リベド血管症について【病理、対策、効果のあった鍼灸を解説】

公開日:2019年 12月23日

更新日:2021年  5月 15日

本日はリベド血管症について解説させていただきます。

リベド血管症について【病理、対策、効果のあった鍼灸を解説

リベド血管症について詳しく知りたい方

 

  • 医師から明確な改善方法が提示されない
  • 自分で対策出来るのか知りたい
  • 食べてはいけないもの、効果のある漢方はあるのか知りたい

 

こういったリベド血管症についての悩みにお答えしていきます。

○本ページの内容

  • リベド血管症のことがわかる。
  • リベド血管症の対策法がわかる
  • リベド血管症に効果がある鍼灸がわかる
足のしびれ、痛み

銀座そうぜん鍼灸院の宗前です。

 

このページを書いている私は、鍼灸師として13年、担当した利用者様数80,000人を誇り、病気の休職者300人を社会復帰できるまで回復させてきた実績があります。

 

リベド血管症の患者様数は、2019年10月現在、63名担当してきました。

リベド血管症とは

リベド血管症は潰瘍や血管性障害性の病気の1つである原因不明の多発性皮膚潰瘍です。

回復まで根本から改善する方法が確立されていません。

リベド血管症は10万人に1人が発症すると言われております。

多くの血管炎は難病指定されていますが、リベド血管炎は難病指定されていません。

発症すると、手足などの見た目でも目立つところに潰瘍ができてしまいます。

そのため、手足を隠せる服しか着れず、外に行くことに消極的になったり、痛みから歩くことがむずかしくなってしまったりする人もいます。

この疾患の特徴は若い女性に多いことです。しかし、中には60代で発症したという人もいます。

リベド血管症

1998年にイタリア人の医師によって病気として言われるようになりました。

特徴となる所見は、手や足の関節の周りに写真のような皮膚の潰瘍や皮斑が広がっていきます。完全に回復することは難しく、難病に指定されています。

この病気には、3つの状態があります。

1つ目は皮膚に潰瘍が出来ていく状態。2つ目は皮膚に白色の萎縮性の痕がある状態。3つ目は痛みを伴う紫斑性病変です。

病気を発症してしまうのは、男性より圧倒的に女性に多く、中でも20代~40代の若い女性に多くみられます。24歳の女性が1番多いというデータもあります。リベド血管症は女性の中でも比較的若い女性に多い病気だといえるでしょう。発症率は10万に1人だといわれています。

リベド血管症の病理

リベド血管症で潰瘍や斑点が生じる部位として多いのが、下肢です。体の負荷がかかるところにできるという特徴があります。

ネットには、「夏に潰瘍ができる」などととかかれていることもよくありますが、この病気は、夏だけでなく春も秋も冬も季節に関係なく潰瘍ができることもよくあります。

リベド血管症の病理

人間の皮膚組織を正しく保つために大前提として重要なのが血流です。

血管内を流れる血の滞りをスムーズにするためには、丈夫な血管の壁、そして、血管はある程度の太さを保つ必要があります。

血管の壁や太さを理想に近い状態で保っておくためには、必要な栄養素が皮膚組織全身にいきわたることが重要です。

栄養素が全身に届くことで、鮮やかで健康な皮膚を保つことができます。

しかし、体の部分が何らかの理由で、どこか1つでも血管の壁が硬く厚みを増してしまったり、血管が細くなってしまうと、必要な栄養や酸素が届かなります。こうして血流に障害が起きると、必要な栄養素が全身に行き届きません。血液が供給されず皮膚組織は壊死してしまいます。これがリベド血管症を発症するのです。

リベド血管症の原因は完全には解明されていませんが、血管の過敏性が重要な役割を果たすと一般的には認識されています。この血管の過敏性は寒さやストレスといった刺激に反応して、血管が過度に収縮することで起こります。これにより血流が阻害され、典型的なリベド血管症の症状である皮膚の白さ、青さ、赤さ(リベド現象)が引き起こされます。

 

この血管の過敏性の背後にはさまざまな要素が存在します。遺伝的な要素が一部の患者で見られ、一部の遺伝子変異がリベド血管症の発症に関与しているという研究結果もあります。これらの遺伝子は血管の収縮と拡張を制御する役割を持つことから、変異が起きると血管の反応性が亢進し、リベド血管症の発症につながると考えられます。

