公開日:2023年 1月11日
更新日:2023年 1月11日
本日は心室細動について解説させていただきます。
☆本記事の内容
銀座そうぜん鍼灸院の宗前です。
このページを書いている私は、鍼灸師として13年、担当した利用者様数80,000人を誇り、病気の休職者300人を社会復帰できるまで回復させてきた実績があります。
心室細動の原因のひとつは、心筋梗塞です。
心筋梗塞では心臓に対して血液の供給を行う冠状動脈という血管が閉じているため、心臓に対して栄養や酸素の供給が足りなくなってしまい、正常に心臓がはたらくことができなくなり、心室細動につながるのです。
心筋症やQT延長症候群、Brugada症候群などの病気も心室細動につながる可能性があります。
心室細動とは、心臓の主要な収縮部である心室の筋細胞が高頻度で無秩序に収縮するため、心臓が効率的に血液を体に送ることができなくなる状態を指します。これは非常に重大な状態であり、適切に改善が行われないと命にも危険が及びます。心室細動の原因はいろいろあります。
1. 冠動脈の病気
冠動脈は心臓筋に酸素と栄養を供給する動脈です。動脈硬化や動脈の詰まりなどにより血流が制限されると、心筋の部分的な虚血(酸素や栄養が不足する状態)が生じ、これが心室細動を引き起こす可能性が高まります。
2. 心筋梗塞
心筋梗塞は、冠動脈の閉塞により心筋に血液が供給されないことで起こる病気です。この閉塞により心筋が壊死し、その結果として心室細動が引き起こされることがあります。
3. 心筋症
心筋症は心筋が肥大したり、弛緩性が低下したりする病気です。これにより、心臓の収縮能力が低下し、心室細動のリスクが高まる可能性があります。
4. 電解質の異常
カリウム、カルシウム、マグネシウムなどの電解質のバランスが崩れると、心筋の興奮・収縮メカニズムが乱れ、心室細動を引き起こす可能性があります。
5. 薬物の副作用
一部の薬物や違法ドラッグが心室細動を引き起こすことも知られています。特に、アンチアリスミック薬や抗うつ薬、幾つかの違法ドラッグが心室細動のリスクを増大させることがあります。
6. 心臓の構造的な異常
先天的な心臓の異常や手術後の心臓の変形など、心臓の構造的な問題も心室細動の原因となることがあります。
7. 肺塞栓症
肺の血管に血栓が詰まることで起こる病気です。これにより、心臓に過度な負担がかかり、心室細動が引き起こされることがあります。
8. 休克や低酸素状態
外傷や出血、アナフィラキシーショックなど、体がショック状態になった場合や、急性の低酸素状態になった場合も、心室細動のリスクが高まることが知られています。
これらの原因は、それぞれが単独で心室細動を引き起こすこともありますが、複数の要因が組み合わさることでリスクが増大することもあります。
心室細動は、突然、全身の色々な臓器に血液の供給が止まることになります。そのため、脳にも血液が届かなくなります。脳に血液が届かなくなると、心室細動が現れてから数秒で意識を失います。
その後、適切な処置が行われなかった場合は、数分のうちに臓器障害が起こり、命が危険な状態になります。命が助かった場合でも場合によっては、脳に障害が起こることもあります。
心室細動は、心臓の心室と呼ばれる部分の筋細胞が高頻度で無秩序に収縮するため、心臓が効率的に血液を体に送り出すことができなくなる状態を指します。これは非常に重大な状態であり、急速な介入がなければ死亡するリスクが非常に高いです。心室細動に関する主な症状について説明します。
1. 意識喪失
心室細動が発生すると、心臓が血液を体全体に供給する能力をほぼ完全に失います。その結果、脳への血液供給が途絶え、数秒以内に意識を失います。意識喪失は心室細動の最も顕著な症状の一つであり、救急時に最も早く認識される症状です。
2. 呼吸停止
心室細動の発生とほぼ同時に、呼吸も停止します。酸素が血液を介して体の各部に運ばれなくなるため、呼吸の必要性が生じ、人は自動的に呼吸を停止します。
