頚椎症の鍼灸【原因・定義・症状】

公開日:2019年 12月23日

更新日:2024年  1月15日

本日は頚椎症について解説させていただきます。

☆本記事の内容

  • 頚椎症とは
  • 頚椎症の症状
  • 頚椎症の改善方法
  • 頚椎症にかかる費用
  • 頚椎症のまとめ
足のしびれ、痛み

銀座そうぜん鍼灸院の宗前です。

このページを書いている私は、鍼灸師として13年、担当した利用者様数80,000人を誇り、病気の休職者300人を社会復帰できるまで回復させてきた実績があります。

 

頚椎症とは神経根の圧迫により起こる痛み

頚椎症(けいついしょう)とは、首の骨の老化による椎間板の変性や靭帯が硬くなることなどにより、神経根や脊髄が圧迫され、首や肩、上腕付近の痛み、場合によってしびれが起きる症状を総称して言います。

 

影響を受ける場所によって、「頚椎症性脊髄症」「頚椎症性神経根症」と呼ばれます。

 

 

また両者を合併することもあります。

 

椎間板は骨と骨の間にあり、衝撃を吸収するクッションの役目を担っています。しかし、老化とともに徐々に水分量が減少し弾力性がなくなってくると、骨と骨が擦れるので次第にひびが入ったり、潰れてくるなどの変性が起こります。

 

このような椎間板の変性は老化に伴い誰にでも起こる可能性があるため、これ自体は病気ではありません。

 

脊髄の通り道である脊柱管や椎間孔が狭くなり、脊髄や神経根が圧迫され痛みやしびれがでることで、初めて「病気」とされます。

頚椎症は、頚椎とそれに関連する構造の変性や老化による状態です。以下に、頚椎症の主な原因を詳しく説明します。

 

加齢による変性:頚椎症の最も一般的な原因は加齢によるものです。年齢が上がるにつれて、椎間板の水分が減少し、柔軟性が失われ、軟骨や骨に変性が起こります。

 

椎間板の変性:椎間板は、椎骨間のクッションの役割を果たしていますが、時間の経過とともにこれが劣化し、高さが低下することがあります。椎間板の変性は、隣接する椎骨に過度の圧力をかけ、変形や骨棘の形成を促します。

 

靭帯の肥厚:靭帯は、椎骨を安定させる役割を果たしますが、加齢により靭帯が肥厚し、硬くなることがあります。これによって、頚椎の動きが制限されることがあります。

 

骨棘の形成:椎骨に過度の圧力がかかると、骨が変形し、骨棘が形成されることがあります。これらの突起が神経根や脊髄を圧迫することがあります。

 

外傷や怪我:事故やスポーツによる外傷が、頚椎にダメージを与え、頚椎症の原因となることがあります。

 

職業的要因やライフスタイル:特定の職業や活動(例えば、長時間のデスクワークやスマートフォンの過度な使用)が、頚椎に継続的なストレスを与えることがあります。

 

遺伝的要因:遺伝的な要素も頚椎症の発症に影響を与えることがあります。

頚椎症の症状は様々

頚椎症(けいついしょう)の症状は様々です。

下記に具体的な症状を記載致します。

首の痛み

首の後ろに痛みが出ます。重い荷物を持ったときや首を後ろに反った時に、痛みが強くなります。

しびれ感や感覚の異常

左右の手にしびれや異常な感覚が起こります。

手脚の知覚障害

なにも衝撃を与えていないのに痛みが走る、または本来痛みを感じるはずの強い衝撃に対して感覚が鈍くなる、などといった、手脚の感覚を正常に感知できないような状態になります。

手先の細かい作業が不自由になる

字を書いたり、箸の使用、お裁縫などが不器用になる場合があります。

歩行障害

前に脚を出しにくくなるので、歩行がぎこちなくなります。階段を降りるのも怖くなり、全体的に歩行が遅くなります。

膀胱直腸障害

排尿排泄の機能が障害され、尿意や便意を感じられず、頻尿や失禁、便秘になることもあります。(頚椎症性神経根症)