 

また、免疫系が関与するという証拠もあります。体の免疫系が誤って自分自身の健康な細胞や組織を攻撃する病気とリベド血管症との関連が示されています。これは血管の内壁に対する自己免疫反応が、血管の過敏性を高め、結果としてリベド血管症の症状を引き起こす可能性があります。

 

さらに、一部のホルモンや神経伝達物質が血管の収縮と拡張を制御しており、そのバランスの乱れがリベド血管症の発症に寄与する可能性もあります。例えば、血管収縮に関与するノルエピネフリンの過剰な放出や、血管拡張に関与する一酸化窒素の不足などが、血管の過度な収縮と血流の阻害を引き起こす可能性があります。

 

また、環境的要素も重要な役割を果たします。寒冷環境は血管を収縮させる効果があり、特に寒さに敏感な人々はリベド血管症の症状を発症しやすいとされています。また、ストレスや情動的な変動はホルモンバランスを変え、血管の反応性を亢進させることがあります。

 

リベド血管症の原因は複雑で多岐にわたりますが、その根本的なメカニズムは血管の過敏性にあると考えられます。これは遺伝的要素、免疫反応、ホルモンや神経伝達物質のバランス、環境的要素など、さまざまな要素が複雑に絡み合った結果として発現します。

 

まとめると、リベド血管症の原因は明らかにされていない部分も多いですが、現在のところ、遺伝的要素、免疫の異常、ホルモンや神経伝達物質のバランスの乱れ、環境要素が影響を及ぼすという理解があります。これらの要素が組み合わさって、特定の刺激に対する血管の過敏反応を引き起こし、リベド血管症という病気を形成します。

リベド血管症は難病?

リベド血管症は回復が難しい難病に指定されています。

1度壊死した皮膚組織を元通りにするということそのものが困難なゆえ、本質から改善する方法がありません。

皮膚の生まれ変わりのことをターンオーバーと言いますが、高齢者の場合は皮膚組織が生まれ変わるサイクルが遅いです。ターンオーバーが遅いと、肌の状態が一時的に回復したとしても、皮膚の組織が新しく生まれ変わる前に新たな病気の部分が現れてしまうということが起きます。一部が改善しても、また他の部分から新たな潰瘍や皮斑が生まれ、潰瘍が改善した後も痕は残ってしまう。体の構造上、根本から改善することが難しいのです。

リベド血管症の症状

1900年創立の皮膚科に関する学会である「公益社団法人日本皮膚科学会」は、日本皮膚科学のガイドラインというものを定めております。このガイドラインには、リベド血管症は両方の四肢に左右対称の網状の皮斑ができると記載されています。

今日まで様々な研究や実験がされている中で、今の段階で分かっていることは、リベド血管炎の症状は下腿に80パーセント。足関節部に66.7パーセント、足に66.2パーセントの割合で皮斑が広がるということ。足の関節部に集中して広がることが多いということです。

足の関節部に集中するのは、潰瘍だけです。

この病気の厄介な特徴として、調べても、通常の結果と変わらず、特に目立つような異常はみられません。

前述したように主に若い女性を中心に発症することが多いということや患者の体に紫のような色をした皮斑や象牙色の潰瘍が多くみられるというのも特徴です。

リベド血管症で発症する症状の多くは、皮斑や潰瘍が消えることなく皮膚に定着し痕を残します。また、リベド血管症を発症したときに見られる血の塊は本来は運ばれるはずの血液が途中で行き止まってしまい、運ばれなかったことによって生じるものといわれています。

勘違いしやすいのが、血液の炎症が原因となってみられるものではないので、注意が必要です。

リベド血管症は、潰瘍や皮斑ができる段階で痛みを感じます。

皮膚組織の壊れて死んでいっている段階で、歩行などにより負荷をかけると、血栓のできた箇所がうっ血し、さらなる痛みを感じさせます。

そして、慢性的になってくると、褐色や黒色の色素沈着を起こすことが多いです。

このような症状から、リベド血管症は発症すると、長期的に闘わなければいけない病気であるといえます。

 

リベド血管症の最も顕著な症状は、肌の色調変化、特に「リベド」と呼ばれる、赤紫色のまだら模様です。これは主に下肢に現れ、特に冷たいときやストレスを感じたときに顕著になります。「リベド」という名前自体、ラテン語の「リヴィドゥス」から来ており、「青白い」を意味します。

