膜性増殖性糸球体腎炎の鍼灸【原因・定義・症状】

公開日:2021年 11月20日

更新日:2023年 12月 3日

本日は膜性増殖性糸球体腎炎について解説させていただきます。

☆本記事の内容

  • 膜性増殖性糸球体腎炎とは
  • 膜性増殖性糸球体腎炎の原因
  • 膜性増殖性糸球体腎炎の症状
  • 膜性増殖性糸球体腎炎の改善方法
  • 膜性増殖性糸球体腎炎のまとめ
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銀座そうぜん鍼灸院の宗前です。

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一次性膜性増殖性糸球体腎炎は、発症者の半分は65歳以上

膜性増殖性糸球体腎炎は、糸球体係蹄壁が厚くなり分葉状の細胞増殖病変が現れる腎炎です。

 

無症候の血尿が出たり蛋白尿から突然血尿が出たり、蛋白尿や浮腫が現れたりする急性腎炎症候群や、少しずつ血尿や浮腫などの症状が進む慢性腎炎症候群、血清アルブミンが少なくなり強い浮腫が現れるネフローゼ症候群など症状は様々です。

 

一次性の膜性増殖性糸球体腎炎は膜性増殖性糸球体腎炎の中でも原因がわからないもののことを言います。発症者の半分は65歳以上ですが、どの年齢であっても発症する可能性があります。

 

二字性の膜性増殖性糸球体腎炎はいろいろな免疫複合体疾患や感染症などによって起こります。

膜性増殖性糸球体腎炎には一次性と二次性がある

膜性増殖性糸球体腎炎には一次性と二次性があります。一次性膜性増殖性糸球体腎炎は明らかな原因となる病気がない膜性増殖性糸球体腎炎のことです。

 

一次性膜性増殖性糸球体腎炎に遺伝性があるかどうかは今のところわかっていませんが、一次性では病変部分での補体の活性化が見られるということがわかっています。

 

最近では、補体を制御するH因子やI因子が遺伝的に欠けていることやその他の因子に遺伝的な異常があることによって補体活性の調節異常が起きることがわかっているため、遺伝的なことが関係している可能性もあります。

 

二次性膜性増殖性糸球体腎炎はいろいろな免疫複合体疾患や感染症が原因で起こる膜性増殖性糸球体腎炎のことです。

膜性増殖性糸球体腎炎は、腎臓の微細な濾過単位である糸球体に慢性的な変化が生じる病気です。MPGNには一次性と二次性の両方が存在し、それぞれ異なる原因を持ちます。

 

・一次性(原発性)膜性増殖性糸球体腎炎

一次性MPGNの正確な原因は不明ですが、以下の要因が関与していると考えられています。

免疫系の異常:免疫複合体(抗体と抗原の複合体)が糸球体に沈着し、炎症を引き起こすことがあります。補体系(免疫系の一部)の異常が関与することもあります。

 

・二次性膜性増殖性糸球体腎炎

二次性MPGNは、他の疾患や状態によって引き起こされます。主な原因には以下のようなものがあります。

感染症:慢性肝炎、HIV、マラリアなどの感染症が関連していることがあります。

自己免疫の病気:全身性エリテマトーデス(SLE)やリウマチ性関節炎などの自己免疫の病気が原因となることがあります。

腫瘍:悪性腫瘍(特に血液がん)が原因で発症することもあります。

遺伝的要因:家族性の遺伝的要因が関与しているケースもあります。

代謝異常:高脂血症やアミロイドーシスなど、代謝異常が関連していることもあります。

膜性増殖性糸球体腎炎の症状はネフローゼ症候群や腎機能低下など

膜性増殖性糸球体腎炎の症状は、ネフローゼ症候群や腎機能の低下など様々です。症状は一般的にゆっくりと進んでいきます。

 

改善を行わなければ、10〜15年で半分以上の人が末期腎不全になると言われています。25〜40%の人は腎臓の機能は保つことができますが、自然に回復する人は非常に珍しく10%もいません。

膜性増殖性糸球体腎炎は腎臓の糸球体に影響を与える病気で、以下のような症状を引き起こす可能性があります。

 

血尿:腎糸球体の損傷により、尿中に血液が混ざることがあります。これは尿の色がピンク、赤、または茶色に見えることでわかります。

 

