公開日:2022年 9月23日
更新日:2022年 10月10日
本日は甲状腺クリーゼについて解説させていただきます。
☆本記事の内容
銀座そうぜん鍼灸院の宗前です。
このページを書いている私は、鍼灸師として13年、担当した利用者様数80,000人を誇り、病気の休職者300人を社会復帰できるまで回復させてきた実績があります。
甲状腺クリーゼの原因で1番多い原因は、感染症です。
他にも、外傷や甲状腺手術や塞栓症、糖尿病ケトアシドーシス、ストレス、脳血管障害、妊娠中毒などが原因となると言われています。何かしらのストレスを感じたことで発症するのです。
しかし、甲状腺クリーゼを発症した人の中でも、3分の1は原因がわかっていません。
甲状腺クリーゼは、甲状腺ホルモンの過剰な放出によって引き起こされる、重篤で生命を脅かす状態です。この状態は、甲状腺機能亢進症において、特定のトリガーによって急激に症状が悪化することで発生します。甲状腺クリーゼの原因としては、以下のような要因が挙げられます。
甲状腺機能亢進症で、適切な改善を受けていない、または改善が不十分な場合、甲状腺ホルモンのレベルが危険なほど高まり、クリーゼを引き起こす可能性があります。
・感染症
肺炎や尿路感染症などの感染症は、甲状腺クリーゼのトリガーとなることがあります。感染はストレス反応を引き起こし、その結果、甲状腺ホルモンの放出が増加する可能性があります。
・手術や外傷
甲状腺または他の部位の手術、重大な外傷、事故などは、体に大きなストレスを与え、甲状腺クリーゼを誘発する可能性があります。
・放射線ヨウ素
甲状腺機能亢進症の改善の一環として行われる放射線ヨウ素改善は、まれに甲状腺クリーゼを引き起こすことがあります。
・ヨード含有薬剤や造影剤の使用
ヨードを含む薬剤や、放射線で使用されるヨード造影剤の使用は、特に甲状腺機能亢進症において、甲状腺ホルモンの過剰な放出を引き起こし、クリーゼを誘発する可能性があります。
・その他のトリガー
ストレス、糖尿病のケトアシドーシス、妊娠、甲状腺または他の部位の手術後など、体に大きな負担をかける状況が甲状腺クリーゼのリスクを高めることがあります。
甲状腺クリーゼでは、中枢神経症状、38℃以上の発熱、1分間に130回以上の頻脈、心不全症状、消化器症状が現れます。
中枢神経症状では、大きな声で叫んだり暴力をふるったりしやすい状態になったり、せん妄や精神異常、傾眠、痙攣、昏睡が見られます。
心不全症状では、肺水腫や肺の異常音が見られたり急激に心臓の働きが下がり全身の臓器の働きの低下が現れたりします。消化器症状では、吐き気や嘔吐、下痢や黄疸が見られます。
動悸や息切れなどの症状に合わせて、中枢神経症状、38℃異常の発熱、1分間に130回以上の頻脈、心不全症状、消化器症状の中からいくつかが見られる場合に甲状腺クリーゼであると判断されます。
甲状腺クリーゼは、甲状腺機能亢進症の重篤な合併症であり、改善を行わない場合または改善が不十分な場合に発生する可能性があります。この状態は生命を脅かす緊急事態であり、以下のような特徴的な症状が現れます。
・高度の体温上昇
体温が40℃を超えることもあり、重篤な発熱が特徴です。
・心臓の症状
頻脈、動悸、高血圧、心不全の徴候が現れることがあります。
・神経系の症状
強い不安、興奮状態、錯乱、幻覚、妄想などの精神症状が現れることがあります。重篤な場合は昏睡に陥ることもあります。
・消化器系の症状
激しい下痢、嘔吐、腹痛などが見られる場合があります。
・その他の症状
筋肉の弱さ、手の震え、過度の発汗、脱水症状、重度の疲労感などが含まれます。
・症状の進行
甲状腺クリーゼは迅速に進行する可能性があり、症状は数時間から数日の間に急激に悪化することがあります。
甲状腺クリーゼは、甲状腺ホルモンの急激な過剰分泌により代謝が極端に高まり、全身の臓器に負担をかけることでこれらの症状を引き起こします。
甲状腺クリーゼを改善するためには、まず甲状腺ホルモンを下げることが大事です。甲状腺ホルモンが下がらなければ、症状は改善しません。
そのために、ホルモンの合成や分泌を抑える抗甲状腺薬や無機ヨウ素、副腎皮質ホルモンの投与を行います。
甲状腺クリーゼ、またはサイロトキシッククライシスは、甲状腺機能亢進症の重篤な合併症で、迅速な改善が必要な緊急事態です。改善の主な目的は、甲状腺ホルモンの過剰な生産と放出を抑制し、クリーゼに伴う症状を管理し、潜在的な合併症を防ぐことです。以下に、甲状腺クリーゼの改善方法について詳しく説明します。
1. ベータ遮断薬
目的: 心拍数を減少させ、震えや不安などの症状を軽減します。
例: プロプラノロール(インデラル)などが使用されます。
2. 抗甲状腺薬
目的: 甲状腺ホルモンの合成を抑制します。
例: チアマゾール(メチマゾール)、プロピルチオウラシル(PTU)が使用され、特にPTUは甲状腺ホルモンの末梢転換も抑制します。