 

この皮膚のパターンは、小さな血管、特に皮膚の毛細血管が正常に動作せず、血流が一部で阻害された結果生じます。具体的には、これらの血管が過度に収縮し、その結果、皮膚の一部に充分な酸素や栄養が供給されないため、皮膚がその特異な色調を呈するのです。

 

リベド血管症の他の一般的な症状には、寒冷刺激やストレス時に手足が冷たく感じる「レイノー現象」があります。これは同様に血管の過度な収縮によるもので、特に指先やつま先で感じます。

 

さらに進行すると、慢性的な血流不足により皮膚の一部が壊死(組織の死滅)することがあります。これは通常、足の指先や耳たぶなど、血流が不十分になりやすい場所で発生します。この壊死は深刻な痛みを伴うことが多く、治療が必要となります。

 

さらに、リベド血管症はしばしば自己免疫に関する病気と関連しているため、これらの病気の症状がリベド血管症と並行して現れることがあります。これには関節痛、疲労感、発熱などが含まれます。また、腫れたリンパ節、肺や腎臓の問題など、その他の内臓器官に影響を及ぼす可能性もあります。

 

リベド血管症の症状は個々によって異なり、症状の重さも人によります。一部の人々では、主に皮膚の変化や微妙な不快感が現れるだけかもしれません。他の人々では、皮膚の痛み、壊死、他の自己免疫に関する病気の症状など、より深刻な問題が発生する場合があります。

黒い部分がうっ血しているところです。徐々に潰瘍に進んでいます。

リベド血管症の改善法

リベド血管症の症状に対して、現段階では即効性のある方法は確立されていません。

公にできるような信用できる実験結果もでておらず、あくまで、皮斑や潰瘍の痛みを和らげるという対処しかできないのが現状です。

しかし、何もできないということではありません。多少でも対処できる方法はあります。

リベド血管症を発症する原因は、主に血行不良。そのため、対処するのであれば、血行不良を改善することが第一です。対処法として血栓溶解薬・血管拡張薬のいずれかを静脈内投与しているところが多いです。

リベド血管症を発症した際の疼痛を和らげる成分・薬
成分・薬の名前 薬理効果
組織プラスミノーゲン活性化因子

血栓溶解薬
(リベド血管症の疼痛を緩和、血行促進)

ニフェジピン

上記に記載してある成分で反応がみられなかった場合、※低分子量ぺパリン、※ワルファリン、※リバーロキサバンなどを使用した抗凝固法なども使われます。

※低分子量ぺパリン:血栓の予防および静脈血栓塞栓症の改善、ならびに心筋梗塞の改善に使用される。

※ワルファリン:抗凝固剤の1つ。殺鼠剤としても用いる。

※リバーロキサバン:経口抗凝固薬の一つ。

 

少量のアスピリン、ジピリダモール、ペントキシフェリンなどの投与を中心とした※抗血小板法などの方法を試すこともあります。

※抗血小板法:血液の凝固作用のある「血小板」の働きを阻害し、主に白色血栓を作らないようにする作用を持つ薬剤

これらの方法に、ある程度の改善の効果を見込めるという報告も1部でされています。しかし、どの方法を試したとしても完全な回復を約束することはできません。

 

最近では、血流改善と皮斑や潰瘍による疼痛を和らげるために、腰部交感神経ブロック・硬膜外ブロックという改善方法が注目されています。

いずれにしても、リベド血管症の一時的な症状を和らげるだけでなく、根本から改善する方法を確立するには、いまだに多くの課題があり、研究が必要とされています。

皮斑や潰瘍による痛みを緩和する、その他の成分
成分名 薬理効果
NS AIDs

抗炎症、鎮痛作用、解熱作用がある。※糖質コルチコイドには含まれない。

※糖質コルチコイド:身体の血糖値を上昇させるホルモン。 外傷、感染、リウマチ等による組織の炎症反応を抑制させる抗炎症・抗アレルギー作用がある

ガバペンチン(ガバペンチン錠)

2006年9月末に商品化したてんかん薬の総称。脳神経の興奮状態を鎮静化する効果があり、※GABAに構造が類似している。

※GABA: 脳細胞の代謝機能を高め る働きがある。血管収縮を弛緩させ、血圧を降 下させる作用もあるといわれている。

アミトリプチン 抗うつ薬の先駆け。精神安定に使用されるほか、神経痛や薬物乱用による頭痛にも効果がある。
オピオイド 麻薬性鎮痛薬。神経通、慢性的な疼痛などを鎮静化する。手術前後の外傷や、がんによる痛みにも効果的。

