公開日:2021年 3月23日
更新日:2023年 11月15日
本日は耳硬化症について解説させていただきます。
☆本記事の内容
銀座そうぜん鍼灸院の宗前です。
このページを書いている私は、鍼灸師として13年、担当した利用者様数80,000人を誇り、病気の休職者300人を社会復帰できるまで回復させてきた実績があります。
耳硬化症は、中耳から内耳に音を伝えるアブミ骨という耳小骨が硬くなってしまい、正常に動かなくなる病気です。
耳硬化症の主な症状は難聴と耳鳴りです。一般的には、思春期を過ぎると伝音難聴音という音を伝えることが難しくなる難聴が両方の耳で少しずつ進んでいきます。40歳になることにははっきりとした自覚症状が現れます。
どのくらい難聴が起きるかということに関しては、個人差が大きいです。左と右の耳で難聴が進む速度が違うということもあります。
男性と比べて女性は2倍以上の確立で耳硬化症が起こると言われています。女性の耳硬化症の場合は、妊娠や出産がきっかけで難聴が進むこともあります。
日本人は白人と比べると耳硬化症を起こす確立が低いと言われています。しかし、日本人に珍しい病気というわけではありません。日本人の場合は、両側の耳ではなく片側の耳だけが難聴になるケースも多いです。
耳硬化症の明確な原因はまだ分かっていません。耳硬化症の原因として考えられているものには、自己免疫の不全や遺伝的要因などもあります。
耳硬化症は、内耳とアブミ骨の間で起こる骨の病気です。そのため、骨の異常形成が耳硬化症であると言われています。
耳硬化症は、中耳の小骨に影響を及ぼす病気で、この小骨の異常な骨成長が聴力喪失を引き起こします。耳硬化症の正確な原因は未だ完全には解明されていませんが、以下の要因が関与していると考えられています。
遺伝的要因:耳硬化症は遺伝的な要素を持つことが多く、家族歴がある場合、発症リスクが高まります。
ホルモンの影響:特に女性ホルモンが耳硬化症の発症や進行に影響を与える可能性が指摘されています。妊娠中や閉経期に症状が悪化することがあります。
免疫系の異常:体の免疫システムの異常が耳の骨の成長に影響を及ぼすことがあります。
炎症や感染:中耳の炎症や感染が過去にあった場合、それが耳硬化症の発症を促す可能性があります。
環境因子:特定の環境因子が耳硬化症の発症に関連している可能性があるものの、これはまだ明確には確立されていません。
耳硬化症は、通常、成人に発症し、特に20歳から40歳の間に症状が現れることが多いです。
耳硬化症の症状は、音の振動が伝わらない状態になることです。これは、鼓膜の振動を内耳に伝える耳小骨の1つであるアブミ骨が固まってしまうことによって起こります。
難聴は、一般的には20代くらいから少しずつ進んでいきます。女性の場合は、出産や妊娠の前後で難聴が特に進むこともあります。
日本人の場合は片耳に難聴を起こすことが多いと言われていますが、両耳共に難聴になることもあります。
耳硬化症は知名度が低いため、耳鼻科にいって調べても耳硬化症と判断されないケースも見られます。
難聴が進むスピードは、平均で1年に2~3dB程度です。中等度難聴と言われている60dB程度まで悪化していきます。
しかし、難聴の程度には大きな個人差があります。両方の耳に難聴が起こった場合、左右の耳でも難聴が進むスピードには違いが見られることが多いです。
耳硬化症は中耳に影響を及ぼす病気で、以下のような主な症状が特徴的です。
進行性の伝音性難聴:耳硬化症の最も一般的な症状は、伝音性難聴です。これは中耳の小骨が正常に振動しなくなることにより、音が内耳へ効率的に伝わらなくなるため発生します。難聴は通常、徐々に進行します。
耳鳴り(ティニタス):耳鳴りは耳硬化症に伴う一般的な症状で、耳の中で鳴り響く音やブザー音などを感じることがあります。
めまい:めまいは耳硬化症の人に時折見られる症状で、平衡感覚に影響を及ぼすことがあります。
バランスの問題:稀に、耳硬化症はバランス感覚に影響を与え、不安定感や立ちくらみを引き起こすことがあります。