3. ヨウ素製剤
目的: 甲状腺ホルモンの放出を抑制します。抗甲状腺薬の投与後1~2時間で使用されることが一般的です。
例: ルゴール液、放射性ヨウ素は使用されません。
4. ステロイド
目的: 甲状腺ホルモンの末梢転換を抑制し、アジソン病の予防にも役立ちます。
例: ヒドロコルチゾンが使用されます。
5. 対症する方法
適切な水分補給と電解質バランスの維持。
高熱に対しては、冷却措置とアセトアミノフェン(パラセタモール)の使用が推奨されますが、アスピリンは甲状腺ホルモンの結合からの解離を促進するため避けるべきです。
6. 原因に対する改善方法
感染症がクリーゼのトリガーとなっている場合は、適切な抗生物質による改善方法が必要です。
7. その他のサポート改善
心不全やその他の合併症に対する支持する方法が必要になる場合があります。
甲状腺クリーゼの改善に使用される薬物は、甲状腺ホルモンの過剰な生産と放出を抑制し、クリーゼによる生命を脅かす症状を管理することを目的としています。以下は、甲状腺クリーゼ治療において一般的に使用される薬物とその特徴です。
【抗甲状腺薬】
・プロピルチオウラシル (PTU)
効果: 甲状腺ホルモンの合成を直接抑制します。さらに、甲状腺ホルモンT4からT3への末梢変換も抑制します。
副作用: 肝障害、白血病、皮疹、関節痛など。
・メチマゾール (チアマゾール)
効果: PTUと同様に甲状腺ホルモンの合成を抑制しますが、T4からT3への変換は抑制しません。
副作用: 発疹、関節痛、白血球減少症など。
【ベータ遮断薬】
・プロプラノロール
効果: 心拍数を減少させ、震えや不安、心臓の症状を軽減します。一部のベータ遮断薬は、T4からT3への変換を抑制する効果もあります。
副作用: 疲労、手足の冷え、気管支痙攣(喘息患者には推奨されません)。
【ヨウ素製剤】
・有機ヨウ素溶液 (ルゴール液)
効果: 甲状腺ホルモンの放出を抑制し、甲状腺組織を安定させます。通常は抗甲状腺薬を投与した後に使用されます。
副作用: 口内の金属味、胃腸障害、過敏反応。
【ステロイド】
・ヒドロコルチゾンまたはデキサメタゾン
効果: アジソン病の予防、T4からT3への変換の抑制、全身の炎症反応の抑制。
副作用: 長期使用による副腎皮質ホルモンの副作用に注意が必要です(例: 免疫抑制、血糖値上昇)。
甲状腺クリーゼは甲状腺機能亢進症の手術を行なった後に起こる合併症の一つとしても知られています。しかし、最近は甲状腺機能亢進症の手術を行なった後に甲状腺クリーゼを発症する人は少なくなっています。
これは、最近は、手術を行うときに甲状腺機能の正常化を図るためです。
抗甲状腺剤を服用しても甲状腺ホルモンの分泌をうまくコントロールできない場合や副作用などで服薬が難しい場合は、ヨード剤やβ遮断剤、副腎皮質ホルモンなどで甲状腺機能を調整する管理を行なっています。
甲状腺機能亢進症であると判断され、甲状腺ホルモンの分泌をコントロールしている最中の人は、感染などのストレスがかかることがきっかけで甲状腺クリーゼが発症する可能性があるため注意しましょう。
・兪府
・太白
・照海
兪府は、腎経のツボです。腎経は甲状腺の近くを通るため、兪府を刺激することで甲状腺機能を調整する効果が期待できます。
兪府は腎の機能を活性化し、免疫力を高める効果があります。疲れやすさや風邪の引き始めなどにオススメのツボのなのです。
太白は、脾経です。太白の効果は、消化器の働きを高め、胃腸機能を回復することです。他にも、耳鳴りに対してもよく使われるツボです。
また、太白には余分な湿を取り除くという効果があります。そのため、血液が漏れ出さないよう保持する力を高めることに対して働きます。血液が漏れ出さないよう保持する力は、内出血や鼻血、血尿、不正出血などに効果的です。
照海というツボの名前には海を照らすような明るさという意味があります。照海を刺激することは、陽のエネルギーを活性化させ明るい前向きな気持ちになる働きがあるとされています。
照海は全身の血行を促進するため、ほてりや眩暈、耳鳴り、頭痛、喉の腫れなどに効果を発揮します。また、ホルモンバランスを整える効果もあり、更年期障害などにも効果的です。
兪府の場所は鎖骨と胸骨の間のくぼみです。
押すときは、両手の親指で息を吐きながらゆっくり押しましょう。
太白は、親指の内側にあるツボです。親指の付け根の骨の出っ張りのかかと側にツボがあります。
押すときは、親指を使って押します。胃が疲れているときなどに押すと、痛みを感じます。
照海は、内くるぶしの下にあるツボです。内くるぶしの一番高いところから親指の幅分真下にあるくぼんでいる場所にあります。
押すときの力加減は、気持ちが良いと感じるくらいやさしい力がオススメです。お灸で温めることも効果的です。