公開日:2021年 2月23日
更新日:2022年 2月10日
本日は肥満について解説させていただきます。
☆本記事の内容
銀座そうぜん鍼灸院の宗前です。
このページを書いている私は、鍼灸師として13年、担当した利用者様数80,000人を誇り、病気の休職者300人を社会復帰できるまで回復させてきた実績があります。
肥満は、体重が多いということだけではなく体脂肪が過剰にたまってしまった状態のことです。
肥満は、糖尿病や脂質異常症や高血圧症、心血管疾患などの生活習慣病などのいろいろな疾患を引き起こしてしまいます。そのため、肥満の予防や対策は健康に生活していく上で非常に重要です。
肥満は状態のことで、病気ではありません。BMIが25以上になってもすぐに改善しなくてはいけないということではありません。肥満の中でも、医学的に減量の必要な状態のことは肥満症と定義されています。
肥満度の判定には、国際的な標準指標であるBMIが使われます。BMIを求める式は、 BMI=[体重(kg)]÷[身長(m)2]です。
男女とも両方、標準とされているBMIは22.0です。 BMIが22に近いほど標準体型になのです。脂肪組織に脂肪が過剰に蓄積した状態で、BMIが25以上が肥満であると定義されています。
肥満の主な原因は、食べ過ぎと運動不足です。内分泌の異常などが原因である場合もありますが、割合としては少ないです。ほとんどの肥満は、生活習慣に問題があるのです。
脂肪が増えて体重が増加するには、摂取エネルギーが消費エネルギーより高くなる必要があります。食べ過ぎや運動不足の場合は摂取エネルギーの方が消費エネルギーを上回ってしまうために肥満になるのです。
特に、年齢を重ねて中高年になると、若い時よりも代謝が落ちます。代謝が落ちると消費エネルギーが減るために、摂取エネルギーが上回ることが増え体重が増えやすくなるのです。
食べ過ぎの人ばかりが肥満になるのかというと、そうではありません。食べる量よりも食べ方に問題があるといわれています。
太りやすくなる原因の1つに食事の回数が少ないことがあります。朝食を食べずに夜ご飯を多く食べるなどのように1日の中で食事の量に偏りがあると、食べた物の栄養が吸収されやすい状態になってしまいます。
そのため、肥満につながりやすくなってしまうのです。食事の回数を少なくすると、食事をとった時のの熱産生が減るということも肥満の原因であると考えられています。
早食いも太りやすくなる原因の1つです。早食いをすると、満腹感を感じにくくなってしまいます。そのため、必要以上に食べ過ぎることにつながってしまいます。
年齢も若く、肥満の程度も軽い場合、肥満による症状はほとんどありません。
初期段階の肥満の症状は、関節痛以外に自覚症状がないことが多いです。そのため、肥満が原因で症状が進んでいることに気が付かないことが多く、どんどん肥満が進んでしまい体のいろいろな不調につながることが多いです。
少し太りぎみである、階段を上がる時体が重いと感じ始めた、などの症状がある場合は注意が必要です。
肥満の程度が中等度以上になると、膝痛や腰痛などの筋骨格系の症状の問題や、息切れやいびき、寝ている間の無呼吸などの呼吸器系の症状の問題が現れてきます。
血圧が高くなったり、血糖値が高くなったりすることも多いです。
肥満を改善するためには、減量することが1番大切です。しかし、いきなり極端に食事制限をしてやせようとすると、栄養不足になってしまったり筋肉が減ってしまい骨が脆くなったりすることがあります。
さらに急激な食事制限はリバウンドを起こす可能性も高いため注意が必要です。減量する上で大切なことは、1日3食、栄養バランスの取れた食生活を送ることです。食事をする上では、適正なカロリーを摂るように心がけてください。
食事の量はお腹いっぱい食べるのではなく腹八分目に抑えることが大事です。日本人は糖質が過剰になることが多いため、主食の量を減らして糖質過剰を防ぐことも必要です。
ゆっくりとよくかんで噛んで食べることを心がけて過食を防ぐなどの工夫をして、徐々に減量していくことが重要です。
