ダイアモンド・ブラックファン貧血の鍼灸【原因・定義・症状】

公開日:2021年 10月23日

更新日:2021年 10月31日

本日は、ダイアモンド・ブラックファン貧血について解説させていただきます。

☆本記事の内容

  • ダイアモンド・ブラックファン貧血とは
  • ダイアモンド・ブラックファン貧血の原因
  • ダイアモンド・ブラックファン貧血の症状
  • ダイアモンド・ブラックファン貧血の改善方法
  • ダイアモンド・ブラックファン貧血のまとめ
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銀座そうぜん鍼灸院の宗前です。

このページを書いている私は、鍼灸師として13年、担当した利用者様数80,000人を誇り、病気の休職者300人を社会復帰できるまで回復させてきた実績があります。

 

ダイアモンド・ブラックファン貧血は、 生まれつき起こる貧血の一つ

ダイアモンド・ブラックファン貧血は、 生まれつき起こる貧血の中の一つで、骨髄の中で赤血球が上手に作られないことによって起こる貧血です。

 

ダイアモンド・ブラックファン貧血では、赤血球になる細胞だけが非常に少なくなっていきます。

 

生まれてすぐに顔色が悪いことによって見つかることが多く、ほとんどの人は1 歳までに発症するとされています。発症に男女の差はなく男子も女子も同じくらいの割合で発症する可能性があります。

 

ダイアモンド・ブラックファン貧血を発症すると、種々の奇形や発育障害が現れることもあります。

ダイアモンド・ブラックファン貧血の原因はリボソームの機能障害

ダイアモンド・ブラックファン貧血の原因は、リボソームの機能障害です。リボソームの機能に障害が起こることで貧血が起こるのです。

 

ほとんどのダイアモンド・ブラックファン貧血の原因となる遺伝子の変異は、リボソームタンパク遺伝子の変異です。

 

リボソームタンパク遺伝子の変異が原因でダイアモンド・ブラックファン貧血を発症している場合の遺伝形式は、常染色体性優性遺伝です。

ダイアモンド・ブラックファン貧血は、希少な先天性貧血症の一種であり、骨髄における赤血球の形成障害によって引き起こされます。以下では、DBAの主な原因について詳しく説明します。

 

DBAの原因は、赤血球の前駆細胞である赤芽球の形成に関与する遺伝子の変異です。これらの変異は、正常な赤芽球の形成を妨げるため、骨髄での赤血球の生成が不十分となります。DBAは主に遺伝的な要因によって引き起こされ、約50%の人に遺伝子変異が見つかっています。

 

DBAの遺伝子変異は、さまざまな遺伝子に関連していますが、最も一般的な変異はリブソームタンパク質遺伝子に存在します。RP遺伝子はリボソームの構成要素であり、タンパク質の合成に重要な役割を果たしています。RP遺伝子の変異によって、リボソームの機能や安定性が低下し、赤芽球の形成に影響を与えます。

 

その他のDBA関連の遺伝子変異も存在します。例えば、GATA1遺伝子やEFL1遺伝子の変異もDBAの原因となることがあります。これらの遺伝子変異は、正常な赤芽球の発生や成熟に必要な過程に影響を及ぼし、貧血の発症につながります。

 

なお、一部では明確な遺伝子変異が特定されない場合もあります。これは、まだ解明されていない遺伝子変異や他の未知の原因によってDBAが引き起こされている可能性があることを示唆しています。

 

DBAの原因については、まだ解明されていない側面もありますが、遺伝子変異によるリボソームの異常や赤芽球の形成障害がDBAの主要な原因であることは広く受け入れられています。今後の研究によって、DBAの原因となる遺伝子の特定やその機構の解明が進むことが期待されています。

ダイアモンド・ブラックファン貧血では奇形や知能障害も現れる

ダイアモンド・ブラックファン貧血の症状は、息切れや動悸、めまい、疲れやすさや頭痛です。ほとんどの場合、生まれた時の顔色の悪さで発見されます。

 

約半分の人は種々の奇形も見られます。1番多い奇形は、頭部や顔部の異常です。他にも、大頭や小頭、大泉門開大、顔貌異常、小顎、口蓋裂、巨舌、兎唇などに奇形が現れることもあります。

 

母指球の平坦化や母指骨異常が見られることや腎泌尿器系の奇形が見られることもあります。場合によっては、先天性心疾患や知能障害、低身長が見られることもあります。

ダイアモンド・ブラックファン貧血(Diamond-Blackfan anemia, DBA)は、先天性の希少な貧血症であり、赤血球の形成障害によって特徴付けられます。以下では、DBAの主な症状について詳しく説明します。

 

貧血:

DBAの最も顕著な症状は貧血です。貧血は赤血球の数が減少し、酸素供給が不十分になることによって引き起こされます。貧血により、体の全体的な疲労感、弱さ、息切れ、動悸などの症状が現れることがあります。

 

成長遅延:

DBAでは、成長が遅れることが多くあります。乳幼児期や幼児期において身長や体重の増加が鈍く、同年齢の他の子供と比較して小柄な体格となることがあります。

 

異常な顔貌:

DBAの一部では、異常な顔貌を示すことがあります。これには広い額、広い眉毛、斜視、短い眉毛、口唇や口蓋の裂孔などが含まれます。ただし、これらの特徴は全ての人に現れるわけではありません。

 

先天性奇形:

DBAの一部には、先天性の奇形が存在することがあります。例えば、先天性の心臓異常、腎臓異常、指の異常、骨異常などが報告されています。これらの奇形は個人によって異なり、発症する場所や程度も異なります。

