公開日:2022年 3月11日
更新日:2023年 8月 5日
本日は修正大血管転位症について解説させていただきます。
☆本記事の内容
銀座そうぜん鍼灸院の宗前です。
このページを書いている私は、鍼灸師として13年、担当した利用者様数80,000人を誇り、病気の休職者300人を社会復帰できるまで回復させてきた実績があります。
修正大血管転換症の原因は今のところわかっていません。心臓が発生する過程での異常によって起きると考えられています。
心臓が発生する過程では、心臓が1本の筒状になっている状態から右に屈曲して屈曲部が右心室になっています。しかし、修正大血管転換症の場合は、心臓が1本の筒状になっている状態から左に屈曲すると考えられています。
修正大血管転換症がどのような人に発症することが多いのかもわかっておらず、なぜ左に屈曲する異常が起きるのかについてもわかっていません。
修正大血管転換症は遺伝することもありますが、母親が先天性の心臓の病気を持っている場合でも子供が先天性の心臓の病気を発症する可能性は2〜12%であるといわれており、必ず遺伝するというわけではありません。
修正大血管転換症の原因について
修正大血管転換症は、心臓の胎生期の発達の初期段階での異常に起因する先天性の病気です。その原因には、多くの要因が関与していると考えられていますが、具体的な原因を特定するのは難しい場合も多いです。
遺伝的要因: 一部では家族内での発症が確認されており、遺伝子の異常が関与しているとされる症例も存在します。しかし、修正大血管転換症に関しては、特定の遺伝子変異が直接の原因とはっきり示されているわけではありません。
環境的要因: 母親が妊娠中に感染症に罹患したり、特定の薬物やアルコールを摂取した場合、胎児に先天性の心臓の病気のリスクが高まる可能性があります。これにより、修正大血管転換症を含む複数の心臓の病気のリスクが増加することが示唆されています。
胎生期の発達異常: 心臓は胎生期の初期に形成されます。この段階での細胞の分化や移動、組織の成熟に関わるさまざまな分子シグナルが適切に行われないと、心臓の構造や機能に異常が生じる可能性があります。修正大血管転換症は、このような初期の発達段階での異常に起因すると考えられています。
他の病気との関連: 一部の染色体異常や遺伝性の病気が、修正大血管転換症の発症リスクを高める可能性があります。例えば、ダウン症候群などの染色体異常を持つ人は、一般的な人口に比べて先天性の心臓の病気のリスクが高く、修正大血管転換症のリスクも増加する可能性があります。
未知の要因: 上記の要因以外にも、まだ科学的に明らかになっていない多くの要因が修正大血管転換症の原因として考えられています。
修正大血管転換症の原因は多様で、遺伝的要因や環境的要因、胎生期の発達異常などが絡み合って発症する可能性があります。
修正大血管転位症の症状は、心臓の内部にどのような異常があるのかによって違います。
心室中隔欠損や肺動脈狭窄、肺動脈閉鎖などがある場合は、チアノーゼが現れます。心室中隔欠損が大きい場合は、乳児期の時点で心不全の症状が現れます。他にも、房室ブロックや頻拍発作が現れることも多いです。
心臓の内部に他の異常がない場合、特に症状は現れません。場合によっては、成人期より後に房室ブロックや三尖弁閉鎖不全、右室不全が現れることもあります。
修正大血管転換症の主な症状
シアンーシス(紺青色症):
修正大血管転換症の最も目立つ症状はシアンーシスです。生まれたばかりの赤ちゃんが青白く見えることがこの疾患の典型的な特徴です。
シアンーシスは、酸素を十分に含まない血液が体中を流れるために生じます。正常な状態では、肺から取り込んだ酸素を含む血液は、左心から大動脈を通じて全身に供給されます。しかし、TGAでは、酸素を含む血液と含まない血液の流れが正常ではないため、酸素供給が不足します。
呼吸困難:
酸素が不足すると、赤ちゃんは速やかに呼吸をして酸素を補おうとします。
呼吸は浅く、速くなることが多いです。
授乳困難:
酸素供給が不足すると、授乳やボトルからの飲み物を取る際の困難が生じることがあります。
体の酸素が不足すると、エネルギーも不足するため、授乳中に疲れやすくなることが一因とされています。
心不全の兆候:
心臓が体に十分な酸素や栄養を供給するのが困難になると、心不全の症状が現れます。
