公開日:2022年 11月 5日
更新日:2022年 11月22日
本日は内軟骨腫症について解説させていただきます。
本記事の内容
銀座そうぜん鍼灸院の宗前です。
このページを書いている私は、鍼灸師として13年、担当した利用者様数80,000人を誇り、病気の休職者300人を社会復帰できるまで回復させてきた実績があります。
内軟骨腫症の原因は、遺伝子の変異であるといわれています。
今のところ詳しくはわかっておらず、原因不明で発生することもあるとされていますが、PTHR1の胚細胞や体細胞の変異が原因のひとつであると言われています。
1.遺伝的要素:内軟骨腫症の多くはスポラディック(非遺伝的)であると考えられていますが、いくつかのケースでは遺伝的な要素が関与している可能性があります。例えば、一部の内軟骨腫症ではIDH1またはIDH2遺伝子の変異が認められ、これらの遺伝子変異が腫瘍の形成に関与していると考えられています。しかし、これらの遺伝子変異は通常、生後に生じるものであり、親から子へ遺伝するものではないとされています。
2.環境的要素:内軟骨腫症の発生に影響を与える環境的要素については、まだ完全に理解されていません。しかし、早産や低体重がリスク因子となる可能性が示唆されています。
3.発生学的異常:内軟骨腫症は、骨および軟骨の正常な発生過程が何らかの原因で乱れた結果、生じる可能性があります。具体的には、骨と軟骨を形成する細胞の分裂や分化の過程で異常が生じ、結果として骨内に軟骨腫が形成されると考えられています。
4.内分泌異常:一部の研究では、成長ホルモンの過剰分泌が内軟骨腫症の発症に関与する可能性が示唆されています。しかし、これについてはまだ確認されていないため、今後の研究が必要です。
これらの要素がどの程度内軟骨腫症の発症に寄与するか、そしてどのように相互作用するかについては、まだ完全には解明されていません。
内軟骨腫症の症状は、指趾の膨隆や脚長不等、アライメント異常などです。発症する時期は、幼児期から学童期のことがほとんどです。成長期になると腫瘍が増え、大きくなりなっていきます。
初めの段階では腫瘍は、骨幹端におきますが、年齢を重ねるとともに骨幹方向に移動していきます。多くの場合は片側性ですが、両側性や交互性のこともあります。
関節の周りの膨隆や変形によって可動域が制限されたり、内軟骨腫によって骨皮質が薄くなって病的な骨折が起きたりすることもあります。
骨の変形: 内軟骨腫症の最も一般的な症状の一つは、骨の変形です。これは、骨の内部に軟骨腫が形成されることで引き起こされます。特に手足の長骨が主な影響を受けます。変形は骨の外観のみならず、骨の強度にも影響を与え、骨折のリスクを高める可能性があります。
疼痛: 軟骨腫が成長するにつれて、患者はしばしば関節痛や骨痛を経験します。これは、軟骨腫が骨の周囲の組織を圧迫するため、または骨の内部の神経を刺激するために発生します。
骨折: 内軟骨腫症の患者は骨折を経験する可能性が高くなります。これは、軟骨腫が骨の強度を減少させるためです。骨折は急激な痛みや腫れ、変形、機能障害を引き起こす可能性があります。
運動能力の低下: 骨の変形や骨折、疼痛のため、患者は運動能力の低下を経験する可能性があります。これは特に手や足に軟骨腫が形成された場合に顕著です。
腫瘍の悪性変化: 軟骨腫は良性の腫瘍であり、しばしば無症状で成長します。しかし、稀にこれらの腫瘍が悪性の骨肉腫に変化する可能性があります。悪性変化した場合、急激な腫瘤の成長、痛み、体重減少、疲労感、発熱などの一般的な癌症状が見られることがあります。
身長の異常: 内軟骨腫症はしばしば成長期に発症します。骨の成長に影響を与えるため、身長に影響を与える可能性があります。影響を受ける骨によって、全身の身長や手足の長さに差が出ることがあります。
その他の症状: さらに、内軟骨腫症は他の病状と共存することがあります。例えば、Maffucci病では皮膚に血管腫が発生します。これらの血管腫は皮膚を青紫色に変色させ、痛みや出血を引き起こす可能性があります。
内軟骨腫症の根本的な改善方法はありません。そのため、症状に対して改善を行うことになります。