3. 脈拍の不在
心室細動の状態では、心臓は効率的に血液を送り出すことができないため、周辺の動脈に脈拍が感じられません。これは、心室細動であると判断する主要な要因となります。
4. 瞳孔の散大
意識喪失や脳への血液供給の不足により、瞳孔は広がります。この症状は、心室細動だけでなく、他の重篤な状態でも見られるため、他の症状と組み合わせて判断する必要があります。
5. 青白い肌や紫色の唇
酸素が血液を介して体に供給されないため、皮膚は青白くなり、特に唇は紫色になります。
6. けいれんや痙攣
心室細動の発生後、一部では全身のけいれんや痙攣を経験することがあります。これは、脳や神経組織への酸素供給が途絶えた結果として発生します。
7. 尿失禁や大便失禁
意識喪失と同時に、筋肉のコントロールが失われるため、一部では尿失禁や大便失禁を経験することがあります。
心室細動は、これらの症状が急速に進行するという特徴があります。したがって、心室細動の疑いがある場合、迅速な対応が必要です。
心室細動は発症した後、数分のうちに命が危険な状態になります。そのため、できるだけ早く対応することが大事です。
近年、日本ではAEDの普及が進み、その場にいる人が電気ショックをかけて除細動することができるようになってきています。AEDを使うことで心室細動は解除することができます。
心室細動を発症したことがある場合や再び発症する可能性が高いと思われる場合は、小型の植込み型除細動器を胸に埋め込むこともあります。
心室細動は、急性の心臓のリズム異常であり、その結果として心臓が血液を適切に送り出すことができなくなります。そのまま放っておくと短時間で命に関わる可能性が高い状態のため早急な対応が必要となります。
1. 心肺蘇生 (CPR)
心室細動が起きた際にすぐ行うべき対応として、現場で心肺蘇生を開始することが推奨されます。これにより、血液と酸素が脳や他の重要な臓器に供給される可能性が高まり、生命を維持するための一時的な措置として役立ちます。CPRは、胸骨圧迫と人工呼吸から成りますが、最近のガイドラインでは、特に非専門家による救命措置として胸骨圧迫のみのCPRを推奨しています。
2. 自動体外式除細動器 (AED)
AEDは、心室細動の状態での心臓に電気的なショックを与え、正常なリズムを再開させるための装置です。一般の公共の場所や交通機関などに配置されており、非専門家でも使用方法を指示に従って操作することができます。
3. 救急車を呼んで対応する
すぐに救急車をよびましょう。救急車では、高度な蘇生措置や薬での改善を開始することができます。
高度な蘇生: これには気道確保や経静脈的アクセスの確立、持続的な胸骨圧迫や高度な通気管理などが含まれます。
薬での改善: 心室細動の改善には、エピネフリン、アミオダロン、リドカインなどの薬物が使用されることがあります。
4. 冠動脈再開通
心筋梗塞が心室細動の原因である場合、冠動脈の再開通を目指す改善方法が行われます。これには、経皮的冠動脈インターベンション(PCI)や血栓溶解が含まれます。
5. 低体温法
心停止後の脳の障害を最小限に抑えるために、一部では対して体温を低下させる低体温法が行われることがあります。この方法は、心臓のリズムが回復した後の脳の機能の改善に貢献することが示されています。
6. 持続的な監視とケア
心室細動を経験した場合、病院のICUで監視され、必要に応じてさらなる改善が行われます。
7. 埋め込み型除細動器 (ICD)
心室細動の再発リスクが高い場合には、ICDの植え込みが推奨されることがあります。ICDは、異常な心リズムを検出すると自動的にショックを与え、正常なリズムを回復させる装置です。この装置は、心室細動や他の生命を脅かす心リズムの異常を自動的に検出し、必要に応じて電気的ショックを与える能力を持っています。
8. 抗不整脈薬