タンパク尿:糸球体の障害により、尿中にタンパク質が漏れ出ることがあります。これは尿の泡立ちが多くなることで気付くことがあります。

 

浮腫:特に足、足首、または顔に浮腫が現れることがあります。これは体内の液体バランスの異常によるものです。

 

高血圧:腎機能の障害により、血圧が上昇することがあります。

 

疲労感:腎機能低下に伴い、疲労感や全身の弱さを感じることがあります。

 

食欲不振:体の不調により、食欲が低下することがあります。

 

尿量の変化:腎機能の影響で、尿量が減少することも、増加することもあります。

 

関節痛や筋肉痛:MPGNに関連して、関節や筋肉に痛みが生じることがあります。

 

これらの症状は、MPGNだけでなく他の腎臓の病気や健康問題にも見られるため、正確な判断には専門家による評価が必要です。

膜性増殖性糸球体腎炎の効果的な改善方法はわかっていない

膜性増殖性糸球体腎炎の効果的な改善方法は今のところわかっていません。

 

小児の場合、2年間経口ステロイドやステロイドパルスを使って改善を行なったところ半分の人は尿が正しい状態に改善したという報告があります。そのため、成人の場合も経口ステロイドやステロイドパルスを使って改善が行われています。

膜性増殖性糸球体腎炎の改善では、病気の原因と症状に応じて行われます。一次性MPGNと二次性MPGNでは改善法が異なることがあります。以下に、一般的な改善法を紹介します。

 

一次性MPGN

一次性MPGNは原因不明の糸球体病変であり、以下の改善方法が行われることがあります。

 

免疫抑制剤:ステロイド(例: プレドニゾン)やシクロフォスファミドなどの免疫抑制剤が使用されることがあります。

血圧管理:高血圧の管理にはACE阻害剤やアンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)が用いられることがあります。

症状に対する対処:浮腫の管理に利尿剤を使用することがあります。

 

二次性MPGN

二次性MPGNは、他の病気に関連して発症するため、基礎となる病気の改善が重要です。

 

基礎的な病気の改善:感染症や自己免疫の病気に対する適切な改善が必要です。

免疫抑制剤:基礎的な病気が自己免疫性である場合に使用されることがあります。

抗凝固・抗血小板:血栓形成リスクが高い場合、使用されることがあります。

 

・共通の方法

高脂血症の管理: スタチンなどの薬剤を用いて、脂質異常症を治療します。

腎機能のモニタリング: 定期的に血液や尿を調べ、腎機能を監視します。

 

MPGNの改善は個々の状態に応じて異なるため、医師の指導に従って行われるべきです。

膜性増殖性糸球体腎炎の改善に用いられる薬は、病態の原因と症状に応じて異なります。

 

一次性MPGN

免疫抑制剤(例シクロフォスファミド、アザチオプリン、ミコフェノレートモフェチル):免疫反応を抑制し、糸球体の損傷を減少させます。

ステロイド(例プレドニゾン):抗炎症作用があり、免疫反応を抑制します。

 

二次性MPGN

基礎的な病気の薬(例抗生物質、免疫抑制剤)

抗凝固・抗血小板薬(例アスピリン、ワルファリン):血栓形成を防ぐために使用されることがあります。

 

共通

ACE阻害剤またはアンジオテンシンII受容体拮抗薬(例エナラプリル、ロサルタン):血圧を下げ、腎臓の糸球体への圧力を減少させます。

利尿剤:浮腫を減少させ、余分な液体を体外に排出します。

スタチン:高脂血症の改善に用いられ、心血管リスクを低減します。¥

 

MPGNの改善は、状態と基礎的な病気に応じて個別に決定されます。免疫抑制剤やステロイドの使用は副作用があるため、医師は病態を慎重に評価し、適切な計画を立てます。定期的に医師に見てもらい改善中の症状の変化に注意を払う必要があります。

塩分や蛋白など食事での制限が必要になることも多い

膜性増殖性糸球体腎炎を発症した場合は日常生活を送る上で塩分や蛋白など食事での制限が必要になることも多いです。

 

腎臓の機能がどのような状態であるかということや尿蛋白の程度、高血圧を起こしているかどうかなどによって気をつけることや気をつけなければいけない程度が違うため、医師と相談して改善に取り組みましょう。

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