ネフロン癆の鍼灸【原因・定義・症状】

公開日:2021年   9月23日

更新日:2025年  10月30日

本日はネフロン癆について解説させていただきます。

☆本記事の内容

  • ネフロン癆とは
  • ネフロン癆の原因
  • ネフロン癆の症状
  • ネフロン癆の改善方法
  • ネフロン癆の予防
足のしびれ、痛み

銀座そうぜん鍼灸院の宗前です。

このページを書いている私は、鍼灸師として13年、担当した利用者様数80,000人を誇り、病気の休職者300人を社会復帰できるまで回復させてきた実績があります。

 

ネフロン癆は、腎臓に球状の袋ができる腎疾患

ネフロン癆は、腎臓に球状の袋ができる腎疾患です。ネフロン癆は進行する病気で、小児期から腎不全の改善を行うことが必要である人が多いです。

 

原因は、腎臓の尿細管細胞に存在する一次繊毛の構造的な異常や機能的な異常であるといわれています。

 

一次繊毛に構造的な異常が起こったり機能的な異常が起こったりすることによって、腎臓の構造に障害が起こったり機能障害が起こったりします。

ネフロン癆の原因は、遺伝子の異常

ネフロン癆の原因は、遺伝子の異常です。一次繊毛の構造と機能に関係する遺伝子の異常が原因で発症すると言われています。

 

しかし、遺伝子に異常がみられないにもかかわらずネフロン癆を発症することもあります。

 

ネフロン癆の遺伝形式は、常染色体劣性遺伝です。しかし、場合によっては家族に遺伝が起こらないこともあります。

主な原因

ネフロン癆は、尿細管、間質に障害が起き、腎機能が徐々に低下していく病気です。 

 

遺伝形式は ほとんどが常染色体劣性遺伝で、両親が保因者である場合に発症することが多いです。 

 

原因遺伝子として、少なくとも20以上の遺伝子(例:NPHP1, NPHP3, NPHP4, GLIS2 など)が報告されており、どれも腎臓の細胞の 一次繊毛やセル内輸送、細胞の極性に関与するタンパク質をコードしています。 

 

つまり、ネフロン癆では “繊毛機能の異常” を背景とする「嚢胞性腎疾患群」 に含まれると考えられています。 

ネフロン癆の症状は、多飲や多尿、昼間の尿失禁や夜尿、成長障害など

ネフロン癆の症状は、多飲や多尿、昼間の尿失禁や夜尿、成長障害などです。これらの症状は、塩分や水分の再吸収を行う尿細管に障害があることで尿の量が増え、塩分や水分がなくなる量が多くなることで起こります。

 

しかし、このような症状が必ず現れるわけではありません。また、症状が現れていても自分で気が付かないことも多いです。

 

腎機能障害が進むと、腎不全の症状として高血圧や貧血、心不全が現れます。そのため、顔色が悪くなったり息切れや呼吸困難が起こったりすることもあります。

主な症状

ネフロン癆では、初期から尿を濃縮できないことが最大の特徴です。そのため、他の腎臓病と異なり浮腫が少なく、尿量が多いのが特徴です。初期には多尿、口渇、夜尿、頻尿、軽度の貧血、倦怠感や疲れやすさが現れます。

 

進行期には貧血の悪化、食欲不振、嘔吐、体重減少、皮膚のかゆみ、成長障害、顔色が悪い、発達の遅れが現れます。

 

終末期には尿毒症症状、吐き気や嘔吐、頭痛や眠気、皮膚の痒みや黄ばみ、浮腫、血圧上昇や無尿が現れます。

改善の目的は、末期腎不全が起こるまでの時期を遅らせること

ネフロン癆の根本的な改善方法は今のところありません。改善の目的は、末期腎不全が起こるまでの時期を遅らせることです。

 

高血圧や貧血などの症状を合わせて起こしている場合は、薬や食事によって改善を行います。腎不全によって低身長が現れている場合は、成長ホルモンでの改善を行うこともあります。

高血圧を合併している場合、腎保護のためにしっかり血圧をコントロールすることが必要です。また、多尿や口渇、尿の濃縮障害があるため、脱水や塩分の喪失などを防いだり、腎機能低下による貧血や、小児では成長遅延が見られるため貧血や成長障害への対処も必要です。

 

腎機能低下に合わせて、たんぱく質、リン、カリウムの制限、脱水回避なども行います。

ネフロン癆と塩分

ネフロン癆では、腎臓から塩分や水分がなくなることで症状が現れます。そのため、積極的に塩分を取ることが非常に重要です。

 

しかし、腎不全が進むと高血圧や尿の量が減ることもあります。その場合は、塩分を制限することが重要になります。

 

ネフロン癆では、腎臓以外に病気を発症していることもあります。頻度としては、神経や目の病気が1番多いです。ネフロン癆は発見も判断も難しい病気のため、神経や目の病気がきっかけで発見されることも多いです。

適切な塩分摂取の目安

・小児、若年期の場合

水分とともに 塩分をしっかり補給しましょう。過度な減塩は避けることが必要です。発熱、下痢、大量発汗時には経口補水液でナトリウム補給を行います。

 

・成人の場合

腎機能がまだ保たれている間は、1日6〜8g程度の塩分摂取が適量です。高血圧が出てきたら塩分を控えめにしましょう。ただ、完全制限は避けます。

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