公開日:2019年 12月23日
更新日:2021年 5月 15日
本日はメージュ症候群について解説させていただきます。
メージュ症候群とは、両目の瞼が自分の意思とは無関係にこわばってしまい痙攣そして自然に目を開けていることがきつくなってしまう脳の不調です。
40~70歳代の中高年の女性に多い傾向がみられます。
一番多い症状としては、光をまぶしく感じる羞明です。
メージュ症候群とはジストニアという症状の一種で、脳内で運動神経を制御するシステムに異常をきたした状態です。
まぶたを閉じる筋肉がうまく休めなくなり、目を開きにくくなります。
原因は明らかでないことが多く、脳のMRIにも異常はみられません。
ジストニア:身体の筋肉が異常に緊張すると、運動を行う回路に混線が生じ、運動するという命令が過剰に出て異常な姿勢・異常な運動を起こす状態のこと。
目に限らず、筋肉の異常な緊張によって起きる様々な不随意(本人の意思に関係のないこと)運動を「ジストニア」運動と言うため、食べ物がうまくかめず飲みにくい、口が開かない、閉じられない、アゴや口、舌、唇が無意識にもぐもぐと動いたり歯を食いしばったりする。などという障害を総称しジストニアといいます。
眼瞼に痙攣を伴う疾患として最も多いのは眼瞼ミオキミアです。
まぶたの一部がぴくぴくし、特徴はなんの前触れもなく起こりいつの間にか消え、長期的には続きません。
目の疲れ、ドライアイ、ストレスなどで起こるともいわれていますが、大抵の場合急に出現します。原因ははっきり分かっていません。
瞼を閉じる筋肉は眼輪筋と言って、脳から来る神経のうち顔面神経という神経の支配を受けて動いています。一方で、目を開く筋肉は上眼瞼挙筋といって動眼神経という神経の支配を受けて動いています。
メージュ症候群では、目が上手く開かなくなる特徴があるため上眼瞼挙筋の支配神経である、動眼神経が特になんらかの理由により障害されていると考えられます。
未だ原因が分かっていないこの症状が発症した場合、第一に症状の緩和に向けて、肉体的・精神的に安静を取ることです。
また、人工涙液の点眼や抗不安薬などにより、改善を行うこともあります。
症状が収まらない場合、最も行われる第一選択肢として眼輪菌に筋を弛緩させる作用のあるボツリヌス菌毒素を注射する方法があります。
下記のような症状が見られたら要注意です。ただの眼瞼疲労だと思って長期間放っておいてしまうと進行し両眼を開くことができなくなるケースもあります。症状が悪化する前に医療機関で見てもらいましょう。
メージュ症候群の原因は不明ですが、脳神経から来る神経支配の筋肉に障害をきたしているため、ストレスなどによる自律神経の乱れにより生じるものなのではと考えています。
当院では、顔面の支配をしている筋肉や神経に有効なツボに刺激をすることにより筋肉や神経の働きを活発にさせ、血液の循環をよくすることにより、メージュ症候群の症状改善を図ります。
鍼灸では自律神経のバランスを調整できるので、全身血流の循環を良くし、体をリラックスさせることにより症状改善が期待できます。
内服薬、または、ボツリヌス毒素に効果のない方には、鍼灸がお勧めです。
病名 | 症状 |
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眼瞼ミオキミア | 短時間のうちに断続的な目のけいれんが起こる |
眼瞼けいれん | 長期にわたって目のピクつきが続く。 重度の場合、自力で目を開けることができなくなる |
顔面けいれん | 顔の片側または全体のけいれんが続く。 |
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