リベド血管症は、特異な皮膚病であり、血管の異常反応に起因します。改善の目標は、症状を管理し、皮膚の損傷を最小限に抑えることです。

 

まず、リベド血管症の改善は、具体的な症状と生活環境に合わせて個々に調整する必要があります。これは一部の人々では症状が軽微であり、対処するだけで十分な場合もあれば、他の人々ではより深刻な症状に対する積極的に改善を行う頃が必要な場合もあるためです。

 

最初の段階は、リスク因子の管理と生活習慣の改善から始まります。寒冷環境やストレスはリベド血管症の症状を悪化させるため、これらを避けることが推奨されます。寒冷環境を避けるためには、暖かく適切な服装をする、冷たい気候を避ける、冷たい飲食物の摂取を控えるなどが有効です。ストレス管理には、リラクゼーションテクニック、適度な運動、十分な睡眠などが役立ちます。

 

薬も、リベド血管症の改善には一般的に使用されます。薬の使用は、血流を改善し、症状を軽減することを目的としています。例えば、血管を広げて血流を促進するカルシウムチャネル拮抗薬や血液を薄くする抗血小板薬が用いられることがあります。これらの薬は、医師の指示に従って適切に使用する必要があります。

 

リベド血管症が自己免疫に関する病気と関連している場合、ステロイドや免疫抑制薬が処方されることがあります。これらの薬は、体の免疫系の過剰反応を抑制し、リベド血管症の症状を軽減します。ただし、これらの薬は副作用があるため、医師の指導のもと、適切な用量と使用期間で用いられます。

 

また、リベド血管症が進行し、皮膚の壊死が見られる場合は、より積極的な改善が必要となることもあります。これには、壊死した組織の除去や、感染の予防、改善が含まれます。重度の症状を伴う場合や、壊死が進行している場合には、皮膚移植や血管再建手術が必要となることもあります。

 

その他、本人が日々の生活の中で行うことも重要になります。皮膚ケアは必須で、乾燥を防ぐために保湿クリームを使用する、適切な清潔さを保つ、傷口の感染を防ぐなどが含まれます。

 

また、健康的な生活習慣を維持することも大切です。喫煙は血管を収縮させ、リベド血管症の症状を悪化させるため、禁煙が強く推奨されます。また、バランスの良い食事や定期的な運動は一般的な健康状態を向上させ、リベド血管症の管理に役立つ可能性があります。

 

医師とのコミュニケーションに大きく依存します。自分の症状や生活環境を医師に詳細に伝えることで、最適な計画を立てることが可能になります。また、定期的なチェックと病状のモニタリングにより、計画は適宜調整されるべきです。

 

リベド血管症は長期的な病気であり、その管理は一日や一週間の問題ではなく、生活習慣の一部となるべきです。これには、暖かく適切な服装をする、ストレスを管理する、適切な皮膚ケアを行う、禁煙する、バランスの良い食事を摂る、適度な運動を行うなどが含まれます。

リベド血管症の回復見込

リベド血管症は、皮膚組織が壊れ死んでしまう病気です。この病気は一時的に回復しても再発の可能性が高く、体内で血栓が増加し続けた場合、その数に相当する皮膚組織が壊死にしていきます。

よって、完全に回復する可能性は低いのです。

 

しかし、外科手術によって、黒色の潰瘍周辺にある白色部分の壊死した部分の組織を取り除くことで、予後が良くなる可能性はあります。

手術後には潰瘍部分の洗浄を行うため、術後に痛みを伴う手術になります。

それでも、できることは1つ残らずやることをお勧めします。放っておくと皮膚の組織の壊死がどんどん進行し、新らしい皮膚がつくられることの邪魔になってしまい酷い状態になります。肌表面に病変がみられた場合は、すぐに病院にいくことをおすすめします。

また、漢方を使って改善を試みることもありますあくまで一つの例ですが、この改善方法を試した人の中には、実際に効果があり、開始から4ヶ月で痛みの伴う有痛性潰瘍が消えたという人もいます。しかし、リベド血管症を回復する見込みは高くはありません。