しびれ感・感覚異常

左右どちらかの腕から手にしびれまたは脱力感を伴います。

頚椎症は、首の骨の変性によって引き起こされる病気で、さまざまな症状を引き起こす可能性があります。主な症状には以下のようなものがあります。

 

首の痛みとこわばり:最も一般的な症状の一つで、首の痛みやこわばりが発生します。この痛みは、首を動かすときに特に感じることがあります。

 

頭痛:頚椎の変性は、頭痛の原因となることがあります。特に、首の後ろの頭痛が一般的です。

 

肩や腕への放散痛:首の痛みが肩や腕に放散することがあります。これは、頚椎から出る神経が圧迫されることによって起こります。

 

手や指のしびれや弱さ:頚椎の神経圧迫により、手や指にしびれ、感覚の低下、筋力の弱化が生じることがあります。

 

歩行障害:重度の頚椎症の場合、脊髄が圧迫されることで歩行障害が生じることがあります。

 

平衡感覚の問題:脊髄の圧迫は、平衡感覚に影響を与える可能性があります。

 

筋肉の痙攣:頚椎の変性により、首や肩の筋肉が痙攣することがあります。

 

頚椎症の症状は、症状の程度や影響を受ける神経によって異なります。すべての人に症状が現れるわけではなく、多くの場合、症状は軽度で、日常生活に大きな支障をきたさないことが多いです。

頚椎症の改善方法は保存的方法

頚椎症は経過が様々なゆえに、症状の進行が正確には予測できません。まずは慎重に経過観察をしていきながら、いわゆる「保存的方法」と呼ばれる方法を行うことが重要になります。

 

保存的方法としては、痛みのある部分をゆっくり引っ張っていく牽引や、頚部カラー固定を使用し首を固定する方法、そして硬くなった頚部周囲の筋肉を緩めるマッサージなどといった理学的な方法などがあります。

 

ただし、これらの方法により症状が悪化する可能性も場合によってありますので、十分な観察のもとに行う必要があります。

 

※頚椎カラー固定の注意点

頚椎カラー固定は有用なこともありますが、長期間にわたる装置の装着は頚部の筋肉が萎縮してしまい、かえって痛みを長く残してしまう可能性があります。あくまで漫然とした使用は避け、専門家の指導のもとで装着してください。

 

数日装着し症状が和らぐことが確認できれば、4~8週間装着しますが、それでも尚、痛みが強い場合は筋弛緩剤や消炎鎮痛剤などを用います。

 

しびれ、または食事、更衣、筆記などの細かい動作の不具合といった巧緻運動障害が主な症状の場合には、ビタミンB剤が用いられます。

頚椎症の改善方法は、症状の重さや患者の全体的な健康状態に応じて異なりますが、一般的には以下のような改善方法があります。

 

・薬

非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs): 痛みと炎症を和らげるために使用されます。

鎮痛剤: 軽度の痛みを和らげるために、アセトアミノフェン(パラセタモール)などが使用されます。

筋弛緩剤: 筋肉の緊張を和らげ、痛みを軽減するために使用されます。

 

物理的方法

頚椎の可動域を維持または改善し、筋力を強化するためのエクササイズやストレッチが含まれます。、冷却、電気刺激などが痛みの緩和に役立ちます。

 

運動

定期的な運動が推奨され、筋力の強化と柔軟性の向上に役立ちます。

 

姿勢の改善

正しい姿勢を維持することが重要で、特に長時間座る場合には適切な背もたれのサポートが推奨されます。

首のサポート:首のサポートとして、頚椎カラーや特別な枕の使用が推奨されることがあります。

 

・鍼灸やマッサージ

鍼灸やマッサージが痛みの緩和に役立つことがあります。

 

