膀胱の下に位置する臓器のことです。この前立腺という臓器が腫れてくるのが前立腺肥大症という病気です。

 

前立腺肥大症が進んでしまうと、尿の通り道の尿道が圧迫されて狭くなります。狭くなることによって尿が出にくくなったりするのです。

 

放っておくと、お酒をたくさん飲んだ時などに前立腺が充血して腫れ、膀胱の出口が閉まってしまいます。すると、尿閉が起こります。

 

前立腺が充血し腫れる原因は、お酒だけでなく、長い時間座っていることや咳止めや不整脈の薬や感冒薬、精神安定剤などもあります。

尿閉は女性にも男性にも起こりますが、中でも男性に多いです。男性の場合、前立腺異常や尿道が狭くなることによって下部尿路閉塞が起きます。

 

尿閉は、男性と女性のどちらもに共通する原因は、薬や重い宿便、糖尿病や多発性硬化症、パーキンソン病や昔に骨盤内手術をしたことによる膀胱除神経がある人の神経性膀胱などです。

尿閉は、尿が膀胱から適切に排出されない状態を指し、多くの場合、痛みや不快感を伴います。尿閉には様々な原因があり、主に次のようなものが含まれます。

 

前立腺の問題:前立腺肥大や前立腺癌など、前立腺の異常が尿道を圧迫し、尿の流れを妨げることが多いです。これは主に男性に見られる原因です。

 

尿道狭窄:感染症、外傷、手術の合併症などにより尿道が狭窄し、尿流が阻害されることがあります。

 

膀胱の機能不全:膀胱筋の弱さや神経障害によって、膀胱が十分に収縮しないことがあります。これにより、尿が膀胱内に滞留することがあります。

 

神経系の障害:脊髄損傷、多発性硬化症、パーキンソン病、糖尿病性神経障害など、神経系の障害が尿閉を引き起こすことがあります。

 

薬剤の副作用:抗コリン薬、抗精神病薬、抗ヒスタミン薬など、特定の薬剤が尿閉の原因となることがあります。

 

尿道結石:尿道内に結石が形成され、尿道を塞いでしまうことがあります。

 

外傷:骨盤や尿道の外傷が尿閉を引き起こすことがあります。

 

手術後の合併症:特に骨盤や下腹部の手術後に、一時的な尿閉が発生することがあります。

尿閉の症状では排尿が全くできなくなることもある

尿閉では、排尿が全くできなくなることがあります。全く尿ができない場合、膀胱の中に尿がいっぱいになります。

 

すると、膀胱が広がり数時間に渡るほど長い時間の非常に激しい痛みがあり、下腹部がパンパンになります。尿閉を起こした多くの人は、ある程度の量は排尿できても完全に膀胱を空っぽにすることができなくなります。

 

完全に膀胱を空にできない場合、膀胱は少しずつ広がっていきます。この時、痛みはありません。しかし、排尿を始める時が難しかったり、尿の勢いが低下したり、残尿感があったりするということが起こります。

 

膀胱を空にできないため、比較的いつもいっぱいに近い状態になります。すると、尿漏れや夜間の排尿や頻尿が起こることもあります。

 

膀胱の中に残っている尿は細菌が増殖するために非常に条件の良い場所となる場合もあります。細菌が増殖してしまうと、尿路感染症を起こしてしまう可能性があります。

尿閉を起こしたときの具体的な症状は、尿をしたいのに出ない、尿の勢いが弱い、尿をしている間に何度も途切れてしまい1度で終わらない、尿が出るまでに時間がかかる、お腹に力を入れなければ尿がでない、尿をした後もまだ残っている感じがする、などです。

 

尿閉では、急にこのような症状を強く感じたり、このような症状が続きます。

尿閉は、尿が膀胱から適切に排出されない状態を指します。以下に、尿閉の主な症状を詳しく説明します。

 

尿意があるにもかかわらず尿が出ない:尿を排泄しようとしてもできない、または非常に少量しか排尿できない状態。

 

下腹部の痛みや圧迫感:膀胱が尿で満たされているため、下腹部に痛みや圧迫感を感じることがあります。

 

膀胱の膨満感:膀胱に尿が溜まっていることを感じることができる場合があります。

 

頻繁な尿意:尿を排泄しようと何度も試みるが、尿が出ないか、ごく少量しか出ない状態。

 

尿漏れ:膀胱が過剰に満たされると、尿が少量漏れ出ることがあります(過剰膀胱圧尿失禁)。

 

強い尿意にも関わらず排尿できない:尿意を感じるにも関わらず、尿が排出されない。

 

痛みや不快感:尿道や骨盤領域に痛みや不快感を感じることがあります。

 

全体的な不調:長期間の尿閉は、倦怠感や全身の不調を引き起こすことがあります。

 

尿閉は重篤な状態であり、適切な改善を受けないと腎臓損傷などの深刻な合併症を引き起こすリスクがあります。

尿閉は放置してはいけない

尿閉と思われる症状があった場合、医薬品を使っている場合は、放っておいてはいけません。医師や薬剤師に連絡し、早めに相談してください。

 

尿閉の改善には、尿道からカテーテルを膀胱の中に入れ、膀胱の中にある尿を導尿する必要があります。尿閉は具体的にはっきりとした症状がなく進んでいることもあります。

 

早く見つけ、対応するために尿閉の原因となる可能性のある薬を使う場合は、医師から尿閉と排尿困難の副作用と注意などの説明をきちんと聞いておくことが重要です。

尿閉の原因を改善することが重要です。尿閉を引き起こす薬を使用している時は、できるのであれば薬の使用をやめてください。

 