繰り返しますが、回復させることができる効果の高い薬や対処方法は確立されていません。

リベド血管症と判断後にすべきこと

リベド血管症は血行不良が大きな原因なので、発症してからの生活習慣その後の病気の進行度が決まることが多いです。

皮膚組織の再生をすすめることができる生活習慣に切り替えて、血行不良のもととなる原因を生活から徹底的になくし生活することが大切です。

​悪化させる生活習慣の特徴として、

・運動不足や夜更かしや睡眠不足が続いている

・ひどい肩凝りや腰痛

・冷え性や続く肌荒れ

・激しい偏食、野菜不足

・コレステロール値が高い油ものや揚げ物嗜好

・靴下嫌い、冷房の効いた部屋での薄着

・喫煙

これらが続いている方は、血行不良を起こしやすい状態です。不摂生からリベド血管症を発症する可能性は大いにあります。発症してしまった後でも、生活習慣の改善は大切です。よく眠り、質の良い睡眠、食生活の見直し、そして改善をすることで皮膚組織のターンオーバーの促進につながります。

血流改善に役に立つ野菜や果物の積極的な摂取、皮膚を構成するセラミドの吸収、禁煙、など、できることから始めてみてください。

難病にかかると、精神的に追い込まれて自暴自棄になってしまうことがよくあります。

できないことを考えて自身を追い詰めるより、1つずつできることを見つけて変えていくことが大事です。

リベド血管症にはどのような病院を選ぶのが望ましいのか

リベド血管症は難病です。

皮膚組織が壊れ、潰瘍がどんどん広がっていく恐怖や痛みと闘わなければなりません。

1人で悩んでしまったとき、信頼のおける病院や医師に出会うことができれば精神的に楽になると思います。

重視することは、実績と、自身がリラックスできる設備が整っているかどうかです。リベド血管症を発症している他の人がその病院を訪れ、改善に繋がっているかとゆう経験はもちろん、その経験の中で潰瘍の再発を防ぐことのできた事例が多いところがより上質であるといえます。

現代医学では有効な改善法がないリベド血管症は、自己免疫の不全からくる炎症を最も小さくとどめ、再発の防止につながるような改善法を試すことが良いとされています。

また、精神状態に対しても気配りができ、癒しとなる音楽やアロマがあり、リラックスできる空間があるということも大きなポイントになります。

難病に打ち勝つため、医者と二人三脚で頑張れる環境に身を置くのが理想です。

リベド血管症の鍼灸

リベド血管症に対する鍼灸

2020年5月時点で、来院されたリベド血管症の方は69名です。

銀座そうぜん鍼灸院は、2015年から1人のをきっかけに、リベド血管症の鍼灸を開始しました。

来院されたリベド血管症の方々の共通点や鍼灸で得た成功例、そして失敗例を元に、リベド血管症に効果的な鍼灸法を日々構築しております。

 

鍼灸で目指す状態は以下の2つ。

 

  • 潰瘍を無くし、通常の皮膚をもどす。
  • 潰瘍の再発をなくす。

 

リベド血管症は血流を良くしてはいけない。

これまでの説明では、血流の重要性を記載しておりましたが、鍼灸で感じたことは、血液の流れを良くしても、潰瘍は良くなりません。

 

処方薬では、抗凝固剤の1つであるワーファリンや糖尿病などの末梢血行障害の改善によく用いられるリプル。また、着圧靴下などで、むくみや血液の質を変えるような対処法を受けている方がほとんどです。

 

当院の見解では、これらの薬によって、潰瘍の再発は防げません。

 

血流を最大限に回復させる鍼灸を行った後に、潰瘍が異常に発生したケースが3例ありました。

 

このような経験から、当院ではむやみに血液の流れを良くしません。

リベド血管症に一番効くのは?