 

骨髄異常:

DBAでは、骨髄穿刺や骨髄生検により、赤芽球の形成障害が確認されます。骨髄は正常な赤芽球の数が減少し、異常な形態の赤芽球が観察されることがあります。

 

その他の症状:

DBAでは、さまざまな症状や合併症が見られることがあります。例えば、感染症に対する感受性の増加、免疫系の異常、内分泌系の障害、消化器系の問題、皮膚の色素沈着などが報告されています。

 

これらはDBAの主な症状の一部であり、個々によって異なる場合があります。また、DBAの症状は年齢や病状の進行によっても変化することがあります。

ダイアモンド・ブラックファン貧血の改善法は、輸血とステロイド

ダイアモンド・ブラックファン貧血の主な改善方法は、輸血とステロイドです。長い間貧血が見られる場合には、過剰な鉄を取り除くための方法を行うこともあります。

 

多くの場合は、ステロイドによる改善で効果が現れますが、その後約4割の人は輸血依存性、約4割の人ががステロイド依存性になります。

 

約2割の人は輸血やステロイドから離れることができますが、輸血依存性になってしまうと、鉄過剰症が起き、肝機能障害や糖尿病、甲状腺機能低下症、心筋症などを合わせて発症してしまうこともあります。

以下は、ダイアモンド・ブラックファン貧血(Diamond-Blackfan anemia, DBA)の改善法について詳しく説明します。

 

輸血:

DBAの最も一般的な改善法は、輸血です。貧血を改善するため、定期的に赤血球濃厚溶液を輸血します。これにより、酸素供給が改善し、疲労感や弱さなどの症状の軽減が図られます。輸血は通常、数週間または数か月ごとに行われます。

 

グルココルチコイド:

一部では、グルココルチコイド薬(ステロイド薬)の投与によって貧血の症状を改善できることがあります。ステロイド薬は骨髄での赤芽球の形成を促進し、貧血の進行を抑える効果があります。ただし、ステロイド薬には副作用があり、長期間の使用は避けるべきです。

 

免疫抑制:

一部では、免疫抑制薬の使用によって貧血の症状を改善できることがあります。免疫抑制薬は免疫系の活性を抑制し、骨髄での赤芽球の形成を促進する効果があります。主な免疫抑制薬としては、シクロスポリン(cyclosporine)、メトトレキサート(methotrexate)、マイコフェノール酸モフェチル(mycophenolate mofetil)などが使用されます。

 

骨髄移植:

一部の重症の場合に対して、骨髄移植が検討されることがあります。骨髄移植により、正常な造血幹細胞が提供され、正常な赤血球の形成が回復する可能性があります。ただし、骨髄移植はリスクの高い手術であり、適切なドナーのマッチングや事前の検査が必要です。

 

遺伝子修復または置換:

近年、DBAの遺伝子の研究が進んでいます。遺伝子では、異常な遺伝子を正常な遺伝子で修復または置換することで、赤血球の形成を改善することを目指します。しかし、現在はまだ実用化されておらず、研究の段階にあります。

 

DBAの改善方法は個々の症状や状況に応じて異なる場合があります。

定期的に病院に行くことが大切

ダイアモンド・ブラックファン貧血を発症している女性は、妊娠中に子癇前症や流産、早産、死産、子宮内発育遅延、先天奇形などが起こる可能性が一般的な割合より高くなります。

 

さらに、ダイアモンド・ブラックファン貧血を発症していると、急性骨髄性白血病や大腸癌などの悪性疾患を合わせて起こすこともあります。

 

貧血や鉄過剰に加えて合併症が起こることもあるため、定期的に病院に行くことが大切なのです。

ダイアモンド・ブラックファン貧血の改善例

実際のダイアモンド・ブラックファン貧血(Diamond-Blackfan anemia, DBA)に対する改善の例です。

 

例1: 輸血とステロイドの組み合わせ

Aは、DBAの判断を受けました。まずAには定期的な輸血が開始されました。定期的な輸血により、貧血の症状が改善され、疲労感や弱さが軽減されました。しかし、ステロイド薬の追加が検討され、Aには低用量のステロイド薬が処方されました。ステロイド薬は骨髄での赤芽球の形成を促進し、輸血依存性を減少させる効果があります。Aは輸血回数が減少し、ステロイド薬の副作用も管理できる範囲で改善されました。

 

例2: 免疫抑制の導入

Bは、輸血とステロイドにもかかわらず、貧血の症状が十分に改善されなかったと報告しました。医師は免疫抑制の導入を検討し、シクロスポリン(cyclosporine)が処方されました。シクロスポリンは免疫系の活性を抑制し、骨髄での赤芽球の形成を促進する効果があります。Bはシクロスポリンを開始し、数ヶ月後には貧血の症状が改善されました。輸血回数の減少と貧血の進行の停止が見られ、生活の質が向上しました。

 

例3: 骨髄移植の検討

Cは、輸血や免疫抑制にもかかわらず、貧血の症状が慢性的に継続しました。医師は骨髄移植を検討し、適切なドナーを探すためのHLA(ヒト白血球抗原)を調べました。適切なドナーが見つかった場合、Cには骨髄移植が行われます。骨髄移植により、正常な造血幹細胞が提供され、正常な赤血球の形成が回復する可能性があります。骨髄移植は高リスクの手術であり、免疫抑制療法や移植後のケアが必要ですが、成功すると患者の貧血の症状が根本的に改善されることが期待されます。

 

これらの例は、実際の改善の一部を示したものです。しかし、DBAの改善は個々の状況や病状に応じて異なる場合があります。

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