・外科手術

重度の場合や神経圧迫の症状が改善しない場合には、外科手術が検討されることがあります。手術は、神経圧迫の除去や頚椎の安定化を目的とします。

頚椎症の改善に役立つ運動は、首の筋肉を強化し、柔軟性を高め、痛みを軽減することを目的とします。以下に、頚椎症の症状を和らげるのに役立つ運動をいくつか紹介します。これらの運動を行う前には、専門家の指導を受けることをお勧めします。

 

首のストレッチ:首をゆっくりと前後左右に傾ける運動です。各方向に15~30秒ずつ静かにストレッチします。

 

首の回転:首をゆっくりと左右に回転させます。各方向に数回ずつ行い、痛みのない範囲で動かします。

 

肩甲骨のストレッチ:肩甲骨を後ろに引き寄せる運動です。肩甲骨を後ろに押し出し、数秒間その位置を維持します。

 

肩の回転:肩をゆっくりと前後に回転させます。これにより、首周辺の筋肉がリラックスします。

 

チンタック運動:頭を真っ直ぐに保ちながら、あごを引いて首の後ろを伸ばす運動です。数秒間その位置を維持し、リラックスします。

 

タオルを使ったストレッチ:タオルを首の後ろにかけ、両端を持ってゆっくりと引き上げます。この運動により首の前面がストレッチされます。

 

これらの運動は、痛みを感じない範囲で行ってください。運動中に痛みが増す場合は中止して医師に相談に行くことが大事です。

頚椎症のまとめ

頚椎症の症状は様々です。酷くなると、お箸の使用、字を書いたり、ボタンのはめ外しといった細かい作業が不器用になり、歩く際に脚が引っかかるような感じや階段の上り下りが怖く、手すりを使用するようになります。

 

そして手足のしびれも出てきます。比較的若年の方であれば、走ったり、ケンケンをしにくくなるなどの軽度の症状でも自覚できますが、高齢者では気づくのが遅れる場合が多いです。

 

自覚症状がある場合には専門機関に相談しましょう。

頚椎症に効果的なツボ

・百会

・風池

・天柱

百会

百会は、督脈、手の少陽三焦経、足の少陽胆経、足の太陽膀胱経、足の厥陰肝経の経絡が支配している内臓や筋肉、神経、血管、リンパなどに広く作用することができ、全身の不調に対して効果を発揮するとされています。

 
 
さらに、百会に刺激をすることで自律神経が整うため、リラックス効果も期待できます。
風池

風池は肩こりや首こりに対して効果を発揮するツボです。さらに頭痛や風邪、眼精疲労などの目や耳、鼻、脳の症状に対しても有効です。

 

かすみ目などにもおすすめで、目の奥がうずくように痛いときなどに押すと痛みが和らぎます。

天柱

天柱は、肩や首のこりや疲れ目などに効果を発揮するツボです。頚椎症で起こる空の痛みや強張りに効果が期待できます。

 

天柱は、頭痛にも効果を発揮するとされているため、症状として頭痛が現れた時にもおすすめです。

ツボの場所と押し方

百会

百会は、両耳を結んだ線と眉間を通る体の中心線が交わる、頭のてっぺんによりも少し前にあるツボです。

 

押すときは、5秒かけてゆっくり押し、押したまま3秒止めてからゆっくり離します。

風池

風池は、少し上を向いた時、背骨から上がって指が止まるくぼみと、耳の下を結んだ中間の場所にあります。

 

 頭を少し後ろに倒した状態のまま指を頭に向かって上に滑らせ、くぼみが見つかったら外側に進み、押した時に気持ちの良い場所を探しましょう。

天柱

天柱の場所は、後頭部、髪の生え際、中央のくぼみから左右に触れる太い筋線維の外側です。

 

押すときは、手のひらや親指を使って押します。気持ちがいいと感じるくらいの力でやさしく押してください。

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