 

 

リベド血管症で悩まれる方は世界中におりますが、当院では香港、アメリカ、中国、フィンランド、スウェーデンからも来院されております。

 

それぞれの対処法を見る限り、ステロイドの過剰投与が一番効果があるのではないかとみています。

 

 

鍼灸は副腎皮質へのアプローチが一番効果が出ている。

カラダが本来持っているステロイドホルモンは副腎皮質から産生されます。

 

ステロイドホルモンは、両方の腎臓の上にある副腎から作られる副腎皮質ホルモンの1つです。 体の中の炎症を抑えたり、体の免疫力を抑制したりする作用があります。

 

当院では、この副腎皮質に着目しております。

内臓を活性化させる鍼灸で、ステロイドホルモンの産生を促すことにより

潰瘍の再生と早期回復を図っております。

 

 

現在、潰瘍の早期回復はもちろん、年中発生する潰瘍や改善しなかった潰瘍に素晴らしい効果が確認できました。今後は潰瘍の再発なしを目標に、取り組んでおります。

 

実際のリベド血管症の施術例

リベド血管症の左足

リベド血管症に悩まされていた静岡県在住のD.Oさんのレポートです。

初診:2016年1月

性別:男性

年齢:20代後半

 

 ・発症からの期間

8年前から夏季になると必ず潰瘍が出来はじめ、痛みで寝れない。

現在の状況:今年に入り潰瘍が悪化し、足裏に数個できたため、うまく歩けない。杖をつかって歩くので精一杯。

 

 ・病院での対応

ワーファリン(血液凝固阻害剤)、ロキソニン(痛み止め)、ゲーベン(塗り薬)を処方される。潰瘍が治るまで自宅で経過観察。

 

 ・当院を知ったキッカケ

ツイッターをみて、問い合わせ

 

  • 鍼灸での対応

体表観察では、ヒザ下の異常な浮腫み、潰瘍の初期症状のうっ血が十数個確認できました。

リベド血管症の特有の体質である水毒、気虚も確認済み。

足裏の潰瘍のきずは深いが、そのほかは潰瘍前のうっ血がほとんどのため、早期の回復が可能と判断しました。

 

  • リベド血管症における鍼灸のリスク

足裏の潰瘍は、足の汗、施術者の手のばい菌による化膿、感染症の危険性があります。

銀座そうぜん鍼灸院では、使い捨ての鍼の使用と徹底した手指の消毒をするため、感染症の心配はありません

1回目の施術

リベド血管症
D.Oさんの状態

左右の足に大小さまざまな潰瘍があり、痛みも強く大変辛そうでした。足裏にも潰瘍があり、松葉杖をつかって歩いていました。

2週間後、3回目の施術

リベド血管症
施術後の経過

1回目の施術で痛みは無くなり、ゆっくり寝れるようになりました。足裏の潰瘍も9割ふさがり、松葉杖なしで歩けるようになりました。2017年2月現在は、潰瘍ほぼなし。

  • 院長の考察

潰瘍は複数ありましたが、足裏の潰瘍以外は小さく、また、デブリードマンするほどの潰瘍ではなかったため、早い回復が見込まれました。

 

また、利用者様の年齢が20代後半であるため、皮膚組織の回復も順調に進みました。足の回復につれて、利用者様の顔の血色がみるみる良くなっていった印象的でした。

現住所が静岡のため、定期的な来院が難しいと判断し、潰瘍前の浮腫み次第で通院、マルチミネラルの摂取を勧めて3回の鍼灸は終わりました。

1年後、他のリベド血管症の利用者様から、Aさんのことを聞き、潰瘍が再発されていないことを確認しました。

 

  • 年齢・性別  

50代男性 会社員

 

  • 潰瘍の発生時期

半年前に起きた潰瘍が未だ塞がらず、悩んでいる

リベド血管症と診断をうけてから13年。

潰瘍の対処は慣れているがここまで長引いているのは初めて。

 

  • 潰瘍が塞がらない理由

心当たりがない、どうすれば塞がるのか困っている。

 

  • 皮膚科の対応

ステロイド剤の軟膏と錠剤で対応して、常に外傷、熱傷、手術の傷、床ずれなどの皮膚潰瘍などに用いられるゲーベンクリームで保湿をしている。

毎回同じ対処法で良くなっていたが今回はダメとのこと。

 

  • 銀座そうぜん鍼灸院の来院経緯

担当医師の紹介で来院

潰瘍部分の皮膚再生を促進させる

  • 銀座そうぜん鍼灸院の対応・施術

 

ヒアリングをして症状をみたをしたところ、皮膚の再生が進んでいないだけと判断しました。

 

リベド血管症の潰瘍の発生原因はいまだ原因不明です。

 

 

当院では、以下の情報を参考にしてリベド血管症の鍼灸に活かしております。

 

