公開日:2022年 8月 1日
更新日:2022年 8月 2日
本日は高IgD症候群について解説させていただきます。
☆本記事の内容
銀座そうぜん鍼灸院の宗前です。
このページを書いている私は、鍼灸師として13年、担当した利用者様数80,000人を誇り、病気の休職者300人を社会復帰できるまで回復させてきた実績があります。
高IgD症候群の原因は、メバロン酸キナーゼの働きが下がっていることです。 遺伝形式は、常染色体劣性遺伝です。
メバロン酸キナーゼは、MVKと呼ばれる遺伝子の情報から作られているコレステロールを代謝するときに重要な酵素です。
コレステロールは、糖質、タンパク質、脂質をもとにして合成されています。糖質とタンパク質、脂質はそれぞれの処理を受けた後にアセチル-CoAという物質に変わり、コレステロールの合成に使われています。
コレステロールの合成はいくつもの酵素反応が関係している経路で、その過程でメバロン酸から5-ホスホメバロン酸に変換されます。メバロン酸キナーゼは、この反応に関係している酵素です。
メバロン酸キナーゼなどの酵素が合わさって働き合成されたコレステロールは、その後ステロイドや胆汁酸などに変わります。メバロン酸キナーゼを作るために大事な働きをしているMVK遺伝子に異常が起きると、メバロン酸がたまっていきます。
どのくらいメバロン酸キナーゼの機能が下がっているのかは人によって違います。機能がどのくらい下がっているのかによって、症状がどのくらい重くなるのかにも差が現れます。
高IgD症候群の症状は、周期的な発熱発作を繰り返すことです。周期的な発熱発作は、乳児期の頃から始まります。一度発熱すると、大体5日間発熱が続き、一度解熱しても一定の期間が経過するとまた同じように発熱するのです。
発熱発作が引き起こされるとき、ワクチンや感染症、心理的なストレスなどがきっかけになることもあります。
発熱発作には、合わせて倦怠感や悪寒、腹痛、リンパ節の腫れ、発疹、関節の腫れや痛みなども現れることがあります。他にも、頭痛や嘔吐、下痢、口内炎などが見られるケースもあります。
高IgD症候群は慢性的に繰り返し炎症が起きる病気のため、珍しいケースでは、アミロイドーシスや腹腔の中の癒着が現れることもあります。
高IgD症候群の改善方法は、解熱鎮痛剤やステロイドを使うことです。解熱鎮痛剤やステロイドを使って繰り返し起こる発熱を改善するのです。
高IgD症候群の原因になっているMVK遺伝子はコレステロールの代謝に大きく関わっているため、高脂血症を改善するために使われるスタチンという内服薬を使うこともあります。
他にも、抗IL-1製剤や抗TNF-α製剤などの生物学的製剤が使われることもあります。
高IgD症候群の予後は、どのくらい酵素の働きが欠損しているのかによって違います。多くの場合は、年齢を重ねると共に発作が減っていきます。
年齢を重ね、発作が減っていき、自然と完全寛解したというケースもあります。しかし、生活を送る上で障害となることは多く、就学や就職が難しいということも多く見られます。