心室細動のリスクを軽減するために、特定の抗不整脈薬が処方されることがあります。これらの薬は、心臓の電気的活動を安定させ、再び不整脈が起きるリスクを低減します。アミオダロン、ベタペースなどの薬がこのカテゴリーに属します。
9. CRT
これは、特定の心臓の動きの問題を持つ場合に対するものです。特に心室の同期が取れていない場合に行います。CRTデバイスは、心室がより効率的に同時に収縮するように動作します。
10. 生活習慣の改善と再発予防
心室細動のリスクを軽減するためには、健康的な生活習慣の採用が不可欠です。これには、塩分の摂取量の制限、適切な運動、喫煙の中止、アルコールの適切な摂取、ストレス管理、定期的に体を調べることなどが含まれます。また、糖尿病、高血圧、高脂血症などの病気を適切に管理することも、再発リスクを減少させる鍵となります。
11. 心エコー、MRI、心臓カテーテルの調べ
これらのテストは、心室細動の原因を特定し、適切な改善戦略を計画するために使用されます。例えば、冠動脈の病気や心筋症、弁膜症などの存在を詳細に評価することができます。
12. カウンセリングと心のサポート
心室細動を経験した後、経験した本人やその家族は不安や恐怖を感じることがよくあります。専門家によるカウンセリングやサポートグループは、心的な健康と回復をサポートするための重要なリソースとなります。
まとめると、心室細動は迅速かつ適切な改善が必要な重篤な状態です。上述の方法や予防策は、生命を救い、再発のリスクを最小限に抑えるためのものです。
心室細動は心臓の致命的な不整脈の一つであり、適切な介入が迅速に行われなければ死亡するリスクが非常に高くなります。心室細動の改善に際しては、電気的介入(除細動)が最も一般的ですが、薬物も補助的に使用されることがあります。いかに使用されることのある薬について説明します。
エピネフリン(アドレナリン):エピネフリンは、アドレナリン受容体を刺激することで心臓の収縮力を高め、冠動脈や脳への血流を増加させる作用があります。これは心室細動時に心臓の収縮力と血流を改善するために用いられます。
アミオダロン:アミオダロンは、多くの不整脈に対して使用される反不整脈薬の一つであり、心室細動や速脈性心室頻拍の改善に有効です。また、再発予防にも用いられます。
リドカイン:リドカインも心室細動や心室頻拍の改善に用いられる反不整脈薬の一つです。ただし、アミオダロンの使用が一般的になってきた現代では、第二選択薬としての位置付けとなっています。
マグネシウム:低マグネシウム血症が心室細動の原因として考えられる場合や、特定の心室頻拍(torsades de pointes)の改善に使用されます。
バソプレシン:エピネフリンに代わる薬として、一部のガイドラインでは心停止時にバソプレシンの使用が推奨されています。エピネフリンとは異なる機序で作用し、冠動脈や脳への血流を増加させる効果があります。
これらの薬は、心室細動に対する改善の一部として使用されます。しかし、最も改善に大事なとは早期の除細動です。救急車のクルーは、現場に到着した際にすぐにAED(自動体外式除細動器)を使用してショックを与えることが多いです。
また、これらの薬物は他の多くの副作用や相互作用を持つため、状態や既往歴、現在使用している薬物などに基づいて慎重に選択され、使用されます。
AEDは、Automated External Defibrillatorの略で、突然、心臓が心室細動を起こし、心肺停止になった場合に、心臓に電気ショックを与えて心臓を正常な状態に戻すための機械です。
2004年7月から一般市民でもAEDを使うことができるようになり、病院や救急車だけではなく、空港や駅、スポーツクラブ、学校や公共施設、企業など人が多く集まるところを中心に設置されるようになりました。
AEDを使うときは、音声で操作方法ガイドしてくれます。さらに、心臓の動きを自動で解析して電気ショックが必要な場合にだけ電気ショックを流すという仕組みになっています。
そのため、その場に居合わせた一般市民がAEDを使って命を助けた例もたくさんあります。