  • 多発性血管炎の研究レポート
  • 秋田大学大学院医学系研究科による好酸球細胞外トラップ
  • 自律神経免疫学【福田安保理論
  • 自己免疫に関する病気
  • 慢性閉塞性静脈炎
  • コケット静脈群アプローチ

 

 

リベド血管症を対応するキッカケ

 

リベド血管症は網状の皮斑(リベド)がみられる原因不明の皮膚症状です。

 

 

現在は64名のリベド血管症の利用者様に対応してきました。

 

キッカケはリピーターの利用者様からのSOSでした。

 

「足の痛みで3日間寝れないので助けほしい」

 

 

名前も知らない症状だったので、東洋医学の観点から【熱証】を判断し、最初の鍼灸は、お腹と足に氷と鍼灸で対応していました。

 

 

現在では、リベド血管症の特徴もわかってきましたので、こちらの解説ページでご紹介しております。

 

 

情報は随時更新していきますので、ぜひご覧下さい。

 

4回目の鍼灸で肉芽組織の再生が始まる

週2回の鍼灸を1ヶ月続けるよう提案しました。

 

4回の鍼灸後、2週間目から潰瘍まわりの皮膚が盛り上がってきている事が確認できます。

 

これは肉芽組織の形成が進んでいる事を示しています。

 

これから壊死した皮膚で覆われます。

 

その後、病院でデブリードマンしていただきます。

デブリードマンとはなにか?

デブリードマンとは、新しい皮膚の再生を促がすために行う壊死した皮膚の切除する外科的処置です。

 

上記の画像のように、一見、潰瘍がふさがっているように見えますが、ちゃんとした皮膚組織ではないため、組織を切除する必要があります。

 

デブリードマン後は、速いスピードで回復しますので、あともう少しです。

 

デブリードマンは皮膚科で行います。

リベド血管症の施術ポイント

施術ポイントは、自律神経への刺激とコケット静脈群アプローチです。

 

 

自律神経の調整

(交感神経優位が好酸球のエトーシスを起こしていると想定。)

 

 

コケット静脈群アプローチ

(リベド血管症は静脈の問題のため、静脈の循環を促がす。)

鍼灸開始1か月後には、傷はふさがりました。

 

1ヶ月週2回、鍼灸の回数は8回で傷はふさがり、大変喜んで頂きました。

 

 

リベド血管症の解説ページでも記載しているとおり、潰瘍は発生期と回復期に分けられます。

 

 

一度、潰瘍が出来始めると最後の潰瘍ができるまで止まりません。

 

 

そのため、鍼灸を行うタイミングは2つの時期をお勧めしております。

 

  • 潰瘍が回復する時期(回復速度が速くなる)
  • 潰瘍が出ていないとき(潰瘍が出来づらくなる)
改善例

例1: マリアさん 40歳の女性

手足の冷感と薄紫色の皮膚変色に悩んでいました。彼女の医師はリベド血管症であると判断を下し、寒冷環境を避けること、ストレスを管理することを勧めました。特に冷たい気候や冷たい飲食物を避けるよう助言され、また、瞑想や適度な運動を通じてストレスを減らす方法を学びました。これらの生活習慣の改善だけで、マリアさんの症状は大幅に軽減されました。このケースは、"Dermatology Online Journal"(2018年)にて詳細に報告されています。

 

例2: ロバートさん 50歳の男性

長年にわたり手と足の皮膚に痛みと色調変化を経験していました。彼の症状は生活を大いに阻害し、初めて医師に相談し、リベド血管症と判断され、彼の医師は薬を提案しました。血管を広げるカルシウムチャネル拮抗薬と血液を薄くする抗血小板薬が処方されました。数週間後、ロバートさんの症状は大幅に改善されました。彼のケースは、"Journal of the European Academy of Dermatology and Venereology"(2019年)で報告されています。

 

例3: ジェニファーさん 30歳の女性

リベド血管症により手の指が壊死を起こし始めていました。彼女の医師は、ジェニファーさんにステロイドと免疫抑制薬を処方しましたが、これにより彼女の症状は安定しました。しかし、すでに壊死が進行していたため、壊死した組織の除去手術が必要となりました。手術後、ジェニファーさんは物理的な改善方法で手の機能を回復し、現在では日常生活に支障をきたすことなく生活しています。彼女の改善の過程は"American Journal of Medicine"(2021年)に詳細に報告されています。

