角膜潰瘍の鍼灸【原因・定義・症状】

公開日:2021年 8月11日

更新日:2023年 8月 5日

本日は角膜潰瘍について解説させていただきます。

☆本記事の内容

  • 角膜潰瘍とは
  • 角膜潰瘍の原因
  • 角膜潰瘍の症状
  • 角膜潰瘍の改善方法
  • 角膜潰瘍のまとめ
足のしびれ、痛み

銀座そうぜん鍼灸院の宗前です。

このページを書いている私は、鍼灸師として13年、担当した利用者様数80,000人を誇り、病気の休職者300人を社会復帰できるまで回復させてきた実績があります。

 

角膜潰瘍は、角膜の組織が欠けてしまっている状態になること

角膜潰瘍は、外傷を受けたりウイルス感染や細菌感染することによって角膜の組織が欠けてしまっている状態になることです。

 

角膜潰瘍では角膜の上皮が欠けてしまい上皮の下にある角膜実質まで影響を受けます。

 

角膜実質は濁ったり薄くなったりし、回復した後も角膜に濁りが残り視力が低下することもあります。さらに重症の場合は失明することもあります。角膜潰瘍は角膜の病気の中でも非常に重症の病気なのです。

角膜潰瘍には感染性のものと非感染性のものがある

角膜潰瘍には感染性のものと非感染性のものがあります。

 

感染性の角膜潰瘍の原因は、細菌や真菌、ウイルスです。

 

非感染性の角膜潰瘍の原因は、免疫の異常、アレルギー、酸やアルカリなどによる熱傷、糖尿病などの病気、異物が入ること、不適切なコンタクトレンズの使い方などです。

眼の外傷:角膜潰瘍の一般的な原因は物理的な外傷です。目を傷つける行為や異物の侵入は、角膜の防御機能を破壊し、細菌やウイルスの感染の道を開く可能性があります。これは、特に仕事や趣味で物理的な目の危険にさらされている人々にとって重要な原因となります。

 

コンタクトレンズの不適切な使用:コンタクトレンズは視力を補助するための便利なツールですが、適切な手順で清潔に保たれない場合、角膜感染症のリスクが高まります。レンズの取り扱いや保管に関する適切な知識がない場合や、レンズの使用期限を超えて使用すると、細菌が繁殖しやすくなるためです。

 

免疫力の低下:健康状態が不良で免疫力が低下している場合、微生物に対する身体の防御力が弱まり、角膜潰瘍のリスクが増加します。これは、特定の病気(例えば糖尿病やHIV/AIDS)を持つ人や、特定の薬物(抗がん剤やステロイド)を服用している人々にとって特に重要です。

 

眼の乾燥:涙は、角膜を保護し、清潔に保つ役割を果たします。乾燥した環境や特定の疾患(ドライアイ等)によって涙の量が不足すると、角膜は乾燥し、微生物に対する抵抗力が低下します。

 

既存の眼の病気:ヘルペス感染症や結膜炎などの既存の眼の病気は、角膜潰瘍の発症リスクを高める可能性があります。これらの病気は角膜に直接影響を与えるか、または瞬きの頻度や涙の生成を妨げ、角膜を保護する自然な防御機構を妨げる可能性があります。

 

栄養不足:ビタミンAは視覚と眼の健康にとって重要な栄養素であり、ビタミンAの欠乏は角膜潰瘍のリスクを増加させる可能性があります。特に、飢餓や栄養失調が一般的な地域では、これが大きな問題となります。

角膜潰瘍では目の痛みや充血などが起き、失明に至ることもある

角膜潰瘍の主な症状は、目の痛みや充血、見えにくさや視力の低下、涙が出ること、眩しさや違和感を感じることなどです。角膜が白く濁ることも多いです。

 

症状がひどくなると、角膜穿孔が起きることもあります。角膜穿孔では、角膜に穴があくため失明してしまいます。

角膜潰瘍とは、眼球の最前部を覆う透明な組織である角膜に生じる深刻な感染症のことを指します。この病状は、しばしば眼の疼痛や視力の低下を引き起こし、放置すると視力喪失につながる可能性もあります。

 

眼の疼痛:角膜潰瘍は多くの場合、著しい眼の疼痛を引き起こします。これは、角膜の神経が炎症や感染によって刺激される結果生じるもので、患者はしばしば鋭い、刺すような痛みや圧迫感を訴えます。

 

視力の低下:角膜潰瘍が進行すると、角膜が濁り、視力が低下します。これは潰瘍が治癒すると瘢痕を残す可能性があり、その瘢痕が視力の低下を永続的にする可能性があります。

 

光への過敏性:感染した角膜はしばしば光に過敏になり、強い光や直射日光が眼に疼痛を引き起こすことがあります。この症状は光過敏性とも呼ばれます。

 

眼の赤み:角膜潰瘍の周囲の組織が炎症を起こし、それによって眼が赤くなることがあります。これは一般的に充血と呼ばれます。

 

眼の分泌物:角膜潰瘍はしばしば、目やまぶた周囲の異常な分泌物を引き起こします。これは透明、白、黄色、緑色のいずれかの色をしている場合があります。

 

瞼の腫れ:瞼の腫れは、角膜潰瘍の炎症が周囲の組織に広がる結果として生じることがあります。

 

眼球の表面の白または黄色の斑点:これは潰瘍そのものであり、角膜が透明であるために直接見ることが可能です。この症状はしばしば、眼科医が初めて発見することが多いです。