有酸素運動をすることも肥満の解消には効果があります。有酸素運動は脂肪を燃やしてくれます。運動で消費するカロリーは少ないといわれていますが、運動をすることで筋肉が増えると、代謝がよく太りにくい体を作ることができます。
運動をして血管が広がると、高血圧や高血糖、中性脂肪やコレステロール値がさがるという効果もあります。
肥満を改善するためには、運動を習慣化することが大事です。1日約20分のウォーキングやジョギングなど、長く続けることができるものを見つけましょう。ラジオ体操なども良い習慣です。
さらに、一駅分歩いたり、毎日の掃除の回数を増やしたり、少し遠くのスーパーに歩いて行ったり、など日常生活を送っていく中で体を動かす機会を意識的に増やすことも大切です。
肥満を予防するためには、睡眠も非常に大切です。海外の研究では、7~8時間睡眠の人の肥満度が最も低く、5時間睡眠の人の場合の肥満率は50%高くなり、4時間以下の睡眠の人の場合は73%も高くなるという結果が出ています。
日本人のデータを分析した研究でも睡眠時間が5時間以上の人に比べて、5時間未満の人は肥満になりやすいということがわかっています。
睡眠時間が短いと、食欲を抑えてくれるレプチンと食欲を増進させるグレリンというホルモンのバランスが崩れてしまうことにより肥満につながってしまいます。睡眠時間が短いとレプチンが減りグレリンが増えます。
睡眠時間が短い人は、食欲が増して太りやすくなるのです。グレリンが増えると、高脂肪のものや高カロリーのものを欲するようにもなります。そのため夜中にラーメンなどのカロリーの高いものを食べてしまうことがあるのです。
良い睡眠を摂るために食生活のうちで気をつけることは、夕食を寝る3時間前に済ますこと、寝る前に小腹が空いたら軽いものを少しだけ食べるようにすること、朝食を食べることです。
仕事などで夕食を寝る3時間前までに食べることが難しい場合は、夕食を2回に分けると良いでしょう。夕方におにぎりやサンドイッチなど手軽に食べれるものを軽く食べておいて、帰宅してからお腹が空いていたら夕食を食べると空腹の時間を平須ことができるため、食べ過ぎを防ぐことができます。
睡眠時間と睡眠の質は肥満と深い関係があります。運動や食事と合わせて良い睡眠をとることを意識して生活することで、より肥満の予防や解消につながるでしょう。
・飢点
・滑肉門
・内庭
・曲池
・陰陵泉
・豊隆
飢点は、脳の食欲中枢を刺激し必要のない空腹感をおさえる作用があります。
お腹が空いてなくてもなにか食べたいという欲求があり、無駄に食べてしまうことも肥満の原因の1つになりますが、飢点を刺激することでお腹が空いてなくてもなにか食べたいという欲求なくなることが期待できます。
さらに、飢点を刺激することで新陳代謝を良くする効果もあるため、やせやすい体になることも期待できます。
滑肉門は、胃経という胃に関係する反応が出る経絡に属しているツボです。そのため、吐き気、嘔吐や、胃痛に効果的です。消化不良、胃下垂、十二指腸潰瘍、腎機能の低下、遺尿などにもよく使われます。
インシュリンをバランスよく分泌するという作用もあることから肥満や糖尿病にも有効です。
内庭は、胃経の熱を取り除く働きがあるツボです。そのため、目の充血や歯の痛み、胃の痛みや腹痛などに効果的です。
肥満の中でも、胃に熱がこもることによって、空腹感を感じず食欲が下がらず食べすぎることで起こる肥満の人に有効です。
飢点は、耳の穴の前にあるツボです。顔寄りにある小さな軟骨の突起のつけ根の中央にあります。
押すときは、人差し指や綿棒を使って押します。左右同時に10回ほど押すと良いでしょう。
滑肉門は、臍から親指幅1本分上から指3本分の位置の左右両側にあります。
押すときは、5秒間押します。3回繰り返し押すと良いでしょう。滑肉門を押すタイミングは食後が良いです。
内庭は、足の第二第三指の間にあるツボで、水かきの赤い皮膚と白いひふの境目にあります。
押すときは、親指と人差し指でツボをつまみ、ほぐすように押します。つまようじの尖っていない方で少し強め押す方法もおすすめです。痛い場合は、爪楊枝を何本かまとめて束にして押すと痛みが軽くなります。