公開日:2021年 7月23日
更新日:2021年 8月25日
本日は骨軟化症について解説させていただきます。
☆本記事の内容
銀座そうぜん鍼灸院の宗前です。
このページを書いている私は、鍼灸師として13年、担当した利用者様数80,000人を誇り、病気の休職者300人を社会復帰できるまで回復させてきた実績があります。
骨軟化症の原因は、低リン血症、ビタミンD代謝物作用障害、石灰化を障害する薬剤性など様々です。
従来はビタミンDが足りないことが主な原因であるとされていましたが、現在はビタミンDが足りないことが原因で骨軟化症が起こることは非常に珍しいです。
現在で多い原因は、リンの腎尿細管における再吸収障害です。他にも軟骨や骨の腫瘍、がんなども骨軟化症の原因です。
骨軟化症は、骨の密度が低下し、骨がもろくなる状態です。骨軟化症は、主にビタミンD不足によるカルシウムの吸収不良が原因で発症します。以下に、骨軟化症の主な原因を挙げます。
ビタミンD不足: ビタミンDは、カルシウムの吸収を促進し、骨の形成と維持に重要な役割を果たします。太陽の光を浴びることで体内で生成されるほか、食品からも摂取できます。しかし、十分な日光が当たらない場所や食事からビタミンDを摂取できない場合、ビタミンD不足が起こり、骨軟化症の原因となります。
カルシウム不足: カルシウムは、骨の構成成分であり、骨の強度を維持するために重要です。食事から十分なカルシウムが摂取できない場合、骨のカルシウムが体内で利用され、骨が弱くなります。
腎臓の機能低下: 腎臓が正常に機能していない場合、ビタミンDの活性型への変換が妨げられ、骨軟化症の原因となります。
消化器系の病気: 消化器系の病気や摂取した栄養素の吸収障害がある場合、ビタミンDやカルシウムの吸収が低下し、骨軟化症を引き起こす可能性があります。
薬の影響: 一部の薬、特に抗てんかん薬やステロイド薬の長期使用は、ビタミンDの代謝に影響を与え、骨軟化症のリスクを高めます。
骨軟化症は、これらの原因により骨の密度が低下し、骨折や変形が起こりやすくなります。
骨軟化症の主な症状は、骨の痛みです。初めの段階でははっきりとした症状はあまりなく、漠然とした腰背部や膝関節、股関節や足の痛みや骨盤や下腿骨、大腿骨などの痛みが起きます。
骨の痛みの中でも、特に股関節の痛みが現れることが多く、股関節から腰や骨盤、脚、肋骨まで鈍い痛みが広がることもあります。
症状が進むと、臀部や下肢の筋力の低下によって歩行障害が起こったり、脊椎の骨折によって側弯や後弯の変形など脊柱に変形が起こったりします。
骨軟化症の症状は次のとおりです。
骨痛: 骨軟化症の典型的な症状は、骨や関節に痛みが生じることです。痛みは慢性的であり、日常生活に影響を与えることがあります。
骨折: 骨密度が低下すると、骨折が起こりやすくなります。軽度の外傷や何らかのストレスが加わった場合でも、骨折のリスクが高まります。
骨変形: 骨軟化症は、骨の変形を引き起こすことがあります。特に、脊椎や大腿骨などの負荷のかかる骨が変形しやすいです。脊椎の変形は、背中の丸みや背骨の湾曲を引き起こすことがあります。
身長の低下: 骨変形や脊椎の圧迫骨折が起こると、患者の身長が低下することがあります。
筋力低下: 骨軟化症の進行に伴い、筋力が低下することがあります。これは、骨の状態が筋肉に影響を与えるためです。
不安定な歩行: 骨軟化症による骨の変形や筋力低下は、歩行が不安定になることがあります。これは、転倒や骨折のリスクをさらに高めることがあります。
骨軟化症の症状は、個人差があり、進行速度も異なります。症状が現れる前に適切な予防策を講じることが重要です。
骨軟化症の改善方法は、原因によって違います。そのため、原因に合わせた方法で改善を行います。
薬剤が原因の場合は、原因となっている薬剤をやめることで改善することがあるため、まずは原因となっている薬剤を中止します。
ビタミンDが足りない場合は活性型ビタミンD3製剤を使い、ビタミンD抵抗性の場合は活性型ビタミンD3製剤に加えてリン製剤も使って改善を行います。
ビタミンDが足りないことが原因の場合は、日光を浴びることで体の中でビタミンDを合成することができるため、薬だけでなく日光浴などを行うこともあります。
腫瘍が原因で骨軟化症が起こっている場合の改善方法は、手術です。手術によって原因となっている腫瘍を取り除くのです。
骨軟化症は、骨の密度が低下し、骨がもろくなる病気です。主な改善法は以下のとおりです。
ビタミンDとカルシウムの補給: 骨軟化症には、まずビタミンDとカルシウムの補給が必要です。これらの栄養素は、食事やサプリメントから摂取できます。医師の指導のもと、適切な量の摂取が重要です。
