公開日:2021年 9月10日
更新日:2021年 10月23日
本日は混合性結合組織病について解説させていただきます。
☆本記事の内容
銀座そうぜん鍼灸院の宗前です。
このページを書いている私は、鍼灸師として13年、担当した利用者様数80,000人を誇り、病気の休職者300人を社会復帰できるまで回復させてきた実績があります。
混合性結合組織病は自己免疫疾患であると考えられています。
しかし、どうして自己抗体ができてしまうのかについて詳しいことは分かっていないのが現状です。さらに、抗U1-RNP抗体が体を傷つけているという証拠も特にありません。
混合性結合組織病は今の明らかになっていないことがたくさんある疾患なのです。
混合性結合組織病の症状は、全身性エリテマトーデスや強皮症、多発性筋炎のような症状が混ざって、いろいろな症状が現れます。
現れる症状の一つは、レイノー現象です。現れる時間は数分から数十分で、冷感やしびれ感も現れます。レイノー現象は、ほとんどの混合性結合組織病で現れる症状です。
手の指や手の腫脹も現れます。これは、8〜9割に現れる特徴的な症状です。
SLEに似た症状では、多発関節炎やリンパ節腫脹、顔面紅斑や心膜炎、胸膜炎が見られます。蛋白尿や血尿などの腎炎症状が現れることもありますが、SLEに比べて程度は軽くネフローゼ症候群や腎不全が起こることは少ないです。
強皮症に似た症状では、手の指の皮膚硬化、肺線維症、食道運動機能の低下などが見られます。6〜8割に消化管病変が現れます。食道病変があると、胸焼けや食べ物を飲み込む時のつかえ感が現れます。
腸の病変があると、便秘や下痢が起こります。間質性肺疾患では乾いた咳や動いた時の動悸や息切れを感じることもあります。
多発性筋炎に似た症状では、腕や脚の筋力の低下が現れます。立ち上がれなくなったり今まで持てていた物が持てなくなったりしますが、全く立てなくなったり、寝たきりになったりすることは非常に珍しいです。
肺動脈性肺高血圧症を合わせて起こすこともあります。肺動脈性肺高血圧症は命に影響を及ぼす危険な病気です。この場合、初期症状として疲れやすくなったり動いた時に動悸や息切れを感じたりする症状が現れることが多いです。
頻度は少ないですが、無菌性髄膜炎が誘発されることもあります。無菌性髄膜炎は、イブプロフェンなどの非ステロイド性抗炎症薬を使うことによって起こります。肺動脈性肺高血圧症が無菌性髄膜炎を引き起こすこともあります。
約1割には、 三叉神経障害も見られます。三叉神経障害は比較的に混合性結合組織病の特徴的な症状で、片側性で顔の下の方に現れやすいです。
混合性結合組織病は原因がわかりません。そのため、主な改善方法は、症状に対して副腎皮質ステロイドなどを使って免疫を抑制する方法です。
レイノー現象など末梢循環障害は、冷やさないことが大事です。症状がひどい場合には血管拡張薬や抗血小板薬を使います。胸膜炎や軽症筋炎などには副腎皮質ステロイドを使って改善を行います。
出血のある血小板減少症やネフローゼ症候群、重症筋炎、間質性肺炎急性増悪、中枢神経症状などがある場合は、大量の副腎皮質ステロイド大量を使って改善を行い、肺動脈性肺高血圧症には肺血管拡張薬を使って改善を行います。
無菌性髄膜炎に対しては非ステロイド性抗炎症薬など原因となる薬がある場合は薬を中止します。混合性結合組織病によって起きている場合は副腎皮質ステロイドを使って改善を行うことが多いです。
三叉神経障害には、副腎皮質ステロイドの効果はあまりないと言われているため、特発性三叉神経痛に準じてカルバマゼピン、フェニトイン、プレガバリンなどを使って改善を行います。
混合性結合組織病で現れるSLEや多発性筋炎に似た症状は改善を行うことでよくなります。
しかし、レイノー現象や手指腫脹、強皮症に似た症状は副腎皮質ステロイドは残ることが多いと言われています。改善を行っている時、副腎皮質ステロイドなどの量を減らしているときに再び症状が現れることも多いです。
混合性結合組織病は以前は命の危険はあまりないとされていました。しかし、1997年の調査で5年生存率が93.7%と命に関わる場合もあるということがわかりました。
命に関わる危険があることは感染症です。中でも1番多いのは呼吸器感染症です。さらに、肺動脈性肺高血圧症は命に関わるリスクが4.5倍以上上がるということもわかっています。
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