遺伝性自己炎症疾患の鍼灸【原因・定義・症状】

公開日:2021年 10月 1日

更新日:2021年 10月 6日

本日は遺伝性自己炎症疾患について解説させていただきます。

☆本記事の内容

  • 遺伝性自己炎症疾患とは
  • 遺伝性自己炎症疾患の原因
  • 遺伝性自己炎症疾患の症状
  • 遺伝性自己炎症疾患の改善方法
  • 遺伝性自己炎症疾患のまとめ
足のしびれ、痛み

銀座そうぜん鍼灸院の宗前です。

このページを書いている私は、鍼灸師として13年、担当した利用者様数80,000人を誇り、病気の休職者300人を社会復帰できるまで回復させてきた実績があります。

 

遺伝性自己炎症疾患は、遺伝子の異常が原因で炎症が起こる病気

遺伝性自己炎症疾患は、遺伝子の異常が原因で炎症が起こる病気です。

 

今のところ遺伝性自己炎症疾患と呼ばれている疾患は4つで、NLRC4異常症、アデノシンデアミナーゼ-2欠損症、エカルディ・グティエール症候群、AGS、A20ハプロ不全症です。

 

最近では、新しい自己炎症性疾患もいくつか見つかっています。そのため、現在は対象となる疾患は4つですが、今後遺伝性自己炎症の対象になる疾患が増える可能性も十分にあります。

 

遺伝性自己炎症疾患は非常に珍しい疾患で、現在日本では、NLRC4異常症とADA2欠損症は十数例ほどで、エカルディ・グティエール症候群とA20ハプロ不全症は数十例ほどだと言われています。

遺伝性自己炎症疾患の原因は遺伝子の変異

遺伝性自己炎症疾患の原因は遺伝子の変異です。遺伝性疾患のため一般的には遺伝性自己炎症疾患を発症している人の血縁者は遺伝性自己炎症疾患を発症する可能性が高いです。

 

しかし、血縁者に遺伝性自己炎症性疾患の人がいない場合でも遺伝性自己炎症疾患を発症する人もいます。

 

NLRC4異常症の場合、NLRC4遺伝子に変異が起こることで発症し、ADA2欠損症の場合はCECR1遺伝子に変異が起こることで発症します。A20ハプロ不全症の場合はTNFAIP3遺伝子に変異が起こることで発症します。

 

エカルディ・グティエール症候群の場合7つの遺伝子が関係しており、TREX1、RNASEH2A、RNASEH2B、RNASEH2C、SAMHD1、ADAR、IFIH1の遺伝子に変異が起こることで発症すると言われています。

 

遺伝性自己炎症疾患は、人種によっての偏りはないとされており全世界で認められています。

皮膚、関節や内臓など体の様々な部分に炎症が起こる

遺伝性自己炎症疾患では、発熱が起こったり皮膚や関節や内臓に炎症が起こったりというように体の様々な部分に炎症が起こります。そのため非常に様々な症状が現れます。

 

NLRC4異常症の場合、長い期間周期熱が続いたり、寒冷刺激を受けると蕁麻疹が起こったり血球が減ったりします。関節痛や腸炎、脾臓の腫大などの症状も現れます。

 

ADA2欠損症の場合、発熱を繰り返したり、紅斑や蔓状の皮斑が現れたり、麻痺や痺れなどの神経症状が現れたりします。眼や胃腸、筋肉や関節などにも痛みなどの症状が現れます。他にも、高血圧や腎障害や貧血、血小板や白血球の減少なども現れます。

 

エカルディ・グティエール症候群の場合、発熱を繰り返したり進行性の脳症の症状が現れたりします。中心となる脳症の症状はてんかんや発達退行です。

 

A20ハプロ不全症の場合は、発熱を繰り返したり発熱が長い期間続いたりします。口腔や皮疹、関節への炎症の他にも、外陰部や消化管、目にも炎症が起こることも多いです。

 

遺伝性自己炎症疾患で現れる症状は非常に様々で、場合によっては合併症を起こすこともあります。

遺伝性自己炎症疾患の改善方法はいまだに確立されていない

遺伝性自己炎症疾患の改善方法はいまだに確立されていません。

 

現在効果を発揮すると考えられている改善方法は、NLRC4異常症の場合抗IL-1製剤を使うことで、ADA2欠損症の場合抗TNFを使うことです。手術で骨髄移植を行うことも効果的であるという報告もあります。

 

しかし、A20ハプロ不全症の場合副腎皮質ステロイドやコルヒチン、抗TNF-α製剤などを使った改善方法が行われていますが特に効果を発揮したという報告は今のところありません。

 

さらに、エカルディ・グティエール症候群の場合は特に効果を発揮する改善方法がわかっていないことが現状です。

 

他の自己免疫疾患を合わせて起こしてしまった場合は、合わせて起こしてしまった疾患に合わせて改善を行なっていくことも必要になります。

遺伝性自己炎症疾患で注意すること

遺伝性自己炎症疾患では、寒冷刺激によって炎症が起こることも多いです。夏にエアコンなどによって温度が急に下がることのないように気をつけることが必要です。

 

ADA2欠損症の場合、脳梗塞などの臓器梗塞の発症につながりやすいです。脳梗塞の可能性が考えられる症状が現れたときはできるだけ早く病院に行くことをお勧めします。

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