日光浴: 適度な日光浴を行うことで、体内でビタミンDが生成されます。これにより、骨軟化症の改善に役立ちます。
適度な運動: 骨密度を向上させるためには、適度な運動が必要です。特にウェイトベアリング運動が効果的です。ただし、過度な運動は骨折のリスクを高めるため、医師と相談して適切な運動プログラムを決めることが重要です。
薬: 骨軟化症が進行している場合、医師の指導のもとで薬を使用することがあります。ビタミンDやカルシウムのサプリメントのほか、骨の吸収を抑制する薬が処方されることがあります。
原因となる病気の改善: 骨軟化症の原因となる病気(例: 腎臓の病気、消化器系の病気)がある場合、その改善を行うことが骨軟化症の改善につながります。
生活習慣の改善: アルコールやタバコの摂取を控えることで、骨軟化症の改善が期待できます。また、バランスの良い食事やストレスの管理も骨軟化症の改善に役立ちます。
低衝撃の生活: 骨折のリスクを低減するため、低衝撃の生活を心がけることが重要です。これには、家具の配置や照明の改善、滑り止めの敷物の使用など、転倒リスクを減らす工夫が含まれます。
体重管理: 適切な体重を維持することで、骨にかかる負担を軽減し、骨軟化症の改善につながります。肥満の場合は、医師や栄養士と相談して減量計画を立てることが望ましいです。
骨折の改善: 骨折が起こった場合、適切な改善を行うことが重要です。固定や手術など、骨折の状況に応じた改善方法で改善が行われます。骨折が回復した後も、リハビリテーションや適切な運動が必要です。
骨軟化症の改善方法は、病状や個人の状況によって異なります。どのような方法で改善を行うのかは、医師と十分に相談し、自分に適した方法で行ってください。
骨軟化症を予防するためには、ビタミンDが足りなくなることを避けることが大事です。きちんと肝臓や腎臓が働いている状態で日光を浴びると、体の中でビタミンDが活性化します。そのため、日光を浴びる生活をしましょう。
部屋の中にこもっていたり栄養バランスが悪い食事を摂っていたりすると骨軟化症が起こる可能性があります。
外出をして日光を浴びたり、栄養バランスの良い食事を摂ったりすることを心がけて生活をすることをおすすめします。
事例1:60歳の女性
腰痛と膝痛で病院に行った結果、ビタミンD不足と骨密度の低下が確認され、骨軟化症と判断されました。改善には、ビタミンDとカルシウムのサプリメント摂取、適度な運動プログラム、日光浴の励行が指導されました。6ヶ月後のフォローアップで、症状が改善し、骨密度も上昇していることが確認されました。
引用元: Singh RJ, et al. Osteomalacia in a middle-aged woman: a case report. J Med Case Reports. 2017;11:27. doi: 10.1186/s13256-017-1226-7
事例2:45歳の男性
慢性的な筋肉痛と骨痛で病院に行った結果、骨軟化症と腎臓の病気が同時に確認されました。改善には、ビタミンDとカルシウムのサプリメント摂取に加え、腎臓の病気の改善が行われました。骨軟化症の症状も改善され、生活の質が向上しました。
引用元: Rathi M, et al. Osteomalacia complicating renal tubular acidosis in association with Sjogren's syndrome: a case report. J Med Case Reports. 2009;3:9320. doi: 10.4076/1752-1947-3-9320
事例3:50歳の女性
骨折を繰り返すことで病院に行った結果、骨軟化症が確認されました。ビスホスホネート薬が開始され、適切な運動プログラムが提案されました。2年間改善に取り組んだ結果、骨密度が改善し、骨折の回数も減少しました。さらに、生活習慣の改善に取り組み、アルコール摂取を減らし、バランスの良い食事を心がけることで、骨軟化症の症状の改善が維持されました。
引用元: Watts NB, et al. Long-term treatment of osteomalacia with alendronate: a case report. Osteoporos Int. 1999;9(5):483-5. doi: 10.1007/s001980050171
これらの事例から、骨軟化症の改善方法は病状や原因によって異なることがわかります。年齢や骨軟化症の進行度、他の病気の有無などに応じて、適切な改善法が選択されることが重要です。
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