公開日:2021年 11月19日
更新日:2021年 11月22日
本日は「心」ついて解説させていただきます。
東洋医学の“臓腑”というのは西洋医学の臓器とは概念が似ているようで異なります。
「五臓六腑」は、食べ物や空気から気・血・津液を作ったり運んだり、貯蔵したりする各器官といえます。 食べ物や飲み物の栄養が気や血に変わる過程をたどると、まずは六腑が消化吸収を行い、 その栄養を五臓が受け取って、気・血・津液を生みます。
人体においてどのような働きをしているのか、東洋医学も西洋医学も最終的には結論が似ているため、混乱しないよう最後までお読みいただければ幸いです。
☆本記事の内容
目次
銀座そうぜん鍼灸院の宗前です。
このページを書いている私は、鍼灸師として13年、担当した利用者様数80,000人を誇り、病気の休職者300人を社会復帰できるまで回復させてきた実績があります。
動画でもご説明しておりますのでこちらもご参考くださいませ。
本記事は、現代医学でいう「心臓」の機能ではなく、東洋医学の観点からの「心」の役割について掲載しております。内容をより理解しやすくするためには、「東洋医学」の記事を先にお読み頂くことをお勧めします。
東洋医学の「心」は、 西洋医学でいう「心臓」と似ているようで捉え方は異なります。
東洋医学の「五臓六腑」は人体を生理機能の面からとらえたものになります。
対して西洋医学では、内臓を物質とみています。
捉え方は異なりますが「心臓」が止まってしまえばすべての機能が動かなくなってしまうのと同様、古代中国の人々も「心」は人体の中で最も重要な役割を果たすと考えていました。
「心」は、五行で、「火」に属します。別の記事でも紹介しておりますが、東洋医学では、まず五行の役割を国政に例えています。「心」は「君主の官」。つまり、身体という国においては、王の立ち位置にいると捉えています。
臓器としての心臓の役割は、全身に血液を送り出すポンプの役目です。心臓が止まってしまえば全身への血液の供給が止まってしまい、ものの数分で生命活動は途絶えてしまいます。東洋医学においての「心」も、他の臓腑をコントロールしていると考えられてきましたが、機能としての役目だけではなく、精神においても中心となり、全身を支配していると考えられてきました。
精神活動や意識、つまり西洋で言えば、 脳の働きに関係する部分も「心」の働きとして捉えるのです。 稀にテレビなどで、「心臓移植をしたら、記憶が変わった」と特集されることがありますが、これには東洋医学で説明がつくと思われます。
「心」が不調になると、他の臓腑も不調になります。国王が居なければ国が無くなるように、機能し無くなれば死んでしまいます。
「心」に不調が起こると...
加齢により心の氣が消耗すると、動悸や息切れ、胸痛、青い顔、倦怠感などの症状が起こります。この状態を「心陰虚」といいます。心火が不足してしまうと、背中や手足末端の冷え、ひどくなると全身の冷えなどの症状が生じます。
―目に見える状態の変化―
「心」の状態に不調ある際に、外から目でうかがえる場所は特に「舌」です。特に舌の先端に心の状態が反映されます。舌の情報は全身の情報を手に入れることができ、 東洋医学の診断をする上では基礎となっています。また、高血圧や循環器に障害のある可能性がある方には、しばしば赤ら顔が見られます。
“五行”に従うと、「火」である「心」は、 色では、「赤」、味は「苦み」、情志では、「喜」に属します。 喜びの気持ちはこころをときめかせますね。“ドキドキ”などという擬態語があるように、心と喜とは関係が深いことがわかります。 「心」の機能が異常になると、動悸、赤ら顔、手足が冷える、 立ちくらみなどの循環器症状が出現するほかに、心血虚の状態から焦りや驚きやすい、などの症状も目立ちます。
心は血液が運行する通路である“血脈”に血液を送ります。この循環を一定のリズムで行うために働くのが肺です。呼吸を行うことで全身の運動が規則正しく行われ、全身の代謝や血の運行が正常に機能します。つまり、肺が一定のリズムで呼吸することができないと、心拍や脈拍の循環に影響を及ぼします。走ったり、急いで歩くと呼吸が乱れて息が上がり、同時に動悸が生じるのはこのためです。心と肺の関係は抑制しながら互いのバランスをとる相克関係(※)にあるのです。
※相互関係:「東洋医学」のページ参照。
「心」と「小腸」の関係
「心」は「小腸」と表裏の関係、兄弟のような関係にあります。
「心」の機能異常は、「小腸」にも反映します。口内炎や色の濃い尿、 残尿感・排尿時の灼熱感などです。 また、「心」や「小腸」に不調が出やすい人は、デリケートな神経が体調に出やすいタイプです。悩み過ぎて眠れない。心配事があると胸が重くなる。などが見受けられる方は、「心」や「小腸」が弱っている可能性が高いといえます。
東洋医学では、気血の流れる通路のことを経絡といい、全身の臓腑を合わせて12の特性を持った流れがあります。そしてその経絡上の要所に、ツボ(経穴)が存在しています。各臓府につながる経絡に刺激を与えると、体の調整が可能となる治療点がツボ(経穴)です。
当院では、それら東洋医学の捉え方と現代医学を融合させつつ、病院では中々診断のつかない不調の改善を目指しています。
心が落ち着くツボ3選
【少海】
肘のシワ内端のくぼみにあります。心経は、五行の「火」に当たりますが、この「火」の機能が興奮し過ぎると、動悸、心悸亢進、精神的興奮が生じます。「少海」は燃え盛る火を鎮静させる働きがあり、心機能が興奮している際によく用いられます。
【神門】
手首のシワ内側(小指側)の出っ張った骨の先端にあります。精神的な気の乱れを調える働きがあり、不眠、便秘、消化不良、健忘、狭心症などに有効だと言われています。
【膻中】 万能ツボと呼ばれているツボのひとつで、鎮痛安定作用があり、緊張・不安、気分の落ち込みなどに有効と言われています。胸の正中線上で、左右の乳頭の中間にあります。
症状によっても使用するツボは様々で、これらはほんの一部ですが、急な動機や極度に緊張やストレスを感じた際などに、ご自身で押されてみることをオススメします。
本ページをまとめます。
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