話し声が大きくなる:自分の声が耳に響くため、話し声が無意識に大きくなることがあります。
耳の圧迫感:耳に圧迫感や詰まった感じを感じることがあります。
これらの症状は、耳硬化症の進行に伴って徐々に悪化することがあります。早期発見と改善が重要であり、これらの症状がある場合は耳鼻咽喉科の専門医に相談することが推奨されます。
耳硬化症の多くは、手術で改善します。
耳硬化症では、アブミ骨が正常に動かなくなることで伝音難聴が起きる病気です。そのため手術は、アブミ骨手術が行われます。アブミ骨手術は、動きの悪くなったアブミ骨と新しく代用となる人工のアブミ骨を取り替える手術です。
アブミ骨手術の成功率は約80~90%と言われています。成功率も高いため、手術での改善が行われることが多いです。
補聴器を使うことも難聴に対して大きな効果を発揮します。
どのくらいの程度の難聴かということや年齢や全身の状態などを考えて、手術をするか補聴器を使うか、医師とよく相談して選ぶことが大事です。
耳硬化症の改善法は、症状の程度と総合的な健康状態に基づいて選択されます。一般的な改善方法には以下のものがあります。
待機:軽度の症状の場合、定期的に状態をモニタリングしながら、症状の進行を待つことがあります。
補聴器:聴力喪失が中程度から重度の場合、補聴器が有効です。補聴器は聴力を補助し、日常生活でのコミュニケーションを改善します。
手術(ステープデクトミーまたはステープドトミー):この手術は、異常に成長した骨を取り除き、代わりに人工の小骨を挿入することで聴力を改善します。ステープデクトミーは耳硬化症の改善において最も一般的な手術です。
薬:フルオロコルチコステロイド(例:プレドニゾン)やビスホスホネート(骨密度を改善する薬)などの薬物が、症状の緩和に使用されることがあります。
リハビリテーション:聴覚リハビリテーションを通じて、補聴器の使用方法やコミュニケーション戦略を学びます。
耳硬化症の選択は、ライフスタイル、聴力のレベル、症状の進行速度に基づいて行われます。手術は、一般的に聴力の改善が期待できる場合に選択されますが、手術の適用性やリスクは個々の症例によって異なります。
耳硬化症の改善に用いられる主要な薬物には以下のものがありますが、これらは症状の緩和や病状の進行を遅らせることを目的としています。改善に使用される具体的な薬物は、状態や症状の重さに応じて選択されます。
・ビスホスホネート(例:アレンドロネート、リセドロネート)
効果: ビスホスホネートは骨の代謝を調節し、骨密度を高める効果があります。耳硬化症では、異常な骨の成長を減少させることを目的として使用されることがあります。
使用方法: 経口で服用され、長期にわたる治療が必要になることが多いです。
・フルオロコルチコステロイド(例:プレドニゾン)
効果: コルチコステロイドは炎症を抑制し、耳の中の腫れや不快感を軽減するのに役立ちます。また、耳硬化症の症状の一時的な緩和にも使用されることがあります。
使用方法: 経口で服用され、短期間の治療で用いられることが一般的です。
これらの薬剤は、耳硬化症の原因ではなく症状を対象とした改善方法として用いられます。薬での改善は、聴力損失や耳鳴りなどの症状を緩和する補助的な手段として考えられ、病気の根本的な改善方法ではないことに注意が必要です。
耳硬化症の改善においては、薬と併せて、補聴器の使用や手術などの他の方法も検討されます。症状や全体的な健康状態に基づいて、耳鼻咽喉科の専門医が改善の計画を決定します。重要なのは、自己判断で薬を使用せず、医師の指示に従うことです。
思春期より後に進む伝音難聴がある場合には、耳硬化症の可能性が非常に強いです。
耳硬化症では、鼓膜には異常が見られません。鼓膜に異常が見られないことと耳硬化症の知名度が低いことで、内耳障害による感音難聴と判断されることもあります。
感音難聴と違い、伝音難聴は手術で改善することができます。おかしいと思った時には、病院で相談することが大事です。
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