足や手のむくみ、急な体重増加、肺に水がたまる(肺浮腫)などの症状が現れることがあります。
不活発:
体の酸素や栄養が不足すると、赤ちゃんは不活発になることがあります。
修正大血管転換症の症状は、新生児期から乳児期にかけて明らかになることが多いです。シアンーシスや呼吸困難などの症状は、重症度や関連する他の病気の有無によって異なることがあります。
修正大血管転位症の主な改善方法は、手術です。手術などによって改善が難しい場合は、内科的な方法で現れている症状に対して改善を行なっていくこともあります。
修正大血管転位症の経過は、どのくらいの程度かによって違います。合併している病気や異常が無い場合は、特に症状が現れず、出産もしている女性もいます。
しかし、50〜60歳を超えたくらいの年齢から心不全の症状が現れるようになることも多いです。
修正大血管転換症の改善法
バロンの大動脈中隔刺し穿孔法(BAS:Balloon Atrial Septostomy):
これは、一時的な処置として行われる方法で、新生児期に最も一般的に実施されます。
バロンカテーテルを使用して心房中隔を広げ、酸素を含む血液と含まない血液が混ざり合うことを促進します。これにより、体にもう少し酸素を供給することができるようになります。
アトリオセプタル欠損症修復術:
心房間の通路を広げる手術です。
これにより、左心房と右心房の間の血液の流れが改善され、体への酸素供給が増加します。
大血管転換手術(Arterial Switch Operation、ASO):
これは、TGAの根本的な改善法であり、生後1週間から2週間以内に実施されることが推奨されます。
この手術では、大動脈と肺動脈をそれぞれ正しい位置に移動させることで、正常な血流パターンを回復します。
同時に、冠動脈も新しい大動脈の位置に再接続されます。
リスト・ムスタール手術およびジャターン手術:
これらの手術は、大血管転換手術が普及する前の主な改善法でした。
これらの手術では、上大静脈からの酸素を欠乏した血液を肺に、下大静脈からの酸素を欠乏した血液を全身に導くことで、酸素を補給する問題を解決します。
投薬:
手術前後に、心臓の機能をサポートしたり、合併症を予防したり改善したりするために、いくつかの薬物が処方されることがあります。
修正大血管転換症の改善には、状態の重篤度、関連する他の心臓の病気の有無、年齢や一般的な健康状態など、多くの要因が影響します。したがって、改善の選択や計画は、心臓専門医や心臓外科医との綿密な協議を要します。
以下は、修正大血管転換症に関連して使用される可能性のある薬物についての情報です。
プロスタグランジンE1(アラプロスタドール):生後直後の新生児で、動脈管が閉じるのを遅らせるために使用される薬です。動脈管を開放状態に保つことで、体循環と肺循環の間の一時的な血流を確保し、酸素供給を向上させます。
利尿薬(例:フロセミド):心臓の負担を軽減するため、体内の余分な液体や塩分を排出するのに役立つ薬です。
ACE阻害薬またはARB(アンジオテンシン変換酵素阻害薬またはアンジオテンシンII受容体拮抗薬):高血圧を管理し、心臓の機能を最適化するために使われます。
デジタリス誘導体(例:ジゴキシン):心臓の収縮力を高めることで、心機能をサポートするために使われます。
抗凝固薬や血小板凝集抑制薬:手術後の合併症としての血栓形成のリスクを低減するために処方されることがあります。
抗生物質:手術後の感染予防や、感染が疑われる場合に使用される薬です。
これらの薬物は、具体的な状態や需要に応じて、専門医によって適切に選択、調整されます。薬物治療は一時的なものであることが多いですが、あるいは生涯続ける必要がある場合もあります。このため、定期的なフォローアップとともに、薬物の副作用や相互作用に注意しながら、医師との連携して続けることが重要です。
修正大血管転位症の問題は、成長するとともに現れる不整脈や三尖弁逆流、右室機能低下による心不全などです。
そのため、日常生活を送る上で、息切れや動悸、浮腫みなどの症状が現れることもあります。このような症状に対しての注意が必要になるのです。さらに、すぐに疲れてしまうなどの問題もあるため、体調には気をつけましょう。
日常生活を送る上で息切れや動悸、浮腫み疲れやすくなるなどの問題が起こることも多いため、特に症状がなくても定期的に病院に行くことが大事です。