症状が軽い場合は経過観察のみであることもあります。脚長不等が見られる場合は、補高装具によって脚長を補正します。
改善のためには手術を行うこともあります。行う手術は、基本的に内軟骨腫切除術です。
観察: 軟骨腫が小さく、症状を引き起こしていない場合、医師はしばしば観察を選択します。画像によって、腫瘍の成長や悪性変化を確認します。もし症状が進行した場合、改善計画を再評価します。
手術: 軟骨腫が大きくなり、疼痛や機能障害を引き起こす場合、手術が必要となることがあります。手術は腫瘍を除去し、骨の強度を回復し、痛みを軽減することを目指します。しかし、手術は合併症のリスクを伴うため相談が必要です。
放射線: この方法は、手術が困難な場合や悪性腫瘍に対して使用されます。放射線は腫瘍細胞のDNAを破壊し、細胞の成長と分裂を阻害します。
抗がん剤など: 内軟骨腫症が悪性化した場合、抗がん剤などの方法が検討されます。こ全身のがん細胞を対象にし、腫瘍の成長を遅らせるか、または停止させることを目指します。
物理的な方法: 内軟骨腫症による疼痛や機能障害を管理するために、物理的な方法が有用であることがあります。これには、筋力強化エクササイズ、関節の範囲を改善するストレッチング、痛みを軽減する痛み管理技術が含まれます。適切なエクササイズと身体活動は、骨の健康を維持し、筋力を改善し、全体的な健康を促進します。
ペインマネジメント: 慢性的な痛みは、内軟骨腫症患者の生活の質を著しく低下させる可能性があります。したがって、痛み管理は改善の重要な一部です。これには非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)、コルチコステロイド、鎮痛薬、神経ブロックなどが含まれます。
サポートグループと心理的サポート: 内軟骨腫症の判断や改善は精神的ストレスを引き起こす可能性があります。心理的サポート、カウンセリング、サポートグループは、本人とその家族が心理的な負担を軽減し、病状と向き合う助けとなります。
疫学的フォローアップ: 内軟骨腫症は再発や悪性化する可能性があります。したがって、定期的な評価とフォローアップは非常に重要です。
マフッチ症候群は、血管腫を伴う内軟骨腫症のことです。先天性の中胚葉形成不全であるため、皮膚や内臓の脈管奇形や内軟骨腫が現れます。
皮膚の病変は静脈奇形が見られることが多く、毛細血管奇形やリンパ管奇形も見られます。青年期以降は、病気の進行は止まりますが、約3割の人には軟骨肉腫が認められます。
医療誌「Journal of Orthopaedic Science」(2020)に掲載された事例では、若い成人の女性が右膝の痛みで病院に訪れ、内軟骨腫症の判断を受けました。彼女は数年間にわたり間欠的に痛みを感じていましたが、最近痛みが悪化し、歩行が困難になっていました。
初期評価と判断: 彼女の初期評価では、右膝の腫脹と局部的な痛みが確認されました。X線とMRIの画像により、膝の近位脛骨に腫瘍が存在することが明らかになりました。組織検査(生検)により、この腫瘍は内軟骨腫であることが確認されました。
手術: 腫瘍の大きさと位置、症状の重度を考慮に入れ、医師は腫瘍切除と骨再建の手術を推奨しました。手術では、腫瘍を完全に切除し、骨の欠損部分を人工骨で補填しました。また、骨の安定性を保つために内部固定装置を使用しました。
リハビリテーション: 手術後、物理的な介入で、歩行能力を回復しました。このプロセスには、筋力強化、関節の範囲改善、痛み管理のエクササイズが含まれました。
フォローアップ: 手術後定期的に専門家のチームにフォローアップしました。これには、画像と機能的評価が含まれ、再発または合併症の兆候を確認しました。
この事例では、内軟骨腫症が適切な改善方法により成功していたことが報告されています。手術後1年で痛みはほとんどなくなり、歩行能力も大きく改善しました。MRIによる1年後のフォローアップでは、骨の再生と腫瘍の再発の兆候は確認されませんでした。
このように、内軟骨腫症は年齢、症状の程度、腫瘍の大きさと位置、そして全体的な健康状態によって改善法が変わります。
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