男性で前立腺が肥大している場合は、前立腺手術や前立腺を縮小させるフィナステリドやデュタステリドなどの薬、膀胱頸部の筋肉を緩めるテラゾシンやタムスロシンなどの薬が必要になることもあります。

 

問題が神経にあり、膀胱の収縮や機能に障害のあるときは、定期的にカテーテルを入れたり、カテーテルをしばらく入れたままにしておくということが必要になる可能性もあります。

 

尿を体の外に出すための道を作るために手術をすることもあります。

尿閉の改善方法は、その原因に応じて異なりますが、一般的には以下のようなアプローチが取られます。

 

カテーテル挿入:尿を膀胱から直接排出するために、カテーテルを尿道または腹部(腹膜下カテーテル)を通じて膀胱に挿入します。緊急の尿閉の場合、これが最も迅速な解決策です。

 

薬:前立腺肥大が原因の場合、アルファ遮断薬(例:タムスロシン)や5アルファ還元酵素阻害薬(例:フィナステリド)が処方されることがあります。神経因性膀胱に対しては、抗コリン薬やボツリヌス毒素の注射が適用されることもあります。

 

手術:前立腺肥大に対しては、経尿道的前立腺切除術(TURP)などの手術が行われることがあります。尿道狭窄に対しては尿道拡張術や尿道形成術が選択されることがあります。尿道結石が原因の場合、結石を除去する手術が必要になることがあります。

 

生活習慣の変更と自己管理:例えば、定期的に排尿する、十分な水分を摂取する、便秘を避けるなどの措置が有効です。

 

物理的な方法:骨盤底筋トレーニングやバイオフィードバックが、特定のタイプの尿閉に有効な場合があります。

 

尿閉の改善方法は、症状の原因と重症度によって異なります。急性の尿閉は痛みを伴う緊急事態であり、迅速な介入が必要です。

尿閉の改善における薬は、尿閉の原因や特定の状況に基づいて異なります。以下に、尿閉に対して使用される一般的な薬剤を紹介します。

 

アルファ遮断薬:前立腺肥大や前立腺の問題が原因の尿閉に対して有効です。

タムスロシン(フロマックス)、アルフズシン(ユロキサトラール)、ドキサゾシン(カルデュラ)、テラゾシン(ヒドリン)などがあります。

これらの薬は、前立腺や膀胱の筋肉をリラックスさせ、尿の流れを改善します。

 

5-アルファ還元酵素阻害薬:これも前立腺肥大による尿閉に用いられます。

フィナステリド(プロスカー)やデュタステリド(アボダート)があります。

これらの薬は前立腺のサイズを減少させ、尿の流れを改善するのに役立ちます。

 

筋弛緩剤:骨盤底の筋肉の緊張やけいれんが原因の尿閉に対して使用されることがあります。

バクロフェン(リオレサール)やジアゼパム(バリウム)などがあります。

 

パラシンパシー抑制剤:神経因性膀胱など特定の状態に用いられることがあります。

オキシブトニン(ディトロパン)、トルテロジン(デトロール)などがあります。

尿閉は生活に支障がでる

尿閉の主な原因の1つである前立腺肥大症は、自覚症状がない状態で進行していることがあります。突然、尿閉を起こすことも珍しいことではないのです。

 

夜間に地面に座ることによる冷えやビールなどのアルコールをを多量に飲むことで、気が付かない間に進んでいた前立腺肥大症が急に悪化し、尿閉を起こしてしまうこともあります。

 

尿閉は一時的に改善できたとしても油断せず、日常生活も気をつけ、きちんと改善に取り組むようにしましょう。

尿閉は生活に支障もある、非常につらい症状が起きます。

 

予防するためにも、尿の出る勢いが弱いかったり、排尿に時間がかかったり、夜中に何度もトイレに起きたり、というような症状がある場合は、泌尿器科の医師に早めに相談することが重要です。

尿閉に効果的なツボ

中極

腰陽

横骨

中極

中極は、特に泌尿器系のトラブルに対してよく使われるツボです。中極は血流が良くなる作用があるため、腎機能が高まることにもつながります。

 

腎機能が高まると、改善が期待できることは腎の病気だけではありません。腎に関わる尿閉や尿道炎、膀胱炎、腰痛や冷え症、生理不順、血尿、頻尿、子宮出血、不妊症などにも効果が期待できます。

腰陽

腰陽関は、下肢の冷えや腰痛に効果があるツボです。

 

腰陽関の位置している場所は疲れが溜まりやすい場所でぎっくり腰が起こりやすい場所であると言われているため、刺激をすることでぎっくり腰が起こる前に腰の疲れを改善することが期待できます。

 

他にも坐骨神経痛や尿閉、膀胱炎などにも効果的です。

横骨

横骨は、泌尿器系の問題に効果を発揮するツボです。尿閉だけではなく、尿失禁や残尿、頻尿などに効果的なツボなのです。

 

さらに、男性の場合は早漏、女性の場合は生理不順や不妊などにも有効であるとされています。

ツボの位置と押し方

中極

中極は、体の中心線上にあるツボです。子宮の入り口の上にあります。

 

押すときは親指の腹で押します。ゆっくりと弱い力で押すことがポイントです。

腰陽

腰陽関は、第4腰椎と第5腰椎の棘突起の間にあります。 背骨と背骨の間のへこみにあるツボなのです。

 

押すときは、親指や人差し指と中指で押します。力加減は心地良いと感じる程度がおすすめです。

横骨

横骨は、恥骨のすぐ上にあるツボです。恥骨の中心から左右に指幅0.5本分いったところにあります。

 

押すときはあまり強く刺激しないことが大事です。いきなり押し込まず、揉み込むようなイメージで押しましょう。

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