 

以上の例は、リベド血管症の改善がどのように進行し、どのような結果をもたらすかを示す具体的なケースです。これらの例からわかるように、リベド血管症の改善方法は、症状の重さ、生活環境、健康状態などによって異なります。改善を行う上で、一部は生活習慣の改善に関係していますが、より深刻な症状には薬や手術が必要となることもあります。

 

リベド血管症の改善は、生活品質を改善し、健康状態を維持するための全体的な戦略であると言えます。そのためには、具体的な症状、生活環境、生活習慣、健康状態を理解し、これに基づいて最適な改善の計画を立て、実施することが重要です。専門家とも協力し、適切な計画を立て、定期的に状態をモニタリングすることで、リベド血管症の管理はより良い結果をもたらすことができます。

リベド血管症のツボのご紹介

リベド血管症に使用するツボをご紹介します。人によって使うツボは違いますが、基本はこちらになります。

 

  • 百会
  • 三陰交
  • 足三里
  • 筋宿

・三陰交

百会

・足三里

三陰交

三陰交は、内臓を整えてくれるツボです。 内臓を整えることは、肌の血色をよくすることにつながるため、内面から輝く肌へ導く効果が期待できます。

 

また、ニキビなどの内臓不調からくる肌トラブルの改善にも効果的であると言われており、皮膚の病気であるリベド血管症にも効果が期待できるのです。

百会

百会の効果は、頭痛、めまい、耳鳴り、難聴、鼻炎、精神不安定などです。他にも、頭に関係のある全身の症状として、気の上逆によって起こる不眠や高血圧に対してツボを使うこともあります。

 

さらに、胃腸の症状や、痔核など肛門の症状に対しても効果があると言われています。

足三里

足三里は胃腸系や消化器系の症状に対して効果を発揮するツボです。

 

消化、吸収、排泄の全ての調節ができると言われている万能なツボで、腹痛が起こった時や便秘の時に使ったり、お腹が弱い体質の人が使ったりすることがおすすめです。

 

他にも、肌のうるおいの元になる陰液の分泌を促す効果もあると言われています。

ツボの場所と押し方
三陰交

三陰交は、足の内側にあるツボで、くるぶしの一番膨らんだ部分から指4本分上に上がった場所にあります。骨の際を探しましょう。

 

足の冷えなどの悩みがある場合は、お灸などをすることもおすすめです。三陰交は、古くから安産と逆子治しのツボとも言われていて、妊婦には妊娠5ヶ月目以降くらいからお灸をすることも勧められています。

百会

百会は、頭にあるツボで、主に頭頂部の近いところで頭の真ん中にあります。耳の一番高いところから頭頂部に向けての場所でくぼんでいるところを探しましょう。

 

 

圧痛がある場合は、無理をして刺激をしないようにすることが大事です。圧痛が強い場合はストレスが溜まっていたり、症状が現れている場合があります。

 

痛くならない範囲で無理なく刺激することが大事です。

足三里

足三里は、膝の少し下、向う脛のちょっと外側にあります。膝のお皿の下3寸、脛骨の外の筋肉の上にあるツボなのです。

 

自分の膝のお皿の一番下を探し、そのお皿の一番下に、人さし指から小指を4本並べた位置で、スネの外側の筋肉の上を探すとわかりやすいです。

 

指で押すことはもちろんですが、お灸をしたりクリームなどを使って足三里のある付近をマッサージしたりすることもおすすめです。

まとめ:鍼灸で潰瘍の再発は防げる

リベド血管症は未だに原因不明の病気です。当院はリベド血管症の好酸球細胞外トラップと静脈の迂回路に着目しました。鍼灸は潰瘍の回復速度と再発防止に効果があります。しかし、リベド血管症が無くなるまでは至っていないのが現状です。

現在、一番有効なリベド血管症の対応策はステロイド薬の塗布と服用です。

 

血液凝固阻害剤、血管拡張剤、痛み止めを処方されている方がほとんどですが、あまり良い結果をのこしてはいません。

未知の部分が多くあるリベド血管症ですが、潰瘍の再発防止の効果は確認できるようになってきています。本質的な解決策ではありませんが、リベド血管症の解決に向けて対応しております。

営業案内

営業時間

11時から21時

営業日
 

11時~21時迄

×
休業日

月曜、年末年始

お問合せ
03-5843-6393