角膜潰瘍の改善方法は薬

角膜潰瘍の改善方法は原因によって異なります。角膜潰瘍が感染性の場合、原因となっている細菌やウイルスに対しての薬を使って改善を行います。

 

角膜潰瘍が非感染性の場合は、抗炎症薬や眼の軟膏を使って改善を行います。場合によっては改善を行うためのソフトレンズを使うこともあります。

 

症状がひどくなり角膜穿孔を起こした場合や改善を行なっても視力障害が残ってしまった場合は角膜移植を行うこともあります。

角膜潰瘍は、角膜に発生する深刻な感染症で、早期治療が視力の回復と保存に重要です。その改善方法は潰瘍の原因と重症度によって変わります。

 

薬:角膜潰瘍の一般的な改善法は、原因となる感染を根絶するための薬です。抗生物質、抗ウイルス薬、抗真菌薬などの薬物が眼薬や内服薬として使用されます。これらは通常、感染を引き起こしている具体的な細菌、ウイルス、または真菌に対して効果的です。

 

疼痛管理:角膜潰瘍はしばしば重度の疼痛を引き起こすため、疼痛管理も改善の一部となります。非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)やその他の鎮痛薬が処方されることがあります。

 

瞼の閉鎖:角膜潰瘍の改善の一部として、眼科医は瞼の閉鎖を勧めることがあります。これは、角膜が自分で改善する力を助けるために眼球を安静化するもので、眼帯が使用されます。

 

角膜移植:薬が効果を示さない場合や、潰瘍による瘢痕が視力に深刻な影響を及ぼしている場合には、角膜移植が考慮されることがあります。これは外科的な手術で、損傷した角膜の部分または全部を健康なドナーの角膜組織で置き換えるものです。

 

テクトニックグラフト:これは角膜の強度を増すための角膜移植の一種で、主に角膜穿孔(穴が開く)のリスクがある症例で行われます。

フィルムの最適化:涙は自然の抗菌剤であり、眼の表面を潤滑に保つ役割も果たします。角膜潰瘍の患者は、涙の生成を促進する薬物を処方されることがあります。また、人工涙液も眼の乾燥を防ぐために使われます。

 

シクロプレジア:角膜潰瘍による疼痛を軽減するために、眼科医はしばしばシクロプレジア薬を処方します。これは瞳孔を拡張し、毛様体筋(眼球内の筋肉)のけいれんを防ぐことで疼痛を軽減します。

 

抗真菌薬:真菌性角膜潰瘍の場合、抗真菌薬が処方されます。しかし、真菌感染は治療が困難で、長期間の改善を必要とすることがあります。

 

それぞれの方法はそのリスクと利益があり、それぞれの具体的な状況に基づいて選択されます。

コンタクトレンズは正しくケアをすることが大切

角膜潰瘍の原因の中でも特に多い原因がソフトコンタクトレンズです。夜つけたまま寝てしまったり使い捨てのコンタクトレンズを繰り返し使ってしまったりと不適切な使い方をすると角膜潰瘍が起こる危険性が高くなります。

 

コンタクトレンズが原因で角膜潰瘍が起こる人の中でも、特にカラーコンタクトレンズを使っている人に角膜潰瘍が起こることが多いです。

 

正しいコンタクトレンズのケアの方法を身につけておくことが角膜潰瘍の予防にもつながります。適切な使い方をし、コンタクトレンズの消毒を正しく行いましょう。

角膜潰瘍の改善例

田中さんの例

田中さんの改善の経過は角膜潰瘍の深刻さを理解し、早期の判断と改善の重要性を示す好例でした。

 

田中さんは40歳の男性で、毎日コンタクトレンズを使用していました。ある朝、目に強い痛みを感じ、視力がぼんやりしていることに気づきました。彼は自宅にあった目薬を使用しましたが、痛みは悪化し、視力の低下も続きました。

 

彼の左目は充血し、瞬きするたびに痛みを訴えました。スリットランプ顕微鏡を用いて角膜を詳しく観察したところ、中心部に白く濁った領域を確認しました。これは典型的な角膜潰瘍の兆候でした。

 

その後、田中さんの角膜から細菌培養を行い、彼の症状の原因を特定しようとしました。結果、彼の角膜潰瘍は特定の細菌による感染が原因であることがわかりました。

 

田中さんに強力な抗生物質の眼薬を処方しました。そして、彼には1時間ごとにこの眼薬を使用し、症状が改善するまでコンタクトレンズの使用を避けるように指示しました。

 

田中さんは指示通りに行動し、彼の症状は徐々に改善していきました。しかし、細菌感染は根深く、完全に克服するためには数週間の改善が必要でした。

 

改善期間中、田中さんは定期的に病院に行き、角膜を調べて治療の調整を行いました。疼痛と視力低下の症状が改善するにつれて、眼薬の使用頻度も徐々に減少しました。

 

数週間後、田中さんの症状はほとんど消え、視力もほぼ正常に戻りました。彼の角膜はほとんど傷つかずに済み、抗生物質眼薬の効果を確認することができました。ただし、潰瘍部分には僅かな瘢痕が残り、これが彼の視力に影響を与える可能性があるため、引き続き様子を見ることになりました。

 

改善が終わった後、田中さんには角膜潰瘍の再発を防ぐためのアドバイスをしました。特に、コンタクトレンズの適切な取り扱い、衛生状態の維持、そして何か問題が発生した場合はすぐに専門家に相談することを強調しました。

 

田中さんの例は、角膜潰瘍が如何に深刻な状況につながるかを示しています。

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